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一口馬主の投資戦略

Blessingsさまからご質問があったので、一口馬主のシステムについて、私の知っていることを簡単に説明します。

一口馬主サークルは数多くありますが(週刊「競馬ブック」でもご覧下さい)、一頭の馬の代金を20人(社台レースホース)から500人くらいで分割する場合と一口5万円というように値段が決まっていて高額馬は口数が増える場合とがあります。何れも、月に40万円~50万円の馬の維持費が掛かるので、ご注意下さい。

良血馬が安いのは、やはりいい肌馬・種馬を自分で持っていて生産もしている社台のようですが、社台は一口のサイズが大きいのでややお金持ち向けです。これまでに大活躍馬が多く出ているのは、社台を別格とすると、「マイネル○○○」の馬名で有名なラフィアンでしょうか。これまでのところ、安い馬でもいい馬を選ぶ選択眼があるようです。

競馬の賞金は、馬主80%、調教師10%、騎手・厩務員にそれぞれ5%と配分されますが、この80%から5%部分を手数料として取って、75%を口数で割って会員に分配するクラブが多いようです。

投資採算の大まかな目安をいえば、順調にレースを使って(年間8~10戦くらい)、年間2勝できるような馬なら黒字でしょう。「無事な1千万下(クラス)」のイメージです。

私が最初に買ったのは、当時シンボリホースメイトのシンボリフォルテという馬で、シンボリルドルフが父、母がシビルフォルティー(米国産、父ビーマイゲスト)の初子でした。440~450kgくらいのやや小型の馬で、ジリ足でしたが、準オープンくらいまで出世して(テレビでいうと日曜日なら3時前後に出走の準メインのレース、土曜なら時々メインレースに出走)よく入着してくれたので、投資額の倍くらい儲かりました。

5着まで賞金が出ますし、8着まで出走手当が出るので、1~3着で馬券に絡まなくても楽しめるのが一口馬主のいいところです。また、生産者への奨励の意味でしょうが「父内国産」馬が入着すると追加の手当が出当たり、2000mを超えるレースで(正確に何mからか忘れましたが)、「長距離出走手当」が出たりします。無事にレースを使って、半分くらい掲示板に載っていれば、馬主としては、まあまあ満足だということが分かります。いわゆる「無事是名馬」の感覚です。

一口馬主としては、何と言ってもレースに出て貰えないと、維持費だけがかかって、気分的にも辛い状態になります。また、仕上がらなくて、出走できなければ代替馬を選べる一口馬主サークルが多いようですが、あまり見込みが無くても、一、二度出走させて、これを不可能にされてしまうこともあります。

最近は、ペーパーオーナーゲームが盛んですし、TVゲームで競走馬を生産するゲームもあるようなので、馬の選び方に詳しい方が案外多かろうと思います。一口馬主の場合、敢えて一言付け加えるべき戦略を言えば、あまり大型馬でない方がいいとは言えそうです。パンフレットに「スケールの大きな雄大な馬格」と書かれているような馬は、牛のように仕上がりにくかったり、仕上がっても足元が故障しやすかったりするので、450kgから470kgを目処にするといいのではないでしょうか。かつてならトウカイテイオー、最近ならディープインパクトのような馬格の繋ぎ(足の末端の関節)の柔らかそうな馬で、利口そうな顔をしたのが、私は好みです。

短距離系の血統の馬の方が、仕上がりやすく勝ち上がりやすいイメージですし、対象レースも多いように思いますが、長距離血統で何とか軌道に乗ると、先のように長距離の出走手当が出たり、或いは、そもそも長距離のレースは出走頭数が少ないことが多く、賞金や出走手当にありつきやすいので、どちらがいいかは、良く分かりません。

実際になってみなければ分からないというのは、些か想像力の欠如でしょうが、走らせる側に立って考えることが出来ますし、順調に出走できれば、2-3年かなり楽しい、ほのぼのとした応援が出来るので、一口馬主は悪くない趣味だと思います。馬券にハマって苦しい思いをされている方が、一息入れるのにもいいのではないでしょうか。

但し、口数の多い買いやすいサークルの馬は、馬の代金に相当のプレミアムが乗っている感じなので、なかなか儲かりませんし、足元などが「無事でない」ことも多いので、基本的には、儲からないものだと思ってやった方が良いと思います。
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