おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

銀座マーキングポイント

2009-06-30 23:52:09 | Tokyo
 汐留の後は例によって「銀座お散歩」です。今回は、私には珍しく大雨で(私って結構“晴れ女”なので)、お散歩日和とは言いがたく、「何だかなぁ・・・」と思いながら歩いておりました。通常なら、新橋から銀座までは歩くんですが、あまりの大雨と“体力温存”を考えて(翌日会社へ行かないといけなかったので)、一駅だけメトロに乗りました。

 銀座線の銀座駅は4丁目の交差点の真下ぐらいにあるので、上がると銀座和光前です。銀座和光は日曜はお休みですが(大規模小売店とは思えない振る舞いです)、ワタクシのマーキングポイント「和光ティーサロン」は営業していたので、早速優雅なマダムのティータイムでございます。

 
 季節柄、サクランボウのケーキをいただきました。スポンジとスポンジの間に生クリームにもサクランボウが入っていて、クリームがほんのりピンク色になっていました。お上品な甘さのケーキでした。

 和光を出てもまだ雨は降っていました。東京駅に近づきたかったので、8丁目のほうへ行くのはあきらめ、1丁目のほうへ向いて歩き出しました。

 
 ミキモトの前の花壇です。いつも季節のお花が植えられています。今回は紫陽花でした。これだけお色目の揃った紫陽花っていうのも初めて見ました。銀座の中央通に面したお店はすることが違うなぁと思いながら写真だけ撮ってきました。

 
 ワタクシの銀座のもうひとつのマーキングポイント、ITO-YAです。カードやポストカードを買い漁ってまいりました。やっぱり7 days cardsの品揃えは素晴らしいです。つい、あれもこれもと買ってしまいます。そんなにお手紙も書かないんですが。

 今回は、その前の日にJ嬢と新宿の伊勢丹でしっかりとお買い物をしてしまったので、さすがに“抑止力”(私にも、一応ある)が働き、銀座・丸の内では何も買いませんでした。セール前で「今の時期に買うなんてアホらしい」と思っていたせいもありますが。
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ウィリアム・メレル・ヴォーリズ

2009-06-29 23:32:16 | Tokyo
 汐留にあるパナソニック電工汐留ミュージアムで開催されておりました「ウィリアム・メレル・ヴォーリズ 恵みの居場所をつくる」を見てまいりました。

 東京に行くと決まってから、美術館の検索もしたんですが(←「何しに行ったんや」ともう一度自分でつっこんでおきます)、この時期はちょうど“展示替え”の時期にあたるらしく、大物の展覧会は私が行く前の週で終わっているのが多く、どうしようかなぁと思っていたら、ちょうどこの「ヴォーリズ展」が引っかかり、汐留なら銀座も近いし最終日に寄るにはちょうど好都合ということでこちらにしました。

 展覧会のポスターに使われた写真は、ピンボケでわかりにくいですが、私の母校の図書館でございます。以前より、自慢しておりますように、わが母校は“日本一美しいキャンパス”でして、このポスターを見たときも「さすが、わが母校はポスターにまでなるのね」と一人で納得しておりました。

 ヴォーリズさんって日本中で結構いろいろな建物を設計されているんですね。私が関西に住んでいるせいなんでしょうが、女学院や関学、同志社、心斎橋大丸、滋賀県の近江八幡市内のいろいろな建物と関西の建物はそれなりに見知っていましたが、東京や軽井沢にも(それ以外の地域にもあります)彼の作品があって「へー、そうなんや」と思いながら拝見しておりました。東京だと明治学院や東洋英和だそうです。

 どの建物もスケッチや設計図、建築写真が展示されていました。女学院ももちろん各建物の外観や内観が撮影されていて、専門家の方が撮られているので「美しいものはより美しく」写っておりました。竣工当時の景観模型(1/300)まであって、昭和8年に竣工しているんですが、私が通っていた頃と基本的には変わらず、正門からだらだらと坂道を登り、音楽館の横の急な階段を上がると、文学館があって・・・としばし“遠い目”をしてしまいました。

 ちょうど、女学院のコーナーにいたら、隣でご覧になっていた方がやはり卒業生らしく、模型を見ながら「ここがね、○○でね」とお連れの方に(少し自慢げに、と私には聞こえた)説明していらっしゃいました。

 体験コーナーとして「ヴォーリズの階段」というのがありました。3段くらいの階段があって、実際に上ったり降りたりできるんです。ヴォーリズさんの階段って非常に“やさしい”階段だそうです。

 心斎橋大丸の資料も多数あって、心斎橋大丸の向き合う形で上る階段がいつも不思議だったんですが、それも意味があるそうです。「へー、なるほどね」と思ったところまでは覚えているけど、かんじんの意味は忘れました

 ヴォーリズさんの展覧会って滋賀県では時折あるみたいですが、なかなか大阪ではないので、たまたまとは言え、見ることができて懐かしかったです。
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ル・マノワール・ダスティン ②

2009-06-28 23:47:40 | Tokyo
 一応、お値段のことを。アミューズ+オードブル1品+メイン+デザート+コーヒー+プティフールで4800円(10%のサービス料がつく)でした。もちろん、パンもついています。このパンがまた美味しくて、お替り自由なんですが、パンを食べ過ぎるとかんじんのお料理が入らなくなるので、ぐっと我慢で2個にしておきました。オードブルが2品になると6800円になります。

 オードブルは9種類、デザートは8種類ぐらいありました。どれもこれも美味しそうで、決めるのが難しかったです。でも、ランチだからか、メインはお魚(鱸)とお肉(大仙地鶏)の2種類しかありませんでした。まあ、私は何があろうとお魚しか食べられないので、どうでもいいんですが。

 
 ワインはグラスでいただきました。グラスでも4種類のワインを持ってきてくれて、選ぶことができます。1杯目は白で、2杯目は赤にしました。どちらもブルゴーニュのワインでした。お魚だから赤はどうかと思いましたが、ソムリエの方が「お好きなのをお飲みになったらよろしいんですよ」とおっしゃってくださったので、気持ちよく赤をいただきました。きりっとした白もいいんだけど、“軽めの赤”っていうのが結構好きでして・・・。

 この、昼間っからワインをいただきながらお食事をするって、お休みならでは、“至福のひととき”でございます。J嬢とおしゃべりしながら、ワインを傾けながら食べていたら、あっという間に2時間を超えていました。非常にコスパ高いです。

 
 お隣のテーブルが空いていたので、撮ってみました。ランチ営業にしては手を抜くことなく、きちんとしていらっしゃるなぁと思います。

 帰り際には五十嵐シェフがエレベータのところまでお見送りに出てこられました。ニコニコと愛想のいい方でした。同じ経営で、歌舞伎座の近くにワインバーもあるらしく、次回歌舞伎座に行った折にはそちらに立ち寄ろうかと今から楽しみにしています。
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ル・マノワール・ダスティン ①

2009-06-27 23:32:51 | Tokyo
 J嬢とは土曜のお昼に銀座で待ち合わせでした。「ランチの予約は任せる」といわれ、「あーでもない、こーでもない」とさんざん悩んだ末にこの「ル・マノワール・ダスティン」にしました。

 “銀座でフレンチ”というのも超ベタな選択なんですが、東京まで行って懐石っていうのもイマイチだし(私の場合、本家本元の京都がすぐそばにあるので)、やはりここは洋モノっぽいものが外せないかと思いまして・・・。三ツ星の「ロオジェ」やシャネルの上にある「ベージュ」というのも考えましたが、ま、予算のこともございますのでそちらはパスとなりました。この「ル・マノワール・ダスティン」はさとなおさんが「好きな店」として挙げてらしたお店だったので、お味のほうもさることながら、おそらくコスパもいいんだろうと思い、決定いたしました。

 例によってお料理の写真を。
 
 アミューズ:スプーンにのっかっているのはブーダン・ノワール。豚の血が入ったソーセージです。リンゴジャムが添えられていました。こういう系が苦手で一瞬怯みましたが、食べてみると本当に美味しくて、もう1個欲しいと思いました。

 
 前菜:鮎のムース、ガトー仕立て
 いきなりデザート?と思われたかと思いますが、れっきとした前菜です。鮎の身と肝をあわせてムースにしてあります。めちゃくちゃ滑らかでした。食感はお菓子ですが、食べると味はしっかり鮎でした。向こう側の白いのはナントカ大根(名前失念)の酢漬けで、間においてあるのはナッツ風味の甘いソースでした。ツンとくるくらいしっかりとしたお酢の味にもかかわらず、イヤな味ではなく、ひとつのお皿の上のお味のバランスがとても良い、と思いました。

 
 メイン:鱸のポアレです。ソースはお肉のフォンドボーで作られていました。まわりのお野菜はご自慢のお野菜らしく、そのものの味を生かすために、焼いただけあるいは生のまま添えられていました。鱸はプリップリッでした。お野菜も自慢されるだけあって、どれも甘味があって美味しかったです。

 
 デザート:バナナのムースとバナナのアイスクリーム。アイスの上にのっかっているのが、何かのチップで、名前は忘れたけど、美味しかったのだけは覚えています。アイスクリームも非常になめらかな舌触りで、久しぶりにアイスクリームらしいアイスクリームをいただきました。

 
 コーヒー、紫蘇のジュース、レアチーズケーキです。レアチーズケーキと聞き、ダメかもと思いましたが、食べると全然チーズの味ではなく、濃厚な生クリームをいただいているような感じでした。

 
 プティフールです。量が全然“プティ”ではないのですが・・・。左からホワイトチョコレートのムース、オレンジピール、アーモンドタルト、プチシュークリーム、生マシュマロ、最後のひとつは失念しました。
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ファラ・フォーセット

2009-06-27 01:40:25 | その他いろいろ
 Tokyo旅日記の途中ですが・・・。

 金曜日は朝からマイケル・ジャクソンが死亡したニュースで持ちきりでしたが、ファラ・フォーセットも亡くなりました。たぶん、マイケルのニュースがなければ、もう少し大きく扱ってもらえたと思うんですが。

 特に「チャーリーズエンジェル」を見ていたとか、ファラ・フォーセットのファンだったとか、そういうのではないのですが、私たちの世代にとってはファラ・フォーセットって、今で言うファッションリーダー、お手本でした。大学時代に読んでいたJJにはファラを真似た髪型の女子大生がわんさか載っていました。段を入れまくった段カット、真っ青なアイシャードー、パールの効いたピンクのリップ、見事なくらいそんな女の子があふれていたように思います。私はと言えば、ダサダサの女子大生だったので、そういうことの圏外におりましたが。

 確か一昨日にファラがライアン・オニールの求婚を受入れたというニュースを見て、「ファラと言えば・・・」と学生時代のJJを思い出し、ちょっと遠い目をしていたんですが、引き続きこんな亡くなったというニュースを聞くなんて、びっくりしました。

 彼女が女優としてどうだったのかは全く知らないので、彼女の死に対しては「悲しい」とか「残念だ」とかそういう感情は特に湧いてこないのだけれど、確かに学生時代の象徴的人物ではあったので、何か、こうどこか穴が開いたような気分です。(それと、たぶん、マイケルのことは書いている人が多いだろうけど、ファラはそれに隠れてしまいそうな気がしたので、一応書いておこうかなと思いまして・・・)
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「没後60年記念 上村松園/美人画の粋」

2009-06-26 23:49:41 | Tokyo
 山種美術館で開催されています「没後60年記念 上村松園/美人画の粋」を見てまいりました。インターネットミュージアムでこちらの招待券プレゼントに応募したら、たまたま当たったので、私が泊まっていたホテルから歩いていけることもあり、土曜の午前中にささっと行ってきました。

 上村松園はご存知の通り京都の生まれで、奈良に松伯美術館があり、かなり身近な存在と言えるでしょう。さらに、島屋美術部が全面的にバックアップしていた関係からか、島屋では、何年かに一度必ず「上村松園・松篁・淳之三代展」が開催されているように思います。なので「わざわざ東京で見るのもどうでしょう?」と一瞬思ったんですが、せっかく招待券もあるし、この展覧会を最後に山種美術館が移転すると聞いていたので、皇居のお堀を見ながらてくてくと歩いて行きました。

 上村松園の作品だけでなく、他の画家の美人画も多数展示してありました。同じ舞妓を描いていても、画家によって随分と雰囲気が変わります。もちろん、モデルが違うから顔が違うのは当たり前なんですが、そのモデルになっている舞妓のどの部分を見ているか(外見だけでなく内面も)によって、画面に現れる(あるいは炙り出されるといったほうがいいかもしれない)ポイントが変わるんでしょうね。男性の画家のほうが、その傾向が強いように思いました。舞妓の年齢が15歳ぐらいから18歳ぐらいまでなので、男性のほうがより感じるものが多いのかもしれません。

 上村松園の描く女性はわりと現代でも通用する“美人”でした。そして、画面がどちらかといえば寒色系のお色目(薄い浅葱色?)が多かったような気がしました。

 どなたの絵かは失念しましたが、奈良朝美人を描いていらっしゃる方がいらっしゃって、その絵は非常に親近感を覚えました。

 
 次回行くことがあるかどうかわからないので、ポストカードを大量に買い込んできました。上村松園展でしたが、買ったのは松篁画伯のものが多かったです。実は人物画より花鳥風月のほうが好きなもので・・・。
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くろ麦

2009-06-25 23:33:33 | Tokyo
 手打ちそばのお店「くろ麦」です。青山1丁目の青山ツインタワーの地下にあります。明治記念館での“仕事?”も終わり、次のシアターコクーンへ行く前の腹ごしらえです。

 特にどうしてもここ!という理由はなく、ただ、渋谷で一人でごはんを食べるのがイヤで(渋谷って何となくファストフード系のイメージなので)、青山近辺をネットで見ていたら、このお店がヒットしました。東京でおそばって食べたことがないので、関西とはどう違うのかも経験してみたいと思いまして・・・。

 
 ネットでお薦めだった「三色盛り」にしました。さらしな、抹茶、芥子だそうです。芥子が香ばしかったです。

 関西って、おそばよりおうどんで、そのおうどんも讃岐うどんとはまたちょっと違います。大体が全体に柔らかいような気がします。私は根性もへなちょこですが、麺類ものびる一歩手前ぐらいのふにゃふにゃしたのが好きです。家でおうどんを食べるときも、結構ぐつぐつと煮込んでおうどんの色がお出汁に染まって薄茶色になったのが好きです。

 で、こちらのおそばなんですが、『手打ち特有のこしの強さが自慢』だそうですが、私には強すぎました。ゴムみたいと書くとかなり悪いイメージになってしまうのですが、噛み切れないというのではなく、歯ごたえがありすぎました。本当の手打ちそばってそういうものなのかもしれませんが。普段、あまりまともなおそばを食べたことがないもので・・・。おつゆも関西に比べると濃かったです。東西の味覚の違いってまだまだ健在です。

 
 地下鉄青山1丁目駅とつながっている地下の食堂街にありました。

 おそばとは全然関係のない話題ですが、青山って“外人”(白人系)が多いです。しかもそこで生活している、仕事している外人です。道を歩いていても、普通にいます。

 さらに、びっくりしたのは、地下の食堂街の通路を歩いていたら、外人の男性と日本人の女性が通路の真ん中で抱き合ってキス(文字通り口づけです)をしていました。夕方6時過ぎの時間帯だったので、会社帰りの人がたくさん通っている通路で、です。周りの人は、誰も気に留めることなく、足早に地下鉄駅へ向っていました。私一人が「おおっ、すっげー」と反応してしまいました。この青山界隈ではきっとありふれた光景なんでしょうね。
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洋菓子舗ウエスト

2009-06-24 23:25:06 | Tokyo
 銀座にある「洋菓子舗ウエスト」です。今回は、会社へのお土産をここの焼き菓子にしようと決めておりました。ウエストなら、銀座三越でも新宿伊勢丹でも大丸でもあるので、わざわざ本店まで行く必要はなかったのですが、こちらのケーキも食べてみたかったので、大きな荷物を抱えて(東京に着いてすぐに行った)行ってまいりました。

 お店の外観は撮っておりませんが、大手百貨店に出店されているにしては、案外小さいお店でした。喫茶室も扉を開けると、エントランスも何もなくいきなり椅子とテーブルがありました。まあ、地価のお高い銀座のことなので、仕方ないと言えば仕方ないのでしょう。

 何を食べようかずいぶん迷い、決められなかったのでお店の人にお薦めを聞いたところ、お店の中でしかいただけないミルフィーユかシュークリームのハーフアンドハーフと言われ、カスタード好きとしてはここはやはりシュークリームは外せないかと思い、シュークリームにしました。

 
  
 大きなシュークリームでした。ナイフとフォークが添えられてあって、きれいに食べられるのかしら・・・と少し心配しましたが、シュー皮が最近流行りのパイ風ではなく、昔ながらの柔らかいけどしっかりした皮で、クリームもそこそこコシ?があって、そんなに散らかさずにいただくことができました。ハーフアンドハーフなので、生クリームとカスタードクリームが半分ずつ入っていました。美味しかったです。ご覧の通りのボリュームですが、甘ったるいことがなく、シュー皮もあっさりした風味で、あっという間に平らげてしまいました。もう1個でもOKかも、と思いました。「懐かしい洋菓子の味」でした。

 
 各テーブルには蘭のお花が飾ってありました。真っ白なテーブルクロスでクラッシック音楽が流れる店内は非常に落ち着きます。コーヒーもお替り自由で、長居したいところでしたが、次の予定が迫っており、後ろ髪引かれる思いでお店を出ました。次回はもう少しゆっくりと優雅なティータイムを過ごしたいと思います。
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文学座6月アトリエの会「結婚」

2009-06-23 23:30:15 | Tokyo
 土曜の夜は文学座のアトリエ公演「結婚」を見てまいりました。アトリエ公演は文学座のお稽古場(?)の中で行なわれる公演で、本公演とは違った、いわゆる“前衛的な”お芝居を上演しています。

 文学座は私が生涯初めて見たお芝居で、鳥ではありませんが、私の中に「お芝居=文学座」というのが刷り込まれ、学生時代はよく見ておりました。その好き加減が高じてわざわざ支持会(ファンクラブのようなもの)にまで入り、公演の前後に行なわれる茶話会などにもせっせと参加しておりました。支持会に入っていると、毎月文学座の会報が送られてきます。公演情報ももちろんあり、その中にいつもこの「アトリエ公演」のことが載っていました。本公演なら大阪にも来ることがありますが、アトリエは文学座のアトリエでしかしないので、小さな空間での少人数での公演は、何だか非常に濃密な感じでぜひ一度見たいものだと思っておりました。

 ここ数年東京に通うようになって、いつもスケジュールをチェックするんですが、なかなか公演がなく、今回初めてうまく見ることができました。

 「結婚」は松田正隆さんの作でした。松田さんの作品はおそらく初見かと思います。お稽古場の真ん中に舞台(というか「演じる場所」)あって、両側に客席があって、両方から見るようなお芝居です。100名ぐらい収容できるみたいです。出演者は5人で、5人とも最初から最後までほとんど舞台にはいるんだけど、場面場面で「舞台にはいないこと」になる人がいます。よくあると言えばよくあるようなやり方だけど、一瞬戸惑いました。

 良くも悪くも「This is 新劇」のお芝居でした。突然過去に行ったり、未来に行ったりするための場面のわかりにくさ、台詞回し、俳優の動き、そういうの全てが「This is 新劇(あるいは文学座)」でした。それが古臭いというのではないのだけれど(作者の松田さんは1962年生まれなので若くはないけど年寄りでもないので)、昔見た文学座の匂いがプンプンしたのだと思います。ま、文学座の中で文学座の俳優さんが演じるのだから当然と言えば当然なんですが。

 先週の平田オリザ氏のトークのときに「日本の新劇は、西洋の演劇をそのまま直輸入したので、しゃべり方が西洋式、変に強調アクセントが入るんです。でも、私たちはそんなしゃべり方していないんですよね。私はそういうしゃべり方をしない、普段の私たちに近づけた台詞を考えたんです。」とおっしゃっていたんですが、文学座はまさしくそういう西洋式の台詞のアクセントのような気がしました。お芝居の間、ずっと「あー、これが平田さんが言ってた、しゃべり方なんだろうなぁ」と思いながら見ておりました。

 ↑のようなことを思っていたからと言って、文学座を否定するつもりは毛頭なく、文学座の俳優さんなので、皆さんお上手だなぁと思っておりましたが、やはりベテランの寺田路恵が秀逸でした。同じような台詞回しなんだけど、寺田さんがしゃべると舞台が引き締まるように思いました。

 上演時間は休憩なしの1時間20分でした。アトリエだけど、音楽も効果もちゃんと入ります。下の写真を見てもらったらわかるように、木造の床がミシミシ言いそうで、お稽古場も引き戸をガラガラと開けるようになっているんですが、でも閉めると本当に真っ暗になりました。大したものです。

 公演前にごあいさつされたのが、昔文学座を見に行ってた頃からいらっしゃったスタッフの方で、今回はJ嬢といっしょだったんですが、「あの人、昔見たことあるよね」と言い合っておりました。

 とりあえず、30年来の願いが叶えられて良かったです。

        
 文学座の建物です。手前のテントのところで、切符のモギリをされていました。

        
 劇団員さんの靴箱です。名前が貼ってあったので、今も使われているんだと思います。
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桜姫

2009-06-22 23:44:21 | Tokyo
 渋谷のBunkamuraシアターコクーンでは、毎年7月は“コクーン歌舞伎”がかかり、古典の歌舞伎を現代の演出家が演出し、さまざまな趣向を凝らすことで、非常に人気があります。今年はBunkamuraが20周年を迎えるということで、さらに進化した“コクーン歌舞伎”だそうで、四世鶴屋南北の「桜姫東文章」を6月は現代劇として、7月は歌舞伎として見せるそうです。現代劇は長塚圭史が脚本を書き、串田和美が演出、主演は大竹しのぶです。歌舞伎のほうも演出は串田和美で歌舞伎座でかかるのとはまた違った「桜姫」になるんでしょう。

 で、私はその現代劇の「桜姫」を見てまいりました。出演は大竹しのぶの他に秋山菜津子、笹野高史、白井晃、中村勘三郎、古田新太と、なかなか豪華メンバーです。一応、今回は行く前に家で「桜姫東文章」のあらすじを予習しておきました。正解でした。何も予備知識がないまま見ると、ちょっとしんどいかもしれません。歌舞伎も大概お話の展開は『荒唐無稽』ですが、もっと『荒唐無稽』、破茶滅茶なストーリーでした。「なぜ、ここにこんなのが・・・???」ということは考えてはいけないものでした。目の前に起こっていることだけを素直に受入れるというか・・・。

 かと言って、頭が痛くなるようなしかめっ面をして見るものでもなく、そこそこ笑いもあるし、音楽も生演奏でエンターテイメント性の高いお芝居だったように思います。音楽は、串田和美さんだからなのか、オンシアター自由劇場の「上海バンスキング」っぽい感じでした。

 大竹しのぶって、何を演っても『大竹しのぶ』です。それだけ個性が際立っている、役柄を自分のほうへ引き寄せる力が強いんでしょうね。なので、劇の中ではもちろん主役で、出番も多くて、一番見ている時間が長いんですが、あまりお役のイメージは残らないです。「あ、大竹しのぶ、見たな」という感想になります。

 中村勘三郎は、おそらく現代劇で見るのは初めてだと思うんですが、こちらも何を演っても『中村勘三郎』です。台詞回しがあまり歌舞伎と変わらないような気がしました。それが演出なのか、小さい頃から歌舞伎役者だったので抜けないからなのかはよくわかりませんが。ただ、この個性の強いメンバーの中に入ると、思っていたほど“存在感”は感じさせなかったように思いました。結構、埋没してしまっているような、その役は勘三郎でないといけなかったのか、と思ってしまいました。

 金曜日の夜の観劇で、上演時間が3時間もあって、その日は朝も早かったので「絶対寝るわ」と思っていましたが、不思議と寝ませんでした。そういえば、長塚圭史のお芝居は、前回も寝なかったので、案外相性がいいのかもしれないなぁと勝手に思っていました。チケ代が12000円もしたし、わざわざ東京で見たし、これで寝てしまうのはとても勿体無くて、身体が勝手に頑張ったのかもしれませんが・・・。
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