おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

十三代目市川團郎白猿襲名披露・八代目市川新之助初舞台

2022-05-31 23:48:24 | 先々の予定
 コロナ禍で延期になっていた「十三代目市川團十郎白猿襲名披露 八代目市川新之助初舞台」公演が開催されると発表がありました。今年の11月と12月の2か月連続公演です。先日、菊五郎さんがどこかの記者会見で「今年あるんじゃないの」ってポロっとおっしゃってましたね。コロナ前は3か月連続って言ってましたが、規模が少し縮小されたようです。

 「十一月大歌舞伎」
 2022年11月7日(月)~28日(月)
  昼の部 午前11時~(予定)
  夜の部 午後4時~(予定)
   【休演】14日(月)、21日(月)

 「十二月大歌舞伎」
 2022年12月5日(月)~26日(月)
  昼の部 午前11時~(予定)
  夜の部 午後4時~(予定)
   【休演】12日(月)、19日(月)

 日程が発表されただけで、演目も出演者もわかりません。11月は玉ちゃんは既に「お話と素踊り」の予定が入っているので、ご出演はありませんね。孝夫さんは12月は南座の「顔見世」がmustなので、12月のご出演はありません。孝玉コンビは拝見できなさそうです。←ここ、重要ですから。

 そして、3部制ではなくなって、昔の昼の部・夜の部になっています。食事はどうするんですかね?歌舞伎座の中だけではどう考えても食べるところはないし、30分の休憩で外で食べてくるっていうのも慌ただしいです。

 さらに、切符代ですが、びっくりするお値段になってました
  料金 一等席 23000円
     二等席 18000円
     三階A  8000円
     三階B  6000円
     一階桟敷 25000円

 それだけ大幹部の皆様がご出演してくださるんでしょうかね。古典歌舞伎でお願いしたいものです。あ、でも、義太夫は無理かなぁ…。エビサンが出演しない演目で、義太夫狂言の大顔合わせを期待しましょう。

 演目と出演者を見ないと、遠征するかどうかは決められません。そっちの発表を待ちます。
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8月からの歌舞伎座

2022-05-30 23:48:12 | その他いろいろ(歌舞伎)
 8月から歌舞伎座の座席が、花道横(5番~7番)を除いて全席販売されるようになります。他の劇場は結構前から“通常”に戻していたので、特に異論?もなく、歌舞伎座もようやくここまでたどり着いたか、ってちょっと感慨深いものがあります(←ちょっと大げさ)。ただし4階の幕見席はまだ販売されないそうです。こちらも早く戻ってほしいですね。

 3部制になって、しかも部またぎの出演が自粛されていたので(6月からOKのようです)、切符を買う時に迷いがないというか、本当に見たい部だけ、贔屓の役者さんが出演している部だけ買えばいい、みたいになってました。ただ、これって、“人気投票”みたいなところがあって、孝玉コンビご出演の部は早々に売り切れますが、それ以外だとかなり売れ残っている部もあるようで、下手すると規制退場がないくらいお客さんが少ない、っていうのもTwitterで見かけてことがあります。全席販売するようになったら、その差がますます開くような気がして、なかなか残酷な状況になりそうです。各部に人気者を配して、動員にがんばらないといけないんでしょうね。

 あとは団体客ですね。全くいないってことはなく、たまに、終演後歌舞伎座の前に観光バスが止まってて、「あ、団体のお客さんも戻ってる」って思ったことがあります。歌舞伎ファンって“個”で動く人が多いような、お客さんを何人も引っ張ってくるってことはあまりないような気がするので(←あくまで個人の感想ですが)、団体でいっぱい来てくれると少しは松竹株式会社の助けになるのかなと、そうすれば、歌舞伎もまだ頑張れるかなと、ちょっと希望が持てるような気がするので…。

 とりあえずは少し前進してよかったです。楽屋のほうも、今日の猿三郎さんのブログによれば、少し規制が緩やかになったようです。あ、玉ちゃんのお稽古のことも書いていらっしゃいました。昨日まで名古屋の御園座で、今日はいきなり舞台稽古だそうです。だって、「与話情浮名横櫛」ならお稽古無しでもOKと思ってらして、御園座の公演もお引き受けになってしまわれたのですから。玉ちゃんですから、きっと良いお舞台を見せていただけると期待しております。ワタシも無事に「お江戸へGO!」できるよう心して日々過ごしたいと思います。
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先々の予定

2022-05-28 23:43:11 | 先々の予定
 コロナの数も決して減ってるわけではありませんが、これから上演されるお芝居がいろいろと発表されていますので、一応自分の備忘録も兼ねてupしておきます。

 
 八月納涼歌舞伎@歌舞伎座
 歌舞伎座の8月の「納涼歌舞伎」で手塚治虫の漫画が歌舞伎になるそうです。タイトルは「新選組」、どういう内容の漫画かは全然知らないのですが、まあ、新選組であれば歌舞伎になるんでしょうね。昨日、このニュースを見て、一瞬「アトム?」「リボンの騎士?」って思ってしまったのですが、さすがにそれはなく…。でも「ワンピース」でも歌舞伎になったから、できないことはないんでしょうね。「納涼」のこれ以外の演目も気になります。

 と、8月はさも上京するような書きぶりなんですが、実は、7月も上京が決定しており(鷹之資さんの会が取れた!)、9月は「秀山祭」でおそらく吉右衛門さんゆかりの演目が出そうな気がして「行かなあかん」と思っており、そんなに毎月行けません。悩ましいところです。

 
 「アユタヤの堕天使」@近鉄アート館
 8月27日~28日にあります。こちらは大阪なので安心です。↑このお芝居、コロナで確か中止になったんですよね。篠井英介さんが好きなので、この3軒茶屋婦人会はmustにしています。

 
 「女の一生」@南座
 10月27日~11月8日にあります。2020年に上演されて、その再演です。新橋演舞場であって、南座も来る予定だったのがコロナで南座だけ中止になりました。演舞場の切符を持ってたのですが、行けませんでした。再演ってことは好評だったってことなんでしょうね。こちらも南座なので余裕です。

 あ、そうそう、NODAMAPの「Q」もあります。1回見てるのでどうしようかと思っています。野田さん、好きなんですけど、いまいちノリについていけてません。チケット代も諭吉さん1枚+英世さん2枚と結構します。イマドキ、演劇はこれくらいするのかもしれませんが、歌舞伎座の3Bなら英世さん3枚+ワンコインで見られるので、ついそちらと比較してしまって…。

 “お芝居がある日常”が戻るのはとても嬉しいのですが、お財布のほうはちょっと悲しいと申しております。ヴ~~~。
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「800日間銀座一周」+「銀座界隈ドキドキの日々」

2022-05-26 23:24:23 | 読んだもの
 

 森岡督行さんの「800日間銀座一周」を読みました。著者の森岡さんは銀座の森岡書店の運営者、資生堂のweb花椿に連載されていたそうです。web連載終了(2021年12月23日)からすぐに文庫になったので、書かれてある内容はほぼリアルタイム、コロナ禍の銀座も出てきます。

 内容紹介です。
あんぱんを買い、一杯の酒を飲み、一着のスーツを作る。「一冊の本を売る」コンセプトで人気の森岡書店代表が、銀座の街を現在から過去、そして未来へと旅をする。明治の大火や関東大震災に戦災、そしてコロナ。幾度の危機を経てきた街とそこに関わる人々の魅力を、味のあるイラストと伊藤昊の写真とともに描きだすエッセイ。

 いやぁ、とても面白かったです。ワタシが“銀座好き”という贔屓目を差し引いても面白い本だと思います。↑内容紹介にもあるように、銀座の過去・現在・未来がいろいろと登場して、知ってる話もあるし、初めての話もあるし、「へぇ~~~」といちいちトリビアボタンを押しながら読んでおりました。
 
 web掲載と言う性格上なのか、その“時点”に銀座で起こっていたことが取り上げられているのですが、コロナ禍で移動が制限されていた時期と重なっていて、「う~~~、それ行きたかったよ~~~。見たかったよ~~~。聞きたかったよ~~~。」が続出で、ちょっと悔しい思いもございました。

 本の中に登場するお店は、まだまだ知らない未訪のお店も多く「まだまだ“おのぼりさん”やわ。もっと頑張らなあかんわ」って意味不明な決意も新たにいたしました。

 とても楽しい本でした。歌舞伎座へいらっしゃる皆様、でございます。

 で、この本の中で和田誠さんについて1章割かれておりました。確か昨年大規模な回顧展が開催されて話題になっていました。和田さんが大学を卒業して最初に働かれたのが銀座だったそうで、「銀座界隈ドキドキの日々」というエッセイを書いていらっしゃいます。続きでそれも読みました。
 


 「銀座百点」で2年間連載されていたそうです。銀座の本なので、最初の1、2回は銀座のことも触れてあって、「○○で昼ご飯を食べた」とか「××で打ち合わせをした」とか具体的なお店が出てきましたが、だんだんとそれはなくなり、和田さん若かりし頃の交友録になっていました。和田さんのことはあまりよく存じ上げなかったのですが(どちらかというとレミさんの旦那さんという覚え方をしていた、スミマセン)、すごい多岐にわたるご活躍、イラストだけでなく、陳腐な言葉ですがマルチな才能をお持ちの方でした。和田さんの社会人生活は1960年代から始まるので、現在各分野の大御所と言われるような方が、新人で登場されます。若かりし頃の皆様、とても新鮮です。“類は友を呼ぶ”ではないけれど、才能ある方が集まってくるんですね。それも銀座だからこそ、なんでしょうか。

 こちらの本、1993年に単行本として出版され、97年に文庫になって、2019年に第5刷になってました。こちらもとても楽しい本なので、それだけ読む人が途切れないんでしょうね。↑文庫のカバーが1963年の銀座の地図(和田さんのイラスト)で、今の銀座と比べると面白いです。でございます。
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9月の春秋座

2022-05-23 23:47:04 | 先々の予定
 9月に春秋座で「市川猿之助春秋座特別舞踊公演」が開催されると正式に発表されました。若手ばかりの公演です。青虎さんの「襲名披露」っていうのもあるんでしょうね。歌舞伎座では披露されましたが、関西ではそもそも歌舞伎公演が少なく、さらに澤瀉屋さんの公演となるとほぼ見ないので、亀ちゃんが芸術監督をお勤めのこちらでご披露なさるのかしらと勝手に想像しています。

 團子ちゃんのソロでの舞踊っていうのも初めてのような気がします。歌舞伎座で亀ちゃんと「連獅子」をなさったのは見ましたが。「猿翁十種」って結構プレッシャーでしょうね。猿翁さん、浜木綿子さん、中車さん、亀ちゃんとすっごいDNAをお持ちの家系なので、きっとこなされることでしょう。「口上」も初舞台以来です。襲名の堅苦しい口上ではなく、面白い楽しい口上だったらいいなと思っております。

 春秋座では、日にち未定ですが、9月に「猿翁アーカイブにみる三代目市川猿之助の世界 第七回フォーラム」もあるようです。9月は5番のバスに乗って「春秋座へGO!」になりそうです。
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テレビで歌舞伎

2022-05-22 17:37:50 | その他いろいろ(歌舞伎)
 NHKで歌舞伎の番組がいくつかありましたので、自分の備忘録も兼ねて記事にしておきます。

 
 ウイークエンド関西
 「ウイークエンド関西」という番組で先日の「歌舞伎鑑賞教室」の模様が紹介されていました。舞台だけでなくお客さんや、吉太朗クンと千壽さんへのインタビューもあります。大阪放送局のの伊藤アナウンサーが大の歌舞伎好きなようで、横からいろいろ言いたくてウズウズされている様子はちょっと面白いです。

 
 新・にっぽんの芸能
 5月27日(金)の「新・にっぽんの芸能」に彌十郎さんがご登場です。パパ上、彌十郎さんが注目されて何か嬉しいです。歌舞伎と鎌倉について解説もあるようです。ちゃんと聞きます。
 
 20日(金)に放送されたも必見ですよ。梅玉さんがご自身ご出演の「須磨の写絵」の副音声解説をされています。往年のNHKアナウンサーのような梅玉さんなので聞きやすいことはもちろんですが、ウキウキ・ノリノリでお話されています。高橋英樹さんから「ただの面白いおじさん」と言われてました。再放送は26日(木)午後2時15分~50分、27日(金)午前5時30分~6時05分です。

 
 松本清張歿後30年「ザ・商社」再放送
 歌舞伎公演ではありませんが、十三代目仁左衛門丈と狂言の十二世千五郎さんがご出演です。安宅産業がモデルになっているドラマです。

 
 古典芸能への招待
 5月29日(日)の「古典芸能への招待」は文楽です。「義経千本桜」と「嬢景清八嶋日記」が放送されます。「義経千本桜」は勘十郎さんのワンマンショーです。ぜひぜひご覧ください。

 《オマケ》
 TBSの「世界ふしぎ発見」の6月4日の回に莟玉さんがミステリーハンターとしてご出演だそうです。民放もまるるの可愛らしさに気が付きましたかね。
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坂東玉三郎 お話と素踊り

2022-05-21 22:36:12 | 観たもの
 東大阪市文化創造館で開催された「坂東玉三郎 お話と素踊り」に行ってきました。このためにこちらの会館の友の会に入り、発売初日10時にアクセスしてgetしたチケット、手数料節約のため劇場発券にしたので、今日やっと席番がわかったのですが、なんとまぁ、1列目のほぼ中央、かぶりつきでございました。

 プログラムは玉ちゃんの「お話コーナー」、富山清琴さん清仁さん親子による地歌作物「勤行寺」、最後は玉ちゃんの素踊りの「雪」でした。1時間半の公演時間のうち、お話が1時間あり、ほぼ「玉ちゃんトークショー」のような感じでした。玉ちゃん、今月は文字通り「東奔西走」の毎日でいらっしゃいますが、そのお疲れも見せず、ノリノリ、すこぶる上機嫌なご様子でした。誠に結構でございます。
 
 幕が上がると、中央に玉ちゃんがいらっしゃって、後ろに大きなスクリーンも用意され、後ろの方でもちゃんと見えるようになっていました。椅子とテーブルが用意され、テーブルの上にはカトレア、薔薇、シャクヤクなどゴージャスなお花が置かれていました。玉ちゃんはお着物、お色は着物は薄いグレー、羽織は薄茶色に見えました。お羽織は丹後ちりめん、縞模様が入っているとおっしゃていました。玉ちゃんのお家の絹物はほとんど丹後ちりめんだそうです。「太しぼ」っていうのが良いそうです。道成寺の手ぬぐいも丹後ちりめんとお聞きしたことがあります。手ぬぐいっていえば綿だと思っていたので、それを聞いたときはちょっとビックリしました。でも、あのドレープ感は絹なんでしょうね。

 最初は大阪とのご縁についてお話されました。8歳で子役の時に難波の新歌舞伎座に1か月公演に来られたそうです。「つらい思い出」だそうです。そりゃ、8歳で親元を離れて1か月ひとりぼっちですからね。夜汽車で大阪に入られたそうですが、駅の構造?線路の関係?で、大阪駅に入る時、いったん電車がバックしたそうで、「あ、東京に帰れる!」って一瞬ぬか喜びされました。何だかいじらしいです。今だったら児童虐待とか言われそうです。その時にいっしょに来た“池田くん”という子役さんがいらっしゃって、長じて照明家になられて、玉ちゃんの公演の照明も担当されてたそうです。

 その後はしばらく大阪に来られなくて、20歳を過ぎてから新歌舞伎座にご出演されていました。孝玉コンビもあったんでしょうかね。40歳を過ぎた頃に、キョードー大阪といっしょに仕事をするようになり、フェスティバルホールで舞踊公演を何度もなさいました。それはワタシも知ってます。でも、3500人入るフェスティバルホールで、米粒みたいな玉ちゃんを見るのってどうよ、って思って行っておりません。今日はおっしゃていませんでしたが、同じころにシアタードラマシティで演劇公演もあって、宮沢りえちゃんと共演された「天守物語」は見に行きました。確か「ナスターシャ」もこの頃かと。松竹座ができる前で、なかなか歌舞伎公演がなかったように思います。

 話がそれました。フェスでの舞踊公演が成功して、その後、セゾン劇場や南座でも「舞踊公演」ができるようになったそうです。松竹座ができてからは、松竹座でも舞踊公演がかかりました。一昨年、昨年と来られていますが、なぜか玉ちゃんの公演の時に感染がひどくなってね、っておっしゃってました。街も人出が少なくて寂しいので、少しでもお正月気分をってことで、助六の打掛を紹介する「口上」をしたところ、とても好評でその後続いているそうです。

 今回の「素踊り」ですが、1990年代半ばに熱海のMOA能楽堂で踊ったのが最初とおっしゃっていました。昨年9月に「お話と素踊り」という公演を初めてなさって、評判が良くてあちこちでなさるようになりました。この東大阪で3回目だそうです。歌舞伎役者さんは鬘をつけ、お化粧をし、衣装をつけて踊るのが普通で、素踊りって珍しく、さらに女形の素踊りは本当に例がないそうです。

 ファンの皆様なら既にご存じかと思いますが、玉ちゃん、今月はめちゃくちゃ忙しくお過ごしです。なぜこんなに忙しいかと言うと、コロナで中止や延期になっていた公演、イベントのリベンジ版が3月と5月に集中したからだそうです。

 その内訳?をお話してくださいました。4月の千穐楽が終わった翌日には宮崎に飛ばれ、クラッシックコンサートでシャンソンを3曲歌われ、その後京丹後へ。和久傳の森で特別舞踊公演がありました。その次は名古屋御園座でお歌のコンサートを2日間。それから熊本へ移動され八千代座で公演、一昨日千穐楽で、昨日大阪へ移動され、今日の公演、で、明日は福島県白河で同じく「お話と素踊り」があって、一旦東京へ戻った後、再び名古屋の御園座で今度は舞踊公演があり、それが29日までだそうです。6月は2日が初日ですが、演目差し替えがあったので、お稽古が3日しか取れないと、さすがの玉ちゃんも少々焦っていらっしゃいました。「与話情浮名横櫛」であればお稽古しなくてもいいと思ってらして、御園座も29日まで受けられたそうなんですが、それがまさかまさかの演目差し替えですからね。そうそう、孝夫さんから「伸ちゃん、ごめんな、6月出られへんわ」というお電話があったこともお話でした。これ、八千代座でもおっしゃってたそうで、Twitterでこの「伸ちゃん」呼びが話題になっておりました。ってことは玉ちゃんも孝夫さんのことは「孝夫兄ちゃん」なんでしょうか。萌え~でございます。

 八千代座は今年で一区切り、責任のある大きな公演はおしまいになったそうですが、責任のない公演であればまた演りますとおっしゃっていました。ワタシ、まだ八千代座に伺ったことがないので、機会があればと思っているのですが。責任のない公演があれば馳せ参じたいと思います。

 ここからは質問コーナーになりました。進行に毎日放送の山川さんが出てこられました。ワタシはてっきりアナウンサーの方だと思ってましたが、ヤホーで検索したらクリエイトサポート局総務課の方でした。以前、玉ちゃんといっしょにお仕事をされたことがあるそうで、玉ちゃんとのつかず離れずの距離感、質問と答えの捌き方、まとめ方が非常にお上手で、とても良い質問コーナーになりました。玉ちゃんも信頼されているようで、気持ちよくお答えになっているようでした。

 最初は「なぜ、東大阪に来られたんですか?」でした。確かに、これはワタシも思いました。答えは単純「お招きいただいたから」でした。こちらのホールは2019年にオープンして、すぐにコロナ禍で大変だったようです。会場の大ホールは演劇ではなく音楽向きで、玉ちゃんは「わたくし、コンサートもやりますので」と売り込んでいらっしゃいました。ひょっとしたらあるかもしれません。それからホールのある八戸ノ里には司馬遼太郎記念館があって、「司馬遼太郎さんってどうです?」という質問が続きます。玉ちゃん、かなりお好きなようです。「街道をゆく」とかもよく読んでいらっしゃるようです。司馬遼の世界観って独特ですよね。ワタシも何冊か読んだことはあるけれど、熱狂的なファンではないので、玉ちゃんのおっしゃっていることも半分くらいわかるって感じでした。

 続いて「一般の家庭から梨園に入られて精進を重ねてこられましたが、ご苦労も多かったと思いますが玉ちゃんを突き動かしたものは何ですか」です。玉ちゃんは苦労とは思われたことがないそうです。「舞台に上がることが好き!」なので。お金を払ってきていただくので、それに見合ったものをお見せしないといけないという使命感を持って舞台に上がってるそうです。ってことは、まだ、しばらくは舞台もお続けいただけるんでしょうかね。ちょっと安心しました。

 「5月の移動距離が凄いのですが移動中はどう過ごされますか。お弁当も召し上がりますか」には、お弁当も召し上がりますって。玉ちゃんも霞を喰ってるわけではないのですね。今回の移動は、「ふるあめりか」の台詞をひたすら覚えていらっしゃるそうです。急遽差し替えですからね。

 「魅力的な人ってどんな人?子供に望むことは?」には、玉ちゃんワールド炸裂しました。よく「今月のコメント」でおっしゃってることです。イマドキの子どもは携帯やタブレットの中だけで生きている。想像力が乏しくなる。相手の表情を見ない。自分から何かを創ることができない。「お芝居を見る」「文学を読む」ということをここ30年ぐらいの間、しなくなってる。しなくなってる子どもをするように戻すのが大人の責任。司馬遼太郎も「その国の文化が衰退すれば、その国も亡ぶ」と言ってる(←これって今の大阪です)。文化ってなかなか説明できないものではあるが、自分もその一翼を担ってるつもりで舞台を勤めている。

 「娘が日本舞踊を習ってましたが、大学に入って止めました」って方には「習ってたことが大切。止めたことをストレスに感じないで」っておっしゃってました。

 「踊ること以外でお好きなことは?」には、星を見ること、海を見ること、ものを作ること。

 山川さんが「これは大阪らしい」というコメントをつけられたのですが、「主人を見ていたらイライラします。どうしたらいいですか?」には、「別居すればいい。我慢しない方がいい」とピシャリと。痛快です。

 「歌舞伎以外の職業につくとしたら、何になりたかった?」には宇宙開発をやりたかったと。

 「新しい舞台を作るとしたら、どういう舞台?演出ですか?」には演出をやりたいと。今はアメリカ的なものが多いので、そういうのではなくどの国の人が見てもきれいなものを作りたいと。

 「イヌ派ですか?ネコ派ですか?」には玉ちゃんはイヌ派だそうです。大きい犬がお好きだそうで、セントバーナードを飼いたいと思われたそうですが、家が2軒いると言われ諦められたそうです。この質問が最後になったのですが、ここで楽しいエピソードをお話くださいました。お知り合いのお家にイヌのルイ君とネコのみぃちゃんがいたそうで、ルイ君が玉ちゃんにとても懐いて、お風呂に入れたりお世話されていたそうです。みぃちゃんはそれに嫉妬したのか、玉ちゃんを見ると隠れるようになったそうです。ルイ君は玉ちゃんの言うことだけ聞いて、「おしっこ」とか「おやすみ」とかの命令をずっと玉ちゃんがなさっていたそうです。ルイ君が死んでしまったら、急にみぃちゃんが「今度は私の番」とばかりに玉ちゃんにすり寄ってきて、やっぱり「おしっこ」「おやすみ」の命令をなさっていたそうで、結局イヌ派かネコ派かわからなくなってしまったとおっしゃっていました。最後にほっこりとするお話で締めてくださいました。

 ここまで結構根を詰めてメモを取ったので、スミマセン、かんじんの後半は休んでました。まだ富山さん親子の「勤行寺」は歌詞が面白くて聞いてました。早口言葉のような歌詞で、よー噛まんと歌わはるなぁと感心しながら聞きました。

 メインになると思うのですが、玉ちゃんの素踊り、地唄舞っていうのがそもそも畳半畳の舞で、ほとんど動きがないので、それが“素”となると、ワタシにはちょっとキビシイ、カナシイです。素踊りって言われると、藤間ご宗家や亀ちゃんの舞踊公演を思い出し、それだとキレキレの火花バシバシの舞踊で見ている側も気分が上がるのですが、今回はそれでも上から雪を降らしたりして、雰囲気を出してくださって、「見なくっちゃ」と思いながら、時々意識が飛んでました。たった15分のことなのに、申し訳ないことでございます。

 傘の扱いはさすがで、傘も玉ちゃんの身体の一部に見えます。地面に立てかけた傘を回すとき、玉ちゃんの周りをきれいに円を描いておりました。傘もとてもステキで、こういう和傘を作られる職人さんもいらっしゃらないと聞くので、心配です。

 カーテンコールは1回ありました。この後、福島へ移動と聞いているので、お引止めしていいのかしらとちょっと心配になりましたが、お客さんもあっさりしたもので、1回幕が上がればそれで納得みたいな感じで、1回でお開きとなりました。

 
 東大阪市文化創造館です。新しくてピカピカでした。

 
 大ホールは3階席まであります。1500人はいるそうです。

 
 この1列目に座っておりました。
 
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六月の歌舞伎座(チラシ更新)

2022-05-19 23:27:22 | 先々の予定
 6月の歌舞伎座のチラシが更新されています。第3部の「ふるあめりかに袖はぬらさじ」ですが、新派からの客演が増えています。もともと雪之丞さんは「切られ与三」の時からご出演が決まっておりましたが、さらに緑郎さん、田口守さん、伊藤みどりさんが加わりました。

 新派って何か好きなので、田口守さんと伊藤みどりさんってとても嬉しいです。新派の役者さんって“折り目正しい”って言葉が似あうように思っています。古き良き時代の雰囲気があって、きっと今回もお二人が出られたら、そこは一気に幕末の遊郭、開国や攘夷で揺れる混沌とした横浜になるんでしょうね。玉ちゃんも心強く思われていることでしょう。

 孝夫さん休演で演目差し替えになった時、松竹は払い戻ししてくれるって出たので、第3部は2回見る予定にしていたのですが、1回は払い戻して演舞場の「熱海五郎」を見に行こうかしらと思っていたのですが、前言撤回、第3部は2回拝見することにしました。楽しみが増えました。

 新派って今年は今のところ本公演の予定がないそうで、八重子さん、久里子さんはじめ新派の役者さん皆さんお揃いの舞台がありません。そういうのもあって、玉ちゃんがキャスティングされたのでしょうか。松竹株式会社には新派の舞台も「ぜひよろしく」とお願い申し上げます。
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京都和久傳

2022-05-18 23:16:38 | 食べたもの
 京都駅の伊勢丹にある京都和久傳です。京博のランチです。

 
 ウエルカムドリンクとして水出し煎茶をふるまっていただけるのですが、ワタシはビールです。外で飲む生ビールはたまりません。

 
 鰹のたたき
 “初鰹”です。「髪結新三」を思い出しながらいただきました。器の中は鰹だけではなかったのですが、すっかり忘却の彼方です。あ、以下同文になります。左の小さい竹筒は食前酒(日本酒)です。

 
 お茄子とジュンサイのお椀です。お雑煮のようなちょっと甘めの白味噌でした。ワタシは好みです。

 
 スズキの炭火焼き
 身よりも皮のほうがパリッと香ばしくて美味しかったです。

 
 きゅうりと何かの胡麻和えだったような…。

 
 筍と穴子とうすいえんどうの煮物です。葛が引いてあってとろっとしてます。やさしいお味の煮物です。

 
 桜海老の天茶です。食事は何種類かの中から選べるようになっています。昨年、こちらで「鮎ラーメン」を食べてめちゃ美味しかったので、今年もそれがあればと思ったのですが、まだ早かったようです。

 
 自家製麩焼きと京番茶

 
 一人だと窓側のカウンター席になるようです。京都タワーが見えます。

 久しぶりにちょっと贅沢なランチでした。
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「最澄と天台宗のすべて」

2022-05-17 23:02:18 | 見たもの
 京都国立博物館で開催されている「最澄と天台宗のすべて」展です。「伝教大師1200年大遠忌記念」という角書き?がつきます。昨年10月に東博で始まり、九博へ行き、この京博で最後になります。各館で少しずつ展示されるものが違うそうです(と、BS日テレの「ぶらぶら美術館」で聞いた)。展覧会入り口で配っている「展示一覧表」にも「京都会場のみ展示」という印がついていました。

 この展覧会、音声ガイドが亀ちゃんで「借りようかな…」と迷ったのですが、ワタシの鑑賞が1点1秒なので、解説を聞く時間がないかなと思いpassしました。でも、真ん中ぐらい進んだところで「やっぱり借りたほうがよかった?」とちょっと後悔しました。

 展覧会の見どころです。
日本に天台宗を広め、仏教界に新風を吹き込んだ伝教大師・最澄(767~822)の1200年の大遠忌を記念し、日本天台宗の始まりから、その教えの広がり、天台思想が生んだ様々な文化、現代へのつながりを、全国に散らばる名宝の数々でたどります。延暦寺の最澄ゆかりの名品をはじめ、関西だけでなく、東北や北陸、中国、四国などに伝わる天台美術の粋ともいえる様々な宝物、貴重な秘仏など、国宝23件を含む130件が京都に一堂に集結します。京都からは、少し足を延ばすだけで天台宗の名跡に容易にアクセスできます。まさに町ぐるみの壮大なスケールをもつ必見の展覧会です。

 展示一覧表

 展覧会に行くのは好きなのですが、大体、いつもまともに正しく鑑賞できた試しはなく、“猫に小判、豚に真珠”のパターンなんですが、今回もまたやはりなかなかキビシイものでした。昨年の「聖徳太子」展を見てから、仏教入門とか仏像入門とかそういう類の本を何冊か読んだのですが、すっかり忘却の彼方、展示のキャプションを見て「そういえば、そんなこと読んだっけ???」みたいな何とも頼りないことでございました。
 
 あ、「聖徳太子」っていうのは何回か登場しました。どこでもいらっしゃるのね、って、連れのような口をきいてしまいますが、それだけ日本の仏教に与えた影響って大きいものだったんですね。

 何か全体に暗いんです。経典は墨色の字ばっかりだし、曼陀羅って色調が暗いし、仏像も古いものだし、見ていても「楽しい」って思えなくて、どんよりしておりました。仏教の展覧会はどうしてもそうなるんですけどね。ちょっとテンションが上がったのは「空也上人立像」というのがあって、口から仏様が出ているあの像が出展されていました。「確か、今は東博のはず」と思ってキャプションを見たら愛媛県の浄土寺所有でした。先月、上京した折に東博の「六波羅蜜寺と空也上人」展にも行きたいと思ってたので、思いがけず、空也上人像を拝めて良かったです。

 映像資料も2カ所ありました。一つ目は「勅封唐櫃開封の儀」で、この展覧会に合わせて、宮内庁の職員の方が来られて唐櫃を開封する儀式です。こういうのって見ることがないので新鮮でした。それともう一つは「千日回峰行」のビデオです。「満行」の時にニュースで見たことはあったけれど、実際どういうものかはちゃんと知らなくて、4分程度の映像にまとめてあってよくわかりました。すっごく大変っていうのは聞いておりましたが、想像以上に大変、過酷なものでした。達成した方は、御所にも土足で上がれるそうです。それくらい崇められるものなんですね。お勉強できました。

 根本中堂内陣を再現した部屋がありました。
 
 
 
 レプリカなので撮影OKでした。「不滅の法灯」なんですが、鳩が飛び込んで消してしまったことがあったようで、時の天皇がそれを心配されている「お手紙」が残っておりました。そんなこともあるんですね。

 5月22日(日)までです。ワタシは平日の雨の日に行ったのですが、ガラガラってことはなく、それなりにワサワサしてました。
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