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【楽天証券】親子で考える、真夏のマネー常識12問

 楽天証券のWEBサイトに、「山崎元のホンネの投資教室 」を隔週で掲載しています。今回は、学校や大学が夏休みに入るこの時期に合わせて「親子で考える、真夏のマネー常識12問」をテーマに記事を書きました。

 以下、全12問の問題文です。すべて「ウソ!」か「ホント!」かで答えるようにしました。
 最後に解答を掲載しますが、何故そのような答えになるのか、興味を持たれた方は、ぜひ、元記事の解説をお読み頂き、また、お時間があれば、お子様、あるいは親御さんと一緒に考えて頂けると嬉しく思います。

【問 題】
1.お金の相談は、信頼出来る銀行員に相談するのがいい?
2.カードのリボ払いで買い物する恋人とは結婚しない方がいい?
3.生命保険に入るのは、社会人の常識の一つだ?
4.死亡保障の保険は不要だけれど、がん保険などの医療保険は入っておく方がいい?
5.賃貸住まいは家賃の払い損なので、ローンが組めるなら住宅を買う方が得だ?
6.20年、30年後に、公的年金は積立金が枯渇して破綻する可能性が大きい?
7.日本国債暴落に強い商品が、実は国債の中にある?
8.金は単なる投機の対象であり、長期的な資産形成にふさわしい投資対象ではない?
9.高金利な通貨の預金は、為替リスクがあるが、期待出来るリターンが高い?
10.高齢者にとっては、利息・配当・分配金などのインカム・ゲインを目指す運用が健全で好ましい?
11.目標とする運用利回り(リターン)を先に決めるのは、リスクを無視した危険な手順だ?
12.投資信託は運用の上手い下手に関係なく、先ずは手数料の安いものを選ぶのが正しい?

【解 答】
◇ウソ!・・・・ 1,3,4,5,6,9,10,
◇ホント!・・・ 2,7,8,11,12,

 また、近日予定している一般向けの講演では、上記12問の教訓を、以下の四原則にまとめて話すつもりです。

お金で大切な四原則
1・無駄な損をしない
2・他人を信用しない
3・手数料を重視する
4・リスクを先に考える

 高校生にも分かる話で、親にも参考になり、近い将来卒業する大学生にとって実用的な話をしたいと思っています。
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【現代ビジネス】アベノミクス相場の「政治リスク」

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に「中国株、ギリシャ危機より恐い 投資家が最も怖れるアベノミクス「第4のリスク」とはなにか」」というタイトルで記事を書きました。

 株式投資家にとって、主要なリスク要因となるのは、米国の利上げ、ギリシャ、そして中国の3つですが、これに加えて、4つ目のリスク要因が現れたかも知れません。
 安倍政権の意外に早い弱体化の可能性です。

 安倍政権は、「株価連動内閣」などと揶揄されることもあるくらいで、株価を気にする政権です。株価が安倍内閣の強弱に影響するという方向の因果関係はもともとありましたが、他方、安倍政権の弱体化が進むと、安倍政権の強弱が株価に影響する方向の因果関係が顕在化してくる可能性があります。

 この数日の世論調査による内閣支持率は下落の傾向にあり、主に安全保障関連法案の問題、加えて新国立競技場を巡る不手際が響いていると見られます。
 過去を振り返ると、内閣支持率が30%を切った後は、1年内外で政権が終わる例が多く見られます。今後の支持率次第ですが、安倍政権が意外に早く弱体化するリスクについて、投資家はそろそろ考えはじめるべきではないかと思います。

 安倍政権の弱体化とは、アベノミクスの将来が曖昧になるということです。アベノミクスは「期待」に働きかける政策なので、少なくとも株式市場的に、これはまずいと言えます。
 また、安倍政権が弱体化すると、2017年の消費税率アップを確実に実施すると言い張るだけではなく、その後の財政再建強化を強調して、財務省の支持を得ようとする対抗勢力が出て来て、彼らが次期政権の主導権を取る可能性が出てきます。消費税率引き上げを先延ばしし、官僚の人事に関与を強め、経済財政諮問会議も役人の思い通りにさせない安倍政権は、官僚集団にとって好ましい政権ではありません。意外に短命になるリスクは考えておくべきでしょう。

 株式投資家は、ここのところ、もっぱら外国の問題ばかりを心配してきました。しかし、国内のリスクにも目配りは必要です。安倍政権が不安定化する可能性は、その中で気に掛けておくべき材料の1つです。
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【ダイヤモンドオンライン】不適切会計に揺れる東芝の株は“買い”か?

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「不適切会計に揺れる東芝の株は“買い”か?」と題する記事を書きました。

 はじめに、本記事には、東芝の株式に投資することを読者に勧める意図は全くないことを断っておきます。その上で、今回は東芝株の今後の「見所」について考えてみました。

 まず、個別株式に対する「材料」には、新製品の発表をはじめとする「ポジティブ情報」と、今回の不祥事のような「ネガティブ情報」の2種類があります。多くの場合、チャンスとしてより注目すべきは、「ネガティブ情報」の方です。
 ポジティブ情報が将来の利益にどれだけ反映するかの評価は極めて難しいことが多い一方で、ネガティブ情報の場合、そのインパクトをある程度数値化出来る場合が割合多いからです。

 ここで、東芝株の今後を見る上で大事な数字として、同社の凡その発行株数である「42億」を取り上げます。
 例えば、同社の不適切会計で修正されるべき過去の過剰な利益計上が2千億円であったと分かった場合、2千億を42億で割り算した47.6円が、過去の悪事を株価に換算した値段ということになります。
 仮に、この問題の影響が、今後には何も無いとします。問題が表面化する前の株価評価が適当だったのだと仮定すると、問題表面化後の適正株価は、問題発生前の株価マイナス47.6円だと概算することができます。
 もちろん、不祥事による投資家間でのイメージの悪化などもあるので、買いを狙う場合の目標株価として、余裕としての「不祥事ディスカウント」の幅を見ておく必要はあります。
 投資家にあっては、ネガティブ情報にこそ注目する価値がある場合が多いことと、注目企業の発行株数を覚えておくべきことを心得ておくとよいでしょう。

 最後に、機関投資家の中には、いくら株価が安いとしてもポートフォリオから東芝を外すという判断を持つ投資家がいる可能性があります。あの東芝の株を持っていては顔が立たない、という人達が存在するのです。
 情報判断に基づかないこうした売買は、「株価のファンダメンタルズからの乖離」即ちチャンスをしばしば生んでくれます。面子に拘らなくていい投資家は、こうした資金の動きによって生じる「買いチャンス!」を待って、有り難く「偉い投資家」をカモにすればいいでしょう。
 もちろん、全ての賭は自己責任で行う必要があることを付け加えておきます。
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【夕刊フジ】中国株“苦境”急場しのぎの株買い支え策も一時的

 夕刊フジの木曜日号(水曜発売)に「経済快説」という短いコラムを載せています。これは、WEBでもお読み頂けます。
 今週は、「中国株“苦境”急場しのぎの株買い支え策も一時的 」と題する記事を書きました。

 上海総合指数が短期間で乱高下するなど中国の株価の行方が気になります。

 今回、中国当局は大規模な介入を行いましたが、需給型の株価対策は、株価を一時的に上げるだけで一過性の効果しかありません。
 ただし、中国の場合は「公的資金の買い」を利用して儲けようとする「外国投資家」のような存在が無いことや、経済を力ずくででも管理しようとする政府の下にあることで、バブル崩壊時の日本よりも、株価対策は効果を発揮するかも知れません。

 しかし、「需給対策によって上がった株価は信用出来ない」というのが、株式投資の大原則です。さらには、株価下落の後には、少々遅れて不動産価格の下落がやって来るはずです。
 中国経済の成長鈍化のペースは案外速いのかも知れません。どのくらいの規模と勢いのバブル崩壊なのかを見る上で、今後の推移に注目したいと思います。
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【現代ビジネス】ビジネスパーソンが読む「『学力』の経済学」

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に「子供の学力、生涯収入が必ず伸びる!子育て世代がぜひとも知るべき「教育経済学」を紹介しよう」というタイトルで記事を書きました。


 今回は、慶應義塾大学准教授で教育経済学がご専門の中室牧子氏の新刊本「『学力』の経済学」を紹介しつつ、ビジネスにおける活用を考えてみました。

 この本が素晴らしいのは、単に教育経済学の学術的成果を紹介するにとどまらず、読者が切実な興味を持つ目的を設定して、これにエビデンス(実証的証拠)をベースに具体的に答えているところにあります。
 加えて、エビデンスの解釈においても丁寧な説明がなされ、ビジネスの問題を処理する上で重要な考え方やテクニックを学ぶことが出来るようになっています。

 例えば、「褒め方」に関して効果的なのは、「頭がいい」といった素質の良さを讃えるのではなく、「努力したこと」に対して褒めることだそうです。これは、ビジネスパーソンのモチベーション・アップにも関連するのではないでしょうか。
 子供でも若手社員でも「努力によって能力は伸ばすことが出来るし、自分は努力することができている」と思えるように、勉強や仕事のプロセスを設計して、適当な報酬(賞賛も含む)を与えることが有効のようです。

 また、子供の教育については、早い時点から行うのが良く、「自制心」、「遠いゴールに向かって努力できる能力」、「他人に共感する能力」のような「非認知的能力」に於いて、その効果が表れるとあります。
 会社生活においても、「非認知的能力」は重要です。個人の能力に関連する部分では、計画を立てて、行動しては記録して、達成度を自分で管理できるような、行動習慣が重要でしょう。
 私を含め、この事実にがっかりしたビジネスパーソンは少なくないでしょうが、諦めるには及びません。中室氏によると、非認知的能力は成人後も「可鍛性」があり、これから努力で改善できるものだそうです。

 最後に、経済学的には、既存の教師を改善する試みよりも、有能な人物に教師になって貰う上での参入障壁を解体すべく、教員免許制度を廃止ないし大幅に緩和する方が有望であるとしています。
 生徒と教師の関係同様に、ビジネスパーソンも上司の影響を強く受けます。上司の良し悪しで生涯収入が千万円単位で違うことが十分あり得ると実感されるビジネスパーソンは多いのではないでしょうか。そして、実感として、良い上司あるいはマネージャーというものも、育てたり改善したりすることが難しいものではないかと思います。

 中室氏は、「良い教師」とはどのようなものであるのかについて、研究を進められるようです。この研究の成果には大いに期待したいところです。良い教師の採用方法や養成方法は、そのままに近い形で良いマネージャーの採用・養成に使えるかも知れません。
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【ダイヤモンドオンライン】ギリシャ問題に見る預金と借金の教訓

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「ギリシャ問題に見る預金と借金の教訓」と題する記事を書きました。

 ギリシャの状況は、まだまだ流動的ではありますが、ここまでの推移で注目出来る点を、特に日本人にとっての教訓の観点から幾つか取り上げました。

 まず、ギリシャでは先週末に、銀行の預金引き出し制限が発表されましたが、取り付け騒ぎが起こって破綻した銀行のニュースはありませんでした。これは、多くの預金者が「逃げ遅れた」ことを意味します。
 日本においても、破綻や経営統合といった銀行に関する大きな動きは、資金決済の動きが止まり預金も引き出せない週末に行われるのが通例です。
 近い将来、お金を預けている金融機関に不安を感じたら、「銀行は週末が危ない」ことを思い出して、ぼんやりと「週末」を迎えずに必要な処置を取って欲しいと思います。

 また、一連の報道を見ていて、「借金をしている側」であるはずのギリシャ首脳陣が交渉の席上で見せる堂々とした態度に違和感を覚えた日本人は多かったのではないでしょうか。

 借金の額が小さい間は債務者の立場が弱く「借金は借り手にとっての問題」ですが、借金の額が返済不能なレベルに膨らんだ場合、「借金はむしろ貸し手にとってこそ問題」だという状況に入れ替わります。
 不本意にも大きな借金を負ってしまった場合は、「債権が回収出来なくなるから、命まで取られることはないだろう。」といった割り切りを持って、債務と明るく付き合うのがよいでしょう(もっとも、余計な生命保険に入っていると、この限りでない場合があるので、要注意です)。他方、債権者側の教訓としては、借り手が返せないような額のお金を貸さないことに尽きます。

 今回、経済的に合理的な落とし所としては、ある程度の債権の放棄と、債務の再編成を行うことでしょう。しかし、民主主義においては、政府は国民からの人気と合意の手続き無しに機敏な行動はできませんし、国民は、政府にフリーハンドを与えることに対して多大な抵抗感を持ちます。ギリシャ側でもドイツをはじめとする債権国の側でも、政府が国民を代表しながらも、代表として自由には交渉が出来ない状況に陥っています。いわば「民主主義のコスト」が掛かっている状況です。

 但し、政権に物事の判断と行動の全権を委任することが常に適切ではない以上、「民主主義のコスト」が健全なブレーキの役割を果たすことは、もちろんあります。物事は単純ではありません。今回の一連の事態は、ギリシャだけの問題ではなく、日本国民にとっても他人事ではないのです。
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