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グリーン車のハゲとボクシング会場の美女

 幻冬舎新書に「なぜグリーン車にはハゲが多いのか」(佐藤明男著)という本がある。同書の著者がグリーン車に乗って調べたところ、3車両42人中17人が薄毛の男性で、40.4%の男性が薄毛だったという。対して一般指定席は3車両228人中12.7%の人が薄毛だったという。日本人成人男子の薄毛率は26.7%で(2007年アデランス調べ)で、この数字はグリーン車と一般指定席の乗客の平均値(26.5%)とほぼ重なるという。この現象にたいする佐藤明男氏の説明は「知能が高く、競争心や支配意欲が強い薄毛の男性は出世する人が多い傾向があり、それゆえ、グリーン車には薄毛の方が乗っている割合が高いと思えるのです」というものだ。
 私は、四月から、二週間に一度東京・名古屋を往復する新幹線のグリーン車に乗る用事(東海テレビの情報番組のコメンテーター)が出来たので、行き帰りに観察してみようかと思うが、そういうこともあるかもしれないし、そうでないのかも知れない。おそらく、佐藤明男氏の意図は、「優秀な人にハゲが多いのだから、ハゲを気にするな!」ということなのではないか。この本自体は、社会ウォッチングというよりも、男性の髪の毛に関する知識の啓蒙書だ。
 このグリーン車のハゲのように、「○○○には、どうして×××な人が多いのか?」という現象を見つけて、その理由を考えることはなかなか面白い。私は、最近、いくつかのケースについて考えを巡らせて暇を潰している。
 最近理由を考えているのは「なぜボクシングの試合会場には美人(女性)が多いのだろうか?」という疑問だ。近年、年に数回程度ボクシングを試合会場で(多くは後楽園ホールで)見る機会があるのだが、会場を眺め渡して平均すると、東京の他の場所の平均よりも、明らかに美人が多いような気がする。この事実については、私と一緒ににボクシング観戦した男性複数が同意している。
 私のある友人(男性)の解釈は「人は、自分が持っていない属性を『いい』と思いやすい。自分が美しい女性は、男性に美を求めずに、強さや能力を求める傾向があるのではないか」というものだ。
 そうであるかもしれないし、そうではないかもしれない。私は女性でないし、自分が美しいと思ったこともないので、この解釈の正否は実感レベルで判定できない。ただ、美人でない女性も美人と同じ程度強い男性を評価することがあってもいいような気がするので、この説明に満足していない。
 この現象に関する私の仮説は、「女性の場合、ボクシングの観戦はたいてい(特に最初は)男性に連れられてくることが多いから、『男性が連れてきてもいいと思う女性』という意味で、容姿の優れた女性が試合会場には多くなる」というものだ。ボクシング会場にいる女性は、女性だけで来ているグループもあるが、少なくとも最初は男性にボクシング観戦のパートナーとして選ばれた方が多いのではないか。つまり、彼女らは、男性による選択というフィルターを一度はくぐり抜けた集団である可能性が大きいのではないか、という推理だ。
 ボクシング以外でも何らかのイベントに誘われる女性は、そうでない女性よりも、女性全体の平均よりも美人である公算が高いと思うが(あくまでも平均値の比較だが)、加えて、ボクシングの試合会場を訪れることが多いある種の男性は、派手好みの趣味(身なりや、振る舞いで)を持っている人の比率が高いように思う。彼らの好む(美意識を満たす)女性は、外見が美しい人が多いという理由もあるのではないか。

 他にも幾つか理由を考えている事象があるのだが、不特定多数の読者の目に触れるブログのような場所には書きにくいものが多い(飲酒時の話題ていどにちょうどいいことが多い)。

 読者にも、「こういう場所には、こういう人が多い」という現象に対する気づきと、その理由に対する推理があれば、(かつお暇なら)ご教示いただけると嬉しいです。

(注;程度の問題なので加減は難しいのですが、特定の人や集団が不愉快に感じるような話題はご遠慮下さい。私も我慢しています・・・・・・)
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テポドンは誰のために飛ぶのか

 4月5日の東京はいい天気だった。首からライカをぶら下げて、ポケットに日本酒の小瓶を押し込んで、家族連れで市ヶ谷の土手付近を花見散歩した。散歩の途中、周囲の人の会話で北朝鮮がミサイル(ないしはロケット)を発射したらしいことが分かった。考えてみると、市ヶ谷には防衛省があるわけだから、本当に有事となると、こうのんびりしてはいられないのだが、花を見て、食事をして、もちろんたっぷりお酒を飲んで、いい気分で帰ってきた。
 北朝鮮のテポドン発射が重大な問題であることに異存はないし、「いい」というつもりは毛頭無いのだが、予告があり、じっくり燃料を充填し、アメリカの衛星から偵察されつつ、さあ飛んだ、という経緯で、じっくり見守られて、何やら天然記念物の鳥の巣立ちのようにやっと飛んだこのミサイルは、本当のところ、どの程度の脅威なのだろうか。
 軍事・国防については、技術・思想両面に関してここで議論するつもりはないが、テポドンが飛ぶことで得をするのは誰なのだろうか。
 金正日氏(本人が健在だとして)とその政権は、国際社会に嫌がらせをして、これを止めるか止めないかを交渉材料にして、他国の譲歩を引き出すことを得意としているし、何といっても発射決定の当事者なのだから、発射を「得」だと思っているのだろう。
 最もハッキリと得をしているのは、アメリカの軍需産業だろう(軍そのものから関連業界まで範囲は広い)。ミサイル防衛網だけでなく、北朝鮮が軍事的な脅威として存在することが、彼らに大きな需要をもたらしていることは疑いない。日本のアメリカ依存が強まることも彼らの需要にとってプラスだ。
 もちろん、武器関連産業から軍事ライターにいたる日本の軍需業界にもテポドンはそれなりに貢献しているはずだ。
 政治はどうか。一般に国際的緊張は、(へまをしなければ)与党に有利だろう。特に経済が不調の今、防衛問題や国際関係に国民の関心が向くことは、どちらかといえば、麻生政権にとって有利ではないだろうか。アメリカの現政権にとっても、日本に貸しを作りやすい状況は政治的にマイナスではあるまい。中国政府にとっても北朝鮮との仲介者としての役割が表に出やすいから、このミサイル発射をマイナスとは捉えられていないのではなかろうか。
 こう考えると、テポドンは重要な利害関係者の多くから、実は温かく見守られて発射されたようにも見える(もちろん日本国民の大多数には大いに迷惑だが)。反対や警告の声が国際的にあったにも関わらず、発射が止まらなかったのは当然だったのかもしれない。
 それでは、損をしているのは誰だろうか。
 たとえば、北朝鮮との融和が好都合なビジネスがあるとすれば、損をしていると考えていいだろう。北朝鮮の援助をビジネスにする人、あるいは旅行関係業界などだろうか。前者はたとえば総合商社だが、商社は軍需関連で直接・間接に儲かるから、トータルでは損ではないかも知れない。損をしている人がいるとしても、この種の損の金額は小さそうだ。
 仮に(あくまでも仮定であることに注意)「テポドンの脅威」に過剰に反応することで、余計なお金を使うことになるのだとすると、一番ハッキリ損をしそうなのは日本の納税者ということになりそうだ。
 天気が良かったせいもあって、正直なところ、あまり怒る気のしなかったテポドン発射だったが、やっぱり少し怒っても良かったことが分かった。
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有効恋愛求人倍率

 ここのところいかにも真面目な話題が多いので、少し柔らかめの話をしましょうか。元データはネット専業で格安生命保険を販売するライフネット生命保険の調査レポート「婚活に関する調査」(http://www.lifenet-seimei.co.jp/newsrelease/index.html)ですが、「有効恋愛求人倍率」というものを計算してみました。(ネーミングとしては「有効求愛倍率」の方がいいと思いますが、既に書いた原稿で使ったので、このエントリーでは「有効恋愛求人倍率」にしておきます)

 この調査レポートは20代、30代の独身男女1000人に対して「肉食系」(恋愛に対して能動的。自分から意思表示できる)「草食系」(恋愛に対して受け身。自分から言いたいことが言えない)という区別を導入して、この区別に関する自己認識、相手に求めるタイプ、将来の結婚への自信、「婚活」(結婚するための活動)のあれこれなどを訊いたものです(「ITメディア誠」でも取り上げてみました。http://bizmakoto.jp/makoto/articles/0904/02/news011.html)。
 先ず、調査対象男女の自己認識として、「草食系+どちらかといえば草食系」が男性(「草食男子」)75.6%、女性(「草食女子」)74.2%いて、「肉食系+どちらかといえば肉食系」がそれぞれ100%から引いた残りだけいます。
 次に、たとえば「草食男子で相手に草食女子を求める比率」(求職側)と「草食女子で相手に草食男子を求める」(求人側)の数字を求めて、後者を前者で割って「草食女子を求める草食男子の有効恋愛求人倍率」を求めます。
 この場合、(自分は)草食男子で(相手に)草食女子を求める人は229人(調査対象全体は男性500人)いて、草食男子を求める草食女子は129人しかいないので、有効恋愛求人倍率は0.56倍ということになります。(大まかにいって男性は草食系女性を求め、女性は肉食系男性を求める傾向があります)
 このようにして求めた、2(性別)×2(自分のタイプ)×2(相手に求めるタイプ)=8通りの「有効恋愛求人倍率」は、以下のようになります(小数第3位四捨五入)。

 (自分のタイプ)→ (求める相手)  有効恋愛求人倍率
・  草食男子  →  草食女子     0.56倍
・  草食男子  →  肉食女子     0.28倍
・  肉食男子  →  草食女子     3.61倍
・  肉食男子  →  肉食女子     1.60倍

・  草食女子  →  草食男子     1.78倍
・  草食女子  →  肉食男子     0.28倍
・  肉食女子  →  草食男子     3.63倍
・  肉食女子  →  肉食男子     0.63倍

 たぶん現実の恋愛成就率は有効恋愛求人倍率に自分の「持ち点」(残念ながら個人差があります)を乗じたものに比例するのでしょうが、顕著な傾向としては、積極的になると(つまり、肉食系になると)成就率が高いということが言えそうです。
 漠然とこんなことではないかとは思っていましたが、私としては、もっと早くに知っておきたかった実用痴識でした。
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