パッションフルーツに初めて出会ったのはスリランカの涼しい高原の観光地でした。暑さに弱い果物で、平地では育ちが悪いと聞きました。ビタミンが豊富とのことで、よく賞味したものです。懐かしく思い、土浦でもホームセンターから幼苗を購入して栽培してみましたが、親株は虫害で枯死し、挿し木にしておいた2年目の苗が今ようやく花を着け出しました。屋上でグリーンカーテンに仕立てているのですが、暑い季節はすでに過ぎ、今頃開花しても完熟するかどうか気がかりです。
パッションフルーツの花言葉は「信じる心」です。私はもう余命も少なくなり、金銭や地位の欲もすっかり薄れたせいか、大勢の人から「信じられること」ほど幸せなことはないと思っています。「信じられること」は極めて簡単なことで、私利私欲を捨て正しいことを誠意をもって行えば、自然に周囲から認められるものなのです。
ただひとつ気をつけなければらないことは、悪意を持って近づき、嘘をついて金品を詐取しようとする者がいます。暴力は振るわないものの、根拠のない噂話や陰口を流す者もいます。発言を暴力的に遮る者もいました。しかし欲がなくなれば、そのようなことに対しては無視することができるようになるのです。財産を増やそうと思って詐欺話にひかっかたり、いじめの挑発に乗ることもありません。
「信じる」、「信じられる」とは人と人との関係、ふれあいにほかなりません。人生には常にふれあいがあり、ふれあいが蓄積して人生が形成されてゆくのです。この歳になって、自分のふれあいの歴史を振り返ってみれば、人生に決定的な影響をもたらせた信じることができる、すなわち尊敬できる人生の恩人が必ず何人かいるはずです。