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新年のご挨拶

 あけまして、おめでとうございます。

 本年から、年賀状による新年の挨拶を止めることにしました。
 先方からも、こちらからも、連絡したいと思う人とは、Eメール、ブログ、フェイスブック、ツイッターなどで速やかに過不足無く連絡を取ることが出来るようになり、年賀状の意義は年々薄れています。
 そろそろ紙の年賀状は止め時だと考えていたところで、電車の中で見た日本郵政の「年賀状ください」と語るCMを見て、決意が固まりました。年賀状が、わざわざ「ください」と言わないと、必要の無い存在であることが、可視化されたからです。CMに起用されたタレントやCMの作りに対して、悪意は何らありません。単に、このCMが決意の後押しをしてくれたというだけです。

 郵便によるやり取り以外にお互いの連絡先と近況を交換できない相手に対しては、郵便でのやり取りを続けるつもりですが、お互いにEメールやSNSのメッセージを交換したことがある関係の方に対して、今年は、年賀状を出していません。年賀状が来ないからといって、私が、「もう付き合いをもう止めよう」と思っているとか、長期に不在であるとか、病気である、といった訳ではないので、ご理解をお願い致します。

 ありがたいことに、私及び家族は、目下、概ね健康で元気です。特別に幸運なこともありませんし(有馬記念の馬券はハズレましたし、宝くじは買っていません)、自慢できるようなこともありませんが、日常の延長として無事に新年を迎えました。個人的には、これが一番だと思っており、これ以上の希望はありません。
 私は、1958年生まれなので、今年は、誕生日の5月8日に、58歳になります(「58」が3つ並ぶ日ですが、日曜日でもあり、特に何かをする予定はありません)。生物としても、仕事の上でも、持ち時間の後半に差し掛かっているらしいという意識はありますが、日常的にすることを大きく変えようとは思っていません。相変わらず、(1)正しくて、(2)面白いことを、(3)なるべく多くの人に伝えたい、と思っているだけです(もちろん、間違えることや、上手く行かないこともありますが)。

 昨年は、書籍を4冊出版しました。水瀬ケンイチさんと共著の「全面改訂 ほったらかし投資術」(朝日新書)、「お金に強くなる!」(ディスカヴァー・トゥエンティワン)、大橋弘祐さんとの共著「難しいことは分かりませんが、お金の増やし方を教えて下さい!」(文響社)、「信じていいのか銀行員」(講談社現代新書)、です。何れも、お金の運用に詳しくない方にも大事な点を分かって頂くことを目的として、内容を絞りつつ、できるだけ易しく、分かりやすく書くことを心掛けた本たちでした。
 今年は何冊出すことが出来るか、今の時点では分かりませんが、今年は、昨年出した本よりも、もう少し堅い内容の本、同時にレベルの高い本を書いてみたいと思っています。当面は、確定拠出年金の定番の教科書になり得る本を作ろうとしています。

 今年の経済とマーケットはどうなるか。大きな変化は、たいていの場合、「予想されていなかった出来事」の発生によって起こるものなので、予想は困難ですが、現時点で注目しているのは、次の3点です。
 先ず、米国の利上げのペースとその影響です。今年のFRB利上げ回数は2回から4回の間ではないかと予想しますが、米国の金融引き締めは、世界の金融環境の方向性を大きく変えるイベントなので、これが世界の資産価格に与える影響は小さくないのではないでしょうか。
 もう一つの要素は、原油価格下落の影響です。原油価格の下落には、当面、産油国・資源国の財政悪化やシェール・オイルを含む資源プロジェクト関連の不良債権発生など、金融不安や株式の売却につながりやすいネガティブな要素があります。一方、時間が経つと、日本でも米国でも原油価格下落による消費者・生産者の実質所得改善効果がプラスに働いてくるはずです。
 そして、国内要因としては、「2017年の消費税率引き上げを延期する」というカードを与野党のどちらが先に使うかに最も注目しています。経済政策としては、マイルドなインフレ状態を作るまで、消費税率は引き上げない方がいいし、その撤回は早く決める方が効果の上で好ましい訳ですが、これは、経済だけでなく、政治的にも影響の大きな問題でしょう。

 趣味、勉強、交友、お酒、といったあれこれを含めて、私生活は特に変えないつもりです。ご都合と気分が一致された方には、これまで通りに遊んで頂けると嬉しく思います。今年も楽しいことを考えましょう。

 つい自分のことばかり書いてしまいましたが、当ブログを読んで下さる皆様にとって、今年一年が意義深くて素晴らしい一年になることを、心から祈っています。

 本年もよろしくお願い致します。
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「消費増税延期」の旗を先に掲げた政党が選挙に勝つ

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「「消費増税延期」の旗を先に掲げた政党が選挙に勝つ」と題する記事を書きました。

 先日、ある民主党政治家の忘年会にお邪魔する機会がありました。私は特定の政党を応援している訳ではありませんが、最大野党である民主党が現在何を考えているのかを知りたかったこともあり出席しました。
 その席で、民主党の経済と経済政策の認識について心配になった点を、今回のコラムで取り上げました。

 どうやら民主党は、2017年の消費税率引き上げを前提として、当面の経済政策論争を挑むようです。それでは、参議院選挙も、行われれば総選挙でも、民主党は確実に大敗するでしょう。
 端的にいって、民主党が来年の選挙で自民党に勝つためには、「消費税率引き上げ延期」の旗印を「先に」掲げることが必要です。自公政権とどちら側が先に「消費税率引き上げ延期」を掲げるか。これが、来年の政局の第一の注目点になるでしょう。

 もう一点、気になったのが、安倍政権の経済政策に対する民主党の認識です。
 アベノミクスは、正しく是々非々で評価すべきであり、そうせずにピントの外れた批判を繰り返すと、国民は、「民主党政権時代の経済政策」を思い出し、「あれよりは、安倍政権がましだ」との理由で投票を行う人が出て来るでしょう。
 さらに言えば、戦略上、執行部も、場合によっては党名も変えて、前政権時代のイメージを払拭することが必要だと思われます。

 民主党が選挙に勝ちたいなら、或いは、野党勢力が、安倍政権にこれ以上の力を与えたくないなら、
1.何としても消費税率引き上げの先送りを先に掲げ、
2.経済政策に対する認識を改め、
3.フレッシュな新体制で臨む
この3点が不可欠になるだろうと予想しています。
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【ダイヤモンドオンライン】VAIO・富士通・東芝のPC連合は大丈夫か

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「VAIO・富士通・東芝のPC連合は大丈夫か」と題する記事を書きました。

 VAIO・富士通・東芝のパソコン部門が合体して「3社相乗りのPCカンパニー」をつくる構想があるそうです。
 日本の電機各社のパソコン事業は儲かっていないと思われるので、今さらながらではあっても「選択と集中」を考えるなら、スピン・オフしたいと思う事業なのでしょう。

 現在の国内電機メーカーの苦境は、「ビジネス的にはこうなると苦しい」パターンの幾つかを典型的に反映しています。
 1つには、同じ商品を作る競合他社が多過ぎました。結果論でもありますが、各社はこの状況に危機感をもって、少なくともコスト・リーダーとなることが出来て、製品技術でもリードできるような事業に特化することを目指すべきでした。
 2つめに、販売チャネルとして家電量販店や、最近ではネット販売が力を持ったことによって、電機メーカー同士で競争をさせられ、価格を叩かれ、利潤が確保されにくくなりました。こうした市場構造の変化が追い打ちをかけました。
 最後に、製品の「コモディティ化」に対して、あまりにも不用心だったことが挙げられます。今や素人でも組み立てが出来るような製品になったパソコンは、何社ものメーカーが十分な利潤を確保できる製品ではなくなりました。各社は、何はともあれ、他社と違ったもので勝負しなければなりませんでした。

 製品・サービスに差が無くなって、マーケティング・チャネルの分割が維持できなくなると、「利潤」は短期間で消えてしまいます。
 「かつての大手電気メーカー」の現状が伝える教訓は、別のビジネスにあっても(たぶん、経済評論家のビジネスにあってさえ…)他人事ではありません。
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お金の大学「お金フェスタ」12月12日

 お金の大学という組織が主宰する、「お金フェスタ」というイベントで話をすることにした。12月12日に開催される。忘年会シーズンと言うこともあって、懇親会付きだ(よほどのことがなければ、飲み会は断らない)。
http://kokucheese.com/event/index/359252/
 正直なところ、お金の大学が提供しようとしている情報・サービスが良いものなのかどうか、現段階で、私には分からない。「金融商品の販売は一切絡めません」とのことなので、引き受けた。推察するに、お金を増やすための「マインド・セット」を植え付けることに力を入れているようだ。私は、技術としてのお金の「正しい扱い方」を伝えようと思う。
 以下のような内容について、詳しく話そうと思っている。

① 「お金」と「自由」と「時間は」緩やかに交換可能である。最も大切なのは、時間だ。
② 大事な順。「稼ぎ」→「貯め方」→「家」→「保険」→「車」→「運用」?
③ お金にあっては、「他人」を正しく警戒せよ。銀行員も、友人も…。
④ お金には2つの自由がある。「使途の自由」と「スケールの自由」。
⑤ 誰にとっても正しい運用内容は同じ。「ストーリー」に騙されるな。「投資家のタイプ」と運用商品の選択は無関係だ。
⑥ リスクは、運用商品の種類ではなく、「投資金額で」調整する。
⑦ あらかじめ「最大の損」を想定しよう。
⑧ 今のお金と将来のお金をつなぐ「360」。
⑨ 「最悪3分の1損するけれど、同じ確率で4割くらい儲かり、平均5%くらいの利回り」のモノ(リスク資産)を幾ら買うか、と考える。リスク資産は内外株式のインデックスファンドを内4:外6で。
⑩ NISA(少額投資非課税制度)とDC(確定拠出年金)は最大限利用せよ。
⑪ 運用商品は、先ず「手数料から」評価する。投資信託の99%は検討に値しないクズだ。
⑫ 運用商品は三つだけ知っていればいい。「個人向け国債・変動金利10年型」、「TOPIX連動インデックスファンド」、「外国株式インデックスファンド」だけ。
⑬ 毎日、為替レート($)、日経平均、NYダウ、長期金利を見て10秒考えよう。但し、「調節」は少しだけ。

 実質的には、「お金に強くなる」(ディスカバー・トゥエンティワン)の主な内容を口述するような感じになりそうだ。


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