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吉田一氣の熊本霊ライン 神霊界の世界とその源流

FC2BBSから移動しようと目論んでいます。
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身土不二にということについて No449

2016-11-20 02:55:29 | 神霊界考察
身土不二とは「身」(今までの行為の結果=正報)と
「土」(身がよりどころにしている環境=依報)は
切り離せないという意味とウィキペディアには記載されている。
これは善因善果であるという意味と
生まれた環境の違い(良し悪し)が
因果応報によるものということを意味している。
では不二とはどういう意味かというと
二つに見えても実際は一つという意味だ。

しかしもう一つの意味もある。
その身はその土地から生じる故が上に
その土地とその身は切り離せないという事だ。
結果としてその土地にて育成された食べ物が
一番体に合うということにも繋がる。
食べる意味においては
身土不二思想と地産地消は似ているともいえる。
ただ地産地消には作っていない作物は
他所から運ぶのではなく
その土地で作ってしまおうという積極的な意味もあり
身土不二思想と相いれない部分もある。

土地に縛られるという表現をよく聞く。
それは先祖代々受け継がれてきた土地を守る義務
のような意味合いで使われている。

霊的なことに携わると
土地に関する身土不二を痛感することになる。
まさに私もその一人であろう。
熊本霊ライン祭祀の兼ね合いで長くは離れられないこともあるが
阿蘇の神霊界との縁もあって
最終的に熊本の土地に骨を埋める宿命にある。


学生時代にジョン・スタインベックの『怒りの葡萄』という作品を読んだ。
主人公は世界恐慌と重なる1930年代のオクラホマ州の農家の息子である。
ダストボウルと呼ばれる砂嵐の話を皆さんは聞いたことがあるだろうか?

  

この半端ない砂嵐はあっという間に農地を砂漠状態に変えてしまう。
しかしこのダストボウルは環境無視の無理な耕地化が原因であり
まさに人災なのだ。
コントロールされない社会環境が起こした悲劇である。
キャタピラーを備えたトラクターやブルトーザーによる大規模耕作で
大草原の表土をはぎ取ったために
太陽に照らされて乾燥した土が風で舞い上がり砂嵐となる。
分かってはいても欲に目がくらみ自分のところだけが
耕作を止める訳にはいかなくて結局最悪の結末を迎えることになる。
350万人が移住を余儀なくされたという。
時の大統領フランクリン・ルーズベルトは
土壌保護局を創設し自然環境のバランスを修復する政府のプログラムを開始した。
この主人公家族も土地を追われオクラホマ州から、
かの有名な国道66号線を西進し夢の楽園と言われたカリホルニアへ向かう。
しかし苦難の末にやっとついた先の夢の楽園カリホルニアも
大恐慌と機械化農業により労働力過剰の状態になっていた。
オクラホマ野郎と蔑まれ飢えと貧困にあえぎながら
彼らは貧民キャンプを転々することになる。
募集を誇大広告すると必要以上に人が集まり賃金が下がるし
収穫する葡萄は余るほどあっても値を上げるために廃棄される。
富める生産者はまずしい労働者から搾取してますます利を得て
最終的に銀行がそれをさらっていく。

この本を読んだときにはいいようのない不条理と理不尽への怒りに打ち震えた。
それは情け容赦ない資本主義経済というシステムに対する憤りであったり
努力が報われない脱力感であったり
人間社会が潜在的に持つ愚かさに対する怒りであった。
それでも搾取される貧しいものは
苦難ゆえに崇高なものを育んでいるという結末だった。

スタインベックは熱心なキリスト教信者であるが
『怒りの葡萄』というのはヨハネの黙示録にあるように
神の怒りによって踏み潰される「人間」のことを意味する。

長年スタインベックが考える神の怒りとは何なのか模索していた。
そして結局のところスタインベックとは別の結論にたどり着いてしまった。

グローバル化という言葉がある。
ヒト・モノ・カネの動きを国際的に広げていくことだ。
日本は1985年のプラザ合意により
発表翌日の9月23日の1日24時間だけで為替は急に円高となり
ドル円レートは1ドル235円から約20円下落した。
1年半後にはドルの価値はほぼ半減し150円台で取引されるようになった。


さらに1986年には日米間で日米半導体協定が締結された。
国内では熾烈な開発競争の嵐にさらされていたが
さらに追い打ちで不平等な協定による打撃を受けることになった。

筆者が勤めていたNECのトップが出した結論は海外生産やむなしという事だった。
スコットランドやカリフォルニアのサクラメントに生産進出するのだが
それは底なし沼への入り口であったように思う。

スコットランドに工場を建て現地スタッフに技術指導したが
いろいろと驚かされることばかりだった。
その中の一人は婚約中だった。
今はどうか知らないがその婚約期間が2年あって
約束時間までに帰宅しないとペナルティがあると言って
装置停止してからその構造を教育中なのに
途中でさっさと帰ってしまった。
装置をいつまでも止めることは出来なくて
製造部にどうにか稼働してくれとお願いされたが
技術指導者と製造の責任技術者では
責任範疇が違うので最終確認が出きずに如何ともしがたい。
結局その装置は翌日まで停止したままとなった。
日本でなら大問題だが
郷に入っては郷に従えという顛末となった。

この時にふと『怒りの葡萄』を思い出した。
追い立てられるように海外進出し
イギリス・アメリカ・中国と工場を建てていったが
摩擦を引き起こすばかりで成果の刈り取りが出来ない。
苦労ばかりしているが正義がこちらにあるとは限らない。
しかも日本はその結果で産業空洞化するばかりだ。

なるほどグローバル化の甘い言葉に誘われても
最終刈り取り者は我々ではないということだ。

来年からは勝者と言われるトヨタにも
保護主義の嵐に巻き込まれそうな気配がある。

他人の家に土足で入れば嫌がられる。

ヒト・モノ・カネの動きを国際的に広げていく
潜在的リスクが存在する。

旧約聖書の創世記には以下の記述がある。
東から移動してきた人々はシンアルの平原に安息の地を得た。
彼らは石の代わりに煉瓦を、
漆喰の代わりにアスファルトを用いた。
そしてこういった。
「さあ、我々の街と塔を作ろう。塔の先が天に届くほどの。
あらゆる地に散って、消え去ることのないように、我々の為に名をあげよう」
主は、人の子らが作ろうとしていた街と塔とを見ようとしてお下りになり、
そして仰せられた。
「なるほど、彼らは一つの民で同じ言葉を話している。
この業は彼らの行いの始まりだが、
おそらくこのこともやり遂げられないこともあるまい。
それなら、我々は下って、彼らの言葉を乱してやろう。
彼らが互いに相手の言葉を理解できなくなるように」
主はそこから全ての地に人を散らされたので彼らは街づくりを取りやめた。
その為にこの街はバベルと名付けられた。
主がそこで全地の言葉を乱しそこから人を全地に散らされたからである。

なるほど神への挑戦は困難であってしかるべきものなのだろう。

この1930年の当時においては夢の土地カリフォルニアであるが
現在のグローバルな状況に言い換えそれを地域から拡大して国家とすると
アメリカ・UK・ドイツ・フランスあたりであろうか。
しかしながらもはや新世界などどこにもないことを学ばねばならない。

 ヨハネの黙示録 第14章
火を支配する権威を持ったもう一人の御使いが祭壇から出て来て、
鋭い鎌を持つ御使いに大声で叫んで言った。
「その鋭い鎌を入れ、地の葡萄の房を刈り集めよ。葡萄は既に熟しているのだから」
そこで御使いは地に鎌を入れ地の葡萄を刈り集めて、
神の激しい怒りの大きな酒舟に投げ入れた。
その酒舟は都の外で踏まれたが、血はその酒舟から流れ出て、
馬のくつわに届くほどになり、千六百スタディオンに広がった。

アメリカという国家は移民国家であり
日本人のような土地に対する信仰が少ない。
そういう移民国家に日本は敗戦してしまい
土地に縛られて生きる代わりに
産土神の強力な守護が受けられるという信仰に
一般論からいえば疑問符が付いてしまった。

しかし神は移り行き人は土地に縛られるというのが
本来の姿であることを
この年になってやっと答えとして得ることが出来た。






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特別投稿 禮月さま伯母の夢啓示のページP5

2016-11-13 10:11:15 | 神霊界考察
コメントが長くなり読みづらいと思いますので
このP5に続けてください。
20161113作成 吉田一氣


『特別投稿 禮月さま伯母の夢啓示のページP1』へのリンク
『特別投稿 禮月さま伯母の夢啓示のページP2』へのリンク
『特別投稿 禮月さま伯母の夢啓示のページP3』へのリンク
『特別投稿 禮月さま伯母の夢啓示のページP4』へのリンク
20170102 新規ページ作成されました。
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コメント (188)
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