昨冬、仲間からもらったリンドウの実生苗7株が成育し、そのうち先ず1株が開花しました。茎は、図鑑で見るように直立することは無く、地面を這うように30センチくらい伸び、茎の先端に複数の蕾がつきました。根茎が生薬で、強烈に苦いそうで、漢字では竜胆と書きます。苦いこと「熊」以上と言うことで「竜」になったのでしょうか。
リンドウの花言葉は「勝利」です。他人より優れたいと思うのは人間の本能とも言うべき資質です。つまり闘争心です。勝つことにより幸せな気持ちになれるのです。闘争心により人類は文化を発展させ今日の繁栄を築いたとも言えるのです。我々も闘争心を燃やし、切磋琢磨し技術を磨き、技能を高め、知識を蓄え、それぞれその道の「勝利」を勝ち得たのです。10月13日、土浦市は金婚を祝う会を開催し、私たち夫婦も招待されました。招待された161組の夫婦も何らかの意味で「勝利」者なのではないでしょうか。
「勝利」があれば、その裏に「敗北」があります。私の父はマラソン選手でした。95年前、若くしてオリンピックの日本代表にもなりました。日本代表になった時は「勝者」でしたが、オリンピック大会では「敗者」になりました。その後箱根駅伝では大学に優勝をもたらし「勝者」になりました。その頃が父の全盛期といえます。やがて就職し、営業マンとなりますが、しばらくはオリンピック、箱根駅伝の威光でビジネスもうまく行ったようですが、年とともに威光も褪せてしまいました。私の知っている父は、交際と称してゴルフや酒におぼれている感じでした。「スポーツ選手がもてはやされるのは若いうちだけ、スポーツ選手にはなるな」が口癖でした。「勝利」はほんの一時的で、長続きしないこともあるのです。むしろそれが一般的ではないでしょうか。
「勝者」になってもやがて「敗者」に落ちることを考えれば、人生の「勝者」とは「長続きする幸福」を手にすることではないでしょうか。今自分の人生を振り返ってみると、「人の役に立つ」ことこそ長続きする幸福だと思うのです。皆が「人の役に立つ」ことを心がければ、自分の長所を役立て、短所を補われ、助け合いの平和な社会が実現するのです。そこには「勝利」も「敗北」もありません。
「頑張る」とは自分の能力以上を目指すことをを意味し、未熟な若い人たちがすることです。金婚を迎えるようになれば、それまでに確立した自分の得意分野を世の役に立て、頑張らずに人生を楽しめばよいのです。自分では得意分野を思いつかないかもしれませんが、皆と行動を共にしていると、「自分にもいろいろあるな」と思いつくものです。
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