goo

【夕刊フジ】進化する人工知能 投資でもコンピューターは必ず勝つ?

 夕刊フジの木曜日号(水曜発売)に「経済快説」という短いコラムを載せています(web版はこちら)。

 投資の世界において、高性能なコンピューターの使い手が、一般投資家に必ず勝つような世界は訪れるのでしょうか。コラムでは、ごく短期の取引と長期の投資とに分けて考えてみました。

 ごく短期の取引に関しては、僅かですが「速さ」の優位を活かして、ほぼコンスタントに儲けている業者が内外に存在するようです。一方、長期的かつ大きな単位で株式リターンの動きを予測する一般的な投資成績の競争上は、コンピューターを使った投資が必勝法レベルで有利になることはなさそうです。
 とは言え、投資の世界でも、データを扱いアイデアを考え実行する上で、コンピューターが相当に「有用な道具」であることは間違いありません。
コメント ( 7 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【楽天証券】個人投資家の参考にもなる、年金基金の「運用の掟七箇条」

 楽天証券ホームページでの連載「山崎元のホンネの投資教室」に「個人投資家の参考にもなる、年金基金の「運用の掟七箇条」 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 今回は、年金運用にあって、基金はどのように行動しなければならないかを取り上げ、「七つの掟」にまとめています。

◇掟その1 結果ではなくプロセスに責任を持つ
 もともと運用の結果に絶対的な責任を持つことなど誰にも出来ません。
 年金運用は「みんなのお金の運用」なので、「みんな」が合意出来る範囲の中で、粛々と行われるべきものです。

◇掟その2 年金運用には「ほどほどの保守性」が必要だ
 年金運用の内容は、多くの人が合意出来るものであることが求められます。ごく少数の人間だけがチャンスを理解しているような先進的な運用対象に投資することには馴染みません。

◇掟その3 目指すリスクとリターンは同時に決める
 日本の公的年金の運用では、リスクの大きさを明示的に検討することなく目標リターンが決められています。しかし、当然ながら、運用で負うリスクと、求めうるリターンとを考慮した上で、年金そのものの制度設計を行ったり、財政検証を行ったりするべきです。

◇掟その4 運用期間ではなく財務体力がリスク耐性を決める
 企業年金でどのくらいの大きさのリスクを取っていいかを決める主たる要素は、母体企業の財務的な体力と、リスク負担の意思によります。
 この場合のリスク負担の主体とは、日本の年金が賦課方式であり、広義の社会保障の一部であることを考えると、将来世代もある程度含めて納税者一般であると考えるのが妥当かも知れません。

◇掟その5 年金受託者は年金資産の価値のためだけにベストを尽くす
 年金運用を受託している年金基金に関わる者は、年金資産の価値を(適切なリスクの下に)最大化する目的のためだけにベストを尽くすべきであり、別の目的のために年金資産を流用してはいけません。
 当たり前の原則のようでいて、守られていないケースも時に見受けられます。

◇掟その6 余計なコストを払わない
 運用業者やコンサルタントなどに支払う手数料、さらには基金の運営コストは、理由無く余計に支払ってはなりません。

◇掟その7 資産全体を最適化する
 年金基金及び個々の年金マンは、合計が最適になるように運用全体を設計し、コントロールすることが求められます。
 例えば、複数の運用会社を使った結果、銘柄やアセットクラス単位で相殺的な売買が起こっていたり、個々の会社は手数料の高いアクティブ運用なのに、全体をみるとほぼインデックス・ファンドになっていた、というような状況は、明らかに最適ではありません。

 過去にあって、日本の特に企業年金の運用は、お世辞にも上手く行ったとは言えません。しかし、年金基金の行動原則をまとめてみると、彼らの来し方にはリアルな反面教師としての有益な教訓が満ちていたことが見えてきます。
 年金基金のあるべき運用の姿を知っておくことは、十分に個人投資家の参考になるでしょう。
コメント ( 4 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【エンジニアの生きる道】エンジニアに必要な国語の技術

 株式会社VSN様(技術系人材サービス業)のWEBサイトにて、「経済評論家・山崎元の「エンジニアの生きる道」」というタイトルで、月一回、エンジニアの方に向けたコラムを書いています。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 インターネットとEメールの発達により、ビジネスにおいて文章で用件を伝えなければならないケースが飛躍的に増えました。その結果、文章のコミュニケーションの上手・下手が人の評価に大いに影響するようになり、特に、的確な文章表現力につながる国語力は、エンジニアであってもそうでなくても重要な要素となっています。
 そこで今月は、「エンジニアに大切な国語の技術」と題する記事を書きました。

 文章によるコミュニケーションで最も大切なことは「正確であること」です。
 異論はあるでしょうが、Eメールでのコミュニケーションにあっては、言葉を惜しむべきではありません。言葉が増えても紙やインクの無駄になる訳ではなく、手間もたいして掛かりません。それより、誤解の余地がなくなるよう、言葉を惜しまずに説明する方がよいでしょう。メールによる誤解や感情の行き違いは、外国語のメールばかりでなく、日本語のメールでもしばしば発生するので気をつけたいところです。

 また、人は自分と同じ言葉遣いをする相手に親近感を覚える傾向があります。
 文章自体が上手いか下手かという要素を脇に置くと、取引先や顧客など、外部に向けた文章で使う言葉や文体の選択にあっては、自社内では日頃よく使うが一般的ではない単語を避けるといった、相手に合わせようとした配慮が伝わるか否かが重要です。

 文章を書く上で私が心掛けていることは2つあります。
 1つは、読みやすい文章を書くために、書き始める前に構成を決めておくことです。構成の見通しを付けてから書く方が速く書けますし、多くの場合、出来上がった文章が読みやすい文章になります。
 もう1つは、文章表現について、「曖昧の除去」を心掛け自分が書いた文章を見直すことです。
 曖昧の除去には、例えば、助詞の「も」や「の」をなるべく使わないなど幾つかのコツがあります。しかし、これらを常に使える原則として一般化することはなかなか難しく、明快且つ洒落た日本語を書くというのは、実にセンスと努力の両方を必要とする高度な技能です。
 記事本文では、参考となる書籍をいくつか紹介しています。あわせてご覧頂ければと思います。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ビジネスジャーナル】いわゆる「新卒一括採用」について考える

 「ビジネスジャーナル」で連載中の『山崎元「耳の痛い話」』に、「 難しい“優秀な人材獲得”問題 リーズナブルに解雇できる仕組み必要 新卒一括採用は愚行 」と題する記事を書きました。
(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 今回は、いわゆる「新卒一括採用」をテーマに選びました。
 まず、大学人にとっては残念なことですが、企業が欲しいのは優秀な素材であって、大学で身につけた知識ではありません。企業から見て「優秀な人」は、大学に入った段階ですでに優秀であることが殆どです。
 よって、経済界の申し合わせにより2016年度の大学卒業予定者から採用活動の時期が繰り下げになりますが、企業が真に有能な人材を獲得しようとするなら、大学入学後、より早い時期にアプローチして確保を試みるべきでしょう。あるいは、その優秀な人物がどこかに就職してからでもよいですが、その場合は、とびきり魅力的な経済的条件の提示が必要になります。

 新卒一括採用は、年齢や経験年数で昇進や報酬を決める日本企業の人事制度と結びついています。しかし、こうした制度自体が「人」に対してあまりに大雑把であり、人材を有効に活用していません。既存社員に対する評価と報酬の設定をもっと個別化して丁寧に行うべきでしょう。
 さらに言うと、新卒採用も中途採用も、採用活動を活発に行うにはすでに採用した人材をリーズナブルなコストで解雇できる仕組みが必要です。解雇規制緩和が進めば、それに対応して採用に関する柔軟性も、より拡大されることでしょう。
 このように新卒一括採用を変更するとなると、会社内外の制度や人事マネジメントの方法まで変化が必要になりますが、それは優秀な人材を確保し、さらに人材を有効に活用しようとする企業にとっては好ましい変化です。

 もちろん、日本企業がすべて新卒一括採用だけを行っているわけではありませんが、学生の側には、「新卒での就職が標準であり、ここから逸脱すると不利なのだ」という刷り込みが少なからずあります。新卒でなくてもいい企業に就職できるし、人事上の扱いが不利にならないということになれば、若者は起業にも学術研究にももっと大胆にチャレンジ出来るでしょう。
 就職活動の多様化・柔軟化は、社会全体から見ても、十分なメリットがあります。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【現代ビジネス】新卒採用の「談合」を完全廃止しよう

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に記事を書きました。
就職内定を大学1,2年生に出して何が悪いのか? 経団連が出した新卒採用3月解禁の「談合」は完全廃止すべき
※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。

 経団連が昨年取りまとめた「採用選考に関する指針」では、16年春採用から広報活動解禁を大学3年生の3月に、選考活動解禁を4年生の8月に遅らせることになっています。
 しかし、リクルートキャリアの「就職白書2015」の調査によると、この指針は早速有名無実化しているようです。

 もともと、この指針には無理があります。
 優秀な人材の確保は、企業の努力として最重要課題の一つです。それを制約しようとすること自体が不自然であり、不健全なのです。そもそも大学生が学業に励むか否かは、大学が提供する教育の価値の問題であって、何年生の何時に内定が決まるかの問題ではありません。
 企業も学生も「大人」なのだから、大人同士の自由な契約を制限することは愚かであり、経済をより非効率的にするだけです。

 記事では、『「青田買い」が完全に自由だったら、何が起こるか』という思考実験をしてみました。
 大学1、2年で内定を得た学生と企業の間で、就職と一定期間の就労を条件に、卒業までの学費を企業が負担するような契約があり得るかもしれません。後から学生が内定を蹴る場合や企業側が内定取り消しをする場合のために、補償金のような重要事項がある程度定型化された契約書の雛形を元に、企業と学生が細かな手続きに煩わされずに契約を結ぶことが出来るようになるといいでしょう。もちろん、当事者同士が真に納得するなら、契約内容が個別に異なることも当然あり得ます。
 経団連は、全く下らない「採用談合」に荷担するのではなく、学生と企業の間で交わす内定契約書の分かりやすい雛形の提示と広報に努めることこそが、真に経済界の役に立つのではないでしょうか。

 最後に一言、現状で既に、個々の企業と学生は、経団連の方針に縛られる必要はないことを断っておきます。「指針」は経済的に有害無益な「談合」なのだから、企業の側はむしろ自慢しながら、堂々とこれを破るといいでしょう。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ダイヤモンドオンライン】ラップ口座が明らかにダメな4つの理由

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 ラップ口座が明らかにダメな4つの理由 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 個人向けに、ラップ口座と呼ばれる運用形態が少々流行り始めています。

 はっきり言います。ラップ口座での運用は止めた方がいい。

 金融機関による投資信託の「乗り換え」営業が一向に無くならない状況を鑑みれば、いくら商品を入れ替えても新たに販売手数料が掛からないラップ口座の方が安全で安上がりだという長所は、一応はあるでしょう。しかし、運用を金融機関に任せきりにしていいのかどうか、また、ラップの手数料設定がリーズナブルなものなのかどうか、といった根本的な問題から目を背けてはいけません。
 記事では、ラップの何がいけないのか、なぜラップをやらない方がいいのかを、分かりやすく説明しています。

【ラップ口座がダメな理由】
1・運用の判断放棄は危険
 ラップ口座の説明に際してよく見かける「忙しい人、運用が分からない人は、運用を専門家に任せたらいい」というコンセプトには、運用商品の売り手側が仕掛けた罠が潜んでいます。
 仕事や趣味で忙しい人は、「自分が分かる範囲の中で」手間の掛からない運用をしたらいいし、それは十分可能です。取るべきリスクの大きさは、商品の「種類」ではなく「購入額」で調整すればよく、それを自分で判断せずに他人に委ねて、自分の持っているお金を丸ごと見せた時点で、その顧客は金融機関の「いいカモ」になるのです。

2・金融機関は「適切なリスク」を判断出来ない
 各社のラップ口座の説明を見ると、アンケートや顧客との面談の結果から、顧客にピッタリ合ったリスクの大きさと性質を判断することになっています。
 しかし、金融機関は顧客の家計全体の事情が見えている訳ではありませんし、そもそも、金融業者に自分の家計の全体像を見せるような危険を冒してはいけません。

3・手数料水準が高すぎる
 小口のラップ口座の手数料は、年率2%前後のものが多く、年間2%で済むのなら、投信の回転売買に付き合うよりはましだと思うかもしれません。しかし、それは、強盗に遭うよりも窃盗の方がましだという程度の比較でしかありません。
 「年率2%」は、率直にいって高過ぎます。運用は、お金を増やすことが目的です。毎年2%もの「確実なマイナス・リターン」を甘受するようでは落第でしょう。

4・手数料の高い運用商品が選ばれるリスク
 最後に、もし現実にラップ口座を利用している方がいた場合、国内株式の運用商品が何になっているかをぜひ調べてみて下さい。
 仮に運用管理手数料が1%以上の商品に投資されている場合、運用を丸投げしたせいで、余計な手数料の「ぼったくり」に遭っていると言っていいでしょう。もっとも、丸投げしたのだから、主な責任者であり愚かなのはその人自身です。
 「ぼったくり」に遭っていることが分かったら、ラップを解約するだけでなく、ラップを勧めた金融機関ともお別れすることをお勧めします。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【アサヒ芸能】オヤジのマネー運用五箇条

 週刊「アサヒ芸能」での連載『山崎元の「なっ得!オヤジのためのマネー講座」』最終回は、まとめの意味も含めて、一生役立つマネー運用の心得五箇条について書きました。

その1 お金の話では他人を信用するな
 他人の話を頼って自分のお金を動かしてはいけません。

その2 配当・分配金にこだわるな
 特に毎月分配型の投資信託は最低だと言い切れます。

その3 NISAと確定拠出年金は目一杯使え
 どちらの制度も、一手間掛けて調べる価値はあります。

その4 インデックスファンドを買え
 リスクを取って運用する対象として、現在、分かりやすくて手数料が安く、誰にでもお勧め出来るのは、インデックスファンドだけです。

その5 自分の買値にこだわるな
 過去は将来に関係なく、変えられるのは未来だけです。運用も人生も未来に集中しましょう。

 本連載では、親愛なるオヤジ読者に向けて、率直に且つ遠慮のない本音をお伝えしてきましたが、読者の財布の中身を守り、これを多少なりと膨らませるお手伝いが出来たのであれば、とても嬉しく思います。
コメント ( 1 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【現代ビジネス】大幅賃上げ!のGPIFツー・トップに期待すること

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に以下の記事を書きました。
年収は3000万円! GPIFのツー・トップにすぐやってほしい我々の年金積立金を守るための4つのこと
※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。

 今回、大幅賃上げを決定したGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の三谷理事長は年収約3100万円と64%程度の増額となり、また運用に携わる専門職の月給は最高145万円で、理事長の年収を上回る成果給を導入する場合もあるといいます。トップクラスで約3000万円といった水準は「適価」だろうと思います。

 さて、大幅昇給が決まったところで、理事長と水野CIOには、運用に最善を尽くして貰うことは当然として、それ以外に、期待することとして4つの注文があります。

 1つは、昨年GPIFが発表した、新しい運用の中期計画(運用常識からいってとんでもない代物です)について、特に水野CIOには運用の専門家として、率直に問題点を指摘して欲しいと思います。
 「自分は与えられた目標と枠組みの中で最善の努力をするだけだ」という立場に逃げ込まず、こうした愚挙が繰り返されないようにすることを切に願います。

 2つめは、GPIFで運用に携わる人の評価に関する適正な枠組み作りとその公開です。
 これは大変な仕事かも知れませんが、政治家や官僚からの不当な介入や嫉妬から将来のGPIFの運用担当者を守るためにも、今のうちにぜひ取り組んでもらいたい内容です。

 3つめは、GPIFだけで決着が付かないかも知れませんが、塩崎厚労大臣と厚労省の年金官僚の間でもめていると伝えられる、公的年金の運用組織について、早期に決着させて欲しいと思います。

 4つめに期待するのは、年金運用からの各種の「バイ菌」の排除です。バイ菌とは主に、政治家と金融業者の2つに分かれます。
 年金積立金の運用は、政治家の圧力に晒されるべきではなく、各種の横ヤリを毅然と排除することが運用のプロには求められます。
 また、当面の運用の仕事の格好を付ける上でも、将来のキャリアの上でも、業者に頼りたくなる誘惑はGPIFの運用担当者にはあるはずですが、金融業者と運用現場が癒着しないようにするのも、トップに求められるべきことでしょう。

 運用そのもののプレッシャーに加えて、整理・構築しなければならない問題が山積していて、理事長もCIOも大変でしょうが、フェアで効率的な仕組みと将来につながる良き伝統のために、大いに努力して貰いたいと思います。

 最後に、私個人としては、特に、金融界から飛び込んだCIOの水野弘道氏を大いに応援したいと思っています。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【ダイヤモンドオンライン】なぜ人生で一番大切な時期が「大学1、2年生」なのか

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 なぜ人生で一番大切な時期が「大学1、2年生」なのか 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

   人生を左右する最も大事な時期は、大学進学者の場合、大学1、2年生の頃ではないでしょうか。
 個人差もあるでしょうが、個人の判断によって時間の使い方に大きな差がつくこの時期の過ごし方で、その後の職業人生を大幅に有利に変えることが出来るのではないかと、最近思うようになりました。
 以下、能力ごとに、1、2年生の間にやっておくとよいだろうことを考えてみました。

◇優秀者は起業チャレンジを
 知力において最優秀クラスの才能を持つ学生の場合、この時期を起業を試みるための準備に充てるとよいでしょう。
 例えばITビジネスにチャレンジするなら、1、2年の間にスキルを身につけ起業資金と仲間を集めることによって、3年の早い時期に起業するスケジュールが考えられます。
 そこで上手くいく可能性を感じた場合そのままビジネスに邁進すればいいですし、ダメでもそこから通常の就活には間に合うので、失敗した場合の機会費用が小さい形で、ビジネスの立ち上げを一回トライすることが可能です。

◇普通の学生は「売り」を作ろう
 「普通の学生」において、1、2年生の間にこそ就職に有利な対策を講じるべきだというスケジュール観は間違っていません。

 就活に活かす資格取得の勉強を始めるなら早い方がいいですし、その場合、それぞれのプロが仕事で取り組む資格にあらかじめアプローチするのがよいでしょう。資格に限らず、自分が就職したい業界があれば、その業界の若手社員が課される勉強の内容が何であるかを調べ、先回りしておく要領です。

◇高校の勉強を復習しよう
 最後に、「普通の学生」にも当てはまることですが、現実的に、高卒レベルの学力が十分に無い大学生が相当数います。
 基礎学力を鍛え直し、「普通の人」や「残念な人」が「できる人」にグレードアップ出来るチャンスは、この大学1、2年の時期が最後でしょう。
 世間の組織で「できる人」が「できる!」と呼ばれる所以は、高校時代に身に付けるべき知識とスキルを完璧に使いこなせている、という事である場合が多いことも付け加えておきます。

 私自身、当時を振り返ると後悔の念が湧きますが、若い皆さんには、時間を是非有効に使って欲しいと思います。
コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする