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【楽天証券】個人投資家のための切り札「コンサルティングのアンバンドル化」

 楽天証券ホームページでの連載「山崎元のホンネの投資教室」に「個人投資家のための切り札「コンサルティングのアンバンドル化 」と題する記事を書きました。

 個人投資家が証券会社の担当者に「相談」をした結果、その内容に納得したか、納得しなくても担当者に手間を掛けさせたことへの精神的な負い目から、証券会社に手数料収入が発生する注文を出してしまうというのは、少なからずあることでしょう。
 投資判断に関わる情報やアドバイスといった「相談」の対価は本来、どのように決まってどう支払われることがフェアなのでしょうか。
 自分が行う売買に対して(主として)比例的に掛かる委託売買手数料を通じた支払いが適切なのか、あるいは、例えば、定額の情報提供料を別途支払う方がいいのか、と考えた場合、それ以前の問題として、このどちらが実現するのかについては、運用商品の売り手側と、最終的な投資家である買い手側との力関係によって異なります。
 そしてこの場合、年金基金などの機関投資家と比べ、個人投資家は、得な立場にあるとは到底言えず、運用商品を販売する金融機関に対して手数料を払い過ぎているというのが現実です。金融商品・サービスの売り手側から見ると、運用資産額に対して比例的に手数料を取る形の方が、明らかに多くの手数料を取ることが出来るからです。

 合理的な個人投資家は、「相談は無料だったけれども、購入した運用商品では相当の手数料を払った」というような状態に陥ることを、意識的に避けなければなりません。
 お金の運用では、「相談する先」と「商品を購入する先」を意識的に分離して、それぞれを最適なものにしようとすることが決定的に重要です。例えば、運用について相談したいことがある場合、(1)運用方法・運用商品の選択に関する相談は信頼できるファイナンシャル・プランナーに相応の相談料を払って行い、(2)相談を踏まえて自分が買いたいと思う運用商品を最適な金融機関で購入する、というステップを踏むことが効果的且つ安全なのです。
 コラムタイトルの「コンサルティングのアンバンドル化」とは、まさにこの概念であり、個人投資家の側が経済的なメリットを最大化する上で鍵になるものです。「アンバンドル」とは、もともと組み合わせられているものを、別々に扱うことを指します。
 金融庁も、投資に掛かる間接コストを削減して、投資家自身がもっと儲かるようにしたいと考えているのなら、コンサルティング、即ち運用アドバイスを、運用商品の販売からアンバンドル化する方策を考えるべきでしょう。
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