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【お知らせ】東洋経済オンライン プレミアムイベント


ぐっちーさん、山崎元さん、吉崎達彦さんとみんなで盛り上がろう!
競馬好きエコノミストが読む!「2015年もヤバい日本経済+2014年有馬記念予測」

【イベント詳細】
解散総選挙となり、波乱含みとなった2014年末。アベノミクスはどうなるのか? 「東洋経済オンライン」の人気コラム二ストで、『ヤバい日本経済』の共著者、ぐっちーさん、山崎元さん、吉崎達彦さんの「競馬好き3人衆」が、最高のタイミングで2015年の日本経済&世界のマーケットと、2014年の有馬記念を大胆に予測します! 講演後は立食パーティー。ぐっちーさんが選んだシャンパンで乾杯! おいしい食事とお酒(飲み放題)で、3人のエコノミストと大いに盛り上がりましょう! 午年(うまどし)の最後を飾るにふさわしい“プレミアムイベント”に、ぜひご参加ください。

【日時】
 2014年12月22日(月)18:30~21:30
 (開場17:30、100名様限定)

【会場】
 東洋経済新報社本社ビル9階ホール

【イベント概要&講師】
 「2015年もヤバい日本経済+2014年有馬記念大予測」
 3人の講演会(鼎談)終了後、20時をメドに立食パーティーとなります。

【講師】
 ぐっちーさん(山口正洋、投資銀行家)
 山崎元(経済評論家)
 吉崎達彦(双日総合経済研究所副所長)

【会費:立食パーティー代を含みます】
 1万円(税込み)
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労働組合の勉強会で何を伝えたらいいか?

 講演で珍しい依頼が舞い込んだ。ある労働組合系の地方組織が春闘に備えた勉強会の講師として来て欲しいという。時間は90分で、テーマは講師に任せるという。

 私は大筋として労働組合という仕組みに賛成ではないし、「春闘」も現在の延長で順調に死語になればいいと思う。しかし、個々の労働者のためには役立ちたいと思うし、組合が弱体化しつつあること、あるいは弱体化した方がいいことを前提とするとしても、現在、一定の影響力を持っている訳だから、この適切な行使に資する情報を伝えたい。
 ただ単に組合批判だけを述べに行くのは社会的なバカのすることだろう。

 とはいえ、何を伝えたらいいのかが、なかなか思い浮かばない。しかし、日程が迫ってくるとテーマを決めて準備しなければならないので、以下のような項目を考えた。

<A.現在の経済状況と経済の見方について>

(1)金融危機後の世界経済と日本経済の現状
1-1.新興国のミニバブルと日本の低迷
1-2.アメリカの金融緩和と「出口政策」
1-3.金融業の現状

(2)危機発生の仕組みとバブルの循環パターン
2-1.バブル発生の条件(金融緩和&リスクの誤認)
2-2.ビジネスモデル化した「バブル」
2-3.バブル対策と回復のパターン
2-3-1かつての「バブル崩壊後」との比較

(3)2010年の株価・為替レート
3-1.日本と世界の株価予想
3-1-1株価を見る上での注目点
3-1-2個人として投資するならどうするか
3-2.為替レートの予想と主な注目要因

(4)デフレと経済政策
4-1.デフレの原因(ユニクロデフレ元凶説の誤りなど)
4-2.日銀・政府がやるべきこと
4-3.財政赤字に対する考え方
4-4.今年度予算の注目点
4-4-1事業仕分けの功罪

(5)「コンクリートから人へ」の評価
5-1.分配政策と景気対策の峻別
5-2.分配政策と政・官・業による「中抜き」
5-3.産業政策は成長戦略ではない
5-4.政策評価視点としての「ベーシックインカム的」

<B.民主党政権のこれまでと新しい権力構造>

(1)ここまでの鳩山政権
1-1.鳩山首相の何がいけないか?
1-1-1政策選択の評価
1-1-2政治家としての問題点
1-2.亀井静香大臣の功罪
1-2-1政策論の危険とバランス
1-2-2政治的な面白さ
1-3.藤井財務大臣の問題点
1-3-1為替政策
1-3-2予算とその策定プロセス
1-4.前原大臣とJAL問題
1-4-1前原大臣の長所・短所
1-4-2JAL問題の何がまずかったか
1-4-3JAL問題の今後の展望
1-5.鳩山政権劣化の今後と二大政党制
1-5-1鳩山由紀夫氏の消費期限
1-5-2二大政党制のゲーム構造

(2)小沢一郎氏の権力構造
2-1.「権力の構造」だけを見る視点
2-1-1実質的な人事権のあり方
2-1-2お金の流れへの影響力
2-1-3小沢型の権力モデルとその将来像(推測)
2-2.小沢一郎氏の政策を推測する
2-3.政治家としての小沢一郎氏の評価
2-4.小沢氏・民主党と連合
2-4-1参議院選挙を前に組合は小沢氏に何を要求すべきか

<C.「提言」:労働者は何をめざすべきか?>

(1)フェアで自由な労働契約
1-1.派遣は完全自由化が正しい
1-1-1弱者苛めとしての派遣禁止
1-1-2経営者の行動
1-2.正社員既得権の適切な緩和の必要性

(2)ルール化された労働条件
2-1.解雇のルールと補償条件の明確化
2-2.派遣・請負の管理責任の明確化

(3)副業・起業の自由
3-1.副業の自由の明確な確立
3-2.小さな起業の条件整備

(4)現実的・効率的な年金
4-1.企業年金の現状(=惨状)
4-1-1事例としての「JAL年金」
4-2.「年金」が問題になった時何を要求すべきか
4-2-1DC化の際の年金実質ディスカウントについて
4-2-2現実的な企業年金再構築
4-2-2-1加入者のためになるDCの条件とは
4-2-3企業年金を巡る世代間対立
4-3.公的年金に対して何を求めるべきか
4-3-1現状の年金の問題点
4-3-2民主党の年金改革案の長所・短所

(5)組合単位から個人単位へ
5-1.組合を「仕分け」せよ!
5-1-1組合の存在で誰が潤うか
5-1-2非正規労働者と労働組合
5-1-3グローバルな競争と労働組合
5-2.組織率低下とコスト・ベネフィット
5-3.フェアな労働契約ルールへの橋渡し
5-4.政治的影響力の残し方・使い方
5-5.「個人単位」の爽やかさ!

 ●

 「勉強会」ということで網羅的に項目を並べてみると以上のようになった。
 網羅的であるつもりだが、何かが抜け落ちているような気がするし、全ての項目に対して自信のある内容が伴うわけでもない。
 一方、項目を並べてみると、90分の講演時間に対していかにも多い。私は滑舌が悪くない方だと思うが、さすがに、これだけの項目を一気に話すのは大変そうだ。聴衆も真面目に聴くと疲れるだろうし、普通に聴くと眠るだろう。特に、パワーポイント付きだと絶対に終わりそうにない。薄めてのばすと、新書一冊分くらいの内容になるのかも知れない。

 現実的には、話題を絞り込みつつ、公演日までに起きたニュースや思いついたことを追加して、手元資料はA4の紙2、3枚くらい(箇条書きの項目とグラフかデータが数点)で話す準備をすることになるだろう。
 何れにせよ、上記のリストをじっくり眺めていただけると私が何を言いたいか、たぶん、講演そのものを聴くよりも良く分かっていただけるのではないだろうか。珍しい講演依頼だったので、内容案をご紹介してみた。

 読者の皆様には、現代の真面目な労働者に是非伝えたい内容があれば、ご教示いただけると幸いです。
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リア・ディゾンさんへの同情と希望

 歌手(?)のリア・ディゾンさんが、自身の妊娠とこれにともなう芸能活動の休止を15日の記者会見で発表した。翌16日のスポーツ紙には一面トップで報じた社もあるし、朝の情報バラエティ番組でも大きく取り上げた。私は、たまたま出演した「やじうまプラス」の番組の中で記者会見の模様とメディアの取り上げ方を見た。
 会見は、話題にはなったが、失敗だったと思う。会見を見た人の殆どリアさんに好感を持たなかっただろう。質問には一切答えないという異例の方針をメディアに伝えて、あらかじめ決められた質問に対する彼女の応答と、写真撮影だけで終了した会見だったが、やりとりに意味不明の部分があったし、怒号のように質問が飛ぶ中、これを無視するリアさんは、硬直的で尊大な変な人として画面で伝えられたと思う。
 コメンテーターとして同じ番組にご出演された江川紹子さんは「いったい、何サマのつもりなのだろう、と思ってしまう」とコメントされたが、この会見に関する限り、何の違和感もない。芸能人としてメディアを利用する立場でありながら、愛想は悪いし、質問には一切答えず、「指輪を見せて下さい」という注文にさえまともに応えない彼女は、何とも感じが悪かった。
 もっとも、質問に答えるのは嫌だという事前通告を聞きながらも、「つわりは大丈夫ですか?」というような質問を止めずに取材して、これに対して困る様子を画面や紙面に容赦なく晒すメディアの側も、これが彼らの商売なのだとはいえ、気分のいいものではない。あれだけ本人が困り、嫌がる様子を見ていながら「おめでたい発表なのだから、もっと笑顔で和やかに」などと言われても、メディアの側が、無神経に自分に好都合なことを言っているように聞こえる。
 それにしても、リアさんの所属事務所の対応は不十分だ。準備した質問にしか答えない会見なのに、たぶん、質問だけをチェックして、答えはリアさんに任せた(放り投げた)のだろう。「彼は、あなたのどこが気に入ったのですか?」という質問に対して、「ビッグ・ピーチ!」と一言リアさんが叫んで、「それはどういう意味ですか?」という会場から飛んだ質問には答えない、といったやりとりは、不必要な悪印象を与えるものだった。
 リアさんが将来芸能活動に復帰する意思があることを言おうとしたと思われる「ポイしないでね」という台詞も、状況を考えると全く不十分だった。ファンやメディアの人々に対する感謝の言葉くらいは最低限必要だろうし(商売としては)、将来の復帰の可能性をポジティブな印象で伝える言い回しを、事務所は事前に本人と一緒に考えておくべきだった。

 グラビアで売れて、「グラビア界の黒船」とも称されたリア・ディゾンさんだっが、当初から本人がやりたいことと周りの期待にズレがあったようだし、芸能界に上手く溶け込めずにいたように思う。
 彼女は、グラビアが好きでは無かったし、歌で売れたかったのだと思う。しかし、申し訳ないが歌はいいとは思えなかったし(高校の学芸会レベル以下だったと思う)、日本語と礼儀が十分にこなれていないままメディアに露出していた。リア・ディゾンに「音」は不要だった。
 事務所としては、この点を正確に伝える努力をすべきだったのではなかろうか。露出を惜しみながら、グラビア・写真集、CMで、大きな仕事を取っていくと、ビジネス的には大成功できたのではないだろうか。
 自分がどう受け止められているのかが正確に分からないから、彼女の側では、メディアや芸能界に対する不信感が生まれたのではないだろうか。
 紅白歌合戦に出た頃が彼女の人気と商品価値のピークだったと思うが、この頃も、周囲から孤立して精神的に不安定な状態であったことが報じられていた。日本語力が十分でなかったこともあっただろうし、危機感あるいは嫉妬を抱いた周囲のイジメもあっただろうと思う。事務所のサポートが不十分だったのではないか。
 もっとも、不十分ながらも、彼女を売ろうとして努力してきたのに、今回、(たぶん)何の事前相談もなしに妊娠して活動を休止するとリアさんに通告された事務所やマネージャーにも大いに同情の余地はある。
 しかし、これまでの経緯と彼女の心境(周囲への不信)を思うと、今回の記者会見は、彼女が可哀相に見えて仕方がなかった。

 被写体としてのリア・ディゾンさんの素質は圧倒的だったと思う。
 彼女自身が晒すことを好まなかったであろう完璧なボディーもさることながら、哀愁を帯びた表情が独特だった。写真によって出来不出来の差が大きかったが、彼女と比較すると、具体的に名前は挙げないが、同時期に売れていたグラビア・アイドル達の姿は、華のない日常的でつまらないものに見えた。ライバル達が危機感を持って、彼女に意地悪したい気持ちになったのも仕方がない。
 率直にいって、リア・ディゾンさんのルックスは、顔の造りも、ボディーも私の好みではないが、それでも、よく撮れた写真はどきりとするほど素晴らしいと思う(ネットで画像検索すると写真が山のように出て来るが、水着・下着やセミヌードのものよりも、着衣のものの方がいい)。
 リア・ディゾンさんに関して、一つだけ個人的な希望をいうと、荒木経惟さんがリア・ディゾンを撮ったポートレートを見てみたい。たぶん、ものすごく合うと思う。「ヌード」とか「縛り」といった無理はいわない。普通のポートレートでいい。
 出産を無事終えて、落ち着いたら、考えてみて貰えないだろうか。
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沖縄に講演に行ってきました

 24日に沖縄タイムス様の主催の講演会で話をしてきました。那覇空港到着時の気温は16度で、地元の人々は異口同音に「今日は寒い」と仰るのですが、ざっと10度ほど寒い東京から行くと、コート無しで歩くのに丁度快適でした。食べて、飲んで、さらにその後に夜中の街を一人で一時間半くらい散歩しましたが、ほろ酔いの酔っぱらいには、寒くも熱くもない適温でした。
 お客様は沖縄の経済界の人々で、講演の後の懇親会が新年会を兼ねるということもあり、ざっと100名様くらい(目算です)の方々が集まって下さいました。
 話の内容は、メモ書きからテキストだけ抜粋すると以下のような項目です。当ブログの読者であれば、説明しなくても内容をご推察頂けるでしょう。

=============================
(1)サブプライム問題は第二ラウンドに入った
-証券化商品の損失問題が第一段階、不動産価格の米国景気への影響が第二段階
-不動産は「サブプライム」だけではないし、価格はまだ下がる
-日本のミニバブルも終わった
-「一回目の修正は不足、三回目からは過剰」?
・2008年、日本の成長率;政府=2.0%、IMF=1.6%
-<認識>が<事態>に追いつくまで株価は下がる

(2)サブプライム問題では儲けた奴にも注目しよう
-証券会社、銀行、不動産屋、建設業者、ヘッジファンド、格付け会社、保険屋
-成功報酬は貰いっぱなし!
-「オプション」としての成功報酬・成果主義のリスク拡大効果

(3)「日本株一人負け」の理由は二つある
-輸出企業への依存の大きさと、政策への絶望
-米国は金融緩和+減税、日本は金融引き締め懸念+増税懸念

(4)日銀総裁は福井体制の延長線上ではダメ
-福井総裁はやっぱり不適格だった
-「フォワード・ルッキング」が外れた責任
-現在の政策委員はダメだとすると誰が?

(5)国家ファンドはなぜダメか
-国家を通じて運用するよりも直接運用する方がいい
-国家ファンドは「巨大なカモ」!

(6)年末の日経平均を試算してみよう
- 益利回り+利益成長率=金利+リスクプレミアム、の関係から計算
・長期的な成長率を一定と仮定して、今年の名目GDP成長率を代入
・リスクプレミアムは5%、6%、7%で、6%が標準

(7)日本人が運用下手だという根拠はない
-家計金融資産伸び率は家計の「運用力」を表さない
・日本もバブル期(80年代)は10年で100→277だった
-外国人が上手い訳ではないことに注意

(8)退職金が振り込まれた銀行ではお金を運用するな
-銀行に限らずセールスマンは「味方」ではない
-「一見いい運用」が「本当にいい運用」なら売っている筈がない
-財布の中身を見せながら取引するな
-アドバイザーから商品を買うな

(9)シンプルで手数料が安いETF(上場投資信託)で運用しよう
-「いいファンド」は事前には見分けられない
-"幕の内弁当"は複雑で割高
-投資家が選べるのは手数料だけ

(10)たとえば、日本株と外国株を4:6で組み合わせてみよう
-分散投資効果は確かにある
-外貨預金、外債(外国債券)は個人に不向き
-自分のリスクの大きさを決めてシンプルに投資するだけでいい
=========================

 相場と投資戦略に関する大筋は、家賃利回りから見てアメリカの不動産価格がまだ下落して景気に悪影響を与えるであろう事をはじめとする各種の不安材料を説明し、事態の悪化に市場参加者の認識が追いついた辺りに「底」を期待して、下がったところで株式のエクスポージャーを増やせばいいのではないかということを説明し、内外の株価指数に連動するETFを4:6で買えばいいのではないかと申し上げました。加えて、現日銀のダメさ加減、シティバンクがこれまでいかに悪辣で日本を舐めているか(情報開示が信用できない段階で上場させて、その状態を漫然と許しておく東証も不思議ですが)、そして銀行で投信・個人年金保険などのリスク資産運用を行うことがいかに不適切か、と結果的には、各種の銀行批判に力点を置きました。まあ、どの銀行に関しても、話す側としては、気持ちよくこき下ろしたと言っていいでしょう。
 講演後の懇親会の挨拶をされたは地元の銀行の偉い方だったのですが、私の話に困っておられて、「銀行といってもいろいろあるので、その辺のところを、ご理解いただきたい」と仰っておられました。「銀行窓販で買ってもいいと思える投信は一本もない」、「銀行に資産運用の相談をしてはいけない」といった私の話の内容には全く嘘はないのですが、聴衆の中に地元の銀行の方がいらっしゃることは計算外で(←本当です)、少し申し訳なく思いました。銀行のお偉方がいるくらいのことで話の内容は変えませんが、事前に意識していれば(講演前に主催者から出席者リストを見せて貰いましたが、私は、そこまで気が回りませんでした)、もう少し丁寧にからかってあげたのにと、いろいろな意味で残念でした。

 今回の講演は、沖縄タイムスの講演会のご担当の方が、当ブログを見て、このブログのメールアドレス(yamazaki_hajime@mail.goo.ne.jp)にメールを送って下さって実現しました。主催者の沖縄タイムス様には、完璧かつ過分のアレンジをして頂き、気持ちよく話をさせて頂きましたし、一泊の旅程で短時間ではありましたが、大変快適に過ごしました。ご同業の方々(←講演する人)には、沖縄タイムス様主催の講演は快適だ、とお伝えしておきます。
 以上、当ブログから発生した講演なので、読者にご報告します。
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たまにはバラエティー番組にも

 しばらくテレビ番組にはご無沙汰していましたが、日本テレビの「オリラジ経済白書」という番組に出演しているのでご報告します。私としては、たぶん初めての本格的なバラエティー番組への出演です。今日、11月6日が放映日です。当ブログの読者に見られるとすると、恥ずかしい気もするのですが、せっかくなのでお知らせしておきます。
 この番組は、生放送ではなく事前に収録して編集が加えられた番組です。どの部分が使われているか現段階では分かりませんし、いつ収録して、何を話したというような話はできないので、お暇でしたら、あまり真剣にならずに観てみて下さいと申し上げておきます。経済クイズに答える番組ですが(たとえば、あの一見儲かっていなそうな商店は何で儲けているのか、等)、私は、大竹まことさんと組んで回答に参加しています。事前に「バラエティー番組なので・・・」と何回も言われていたので、素人出演者なりに楽しんで賑やかに参加した積もりです。
 いざ収録に参加してみると、バラエティー番組には、ある種のテンションの高さが必要のようです。たくさん出ているタレントさんは大変だろうなあ、と思わせるものがありました。収録しながら特に印象的だったのは、KABAちゃんこと椛島さんの様子で、「スーパーモーニング」の椛島さんとは別人のような弾け方で、なるほど方々の番組に引っ張りダコな訳だと感心しました。
 私としては、初回ということもあり、クイズの要領と共に、どのくらい収録していつ終わるのか分からないこともあって、ほぼ同じ時間の生番組出演よりも疲れたような気がします。しかし、これは、これで、なかなか面白いものだとも感じました(自分だけ面白くても仕方がないのですが)。
 クラタマ(漫画家の倉田真由美さん)言うところの「銀行員面」(ぎんこういんづら)で、特段トークが面白いわけでもない私が、バラエティー番組に頻繁に出るようになるとは思えませんが、チャンスがあれば、また喜んで出てみようと収録後には思いました。
 「オリラジ経済白書」は、また収録に呼んでくれたので、今後も出演機会があるかも知れません。
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TVコメンテーターの立場・現実・責任

 幸運な(と自分では思うのだが)行きがかりが幾つかあって、ここ2年ほど、生放送でニュース(的)情報を伝えるテレビ番組の「コメンテーター」と呼ばれる仕事をする機会があった。
 ちょうど「スーパーモーニング」(テレビ朝日、朝8時から)のレギュラー出演がさる9月25日で終わったことでもあり、テレビ番組の「コメンテーター」について、簡単に考えておきたい。私がコメンテーター経験した番組は、「めざビズ」(フジテレビ。放送終了)、「とくダネ!」(フジテレビ、朝8時から)、「スーパーモーニング」、「ニュース・リアルタイム」(日本テレビ、午後4時54分から)、「ニュースGyaO」(GyaO、放送終了)、である。拙いコメンテーターではあったが、どの番組にも愛着がある。
 
 当ブログに限らず、ブログや掲示板などを見ると、TVコメンテーターの発言は、多くの場合、不見識で思慮の浅いものとして、批判されている。公共の電波を使ってけしからん、有害だ、という論調もあれば、「TVのコメンテーター並みのバカ」という表現もそう不自然でなく響くように(少なくとも、私は、その表現で、何が言いたいか分かる)、いい加減な論者の代表的な評価もある。だが、はたして、そんなに酷いものなのか。
 
 コメンテーターの立ち位置を考えよう。たとえば「とくダネ!」と「スーパーモーニング」では、若干役割が異なる。

 「とくダネ!」は、現在のような形式でニュース・情報を伝える「情報バラエティー」(間違っていたら、フジテレビのどなたか、ご指摘下さい)の形式のパイオニアであると思うが、これは、ニュースそのものと共に、ニュースを見た感情や感想をセットで伝える、という、考えようによっては、なかなか強力な表現スタイルだ。
 メイン・キャスターの小倉智昭さんは、ニュースを伝え、番組を進行すると同時に、ニュースの受け手にもなって、彼個人が受けた率直な印象を表現する。彼が、根強い人気を持っている理由は、司会としての安定感や声の良さ(本当に通る!)以上に、「正直に意見を述べている」という印象を与えるからではないだろうか(その分、反感も強烈に受けることがある)。
 喩えていえば、まだテレビが一家の中心であった時に、例えば三島由紀夫の割腹自殺とかいったニュースを一家で見ながら、一家のお父さんが、「いいことではないが、俺は、三島の気持ちが分かる」などと、自分の考えを家族に言う(小倉パパは、タカ派ではないので、こうは言わないだろうが)。そんなお父さんの役割を、小倉氏が担っている。ちなみに、佐々木恭子さんが、お母さんなのか、長女なのかは、見る人によって見解が分かれるかも知れない。笠井アナウンサーは、いつも居る、隣(か親戚)のオバサンだろう。コメンテーターは、一家が迎えた、今日のお客さんというくらいの位置づけだ。
 このように、「とくダネ!」は、みんなでテレビを見るように進行し、親父や友達の意見に自分の感情が影響されるような形で、視聴者はニュースを受け取る。
 番組出演の際のコメンテーターの典型的な動きは以下の通りだ。先ず、多くの場合、前日の夕方くらいに、番組のラフな構成表と、それぞれのネタに関する資料(新聞、雑誌のコピーが多い。結構分厚い)をバイク便で受け取る。「おすぎのエンタメ・・・」のようなコーナーがあると、2、3日前に、取り上げる映画のDVDなどを送ってくる場合もある。要は、準備をしておけ、ということだ。但し、この段階での、構成は、翌朝にすっかり変わっていることがある。翌朝、迎えの車の中には、新しい構成表と、追加の資料が入っている事が多い。
 6時半前後にお台場のフジテレビに着いて、メークを済ませて、6時45分くらいから、MCを含めたメンバーで打ち合わせが始まる。打ち合わせは、長いと1時間に及ぶ。それぞれの、ネタの担当ディレクターまたはレポーターが、取材して分かったことを述べる。この段階で、事件の被疑者の名前やプロフィールを出すとか出さないとか、発言に関する打ち合わせを済ませておく。番組のスタッフに迷惑をかけないためにも、また、せっかくの取材の意図を汲む上でも、私は、気持ちの上で、この打ち合わせを本番と同じくらい重視している。ちなみに、番組名物の小倉氏のオープニングトークは、この段階では大体ネタが出来ているようだが、これは、コメンテーターにとっても、番組と共にいきなり始まる話題である。ちなみに、幾つかTV番組に出てみて、「とくダネ!」ほど、いきなり始まる(リハーサル一切無しで)番組は珍しい。笠井アナウンサーが現れるのは開始1、2分前が多いし、その頃、佐々木恭子さんは悠然と化粧を直していたりする。
 ここで強調したいことは、「とくダネ!」は、非常に丁寧に作っている番組で、コメンテーターにもしっかり準備をさせてくれるが、コメンテーターは、感想や知っている情報を言えば良く、何らかの有益な情報を必ず追加しなければならない、というような役割ではないことだ。実際、殺人事件もあれば、教育問題もあり、芸能ネタもあり、たまには経済ニュースもある、というような、広い範囲に対して、コメンテーターが専門的な知見を加えられるはずがない。

 「スーパーモーニング」の場合、打ち合わせに関しては、時間が短いことと(30分くらい)、キャスターやナビゲーター(火曜日だと若一さん)とコメンテーターは別々に打ち合わせをする点がちがうが、「とくダネ!」と比較した場合、コメンテーターに、暗黙の役割分担がある点が主なちがいになるだろうか。
 私が出ていた火曜日で言うと、宮崎(美子)さん、椛島さん(KABAちゃん)には、主にニュースに対する表情を中心としたリアクションが求められるのに対して、大澤弁護士や私には、何らかの追加的な情報なり意見なりが求められていたのだと思う。とはいえ、必ずしも専門分野の話題とは限らない。私の出演期間は、殆ど安倍政権の末期ぶりと朝青龍問題に費やされた印象がある。将来、安倍氏や朝青龍の顔を見ると、私は、「スパモニ」を思い出すだろう。
 そして、さらに、若一さんが居て、赤江、小木、両キャスターが居て、という役割の関係が「とくダネ!」よりも複雑な番組であったが、小倉氏がすっかり取り仕切る「とくダネ!」よりは、飛び入りの意見を言いやすい、ある種の活気がスタジオにある。私は、どちらの番組も好きだし、チャンスがあれば、また出てみたいと思っている。

 「とくダネ!」と「スーパーモーニング」について説明したが、どんなご感想を持たれるだろうか。
 コメンテーターとは、単に、テレビの中にいる「お客さん」に過ぎないのだ。たいていの場合、人に物を教えるような立場から発言している訳ではない。
 もっとも、ニュースを見るのに、招いてもいない客に付き合わされるのは不愉快かも知れないし、コメンテーターの言うことは否応なく聞こえるが、視聴者が画面に向かって何か言っても、誰にも伝わらないという非対称性があるので、自分の感想をしゃべり散らかすことが出来るコメンテーターという存在に対して、視聴者がある種の反感を持つ場合があるのは、仕方がないと思う。
 一方、たとえば、2時間出演していても、一人のコメンテーターがしゃべるのは通算せいぜい2、3分だし、VTRの構成とそう違うことも話せないし、時間の制約もある。だが、それでも出たいと思う動機は何かと考えると、TV出演が、多くの人に自分の言葉を伝えられる機会であることと、TV番組の独特の緊張感が楽しいということだろう。ちなみに、私のような立場(非タレント)の場合、出演料は主たる動機にはならない。
 もちろん、発言内容の良し悪しに関する評価はあっていいし、発言者は自分の発言に責任を持つべきだが、もともと、番組にあってコメンテーターという存在は、怒るほどの甲斐もない相手なので(当たり前だが、内容の大半は、ディレクターその他、制作側によって規定されている)まあ、大目に見てやって下さいな!



 生でコメントが出来る機会が無くなったことは、少しさびしいし、山崎元商店の営業上は、また機会があれば、積極的にトライすべきだろう、と思っている。未定ながら出演交渉中の番組があるだが、まだ公表できる段階ではない。
 のびのびとたくさん話せる番組があると一番嬉しいが、「言うこと」について、自分で工夫できる余地が少しでもある番組なら、テレビ、ラジオを問わず、何でもやってみたいと思っている。
 思い起こすと、朝4時半からの生放送、という生活リズム的にはとんでもない番組だったが、「めざビズ」は、なかなか良かった。深夜枠やCSででも、再チャレンジできないものか。
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退職金の運用について富山で講演して来ました

 7月7日に、富山市に行ってきました。日本ファイナンシャルプランナーズ協会富山支部主催の、FPフォーラム2007で、講演とパネルディスカッションに参加しました。
 講演のタイトルは「団塊世代はこんな金融商品は買ってはいけない ~金融機関との上手な付き合い方~」でした。主催者の、主張が明確で、少し刺激的な話を(?)、というリクエストに応えて決めたものです。
 何はともあれ、退職金が振り込まれた銀行で投資性の運用をしてはいけないことから話し始めましたが(銀行窓口で売っている投信と個人年金保険でいいものがないことと、顧客のお金の本体を預かっていてセールス上銀行の立場が強すぎることの二点が理由)、たとえば、外国資産運用をするなら、外貨預金や一般の投資信託にはいいものが殆ど無いけれども、海外のETFを使うと、まずまずローコストで分散投資の意味のある運用ができるといった、「こうした方がいいよ」という話もある程度入れたので、タイトルから想像されるような、ダメ出しばかりの話をしたわけではありません(注;市販の投信では、国際投資のリスク分散のメリットを、手数料が喰ってしまうことになりそうです)。
 もちろん、顧客の立場に立って最善のアドバイスをするべきFPが、毎月分配型の投信(税金が明らかに損)や、バランス・ファンド(同様の効果をもっとローコストに作ることが出来るのでNG)、個人年金保険(投信にに似て、投信よりもコストが高い)などを顧客に勧めるようではいけませんが、アドバイスがなければ、こうした商品を買っていたかも知れない顧客を救うことで、顧客が明らかにセーブできたコストの中からFPが報酬を取ることは、顧客とFP双方のためになるのではないか、というのが、私が考える、当面の、FPと顧客の好ましい関係像です。顧客は、商品の手数料を節約する中から、FPに対するアドバイスのフィー(手数料)をもっと払うといいように思います。
 FPにも、もっと勉強して欲しいとも思いますが、顧客の側でも、FPにお金を払う方が、金融商品で余計な手数料を払うよりもずっといいという(正しい!)認識を持って欲しいと思っています。独立・客観的な「FP」には、FreeでPoorではなく、FaithfulでProfitableな職業になって欲しいと、私は、思っていますが、そのためには、顧客の側でも、意識を変えることが必要でしょう。ちなみに、顧客が望むのは、FriendlyでPrudentなFPです。
 聴衆の1/3くらいがFP、残りが一般の来場者だったようですが、私の講演でも、その後のパネルディスカッションでも、熱心にメモを取っている方が多くて、話をしていて、随分張り合いのある会合でした。富山のFPの皆様、どうもありがとうございました。
 写真は、富山支部のFPさんたちとの打ち上げの一次会の最後に撮ったものです。私の向かって左隣が富山県立中央病院の宮澤秀樹医師(呼吸器外科がご専門。医療保険に加入するよりも、その費用で、人間ドックの検査を充実させた方がずっと有効であることなど、実用的なお話をたくさん教えて下さいました)、そのさらに左隣がFP協会富山支部長で今回のイベントの企画と運営の責任者であり、パネルディスカッションのコーディネーターでもあったFPの石倉央さん(不動産にも強いFPで、話が非常にお上手な方です)です。
 後の打ち上げ(二、三次会も)が楽しかったこともあり、東京を離れた講演の仕事としては、久しぶりに楽しいと感じた仕事でした。
 尚、団塊の世代に限りませんが、退職金の運用は、何を考えて、どんな手順でおこなうべきか、合理性の裏付けのあるしっかりとした運用計画の作成手順を確立することが大切だと、改めて思いました。最大のポイントは、退職の時点で、金融資産の運用で、損をしてもいい金額を、どういう手順で求めるか、ということになりそうですが、この検討にあっては、徹底的に現実的であることが求められますし、答えの個人差が非常に大きな「ものになることが、予想できます。
 退職金の運用手順については、何度か原稿を書きながら、内容をよく考えて、最終的には、マニュアル化したいと思っています。
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会社は2年で辞めてもいい

 5月19日の土曜日に、日本経済新聞グループが主催する「転職フェア」で1時間ほどスピーチをしてきました。会場は、六本木ヒルズのアカデミーヒルズで、11時30分から12時30分までの1知時間でした。このイベントには多数の参加者(主に20代の若者)があり、講演会場の椅子は満席で、後ろに立ち見の聴衆が多数いる、という講演しやすい環境でした(講演のノウハウ本によると、人と人の間が空くような状況は、講演がやりにくいそうです)。

 話の内容は、「時間は貴重なので、20代の転職は、躊躇するな」という転職を後押しするメッセージと、「28歳までに自分の『職』を決めて、35歳までに自分の『人材価値を』確立しよう」という、大まかなキャリア戦略の考え方でした。人材価値は、ある仕事の能力があって、その能力が実際の仕事で証明されているという条件があれば、確立します。ビジネスパーソンの能力的な全盛期は、たぶん30代の前半であり、また転職もその時期までなら容易なので、30代の前半までに、ある程度仕事を覚えて、この期間を仕事の実績を作る時期として有効に使おう、というのが、基本的な考え方です。
 「転職哲学」(かんき出版)などで、何度か書いたことがある内容なので、論理に迷いはありませんが、文章を書くのではなく一時間話すとなると、それなりに準備が必要なので、下のようなメモを作りました。実際に手元で使ったメモは、ワードで文字が修飾されていて、さらに、手書きの書き込みがありましたが、何を言ったかは、大雑把には、以下のメモ原稿のテキストを見ると、分かっていただけるのではないでしょうか。

 城繁幸「若者はなぜ3年で辞めるのか?」(光文社新書)という、よく売れている本がありますが(新卒就職者の1/3以上、36%が、就職後3年以内に会社を辞めるのだそうです)、合わない会社/仕事だ、と思った場合には、3年も待つ必要はありません(城さんも、もちろん、待て、などと言っていません)。業種を大きく超えた試行錯誤が可能な28歳くらいまでの期間を有効に使って、自分がこれから時間と努力を「投資」して行く「自分の職」を早く見つけることが重要でしょう。
 尚、この講演の準備のために、城氏の上記の本を読みました。日本の企業にまだ残る年功序列の気風や習慣を徹底的に批判しており、成果主義に反対し、年功序列制を支持する人が、同年代間の格差には敏感でも、世代間の不公平に対しては、いかに鈍感であったかがよく分かる、なかなか面白い本でした。
 私の話は、現在の日本企業の人事のあり方に対する批判には共感するとして、それでは、現在、個人の立場で、特に若者が、何を考えて、どうしたらよいかを考えてみる、という位置づけのものでした。せっかくなので、若者にターゲットを絞って内容をまとめて、単行本化できるといいなと思っています。(タイトルは「会社は2年で辞めてもいい」で、サブタイトルで、若者向けの本であることを説明するということで、どうでしょうか)

 働き方やキャリアの作り方は、人それぞれでしょうが、何れにしても、会社などというものは当てにならないので、特定の会社に依存せずに済むような職業人生計画を作って、実行することが重要でしょう。

●<以下、講演で使ったメモのテキスト部分です>
=============================

「20代ビジネスパーソンのためのキャリア戦略と転職の考え方」

★ 20代の会社員が「適職」に就いている可能性は小さい

「最初の仕事はくじ引きである。最初から適した仕事に就く確率は高くない」(P.F.ドラッカー)
学生の情報収集には限界がある
実際に働いてみて、自分に合うかどうかが分かる
「適職」は恋愛と同じく「出会う」もの。計画的に手に入れることは難しい
しかも、不況時に就職した人は納得の行く選択が難しかった

★ 仕事のやり甲斐の二要素(最低一つは必要)

①他人(顧客でも、同僚でも)の役に立っていて、評価されているという実感
②自分の仕事が進歩/成長しているという実感
自分の「価値観」に合わない仕事は続けても上手く行かない

★ 急に訪れた「売り手市場」は「適職選択のチャンス」!

新卒市場の加熱、第二新卒採用の活発化、転職も容易
雇用は景気の遅行指標
バブル崩壊期の若年採用抑制の反動
明らかに企業の人材政策失敗の結果
日本の人材採用は、将来の必要性よりも現在の利益の関数(半導体の設備投資と同じ)
若年採用の抑制は、企業の「未来のリストラ」だった
現在の採用計画を見て、企業に先を見通す能力など無いことを知れ!
企業に人生を委ねるな!
現在は、職業再選択のチャンス。早く自分の「職」で商品価値を持て。

★ 人材価値の構成要素(両方が必要)

何らかの仕事を遂行する「能力を持っていること」
能力が、「現実の仕事を通じて証明されていること」
キャリア戦略上はどうやって「経験者」になるかが重要
「資格」はそれほど有効ではない(多くの場合、回り道)
MBA?
国内(社会人)大学院修士/MBA??
証券アナリスト、FP、・・・???
最終的に個人の「資産」は、一に顧客、二に能力

★ キャリア戦略のポイントは28歳と35歳

 遅くとも28歳までに自分の職に就き、35歳までに「人材価値」を確立することが基本戦略。

★ 28歳までの転職は業種/職種を大きく変えることが可能

「試行錯誤」が出来る数年間
「石の上にも三年」は有害なアドバイス。正しいアドバイスは「時は金なり」
※私の場合は25歳の時点で「ファンドマネジャー」という「職」を選択した
28歳迄の根拠は二つ
①35歳-5年(実績を作る期間)―2年(仕事を覚える期間)
②新しい事への適応能力の変化(?)

★ 35歳までの30代前半で「人材価値」を確立する

仕事が出来るということが、実際の仕事の経験を通じて説明できるような履歴を作る
たぶん30代前半が、最も仕事が出来るビジネス・パーソンの全盛期
「転職年齢35歳限界説」は緩和されたがまだ残っている
次の不況で復活の可能性も
自分の人材価値を確立した人は40代でも多数転職している

★ 転職は、自分でする人事異動である

転職は、単なる「職場の引っ越し」
「引っ越し貧乏」的な費用は掛かる
引っ越しで友達が増える
自分と会社は基本的に対等と考えよ
交渉の相手は会社ではなく人間である
「あと二回で決める!」というくらいの気楽な気持ちで

★ 転職の最重要ポイントは「仕事の内容」

仕事の内容を事前に確認せよ
人材価値を創る/守る
2年先の自分をイメージせよ
仕事の内容がぶれていなければ失敗しても、やり直しは利く
キャリア上のダメージは小さい
転職には不確実性がつきもの

★ 重要なのは、仕事>人>給料

お金に関して若い頃の損は取り返しが利く
自分の人材価値を確立することが重要

★ 転職活動は「猿の枝渡り」だ

先に辞めてから職を探すのは不利
キャリアの空白による人材価値の下落
精神的焦り
面接でも不利
給与交渉その他も不利
入社後の処遇にもマイナス
契約のリスク管理はしっかりと

★ 履歴書はデートの申し込み、面接は自分を売る商談だ

相手が必要とする情報に絞ってきちんと説明する
転職面接で回答を準備すべき質問は4つ
①これまでの勉強と仕事の内容
②応募先の志望理由
③入ってから具体的にどんなことがしたいか
④今の(多重転職者の場合過去も)会社を辞める理由

★(結論)転職のある人生も悪くない

転職は、職業人生の自由度を拡大する手段だ
結果的に不要ならしなくてもいいが、用意は常に必要
転職の失敗は取り返しが利く
転職の快感!
自分のことを自分で決めるスリルと満足感

<補足>
転職には、いろいろあるが、どれもあり!

1.自分の職を選ぶための転職
20代の転職、初期の転職は、主にコレ

2.仕事をより良く覚えるための転職
お金は仕事に付いてくる

3.覚えた仕事を活かす場を得るための転職
主に30代の転職

4.経済的条件を改善するための転職
プロとして自分のお金(報酬)には拘っていい。
難しいかも知れないけれど、他人と較べないこと

5.自分の自由度を改善するための転職
個人としての活動(趣味も、副業も、発言も)の自由度拡大
将来の暮らし方を考える

6.価値観に合わない仕事を避ける転職
気分は仕事のパフォーマンスに影響する

7.自分の時間を確保するための転職
自分のペースで働くことも重要

8.人間関係を変えるための転職
人同士の「相性」はある。「逃げ」を後ろめたく思うな。

 以上
============================

(注:当初のエントリーで、「城繁幸」さんのお名前を、「城重幸」と誤記していました。失礼いたしました。コメント欄のご指摘により、修正しました)
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「Y’s Bar」の収録に行ってきました。

日経CNBCが、制作・放送した番組で、「Y’s Bar」という番組があったのを、ご記憶でしょうか。私と森下千里さんがホスト側で、バーにお客様をお迎えする設定で、第一回、第二回のゲストは、経済アナリストの森永卓郎さん、米長邦雄将棋連盟会長でした。

番組タイトルは、同意したのだから、自己責任ですが、不遜にも「山崎」の「Y」とwise=賢い、をかけたものですが、これが「偉そう」なのと、かつて、村上龍さんがホスト役の番組で「Ryu’s Bar」という番組があり、このパクリっぽいタイトルである点が少々気になっています。

この番組の第三回目、四回目を制作することになり(それぞれ30分番組です)、先日、収録に行ってきました。

ゲストは、作家の渡辺淳一さん、漫画家の蛭子能収さん、でした。渡辺さんは、言うまでもなく恋愛小説の大家で、来年公開予定(1月13日)の映画「愛の流刑地」の原作者でもあり、恋愛・SEXの話題が大いに出るであろうことは予想されましたが、蛭子さんも、19歳下の女性とのご結婚が決まったところとあって、パワフルな性欲をご披露され、両熟年(72歳と59歳)のお元気さに圧倒されそうになりました。

ただ、この話題はテレビでもあり、あまり露骨にも聞けないので「あのー、年齢が上がってくると、例えば、野球のピッチャーで言えば、登板間隔が空いたり、一試合の球数が減ったりしますよね・・・」などといった比喩を交えて、話を進めました。

番組の放映は、12月31日の25時(正確には元旦の午前1時)から日経CNBCで放送される予定になっていますが、その後、何度か再放送されることになると思います。

インタビューの内容は、編集でどの部分が使われるかまだ分からないので、まだ披露できませんが、渡辺さんには、「愛の流刑地」のお話をたっぷりお聞きしましたし、蛭子さんとは、ギャンブル論を戦わせました(競艇と競馬と株式投資とどれがいいか、等)。

敢えて、楽しみな箇所をご紹介すると、先ず、渡辺さんに「脈あり」の女性の見分け方を教えて貰いました。「男は、女性をどんどん口説いて、振られるといいのだよ」とも教わりましたが、無駄玉を減らし、自尊心のダメージを少なくすることも大切でしょうから、これは、実用的な知識だと思います。

蛭子さんのお話で印象に残ったのは、蛭子さんが、なぜタレントとして多くの出演依頼を受けているか、という、いわば「蛭子商店」の経営に関する信条をお聞きした話です。なるほど、テレビ局が、蛭子さんを使いたがる訳だ、と思いました。

共演者の森下千里さんは、話への絡み方が上手くて、番組を、明るく、スムーズに進行してくれたので、素人出役である私としては、大いに助かりました。今までこの種の番組やイベントなどで競演した何人かの女性タレントの中でも、ピカイチの話しやすさです(中には、話しやすくない方もいらっしゃるのです)。

どんな出来上がりになるか、心配でもありますが、お暇な方は、是非、ご覧になってみて下さい。放送予定の詳細が固まりましたら、また、このブログでもお知らせいたします。

「Y’s Bar」は今のところ不定期営業ですが、チャンスがあったら、またやってみたいと思っています。
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NewsGyaO終了

2月の番組開始からほどない頃から、私がコメンテーターとして主に月・火・水の週三日出演していた番組「NewsGyaO」が先週末、9月29日をもって、いったん終了した。番組終了の話は、ある程度前に聞いていたのだが、番組スタッフや出演者でも事情を聞くタイミングにかなりの差があったらしいことと、正式発表がなされていなかったので(USENの株価が大きく動いている時期でもあったし)、これまで、このブログに書かずにいた。

私は、「ネットと放送の融合」というかけ声を実現するにあたり、(ライブドアや楽天のように)出来合いの放送局を買おうとするのではなく、「自分で作ってみようではないか」というUSENのGyaOに関するアプローチに好感を持っていたし、制作が難しく、また、費用もかかるであろうデイリーのニュース番組(しかも生放送)を立ち上げるという「正攻法」のアプローチも好ましく思っていたので、出られるだけ出ようと考え、週に三日間、出演させて貰っていた。

しかし、ビジネス的には、当面のUSENにとってはなかなか負担が大きかったようで、これは私の推測だが、USENをカバーしているアナリストの関心が集中しているであろう、「GyaOの黒字化はいつか?」という問題に対して、コストカットで答えを出すために、費用のかかるデイリー・ニュースから一時「降りる」と決断したのだろう。番組開始以来、8月上旬くらいまでは、現実もその後の計画としても、番組の時間枠やコーナーを拡充する方向に動いていたし、USENの新オフィスではGyaO用のスタジオを三つ作っている(現在は溜池に一つ。三つという話は、未確認の噂話なので、関心がある投資家はご自分で確認されたい)などとも聞いていた。NewsGyaOの打ち切りは、急に決まったものだろう。

「株価を意識すると、長期的な経営が出来ない」という事例として数えることも可能かも知れないが、それはそれとして、仕方がないとしたものだろう。大きな無理をせずに、GyaO自体を継続して、チャンスを待つことが重要だ。ただ、「NewsGyaO」という番組名は、GyaOをネット上の放送局として続ける以上、継続性を持たせたい名前だ。おそらく、何らかの形で、報道番組を立ち上げることになるのだろうから(たとえばウィークリーの)、連続性が切れる形になるのは、少々残念な気がする。

GyaOのような形でニュース番組をやろうとすると、幾つかの困難があるが、最大のものは、記者クラブの壁だったろうか。官庁関係にしても、自民党にしても、記者会見にカメラを入れて、出来れば質問もしたいわけだが、それぞれの主体に取材を申し込むと、「記者クラブの許可を得て下さい」ということになり、記者クラブの幹事会社(新聞社など)に問い合わせると、色よい返事が得られない。すると、自局(テレビマンの中には、GyaOをテレビ「局」と称することに抵抗感のある向きもおられようが、やっていることは「局」である)で使える映像を得ることが出来ないので、ニュースの画面としては、写真や建物の様子などを使うことになるが、ニュース番組としては辛い。

記者クラブは、一種の談合組織として、新規参入者に対する防護壁になっている。取材される側の都合を考えると、訳の分からない媒体やジャーナリストを排除できるので安心だし、記者クラブに参加しているメディアにとっても、取材が混乱を来さないという意味では、記者クラブは役に立っているのだろうが、ジャーナリズムの基本的なあり方としては問題だろう。長野県の前知事だった田中康夫氏が、長野県庁の記者クラブを廃止したが、これが本来の姿だと思う。長野県の場合、これでどうだったのだろうか。

何れにしても、個人のブロガー・ジャーナリストのようなものも記者会見への出席が認められるような方向のアメリカと較べても、日本のジャーナリズムは閉鎖的だといわざるを得ない。

もちろん、日本の現状には弊害がある。たとえば、前回の総選挙で、自民党圧勝の原因ともなった、小泉首相の記者会見は、彼に厳しい質問を浴びせることのない記者クラブ所属の記者達の協力によって、政権与党側にとって効果的なパフォーマンスに仕上がった。あの時に、何を訊かれても「どうして郵便局が役人でなければ出来ないのか、私には分からない。教えてくれ!」と言う小泉首相に対して、「総理、質問をはぐらかさないで下さい!」と言うような記者や、「郵政を民営化しても、同じ規模で行政と癒着した巨大独占企業が出来るだけではないのか」といった質問をする記者がいれば、印象は随分違うものになったと思う。

また、ニュースそのものの購入や、ニュースで使う映像の購入には、多額の費用がかかる。特に、後者に関しては、十分な動画映像を使えないため、たとえばスポーツ・ニュースのコーナーの制作上、大きな制約になった。スポーツコンテンツの映像に権利があるので、これはやむを得ないが、たとえばサッカーのワールドカップの時期には、他のスポーツニュースと大きな差が付く原因になった。スポーツ・コーナーの制作スタッフは、個人的には日本を応援しながらも、一次リーグでの敗退が決まって、ほっとした、というような案配だった。

新規参入で制作スタッフが少ないし(といっても、最後の打ち上げパーティーの出席者は70名以上になった。100人近くが、番組に関わっていたとみていいだろう)、多くの取材班をあちこちに差し向けるということは出来ないので、事件もののニュースが不得意だったのは、やむを得ない。もっとも、夕方の主婦向けの時間帯に放映するわけでもないので、殺人事件の現場や捜査状況などを細かく独自に取材する必要はなかったとも思う。

他方で、経済関係のニュースは、「それはどのような仕組みになっているのか」という話なので、原理的にそれほど差が付くわけではない。要は、伝える側が問題を良く理解していればいいし、必要があれば、的確に説明してくれる人を連れてくればいい。

また、インタビューについては、ゲストと聞き手の問題なので、上出来と不出来の両方があるが、企画次第では勝負になる。GyaOはアーカイブ機能がついているので、いわばVTRが自動的に回っているようなものだから、インタビューを資料的に残すことも出来る。もっと多用すれば良かったかも知れない。ネット関連の話題をニュースにした「ネット・ニュース」というコーナーも、時々後から見たくなるような内容(役に立つサイトの情報や、ノウハウなど)があった。GyaOは、ユーザーがネット上に自動VTRを持っているような仕組みになっているので、こうしたものは、必ずしもニュースという枠組みにこだわらずに、再チャレンジしてみる価値があるだろう。

また、どのみち素材映像などで予算のある地上波局のニュースには勝てないのだから、いっそのことニュースとコメントとの比率を後者重視に変えて、もっとその場でいろいろ考えてみる、というような井戸端会議的な伝え方でも良かったのではないかとも思う。

純粋にニュースだけを伝えるのか、ある程度中身に対する解説も加えようとするのか、番組によって差はあるが、既存の報道番組は、素材のVTRなどがパンパンに入って時間を食っており、内容についてその場で考えるというような余裕がほとんどないし、コメンテーターのコメントの大きな役割は時間調整である(そう考えると、分かりやすい)。内容の多くを出演者にゆだねるのは制作側としては不安が大きいかも知れないが、GyaOのようなチャレンジャーの場合、一つの方法としては、そうしたリスクを取っても良かったのではなかろうか。

USENとしては、月次なり、四半期単位なりで、まずGyaOを黒字化したいのだろうから、コストの掛かるデイリーのニュースをそのまま直ぐに復活させることはないだろうが、何らかの形の報道番組は遠からずまた始まるだろうから、これに期待したい。

個人的には、週に三日、数カ所ではあっても、ニュースにコメントするのは、面白い経験だった。ただ、午後8時半に赤坂溜池のスタジオに行き、9時半~10時15分に生放送、というタイム・スケジュールは、それなりに大きな制約ではあった。これが無くなると、友人と飲み食いすることがぐっと楽になるし、原稿書きに使える時間も増える。月に二回ほどコメンテーターを務めていた、日本テレビの夕方のニュース番組「ニュース・リアルタイム」のコメンテーターも9月で終了したので、この分の時間も増える。連載ものの原稿はもちろん〆切に間に合うように書いていたのだが、単行本の執筆が相当に滞っていたので、この時間的な余裕を全て飲み食いに回すのではなく、本の執筆に充てたいと思っている。

コメンテーターとしての反省記や、共演者の印象などは(週に三日、きれいな女性達に囲まれていたのだ!)遠からず、またこのブログに書くことにする。
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コメンテーター業と経済問題の話題比率

昨日、24日の夕方に、日本テレビの「ニュース・リアルタイム」にコメンテーターとして出演しました。18日に続いて、今月2回目の出演です。

私がキャスターの笛吹雅子さんの隣にいる時間は、始まりの16時53分から、18時半少し前の、約90分間です。しかし、90分間の出演とはいっても、私が話す時間は、合計しても3分くらいのものでしょう。ニュース番組であり、また日テレは独自取材の映像が多いので、流すVTRや中継映像がたくさんあり、スタジオ側でじっくり話すという展開にはなりません。番組の進行はまさに秒刻みで、キャスターは、VTRの放映中やCM中に次の原稿を下読みして、この秒数をストップウォッチで測って、時間を積み上げ計算しながら、「今○○秒押し」(「押し」は予定より時間を食っている状態。反対語は「巻き」。たいていの番組は少し押し気味に進行する)という状況を乗り切る努力をすることになります。

余談ですが、笛吹雅子さんというキャスターは隣で仕事を見ていると、なかなか大した人で、秒単位で時間を管理しながら、新人のアナウンサーを鍛えつつ(!)、先のニュースの内容をどうするか考えながら、隣のコメンテーターと無駄話もする、という余裕のある颯爽とした仕事ぶりです。女性に「ハンサム」といっては失礼かも知れませんが、そんな印象の人です。ニュースの内容についても、「現段階で、○○○社を、どの程度悪者として伝えて良いのか・・・」といったことについて、多角的に考えておられるので、誠実で、いい感じです。

そこで、コメンテーターの役割ですが、事前に打ち合わせたコメント箇所(だいたい5カ所前後)で、基本的には打ち合わせ済みの話をすることになりますが、だいたい「押し」た進行になるので、そうなると、内容的には是非必要というほどの事を言うわけではないので、時間調整の目的で、予定のコメントがカットされたり、短縮されたりします。なかなか制約の多い役回りではあります。

尚、私は、だいたいどの番組でも、進行表に要点となる言葉を落書きした程度のものを手元に置いて話をしています。(話の内容が一言一句正確であるよりも、時間をきめ細かに把握している方が、遙かに、歓迎されるようです)

この日のコメント箇所は、大雨関連が2箇所、欽ちゃん球団関連で1つ、千葉県教育委員会の嘘のニュースが1つ、金正日の第4夫人の話で1つ、という予定であり、その通り実行されました。コメントするニュースのラインナップについては、昼過ぎ頃からメールと電話で打ち合わせており、番組前に、30分くらい、もう一度打ち合わせる段取りになっています。

さて、前置きが長くなりましたが、この日は大きなニュースとして、王子製紙による北越製紙へのTOBがあり、日経朝刊のトップはこのニュースでした。この日の中にも、北越製紙の社長の王子との統合拒否の会見などがあったので、私は、このニュースが当然ラインナップに入るのだろうと思っていました。まさか、既に活動継続が報じられている、欽ちゃん球団のニュースが取り上げられて、このニュースが落ちることはあるまい・・・、と。

しかし、私がコメントするニュース以外にも、北越製紙のニュースは取り上げられることはありませんでした。

マーケットに近い仕事をしていると、北越製紙のようなニュースは、企業の有り様を通じて働く視聴者の生活にも関係が出てくるし、株式投資をしている人にとっても重要なニュースだから、「大きなニュースであり、身近なニュースでもある」と考えがちなのですが、当日に項目を打ち合わせたディレクターさんに聞くと、「やはり、事件物や、芸能ネタの方が、(視聴者の)喰い付きがいい」ということなのだそうです。

これは私の推測ですが、この時間帯のニュースは現在激しい視聴率争いをしており、主に主婦を視聴者層としていることを考えると、やはり、経済の話をじっくりやると、チャンネルを変えられてしまう公算が大きいのでしょう。別の番組のスタッフから聞いた話ですが、マーケット(≒株式市場)の話をすると、ニュース番組の通常の視聴者には、その時間に逃げられるリスクがあって、マーケットのコーナーを番組中に作るのはリスキーだ、というような考慮が、番組を作る側にはあるようなのです。

「もっと経済について伝えるべきだ」、「経済情報を発信する側も、経済の重要性を訴えるべきだ」とは思うものの、<国民の平均像の関心>を想像すると、経済というものは、せいぜい大きくても三割くらいのウェイトで、しかも、経済一般やマーケットの話となると、その半分くらいなのだろうか(数字に根拠はありませんが)、という事実認識を持つことも重要なのでしょう。

私がコメンテーターで出演することがある番組は、現在のところ、多い順に、「NewsGyaO」、「とくダネ!」、「ニュース・リアルタイム」で、何れも生番組(収録よりもやりやすい)ですが、私のコメントで経済関連のコメントは、たぶん、全体の3割に達しないでしょう。

そこで、<山崎元商店>の経営方針なのですが、確かに、経済の話をする方が、間違うことはあっても相対的には自信があるし、自分のためにも、視聴者をはじめとする他人のためにも、いいのではないか、とも考えるのですが、以下のような理由で、基本的には、経済以外に何の話でもコメントすることにしようと考えています。

1)「正しくて、面白いことを、広く伝えたい」という当商店の社是(?)からいうと、テレビの出演機会とある程度の知名度を持っている方が良い。
2)テレビという伝達手段は強力なので、有効活用できるようになりたい。そのためには、これに慣れる必要がある。
3)「正しくて、面白いこと」は経済に限らない。

但し、
A)テレビで専門外の話を話すことの危険や、
B)テレビという媒体がそこに出てくる人の個性を費消するような側面があること、
C)文字媒体で意見を伝える場合ほど問題を深く厳密に考えなくなる危険があること(テレビはその場が済めばホッとする)、
D)テレビは準備も考えると見かけよりも時間を食うこと(打ち合わせがあるとしても、生番組の方が終わりが読めて好都合です)、
などには十分な注意が必要でしょう。

また、分からないことは、「分かりません」、間違えた場合には、「間違えました」と言う、潔さは、常に持っている必要があるように思います。

尚、テレビ出演の<経済性>ですが、私は「タレント価格」で出演しているわけではないので(「文化人価格」には、TV局側のゆるやかな談合による価格水準があるようです)、出演料自体が「儲かる」という感じはありません。番組出演のために使う時間を考えると、その時間を原稿書きに充てるのと、そう変わらない収入だろうと思います。

評論家の<ビジネス・モデル>としては、テレビで知名度を作って、講演で稼ぐ(同じ時間でテレビの数倍~十倍位稼げる)、という形が稼ぎの王道のようです。私は、全然やらないということはないのですが、予定を決めることと、地方などに出かけることが億劫なこともあり、講演の仕事にはあまり積極的でないのですが、ビジネス的には少し拙いかな(講演の練習もしないと・・・)とは思っています。
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「お茶の間エコノミスト」

村上龍さんが主宰するメールマガジンJMMには、立ち上げの頃から参加させて貰っているが、特に、その初期の頃に、私が、エコノミスト(特に財政支出による景気対策を強調するタイプの人々)を揶揄する時につかった表現が「お茶の間エコノミスト」である。主にテレビで、したり顔をして、日本経済が大変だという顔をして、政府に「もっと対策を」とコメントする役割の、いかにもテレビ側に都合のいいコメントをする人々を総称する造語(別に、オリジナリティーを主張する気はないが、私が言い始めた言葉かも知れない)であった。

私は、当時テレビに出ることは殆ど無かったから、テレビのディレクターが言わせたいことに合わているだけのような、どうしようもないと思えたエコノミスト連中を、気楽にからかいながら、そう呼んでいたのである。「お茶の間向けにしか通用しないエコノミスト」といった蔑みのニュアンスで使っていた。

ところで、ふと考えてみたのだが、現在時たまテレビに出ている自分は、「お茶の間エコノミスト」であるのか、ないのか?

私は、経済学者でもないし、証券会社の肩書きとしてのエコノミストでもないから、狭義には「エコノミスト」ではないが、視聴者および、テレビの制作側から見ると、「エコノミスト」の範疇の人間だろう。そう考えると、「お茶の間」に顔を出す「エコノミスト」である、という自覚を持つことが、フェアであり、正しいことなのだろう。

すると、私がかつて揶揄していた彼らと、現在の私の違いは何なのだろうか?当時の彼らと私とでは、経済に関する意見は多くの点で異なるのだが、これは、残念ながら、視聴者にとって本質的な差ではなかろう。

他方、考えてみるに、「お茶の間」に経済に関する情報なり意見なりを伝えることは、それ自体、別段悪いことではない。問題は、中身であり、コメンテーターの追加する付加価値だ。

こうした諸条件から、取り敢えず、私が認識すべきことは、以下のようなことだろう。
(1)自分が、時々ではあってもテレビに出て、社会的に「お茶の間エコノミスト」を演じているという「恥ずかしさ」の自覚、
(2)言っていることが「正しくて、面白い」という点での差別化を目指し、この観点での視聴者からの評価を率直に受け入れる潔さ、
(3)毎回は無理としても、メッセージを伝えられるチャンスを生かして、テレビ側が意図する以上(この「以上」は質的にという意味)の何かをリスクを取ってでも伝えるべき事(つまり山崎元が提供する付加価値の重要性)、
の三点だ。

時たまテレビに出ることの、山崎元個人としての意味を正直に挙げると、
(A)テレビが自分の伝えたい意見や情報を大量伝達するために確保したい有効なな手段であること、
(B)「山崎元商店」のビジネス上の広報効果、
の主に二点と理解しているのだが、ここで大切なことは、(A)の趣旨を生かすことを、決して(B)に劣後させないこと、に違いなかろう。

つまり、当然のことながら、無難な話だけをするのではなく、自分でなければ伝えられないようなインパクトのある何かを伝えなければならないし、そのチャンスを常に窺っているのでなければならない。

テレビに出ていると、つい制作スタッフを満足させる進行に協力した(たとえば秒数を上手く合わせたとか、受け答えのテンポが良かったとか)ことに満足しがちになるのだが(これは、これで、大切だし、難しいことなのだが)、それで満足せずに、本質にグサリと刺さる痛烈な一言を言う努力を常におこたってはいけないということだ。

それにしても、「お茶の間エコノミスト」という単語を久しぶりに思い出した時には、正直なところ、ドキッとした。当面、オンエア/収録に臨む際には、「お前は、お茶の間エコノミストか?」と一言自問して、緊張感を高めることにしようと思っている。

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テレビ出演のコツ?

さる親しい友人がテレビに出るというので、「何かアドバイスはないか?」とメールしてきた。筆者は、時々テレビに出るといっても、ニュースなり情報バラエティー番組のコメンテーターとして時々出る程度であり、コメンテーターは番組中では言わば「お客さん」だから、それほど難しいことをしているわけではないので、この質問に回答するには明らかに役不足なのだが、かなり親しい友人からなので、以下のように、日頃考えていることを返信してみた。

ポイントを二つ述べているのだが、これらは、筆者が上手くやっていること、というよりは、「なかなかうまくできないこと」について述べたものなので、テレビで筆者を見かけることがあった際には、読者は、「ああ、やっぱり、上手くできないのだな」と思って、笑って欲しい(笑ってくれる視聴者も、有り難い視聴者である)。

■<友人への回答>
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① 要点その一は、目線をうろうろさせないこと。

「目線」は、ディレクターがなかなか的確に指示してくれないので戸惑うことが多いのですが(「自然に」と言われても、何が自然か分からずに却って硬くなる・・)、”複数の聴衆の前で、司会者と自然に話をしている”という気分で目線を動かすのがいいと思います。カメラ目線に固定すると、偏執狂みたいで変な感じになりますし、目線がうろうろ動くと、これまた落ち着かない変な感じになります。ちなみに、私がよくやる失敗は、首ごと動かさずに目玉だけを動かすことです。これは、少々慣れてきて、時間や、モニター画面の映り方の様子など、周囲をチェックする余裕が出てきたことでかえって起こっているのですが、首の動きはそのままに、目玉だけ左右することがあり、後から録画を見ると妙な感じです。司会者と自然に話しているつもりで、首を柔軟に動かしましょう。カメラの方で追いかけてくれます。撮影前に、首を左右にゆっくり回すといいかもしれません。

② 要点その2は、結論を先に話すこと。

どうしても、前提条件→理由→結論、あるいは、理由の前に、反対意見とそれがダメな理由などを入れて、結論を最後に持って行って、論理的に話したくなるのですが(きっと大先生もその傾向がおありでしょう)、これは、テレビ向きではありません。生の場合は時間が足りなくなることがありますし、収録&後から編集の場合でも、編集担当者が論理を十分追えないことが多いので、先ず、言いたい結論を極端であってもいいから言ってしまって、その補足、理由、あり得る反対意見へのコメント、etc.と続けるといいと思います。これは、一般的な賢い人の話し方とは異なるので(語順的には、女性によくある話し方ですね)、抵抗感がありますが、テレビの発言の深みとは、まあ、この程度のものであり、これを前提に何かを伝えなければならないと割り切る方が良いようです。話し方という点では、「早口」(これも私の陥りやすい癖ですね)にならないことと共に、生ではなくて収録の場合には、「たくさんしゃべりすぎない方がいいこと」もお伝えしておきます。たくさんしゃべると、不適切な部分を編集で使われるリスクが増します。どうも失敗がカバーできることのメリットよりもこちらの方が多い。また、同じ質問を何度も訊いて、自分の気に入るようにしゃべらせようとする不届き者が時々いますが、同じ質問には、「さっきお答えしたでしょ!」と答えてやって、質問の意図を質した方がいいことがあります。ちなみに、生の方が失語や失言のダメージがでかいのですが、私は生の方が収録よりも圧倒的に好きです。
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「生が好きだ」などと生意気なことを書いてはみたが、「NEWS GyaO」の昨夜のオンエアをPCで見てみると、何のことはなく、①も②も上手くできてはいない。まあ、諦めずに、気長に直していこう。
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米長会長と

念願の米長邦雄氏とお会いすることが出来ました。番組は日経CNBCで、今のところ、4月22日に放映される予定です。尚、写真は共演者の森下千里さんに撮って貰いました(「森下さん、ありがとう!」)。

話の詳細は、オンエアをご覧頂きたいと思いますが、一緒に聞き手をつとめてくれた森下千里さんが可愛いらしかったせいか、「全ては、男女の仲が基本です」的な方向に話が進みました。

私がお訊きしたかった、羽生将棋については、①羽生さんは引退したら全くちがう内容の本を書くだろう、②彼のライバル達は羽生さんの手口にそろそろ気づいてきた、③将棋そのものは簡単に「進歩」するようなものではなく、むしろ昔に帰るような傾向もある、というようなお話でした。米長会長が真意として何を仰っているのか、私の棋力では十分に分かりませんが、大まかには羽生さんの勝負の駆け引きに関する私の仮説が支持されたように感じました。

緊張する中にも、私にとっては有意義な対談でしたが、少し心配に思ったのは、「株式会社・将棋」の経営者たる米長さんが、経営戦略について、「伝統を大切にする事が大事」とだけ仰って、ネットの発達や、国際化のための戦略(たとえば柔道のように国際化すると未来が拡がる)に関して、具体的・積極的なアイデアのご披露が無かったことです。将棋連盟には、誰か商売上手なアドバイザーが必要なように思えます。

ちなみに、ネット・ビジネス的な観点で将棋というコンテンツを考えると、ボクシングでいえばノックアウトに近いスリルがあって見物人にとって面白いものだし、見ているだけでなく参加したくなるという意味で、双方向性もあり、Web2.0時代にも十分魅力的なコンテンツとなり得る素材だと思います。

頑張れ、将棋!
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米長将棋連盟会長に何を聞こうか・・・

あるテレビ局の番組で(放映が決まったら詳細をお知らせします)、私が聞き手で、女性の進行役兼聞き手は森下千里さん、セッティングはある都内のBAR、ゲストが米長邦雄将棋連盟会長という収録が今週金曜日にある。

朝にフジテレビの「とくダネ!」に出て、その後、直接収録場所に向かうハードスケジュールなのだが、米長会長にお会いできるのは、何とも楽しみだ。

私は学生時代将棋部だったので、もちろん古くから(升田幸三九段が「ムギナガ君」と呼んでいた頃から)米長邦雄氏のことを知っているし、ファンだった。また、就職してしばらくしてからのことだが、米長氏が50歳を目前に名人を取った時(1993年)には非常に嬉しくて、将棋連盟の売店に出掛けて、「名人 米長邦雄」と書かれた扇子を数本まとめ買いし、また氏の著作で著者名に「名人」と入ったサイン本をブックセンターで購入したりもした。また、米長氏は、多才な方で、著書だけとっても、将棋の本が多数ある以外に、人生相談の著書もあれば、勝負の考察の本もあるし、株式投資の本もあれば、囲碁の入門書もある。また、現在は、東京都の教育委員でもあって、教育分野でも一家言をお持ちだ。加えて、言語的な頭脳も極めて明晰なので、つまり、何をお訊きしても話題はつながる。

考えた結果、以下のような話題を取り上げたいと思った。

① 将棋というゲームの本質
私の仮説として、特にプロの将棋は、「相手を諦めさせる、頭脳の格闘技」だと思う。羽生善治氏のベストセラー「決断力」は一見、爽やかな自己啓発本だが、この本の中には同業者に対してコンプレックスを植え付ける仕掛けがさりげなく潜んでいる。そんな話を題材にして、将棋と勝負についてお聞きしたい。

② ビジネスとしての将棋の戦略
将棋連盟会長は、プロ将棋界の経営者であると同時に、アマの道場なども含んだ将棋業界のトップである。将棋というものを、どのように魅力的に売り出すべきか、その戦略をお聞きしたい。私は、ボクシングでいえばノックアウトで決まる将棋というゲーム(囲碁は大概判定にもつれ込む)のスリルをK1のように売り出すべきではないかと思っている。そのためには、もっとビジュアルにスリリングな演出を考えなければならないし、プロ同士の指し込み勝負などがもっとあってもいいだろう。

③ 中年以降に人生を盛り上げる方法
米長さんといえば、何と言っても「50歳名人」だ。本来若い方が有利な将棋のようなゲームで、なぜ、50歳を目前にしてトップに立てたのか、そのコツをお聞きしてみたい。

④ 女神に好かれて、モテる方法!
米長氏は、運を大切にし、(勝負の)女神に好かれようとする、独特の人生観をお持ちだ。おして、実績として、よくモテておられた。「チョイモテ」が流行る昨今、人生の運気を掴んで、女性にモテるにはどうしたらよいか、是非、お聞きしたい!

対談では、なかなか思ったことが聞けないものですが、何とか、一手でも多く、教えを請いたいと思っています。初めての番組の初収録なので、不安でもありますが、何といっても米長先生にお会いできるのは楽しみです。

尚、同日に、もう一本、対談を収録するのだが、こちらのゲストは、森永卓郎さん。こちらの方も大いに楽しみで、主に、「成功者・森永卓郎!」(「貧乏人の味方の森永さん」の方ではなくて)のセルフプロデュースの戦略をお聞きしようと思っている。
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