おとらのブログ

観たもの、見たもの、読んだもの、食べたものについて、ウダウダ、ツラツラ、ヘラヘラ書き綴っています。

永楽館歌舞伎に男女蔵さん!

2014-10-30 23:43:07 | その他いろいろ(歌舞伎)
 昨日、発表があったようですが、永楽館歌舞伎にダメ蔵クンこと、市川男女蔵さんがご出演されることになりました。

 31日に開催される四国の吉野川歌舞伎に愛之助さん、壱太郎さんとごいっしょで、永楽館のあとの巡業もごいっしょなのに、なぜ永楽館だけご出演がないのかしらと思っていましたが、舞踊「神の鳥」にお出ましの模様です。そして、もちろん「口上」もですよね。これはちょっと嬉しいかも、です。ダメ蔵クンのお父様は言わずと知れた左團次丈でございます。「左團次十種」の10番目が「口上」といわれているくらい、「口上」がお上手?面白い役者さんです。左團次丈のブログも絶好調です。私は毎日ガハハと笑わせていただいております。たまにダメ蔵クンが代役をお勤めになることがありますが、やはり血は争えません。ガハハと笑えます。(このブログを書いている途中で左團次丈のブログを見たら、なんとタイミングのいいことに、本日代役として出ていらっしゃいました。)

 ダメ蔵クン、新橋演舞場の千穐楽ではスパンコールのTバッグで登場されたとか、さすが左團次丈のご長男でございます。お父様のコレクションを拝借されたのでしょうか。永楽館、楽しみですね。(←って、何を期待している、ワタシ…)

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近頃のおやつ ⑨

2014-10-28 23:31:58 | 食べたもの
 おやつシリーズです。

 
 
 「ナダシンの餅」という名前のお饅頭屋さんの草餅とおはぎです。西宮阪急に行ったときに、諸国銘菓のコーナーにうず高く積まれてあって、何となくビビビとくるところがあってお買い上げです。雑味のない昔ながらの美味しい和菓子でした。小ぶりなので一度に2個くらい食べられそうです。お値段がまた感動モノで、1個60円(ぐらいだったと思う…)でした。本店は灘で、阪神間のJRの駅のキオスクにも置いてあるようです。お包みがざくっとしててよろしゅうございます。

 
 仙太郎の栗蒸し羊羹。秋になると食べてしまいます。

 
 枚方の光善寺というところにあるコンフェクト・ナカジマのケーキです。見た目どおりとお味です。クリームがちょっと甘ったるい感じで美味しかったです。

 
 
 西宮の「ボルドー」というお店のケーキです。シュークリームが有名なお店なんですが、私が行った夕方は既に売り切れていました。プリンのケーキはスポンジの上にプリンがのっかっています。もともとカスタードクリームが美味しい店なので、プリンも美味しかったです。プリンのケーキを買いながら、プリンも買っています。最近流行のなめらかプリンではなく、しっかりとしたプリンでした。バニラビーンズがいっぱい入っていました。

 
 仙太郎のあぶり団子。店員さんに「おみた、ちょうだい」って言ったら怪訝な顔をされました。「おみた」では通じないんですね。

 
 栗の薯蕷饅頭。中に大きな栗が1粒はいっていました。どうも、ワタクシ、「秋」だと思うと、栗のものを食べなきゃと思ってしまう習性があるようです。

 

 
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十月大歌舞伎@歌舞伎座 昼の部2

2014-10-26 23:20:13 | 観たもの
 ずいぶんと間が空いてしまいましたが、一応、昼の部の続きを。

 「野崎村」のあとは舞踊が2題、「近江のお兼」と「三社祭」でした。スミマセン、完全に休憩していました。覚えているのは、「近江のお兼」の馬です。すごいアクロバティックな動きで、3列目から見ていたので迫力ありました。中に入っていたのは三津五郎さんのお弟子さんの坂東八大(やひろ)さんと大和(ヤマト)さんだったそうです。着ぐるみ(って歌舞伎でもいうんでしょうか)の中の人は筋書きには名前が載りませんが、お兼を踊られた扇雀さんがご自身のブログで紹介されていました。顔が隠れているのがもったいないようなイケメンお二人です。

 昼の部の最後は「伊勢音頭恋寝刃」です。勘九郎さんがご自身の襲名披露公演で主役の貢を初役でお勤めになった演目です。孝夫さんが勘三郎さんに頼まれて、じきじきにご指導されたそうです。そう、貢は孝夫さんの当り役なんですよね。3年前の松竹座で通しで上演され、拝見しております。勘九郎さんには申し訳ないけれど、つい、“脳内変換”してしまいます。特に、最後の殺しの場面の、暖簾がバサッと肩に落ちて見栄を切るところは、舞台写真も持っておりますので、どうしてもね、つい…。

 孝夫さんは料理人喜助の役でワキから支えられました。ワキなんですけど、やっぱり、オーラが違うっていうか、登場されるだけで舞台が華やかになります。目はそちらに釘付けです。太ももも露なお姿で花道を走っていく場面は、私のちょうど横で見栄を切られて、目は完全にハートでした。

 玉ちゃんは意地悪な仲居万野のお役でした。びしびし、ねちねち、じわじわと勘九郎さんを責めていらっしゃいました。ちょっと楽しそう?ってくらい、絶好調でした。

 「奥庭」の女中さんたちが伊勢音頭を踊っている場面では、秀太郎さんのお弟子さんのりき彌さんが踊っていらっしゃって、センターに近い位置だったので、やっぱりおきれいだから?って思いながら拝見しておりました。

 大体「伊勢音頭」というと「油屋」と「奥庭」だけが上演されることが多く、今回もこの二場面でした。私は3年前に松竹座で通しで見たので「油屋」に至るまでのお話を知っているから特にひっかかることもなく見ていたけれど、筋書きのあらすじだけではなかなか難しいような気がしました。孝夫さんがいつも「通し上演でご覧いただきたい」とおっしゃっているのが納得です。“百聞は一見に如かず”ですから。

 筋書きは、私が見たときはまだ舞台写真が入ってなかったので、入ったものを送ってもらいました。代金を払っておくと送ってくれるサービスがあります。松王丸と千代の写真はありますが、寄り添っているところではなかったのがちと不満ですが、まあ、同じフレームに孝玉コンビなのでOK(牧場)としておきます。

 この日のお弁当は、以前、亀ちゃんがテレビ番組で紹介していた「白銀や(ぷらちなやと読むそうです)」の稲荷寿司にしました。

 
 
 
 お稲荷さんとおはぎが入っています。1500円でした。まあ、普通に美味しいお稲荷さんとおはぎでした。この値段を出すのなら、銀座三越のほうが美味しいものがありそうな気がしました。おはぎが二つも入っていたので、何となくこれ以上甘味はイケナイような気がして、たい焼きも豆大福も揚げまんじゅうもパスでした。それもちと悔しい点ですかね。まあ、でも、話の種に一度くらいはいいかもしれません。歌舞伎座のすぐそばですし。
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住大夫師匠に文化勲章

2014-10-24 23:57:03 | その他いろいろ(文楽)
何もかもが幸せ 竹本住大夫さんに文化勲章


 今年度の文化勲章受章者が発表され、文楽の竹本住大夫師匠が選ばれました。心よりお祝い申し上げます。おめでとうございます。

 午前中に発表があったようで、お昼のニュースでは結構取り上げられていたようなんですが、昼間は会社なので見られません。7時のNHKニュースを楽しみに帰宅し、7時前からテレビの前でスタンバっておりましたが、文化勲章の「ぶ」の字も出てきません。じゃあ、8時45分のNHKの大阪放送局からのニュースなら、と待ち構えておりましたが、それにも登場せず、半ばあきらめムードで9時のニュースも見ておりましたが、どうも文化勲章の話題は出ない模様…。

 それでも、ワタクシにはインターネットという強い味方がございます。住師匠の会見、ありましたね。3分ちょっとあります。

 文楽では初めての受賞となるそうです。ちょっとびっくりしました。豊竹山城少掾さんあたりが既に受賞されていると思っておりましたので。

 会見でご本人もおっしゃっていましたが、引退されてからの受賞っていうのもあるんですね。住師匠は2005年に文化功労者を受賞されています。文化勲章は文化功労者の中から選ばれるのですが、数だけ見れば圧倒的に功労者のほうが多いので、功労者になったからと言って必ず文化勲章を受章するとは限りません。受賞されない方のほうが多いくらいです。受賞された方のパターンを見ていると、文化功労者から文化勲章まで6年から7年ぐらいかかるような感じで(坂田藤十郎さんが6年、米朝師匠が7年でした)、住師匠は引退されたし、このままもう受賞できないのかしらと思っておりましたが、ようやく受賞の運びとなり、文楽ビギナー・俄かファンのワタクシなんかが僭越ではございますが、とってもとってもとっても嬉しく喜ばしく思っております。

 これでまた11月の文楽公演が俄然注目を浴びそうです(住師匠は出てはいらっしゃいませんが)。先日、勘十郎さんの講演会に行きましたが、今年は順調でずっと「大入り袋」が出ているそうです。さらに動員に弾みがつくといいですね。それにしても、住師匠の大阪弁、やっぱりよろしゅうございます。ああいう大阪弁がしゃべれるようになりたいものです。
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十一月新派公演 劇中追善ご挨拶ゲスト一覧

2014-10-21 22:21:17 | その他いろいろ
 今月の歌舞伎座は「十七世中村勘三郎二十七回忌 十八世中村勘三郎三回忌 追善」興行ですが、来月の新橋演舞場での新派公演も同じく「十七世中村勘三郎二十七回忌 十八世中村勘三郎三回忌 追善」として行われ、勘九郎さんと七之助さんがゲスト出演されることになっています。

 その演目のひとつ「京舞」の劇中では追善ご挨拶があり、出演者である水谷八重子、波乃久里子、近藤正臣、柄本明、七之助、勘九郎だけでなく、故人にゆかりのゲストが毎回登場され、皆さんでお二人の勘三郎さんを偲んで語り合われる模様です。そのゲストが歌舞伎美人のサイトに発表されています(たかてらさんに教えていただきました)。

 なんとまあ、豪華な、バラエティに富んだ顔ぶれでございます。

 1日(土) 昼の部   石井 ふく子
 2日(日) 昼の部   竹下 景子
 2日(日) 夜の部   池畑 慎之介
 3日(月・祝) 昼の部   笹野 高史
 3日(月・祝) 夜の部   黒柳 徹子
 4日(火) 昼の部   佐藤 B作
 5日(水) 昼の部   石原 良純
 5日(水) 夜の部   ベンガル
 6日(木) 昼の部   上杉 祥三
 6日(木) 夜の部   大竹 しのぶ
 7日(金) 昼の部   宮藤 官九郎
 8日(土) 昼の部   山本 陽子
 8日(土) 夜の部   古田 新太
 9日(日) 昼の部   熊谷 真実
 9日(日) 夜の部   辰巳 琢郎
 10日(月) 昼の部   草笛 光子
 11日(火) 昼の部   榎木 孝明
 11日(火) 夜の部   ラサール石井
 12日(水) 昼の部   司 葉子
 12日(水) 夜の部   広岡 由里子
 13日(木) 昼の部   中村 時蔵
 14日(金) 昼の部   いとうせいこう
 14日(金) 夜の部   明石家 さんま
 15日(土) 昼の部   上島 竜兵
 15日(土) 夜の部   中村 橋之助
 16日(日) 昼の部   山川 静夫
 17日(月) 昼の部   大村 崑
 17日(月) 夜の部   青木 功
 18日(火) 昼の部   多岐川 裕美
 18日(火) 夜の部   江川 卓
 19日(水) 昼の部   高橋 惠子
 20日(木) 昼の部   串田 和美
 20日(木) 夜の部   立川 談春
 21日(金) 昼の部   渡辺 えり
 22日(土) 昼の部   永島 敏行
 22日(土) 夜の部   六平 直政
 23日(日) 昼の部   大和田 美帆
 23日(日) 夜の部   石川 さゆり
 24日(月・祝) 昼の部   片岡 仁左衛門
 24日(月・祝) 夜の部   井上 八千代
 25日(火) 昼の部   新内 仲三郎

 近くに住んでいたら、孝夫さんはもちろんですが、徹子さんとか山川静夫さんとかさんまちゃんとかしのぶちゃんとか、渋いところでは広岡由里子さんとか行かせていただくんですけれどね。さすがにこれだけで新幹線乗って、っていうのは無理です。

 このような豪華ゲストはなくてもいいので、追善公演だけでも京都か大阪にお見えにならないんでしょうか。今年は新派の公演が一度もなくて、ちょっと残念に思っています。新派の美しい日本語ときちんとした立ち居振る舞いが好きなんです。なんだか安心します。日本人なら見るべきだと思います。きっと明日からすぐに役立ち?ます。
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四代目鴈治郎襲名披露 壽初春大歌舞伎&二月大歌舞伎

2014-10-19 23:23:06 | その他いろいろ(歌舞伎)
 来年1月と2月に行われる翫雀さんの「四代目鴈治郎襲名披露公演」の詳細が発表されました。



 上方歌舞伎のお家の襲名なので、同じ上方の松嶋屋さんがお付き合いなさるのは当然なんですが、1月の出演者の顔ぶれを見ていたら、歌舞伎座建て替え前の大阪での歌舞伎公演の松嶋屋+成駒屋の変わり映えのしない出演者と演目の“さびしかった”時代を思い出してしまいました。孝夫さんご出演は嬉しいんですが、歌舞伎座の華やかな舞台を見慣れてしまうと、つい、そんな贅沢なことを思ってしまいました。

 孝夫さんは1月だけでした。前も書きましたが、せっかく「吉田屋」が出るのに孝夫さんじゃないっていうのが悲しいです。夕霧は壱太郎さんかと思っていたらお父様の藤十郎さんなんですね。「封印切」は松嶋屋さんの三兄弟と成駒屋さんご兄弟の共演です。忠兵衛が封印を切ってしまう八右衛門とのかけあいですが、翫雀さん、大阪弁ガンバレ!です。ここで訛ってしまうと、せっかくの場面が…。

 「河内山」って、よくかかるので「またか」と思いましたが、そういえば孝夫さんで拝見するのは初めてのような気がします。それは楽しみです。

 最後の「棒しばり」の出演者を見ていたら、ここに翫雀さんが加わったら「らくだ」ができるのに、って思ってしまいました。でも、そんなおちゃらけな演目はだめなんでしょうね。

 

 松嶋屋さんの代わりにっていうか、亀ちゃんが単身?ご出演です。これは猿之助襲名披露公演に藤十郎さんが全てご出演されたことに対する“返礼”っていう意味合いがあるんでしょうか。であれば、中車さんも出演してくださったら、きっと大入り間違いないと思うのですが。でも、そうなると誰が主役の公演かわからなくなりますが。

 夜の部で藤十郎さんが“一世一代”のアンコールをなさるんですね。“一世一代”のアンコールが可能なら、孝夫さんに「女殺し」やっていただきたいですよね。これも、私はてっきり壱太郎さんが相手役かと思っていたのに、藤十郎さん、なかなか枯れません。頑張らはります。

 「連獅子」の宗論に何気に亀ちゃんご出演です。その後は「四の切」です。個人的には確か6度目、それこそ「またか」なんですが。

 襲名披露ということで、チケット代も一等18000円になりました。でも、私は1月も2月も3階です。ご祝儀?で三等Aにはさせていただきます。 
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奈河彰輔さん

2014-10-17 23:52:18 | 訃報
 奈河彰輔さんがお亡くなりになりました。83歳でした。

 「歌舞伎美人」に掲載されているプロフィールです。
 1931年大阪市生まれ。大阪大学経済学部卒業後、松竹株式会社入社。京都南座支配人、演劇部部長、常務取締役を経て、現在演劇部顧問。日本演劇協会会員。
 関西松竹で永年演劇製作に携わりつつ、『小栗判官車街道』など上方歌舞伎の埋もれた作品の復活上演や、『慙紅葉汗顔見勢―伊達の十役』『獨道中五十三駅』など市川猿之助の復活狂言の脚本、演出を多数手がける。
 大谷竹次郎賞、松尾芸能賞、大阪市民表彰文化功労賞、大阪芸術賞。上方歌舞伎の生き字引。
 本名は中川芳三。中川彰のペンネームで中間演劇(新派と新劇の中間の新しい演劇)の演出や、上方歌舞伎の普及、啓蒙に関わる執筆も行っている。

 もちろん、直接は存じ上げませんが、少しご縁のある方でしたので、勝手に親近感を持っておりました。本ブログでも何度か書かせていただいているかと思いますが、奈河さんの弟さんと前の前の会社でいっしょに働いておりました。その弟さんを通じて何度か歌舞伎の切符を取っていただいたことがあります。松竹のエライさんだけあって、中座では花道横、七三で役者さんが見得を切ると目が合うお席でした。南座での福助襲名披露で桟敷席を取っていただいたことがあります。南座では孝夫さんが「ハムレット」をなさったことがあり、もちろん見に行っておりますが、それも取っていただいたのではないかと思います。

 それを覚えてくださっていたのか、後に、「孝夫好きな女の子ににあげて」といただいたのが下のテレフォンカードです。ワタクシ、家宝にしております。
 

 ここまで歌舞伎好きになるのなら、当時、直接紹介していただいておけばよかったと返す返すも口惜しゅうございます。と、言っても、弟さんのほうとも課は違うし、年齢もずいぶんと上でしたので、それほど親しいわけではなく、たまたま私の直属の上司が飲み友達だったので、その上司を通じていろいろお願いしておりました。関西松竹にいらっしゃったので、南街シネマ地下の本屋さんで何度かお見かけしたことがありました。

 心よりご冥福をお祈り申し上げます。 

 

 
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十月大歌舞伎@歌舞伎座 昼の部 その1

2014-10-16 23:51:13 | 観たもの
 続いて昼の部です。演目と配役です。

 一、新版歌祭文(しんぱんうたざいもん)
   野崎村
    お光     七之助
    久松     扇 雀
    お染     児太郎
    久作妻おさよ 歌女之丞
    久作     彌十郎
    後家お常   秀太郎

 二、上 近江のお兼(おうみのおかね)
   下 三社祭(さんじゃまつり)
   〈近江のお兼〉          
     近江のお兼 扇 雀
    〈三社祭〉            
    悪玉 橋之助
    善玉 獅 童

 三、伊勢音頭恋寝刃(いせおんどこいのねたば)
   油屋店先
   同 奥庭
    福岡貢       勘九郎
    油屋お紺      七之助
    今田万次郎     梅 玉
    油屋お鹿      橋之助
    油屋お岸      児太郎
    仲居千野      小山三
    藍玉屋北六実は岩次 桂 三
    徳島岩次実は北六  秀 調
    仲居万野      玉三郎
    料理人喜助     仁左衛門
 
 「野崎村」は昨年4月に文楽で拝見しております。お光は勘十郎さん、お染は簑助さんでした。申し訳ないけれど、私の中では圧倒的に文楽の“勝ち”です。七之助さんのお光はまだしも、児太郎さんのお染がいけません。とりあえず、まずお化粧を考えましょう。“男の人が化けてる”のが丸分かりです。ここはぜひ玉ちゃんに弟子入りしていただき、美しく見せるテクニックを学んでいただきましょう。これまで玉ちゃんにご指導を受けられた、七之助さん、米吉クン、尾上右近さん皆さん、格段にお化粧の腕を上げられ、お美しくなられました。男性ですが中車さんも歌舞伎のお化粧がお上手になられました。見た目が変わるだけでも、お芝居は変わりますから。

 ご出演がお江戸の方ばかりなので、全体にさらっとしていました。久松とお染がぐちゃぐちゃと言い合うところ、おそらく見せ場だと思うんですが、扇雀さんと児太郎さんではなんだかこちらの気も乗らず、3列目で見ていたのに、意識を失いかけておりました。そんな中、秀太郎さんが登場されるとそこだけ上方、こっくりと“情の濃い”の世界になり、こちらもようやく芝居の中に引き込まれていきました。秀太郎さんの台詞だけで泣けます。不思議なものですね。

 孝夫さんのお弟子さん、松十郎さんが駕籠かきとして登場されました。松十郎さんも大阪弁nativeですので、そこだけ上方です。ちょうど私の真横で駕籠が止まり、ちょっとお芝居をされました。「暑い、暑い」と言いながら、褌一丁に! ちょっと目のやり場に困りましたが、こんなに間近で拝見できて「キャッ」でした。秀太郎さんのブログによると、松十郎さんが花道でお芝居をなさっている間、秀太郎さんも舞台上でいろいろと工夫されていたとか。松十郎さんに釘付けだったもので、そちらまで見てなかったです。スミマセンです。

 ラストの七之助さん、健気で哀れで切なかったです。こちらは見た目で得してる(言葉は悪いですが)と思いました。

 
 1階のロビーに設けられていました。十七世勘三郎さんの歌舞伎は残念ながら拝見したことはありません。テレビドラマ「台所太平記」にご出演だったのをかすかに覚えています。

 
 そして勘三郎さんも…。未だに、泣きそうになりますね。
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上方歌舞伎 片岡愛之助の世界

2014-10-14 23:11:57 | その他いろいろ(歌舞伎)
 引き続き歌舞伎座昼の部を書きたかったのですが、愛之助さんの展覧会が阪急梅田本店の9階の阪急うめだギャラリーで明日15日(水)から20日(火)まで開催されるので、上方歌舞伎贔屓としては一応記事としてUPしておきます。

 阪急百貨店の案内はこちら

 愛之助さんのブログはこちら

 グッズもいろいろあるみたいですね。ちょっとびっくりです。

 それにしてもピンで展覧会を開催してもらえるって、すごいですよね。私のエエ加減な記憶では、関西で歌舞伎役者さんの名前で展覧会があったのは、六世歌右衛門丈、三代目猿之助丈、玉ちゃん、亀ちゃんぐらいしかありません。孝夫さんも、仁左衛門襲名の折にどこかで何かあったのかもしれませんが、私は残念ながら存じ上げません。

 「黒崎人気」って一過性のものかと思っていましたが、案外根強く続いていますね。まあ、メディアへの露出もハンパではありませんが。「歌舞伎もできるタレント」にならないように、切に願います。
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十月大歌舞伎@歌舞伎座 夜の部

2014-10-13 22:23:55 | 観たもの
 大型で強い台風19号が日本列島を縦断中です。大阪の岸和田に再上陸したそうで、雨風が強くなってきました。皆様お住まいの地域はいかがでしょうか。どうぞくれぐれもお気をつけてお過ごしくださいませ。

 さて、その台風とぶつかるのか?とおそるおそる上京しましたが、台風の速度が自転車並みとかで、帰阪するまでは特に影響もなく無事所期の目的を達成いたしました。

 今月の歌舞伎座は本当に充実しています。「十七世中村勘三郎二十七回忌・十八世中村勘三郎三回忌追善」ということで、勘九郎・七之助兄弟を孝夫さん、玉ちゃんが全面的にバックアップ、贅沢で華やかな追善興行でございました。久しぶりの孝玉コンビということで、一等席を奮発、夜の部は2列7番、昼の部は3列7番、花道下のお席でした。本当は14番とか15番とかあたりを取りたいのですが、そのあたりは役者さんの後援会が押さえているらしく、ゴールド会員の予約日の10時に入っても、ありません。花道横の席で大体空いているのが7番で、昔と違って、お席と花道の間が通路があるので何とか許容範囲かと…。ちょうど真横が花道の七三にあたり、役者さんが立ち止まって何かなさる場所です。昼の部の「伊勢音頭」で孝夫さん扮する喜助が貢を追いかけていく時に、ちょうど私の真横で、着物の裾を捲り上げ太もも露わなお姿で台詞を一言二言、もうー、ワタクシ、ドキドキしてしまって、「あー、これだけでここに座った甲斐があったものよ」と思ってしまいました。

 夜の部→昼の部の順で見たので、まず夜の部の演目と配役からです。

 一、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)
   寺子屋
    松王丸    仁左衛門
    武部源蔵   勘九郎
    戸浪     七之助
    涎くり与太郎 国 生
    百姓吾作   松之助
    春藤玄蕃   亀 蔵
    園生の前   扇 雀
    千代     玉三郎

 二、道行初音旅(みちゆきはつねのたび)
   吉野山
    佐藤忠信実は源九郎狐 梅 玉
    早見藤太       橋之助
    静御前        藤十郎

 三、鰯賣戀曳網(いわしうりこいのひきあみ)
    鰯賣猿源氏       勘九郎
    傾城蛍火実は丹鶴城の姫 七之助
    博労六郎左衛門     獅 童
    傾城薄雲        巳之助
    同 春雨        新 悟
    同 錦木        児太郎
    同滝の井        虎之介
    同 乱菊        鶴 松
    庭男実は薮熊次郎太   市 蔵
    亭主          家 橘
    海老名なあみだぶつ   彌十郎

 「寺子屋」は7月の松竹座でかかったばかり、3回見に行ったので、孝夫さんの松王丸の記憶はまだ鮮明で、駕籠から降りて登場されただけで、結末まで思いを馳せてしまい、その時点でもうウルウルしてしまいました。お衣装が松竹座のときは黒地でしたが、今月は鼠色でした。これって、やっぱり上方とお江戸の違いなんでしょうか。個人的には黒のほうがきりっとして好みです。(私の好みはどうでもいいけど)

 千代登場は花道からだったので、玉ちゃん、私の真横をお通りです。やはりここでもいろいろ思い出してしまい、こみ上げるものがあります。そして、孝夫さんが再び登場されて、玉ちゃんが孝夫さんにぴったりと寄り添います。久しぶりに同じフレームの中に孝玉コンビが納まったって感じです。巷ではそれぞれの芸質が変わった云々かんぬんと言われていますが、やっぱりこのお二人、よくお似合いです。「夫婦役者」と言われるだけはあります。なんとも言えない“夫婦の情”が醸し出され、「寺子屋」がより立体的になり、松王丸の自分だけは時平の家来、桜丸の切腹…etc.という台詞、千代の寺子屋に小太郎を置いていく時の様子の台詞、小太郎の最期の様子を聞いた後の松王丸の台詞…がいちいちこちらにダイレクトに響きます。涙無しでは見ていられません。千代に対して「あれだけほえたではないか」と言うあたりでは、なぜか私の頭の中に、松王丸・千代夫婦の来し方が走馬灯のように思い浮かびます。最後、白い喪服になる場面では、孝夫さんが羽織を脱ぐ際に玉ちゃんがそっと手を添えられ、いつもそうしたはるんやろうなぁと思えるくらいそれがとてもナチュラルで、その場面、“萌え”ました。(他の役者さんでもそうなさっているのかもしれませんが) 白い喪服のペアルック?、本当によくお似合いで、こちらも“萌え”です。やっぱり、孝夫さんの松王丸はよろしゅうございます。そして、久しぶりに孝玉コンビを堪能でき、素晴らしい「寺子屋」でした。

 続いての舞踊は「吉野山」、静御前と忠信が登場します。最近、狐忠信といえば亀ちゃんのイメージがあって、キレキレのパツパツの忠信を想像してしまうので、申し訳ないけれど、梅玉さんではちと厳しかったです。そして、早見藤太といえば、何年か前の又五郎さんの襲名披露公演で“天下の二枚目”の孝夫さんが三枚目の早見藤太を演じていらっしゃいますので、こちらもどうしても孝夫さんについ「脳内変換」してしまいます。スミマセンって感じです。

 最後は「鰯賣戀曳網」です。三島由紀夫が書いた歌舞伎の戯曲です。最高傑作の呼び声高く(三島は戯曲が一番上手くて、評論、小説の順と言われております)、三島ファンとしてはぜひ一度と思いながら、なかなかチャンスがありませんでした。歌舞伎座さよなら公演でかかり、テレビで放映があったので、それはチラッと見ました。勘三郎さんの猿源氏に玉ちゃんの蛍火でした。今回は勘九郎さんと七之助さんで、勘三郎さん・玉ちゃんコンビをよく写していらっしゃいました。私の後ろのお席の方が勘三郎さんのファンの方らしく、揚幕の中から勘九郎さんの声が聞こえただけで、「あぁ~、そっくり」とため息をついていらっしゃいました。お話は御伽草子から取った文字通りおとぎ話で、ほんわかふんわりする楽しいお芝居です。勘九郎さん、七之助さんが本当にご立派にお勤めになられ、Happyendなのに、なんだか泣きそうになりました。今「ほうおう」のインタビュー記事を読んだら、「兄弟で幕外に引っ込みます。天上の二人にメッセージを届けられたらいいですね」とおっしゃっていました。メッセージは伝わり、十七世勘三郎さんも十八世勘三郎さんもきっと頼もしく思っていらっしゃると思います。

 
 新宿伊勢丹にある「イッツサンドイッチマジック」のたまご卵タマゴサンドです。

 
 この日は桔梗さんとごいっしょになったので、歌舞伎座の裏手にある「カンティーナ・シチリアーナ」で祝杯?をあげました。歌舞伎座で「鰯賣戀曳網」がかかっているからではないと思いますが、沼津産のイワシが本日のオススメになっていました。ワインもいろいろあって、1階はバールのようで、おひとりさまでも入りやすそうでした。また行ってみたいです。
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