評論家・山崎元の「王様の耳はロバの耳!」
山崎元が原稿やTVでは伝えきれないホンネをタイムリーに書く、「王様の耳はロバの耳!」と叫ぶ穴のようなストレス解消ブログ。
【アサヒ芸能】“毎月分配型投資信託”に買ってもいい商品は1つもない
週刊「アサヒ芸能」に連載中の『山崎元の「なっ得!オヤジのためのマネー講座」』は、WEBサイトでもお読み頂けます。
「毎月分配型投資信託」に
買ってもいい商品は1つもない
もし買ってしまったなら
即刻解約だ!
現在、「毎月分配型投資信託」を保有している方は、即刻解約するのがよいでしょう。理由は明快です。
まず、毎月の分配金支払いは、毎年一回の分配金支払いと比較して、課税のタイミングが早まるため、運用利回りがプラスなら計算上「必ず損!」になります。また、大きな分配金はその分元本が減少することになり、投資家が得をしている訳ではありません。
金融機関は、しばしばセールスの際に過去の分配金の支払実績が安定していることを強調しますが、これも元本が安定しているわけではありません。加えて、毎月分配型投信は手数料が高過ぎるものが殆どの商品です。
買ってしまった人は、即刻解約すると同時に、こんな悪い商品を売りつけた取引金融機関も変える方がいいでしょう。
「毎月分配型投資信託」に
買ってもいい商品は1つもない
もし買ってしまったなら
即刻解約だ!
現在、「毎月分配型投資信託」を保有している方は、即刻解約するのがよいでしょう。理由は明快です。
まず、毎月の分配金支払いは、毎年一回の分配金支払いと比較して、課税のタイミングが早まるため、運用利回りがプラスなら計算上「必ず損!」になります。また、大きな分配金はその分元本が減少することになり、投資家が得をしている訳ではありません。
金融機関は、しばしばセールスの際に過去の分配金の支払実績が安定していることを強調しますが、これも元本が安定しているわけではありません。加えて、毎月分配型投信は手数料が高過ぎるものが殆どの商品です。
買ってしまった人は、即刻解約すると同時に、こんな悪い商品を売りつけた取引金融機関も変える方がいいでしょう。
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【夕刊フジ】原油安は総合的にはプラスだが
夕刊フジの木曜日号(水曜発売)に「経済快説」という短いコラムを載せています。これは、WEBでもお読み頂けます。
今週は、「産油国発「金融不安」に警戒 原油安は総合的にプラスだが…」と題する記事を書きました。
日本は、原油価格1割の下落で2兆円以上の所得の海外流出が止まる勘定なので、原油安は、経済全体にとって好ましいものであるはずです。
ただし、急激な原油安は国や企業の勝ち負けを分けます。日米欧の主要先進国、中国、韓国などにとってはプラスですが、産油国の財政にとって不安要因となる可能性があります。既に、ロシアの通貨ルーブルは大幅に下落していますが、今後、産油国の信用不安が金融不安につながる可能性もあるので注意が必要です。
また、シェールガスの採掘プロジェクトなど、原油価格が高いことを前提とした資源開発への投資が不採算化して、大きな損失が発生するケースがあるかも知れません。資源関連企業の株主は、企業が行っている投資の内容をチェックしておきたいところです。
今週は、「産油国発「金融不安」に警戒 原油安は総合的にプラスだが…」と題する記事を書きました。
日本は、原油価格1割の下落で2兆円以上の所得の海外流出が止まる勘定なので、原油安は、経済全体にとって好ましいものであるはずです。
ただし、急激な原油安は国や企業の勝ち負けを分けます。日米欧の主要先進国、中国、韓国などにとってはプラスですが、産油国の財政にとって不安要因となる可能性があります。既に、ロシアの通貨ルーブルは大幅に下落していますが、今後、産油国の信用不安が金融不安につながる可能性もあるので注意が必要です。
また、シェールガスの採掘プロジェクトなど、原油価格が高いことを前提とした資源開発への投資が不採算化して、大きな損失が発生するケースがあるかも知れません。資源関連企業の株主は、企業が行っている投資の内容をチェックしておきたいところです。
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【ダイヤモンドオンライン】民主党、失敗の研究
ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 民主党、失敗の研究 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)
今回の総選挙では、民主党は空気が抜けた軟球のように反発力がありませんでした。
民主党が、かくもボロボロになってしまった経緯には、企業などの組織にとっても、人個人にとっても、教訓とすべき失敗が山のようにあります。
今回は、2009年の政権奪取以来の民主党の大小の失敗の原因を振り返ってみました。
1.現場のマネジメント軽視
現場を知らない大臣、副大臣、政務官が数人で乗り込んで行って、巨大な官庁をコントロールしようというのは、敵対的買収で手に入れた大企業を数人でマネージしようとするくらい無謀でした。
2.仲間割れ
民主党政権の成立後ほどなく、民主党の議員集団は「小沢系」・「非小沢系」に分断されまし。
直接証明する術はありませんが、官僚集団が民主党政権を弱体化させようという意志を持っていたとの仮説を私は持っています。組織を弱体化させるにあたって有力な手段が、組織の分断です。
3.デフレ的な政策
労組支援をバックとする限り、民主党がデフレ的な政策に傾きやすいのは仕方のないことかも知れませんが、今回の総選挙マニフェストでも、「柔軟な金融政策」という言葉で金融緩和の後退を謳っていました。
4.消費税に関する2つの勘違い
おそらく当時の菅氏は、消費増税が必要でありその達成は政治家として偉業であることなどを官僚に吹き込まれて、これを信じたのでしょう。結果、菅氏は急に消費増税を掲げて戦った参院選で敗れました。
続く野田佳彦氏は、消費増税を決めた首相になりたいという功名心からか、公約違反且つ選挙無しでの増税という政治的自殺行為に民主党を走らせてしまいました。
二人の党代表が連続して経済政策に弱かったことは、民主党にとって致命的でした。
5.相手の手に乗ったアベノミクス批判
アベノミクス全体を逐一批判した今回のやり方は、旧日本社会党の「何でも反対!」の悪しき野党根性を思い出させるような失敗でした。
この点は、金融緩和を「経済回復へのかすかな光」と評価し、その先の「第三の矢」が飛ばないことに攻撃の狙いを絞った維新の党のマニフェストの方が適切でした。
6.「組合命!」か「改革!」か、コンセプトが曖昧
既に手垢が付いた印象はありますが、それでも「構造改革」、「既得権打破」、「脱官僚」といった言葉で示される方向性を多くの有権者はまだ支持しています。
しかし、民主党には、まさに大きな既得権者である労働組合の利益代表としての側面があり、「組合命!」の党なのか、「改革!」の党なのか、党のコンセプトがまとめ切れていない点に、組織であると同時に「政治商品」としての民主党の決定的な弱点があります。
7.変わりばえのしない看板
民主党再生のためには、「フレッシュな顔」が不可欠です。マーケティング的な常識から見て不可避といっていいでしょう。
今回の総選挙にあって、与党側の最大の武器は、有権者の頭に残る民主党の前政権時代の記憶でした。民主党の執行部の人選は、明らかに敵を利した結果となりました。
それにしても、鳩山由紀夫氏のような資金を持っていた訳でもなく、小沢一郎氏のように徒党を組む力があったわけでもなく、世評では資金も友達も少なくイライラしがちなご性格らしいのに、ある種の人気と世渡り術だけを頼りに、首相まで上り詰めて、逆風の選挙でもぎりぎり残るのだから、菅直人氏という政治家は特異なキャラクターと運を持っていると言わざるを得ません。
民主党にとっては迷惑な存在かも知れませんが、ビジネスパーソンなどにとっては、何か学ぶべき点のある人物なのかも知れないということを、驚きと共に一言付け加えておきます。
今回の総選挙では、民主党は空気が抜けた軟球のように反発力がありませんでした。
民主党が、かくもボロボロになってしまった経緯には、企業などの組織にとっても、人個人にとっても、教訓とすべき失敗が山のようにあります。
今回は、2009年の政権奪取以来の民主党の大小の失敗の原因を振り返ってみました。
1.現場のマネジメント軽視
現場を知らない大臣、副大臣、政務官が数人で乗り込んで行って、巨大な官庁をコントロールしようというのは、敵対的買収で手に入れた大企業を数人でマネージしようとするくらい無謀でした。
2.仲間割れ
民主党政権の成立後ほどなく、民主党の議員集団は「小沢系」・「非小沢系」に分断されまし。
直接証明する術はありませんが、官僚集団が民主党政権を弱体化させようという意志を持っていたとの仮説を私は持っています。組織を弱体化させるにあたって有力な手段が、組織の分断です。
3.デフレ的な政策
労組支援をバックとする限り、民主党がデフレ的な政策に傾きやすいのは仕方のないことかも知れませんが、今回の総選挙マニフェストでも、「柔軟な金融政策」という言葉で金融緩和の後退を謳っていました。
4.消費税に関する2つの勘違い
おそらく当時の菅氏は、消費増税が必要でありその達成は政治家として偉業であることなどを官僚に吹き込まれて、これを信じたのでしょう。結果、菅氏は急に消費増税を掲げて戦った参院選で敗れました。
続く野田佳彦氏は、消費増税を決めた首相になりたいという功名心からか、公約違反且つ選挙無しでの増税という政治的自殺行為に民主党を走らせてしまいました。
二人の党代表が連続して経済政策に弱かったことは、民主党にとって致命的でした。
5.相手の手に乗ったアベノミクス批判
アベノミクス全体を逐一批判した今回のやり方は、旧日本社会党の「何でも反対!」の悪しき野党根性を思い出させるような失敗でした。
この点は、金融緩和を「経済回復へのかすかな光」と評価し、その先の「第三の矢」が飛ばないことに攻撃の狙いを絞った維新の党のマニフェストの方が適切でした。
6.「組合命!」か「改革!」か、コンセプトが曖昧
既に手垢が付いた印象はありますが、それでも「構造改革」、「既得権打破」、「脱官僚」といった言葉で示される方向性を多くの有権者はまだ支持しています。
しかし、民主党には、まさに大きな既得権者である労働組合の利益代表としての側面があり、「組合命!」の党なのか、「改革!」の党なのか、党のコンセプトがまとめ切れていない点に、組織であると同時に「政治商品」としての民主党の決定的な弱点があります。
7.変わりばえのしない看板
民主党再生のためには、「フレッシュな顔」が不可欠です。マーケティング的な常識から見て不可避といっていいでしょう。
今回の総選挙にあって、与党側の最大の武器は、有権者の頭に残る民主党の前政権時代の記憶でした。民主党の執行部の人選は、明らかに敵を利した結果となりました。
それにしても、鳩山由紀夫氏のような資金を持っていた訳でもなく、小沢一郎氏のように徒党を組む力があったわけでもなく、世評では資金も友達も少なくイライラしがちなご性格らしいのに、ある種の人気と世渡り術だけを頼りに、首相まで上り詰めて、逆風の選挙でもぎりぎり残るのだから、菅直人氏という政治家は特異なキャラクターと運を持っていると言わざるを得ません。
民主党にとっては迷惑な存在かも知れませんが、ビジネスパーソンなどにとっては、何か学ぶべき点のある人物なのかも知れないということを、驚きと共に一言付け加えておきます。
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【現代ビジネス】これからの社会保障を考える5つのポイント
現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に記事を書きました。
「これからの社会保障を考える5つのポイント」
※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。
社会保障については、諸制度を総合的に調整しなければならない大きな問題なので、一度に全体像を論じることは難しくはありますが、今回、重要と思えるポイントを、以下にまとめてみました。
まず社会保障の財源は一対一である必要はありません。「消費税率を引き上げないと社会保障財源がない(ので困る)」とする意見がありますが、社会保障費が本当に必要な支出だと認識していれば、消費税の税収がない場合には他の収入を充当するだけの話であって、財源を特定の収入で賄わなければならないと決めつけることこそ、税収の本質を隠すインチキです。
「消費税を社会保障財源として目的税化する」というのは、よく考えない国民に何となく消費税の増税を認めさせるための、悪質な目くらましに過ぎません。
次に、日本の公的年金は、「賦課方式」で実質は税金なのですから、そもそも財源は税金一般であってよく、年金保険料、特に国民年金・基礎年金の部分は、財源を税金とするのがいいでしょう。
行政コストの面からも肝心なことは、年金保険料と税金の徴収を別々に行う二度手間と非効率を即刻止めることです。
先日、日銀の追加金融緩和と同時にGPIFの新しい運用方針が発表されました。
GPIFが使った期待リターンとリスクの数字を元に計画を見ましたが、運用元本が130兆円とすると、単年度で約27兆7千億円の損失が起こりうる計算となります。公的年金の運用で27兆円の損失が発生した場合、年金財政はこれをどう処理するのか。また、そもそもこれだけの損失の可能性があることに、国民は納得しているのか、という疑問が残ります。
運用的な常識から眺めて、公的年金運用で問題なのは、リターンよりもリスクの方にあります。
年金制度については、全体の調整が必要ですが、公的年金の支給は最低70歳からでいいでしょう。もちろん、高齢者の働き場の確保という問題と、働けない或いは低収入の高齢者に対する補助をどう行うかをセットで考える必要があります。
「成長戦略」の一環として、年金の支給開始年齢の引き上げを早急に行うことが必要です。
最後に、社会保障は、経済的弱者に対する、公的な(主に国による)富の再分配です。公的な再分配に当たっては、フェアであること(対象が根拠無く偏らないこと)が重要であり、また同時に人的な裁量が加わる余地が小さい方がいいですし、加えて制度の運営コストが小さいことが求められます。
現在の非効率的且つアンフェアな面を多々持った「不透明な再配分」ではなく、「透明な再配分システム」の構築をテーマに掲げて、総合的な社会保障改革を推進しようとする政治家がいてくれると嬉しく思います。
「これからの社会保障を考える5つのポイント」
※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。
社会保障については、諸制度を総合的に調整しなければならない大きな問題なので、一度に全体像を論じることは難しくはありますが、今回、重要と思えるポイントを、以下にまとめてみました。
まず社会保障の財源は一対一である必要はありません。「消費税率を引き上げないと社会保障財源がない(ので困る)」とする意見がありますが、社会保障費が本当に必要な支出だと認識していれば、消費税の税収がない場合には他の収入を充当するだけの話であって、財源を特定の収入で賄わなければならないと決めつけることこそ、税収の本質を隠すインチキです。
「消費税を社会保障財源として目的税化する」というのは、よく考えない国民に何となく消費税の増税を認めさせるための、悪質な目くらましに過ぎません。
次に、日本の公的年金は、「賦課方式」で実質は税金なのですから、そもそも財源は税金一般であってよく、年金保険料、特に国民年金・基礎年金の部分は、財源を税金とするのがいいでしょう。
行政コストの面からも肝心なことは、年金保険料と税金の徴収を別々に行う二度手間と非効率を即刻止めることです。
先日、日銀の追加金融緩和と同時にGPIFの新しい運用方針が発表されました。
GPIFが使った期待リターンとリスクの数字を元に計画を見ましたが、運用元本が130兆円とすると、単年度で約27兆7千億円の損失が起こりうる計算となります。公的年金の運用で27兆円の損失が発生した場合、年金財政はこれをどう処理するのか。また、そもそもこれだけの損失の可能性があることに、国民は納得しているのか、という疑問が残ります。
運用的な常識から眺めて、公的年金運用で問題なのは、リターンよりもリスクの方にあります。
年金制度については、全体の調整が必要ですが、公的年金の支給は最低70歳からでいいでしょう。もちろん、高齢者の働き場の確保という問題と、働けない或いは低収入の高齢者に対する補助をどう行うかをセットで考える必要があります。
「成長戦略」の一環として、年金の支給開始年齢の引き上げを早急に行うことが必要です。
最後に、社会保障は、経済的弱者に対する、公的な(主に国による)富の再分配です。公的な再分配に当たっては、フェアであること(対象が根拠無く偏らないこと)が重要であり、また同時に人的な裁量が加わる余地が小さい方がいいですし、加えて制度の運営コストが小さいことが求められます。
現在の非効率的且つアンフェアな面を多々持った「不透明な再配分」ではなく、「透明な再配分システム」の構築をテーマに掲げて、総合的な社会保障改革を推進しようとする政治家がいてくれると嬉しく思います。
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【アサヒ芸能】100万円以上の投資資金があるなら、税金を軽減できるNISA!
週刊「アサヒ芸能」に連載中の『山崎元の「なっ得!オヤジのためのマネー講座」』は、WEBサイトでもお読み頂けます。
100万円以上の投資資金があるなら、
税金を軽減できるNISA!
お勧めは手数料の安いETF!
今回は、NISA(少額投資非課税制度)について、その仕組みと使い方を簡単に紹介しています。
お金の運用には基本的に20%の税金が掛かります。仮に上手くいって「1割儲けた」と思っても、税引き後の実質は8%に過ぎません。この税金を軽減することが出来る制度がNISAです。
NISAの運用の考え方は、「非課税であるメリットを最大に使う」です。
1.自分の運用資産の中で最も期待利回りが高く、
2.途中で売りたくなって、メリットを使い切れなくなる可能性が低く、
3.手数料が安い。
以上の3つの条件から導かれるNISAの正解は、「ネット証券でインデックス投信(できればETF)」です。
100万円以上の投資資金があるなら、
税金を軽減できるNISA!
お勧めは手数料の安いETF!
今回は、NISA(少額投資非課税制度)について、その仕組みと使い方を簡単に紹介しています。
お金の運用には基本的に20%の税金が掛かります。仮に上手くいって「1割儲けた」と思っても、税引き後の実質は8%に過ぎません。この税金を軽減することが出来る制度がNISAです。
NISAの運用の考え方は、「非課税であるメリットを最大に使う」です。
1.自分の運用資産の中で最も期待利回りが高く、
2.途中で売りたくなって、メリットを使い切れなくなる可能性が低く、
3.手数料が安い。
以上の3つの条件から導かれるNISAの正解は、「ネット証券でインデックス投信(できればETF)」です。
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【夕刊フジ】市場活況!株は「いつ」売るか 来年1~3月がひとつのめどに
夕刊フジの木曜日号(水曜発売)に「経済快説」という短いコラムを載せています。これは、WEBでもお読み頂けます。
今週は、「市場活況!株は「いつ」売るか 来年1~3月がひとつのめどに」と題する記事を書きました。
現在、壮大な「公的相場操縦」が進行しています。
株価も為替レートも国債利回りも、通常は、自然な市場で価格が決定される相場商品ですが、現在は、デフレ脱却を目標とした政策的な介入が大規模に入っていることにより、市場参加者にとっては、現在の株価や為替レートを「市場で形成される自然な価格」として解釈することが出来なくなっています。
そこで、相場では「何時」も「幾ら」も言い当てることが難しいのを承知のうえで、株価の売り目標を考えてみました。
詳細は記事本文をご覧頂くとして、まず、「何時」については、来年の第1四半期(1-3月期)中を一つの目処とし、「幾ら」については、PER20倍を超えたら「高い」と判断し始めるべきだと思います。今後、企業業績の改善がないなら日経平均で2万360円になりますが、この辺りで持ち株を2~3割売って様子を見るのがいいでしょう。全部売る必要はありません。
今週は、「市場活況!株は「いつ」売るか 来年1~3月がひとつのめどに」と題する記事を書きました。
現在、壮大な「公的相場操縦」が進行しています。
株価も為替レートも国債利回りも、通常は、自然な市場で価格が決定される相場商品ですが、現在は、デフレ脱却を目標とした政策的な介入が大規模に入っていることにより、市場参加者にとっては、現在の株価や為替レートを「市場で形成される自然な価格」として解釈することが出来なくなっています。
そこで、相場では「何時」も「幾ら」も言い当てることが難しいのを承知のうえで、株価の売り目標を考えてみました。
詳細は記事本文をご覧頂くとして、まず、「何時」については、来年の第1四半期(1-3月期)中を一つの目処とし、「幾ら」については、PER20倍を超えたら「高い」と判断し始めるべきだと思います。今後、企業業績の改善がないなら日経平均で2万360円になりますが、この辺りで持ち株を2~3割売って様子を見るのがいいでしょう。全部売る必要はありません。
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【ダイヤモンドオンライン】高齢者の資産運用心得七箇条
ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 高齢者の資産運用心得七箇条 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)
現在60歳以上の世代は、平均像では若年層に較べて圧倒的にお金を持っていますが、お金の運用に無頓着に過ごしてきた方が少なくありません。
そんな人が退職金などのまとまったお金を持って、不用意に金融マンやFPに相談に行くのは「はっきり危険」です。
そこで今回の記事では、気をつけるべき点について簡単にまとめました。
1・高齢者向けの運用などない。運用にまで歳を取らせる必要はない。
お金の運用には、「お金を、なるべく安全に、できるだけ増やす」という以外の目的などありません。運用商品は、誰が買っても、同じ期間に保有していれば同じリターンになります。
2.毎月の取り崩し可能額でリスクを考えよう。
仮に65歳でリタイアし、その後95歳まで生きるとした場合、残りの人生は30年間=360カ月です。
例えば、3600万円の運用額があり、そのうち1割を運用で損したとします。この場合、リタイア後の「毎月10万円」の取り崩し可能額が「毎月9万円」に減ると考えると、リスクを具体的な実感をもって考えることが出来ます。
現在75歳なら「240」で考えます。いずれの場合も、「残りの月数」を使って資産額(ストック)を毎月の取り崩し消費額(フロー)に換算してリスクを考えられるようにするとよいでしょう。
3.相談相手から運用商品を買うな。特に、銀行には注意。
高齢者のマネー運用で一番心配なリスクは、株価のリスクでも為替リスクでもなく、「人間のリスク」です。
金融機関の人間は、あなたから儲けようという意図を当然持っています。特に、退職金が振り込まれる銀行の銀行員は、自分の金銭事情を詳しく知りすぎているので要注意です。
運用を相談する相手から、運用商品を買ってはいけないのが鉄則です。
4.リスクは商品ではなく投資金額で調整せよ。
リスクの大きさは、資金を丸ごとどの運用商品で運用するかと考えるのではなく、リスクのある運用商品を「幾ら」買うか、金額で調整するのがよいでしょう
しかし、金融業者は目の前の顧客から最大限の手数料を稼ぐことを考えるので、運用資金を全額使わせるように誘導しますし、その際に、過大なリスクを取ることになる場合がしばしばあります。
5.「毎月分配型投信」から徹底的に離れよ。
これについては、本ブログや他のコラムで何度も書いていますが、(1)毎年一回の分配よりも課税が早まる分毎月分配型という仕組み自体が不利であること、(2)分配金を高く出すために大きなリスクを取っていること、(3)あきれるほど手数料が高いこと、の三つの欠点があり、高齢者に限らず誰に対しても、お勧め出来るような商品は「一本も無い」と自信を持って断言出来ます。
6.インフレヘッジにこだわるな。
運用商品を販売する側から見て「インフレへの備え」は大きな商材であり、不安を煽り、リスクの高い(ということは同時に手数料の高い)商品を売り込むのが基本的なマーケティング・テクニックです。
インフレへの備えが重要でないとは言いませんが、現状では、将来のインフレ・リスクに強くこだわることの弊害の方が大きいのではないでしょうか。
将来もニーズのある仕事を提供出来、稼ぐ手段がある、ということが、原理上はもっとも柔軟で頼りになる「インフレヘッジ」なのです。
7.手数料には徹底的にこだわれ。
業者と顧客の間にあって、顧客の側にとって確実にマイナスのリターンとなるのが、運用商品の手数料です。
販売手数料については「ノーロード」と呼ばれるゼロの商品以外に投資すべきではなく、信託報酬も、長期金利が0.5%にも成らない時に年率1%以上払うのは払い過ぎだと考えましょう。
以上、「高齢者の資産運用心得七箇条」について簡単にまとめました。
高齢者に特別な運用方法などありません。尚、ダイヤモンドの記事では、普通の人のための運用の簡便法として、拙著「全面改定 超簡単お金の運用術」の内容を紹介しています。
現在60歳以上の世代は、平均像では若年層に較べて圧倒的にお金を持っていますが、お金の運用に無頓着に過ごしてきた方が少なくありません。
そんな人が退職金などのまとまったお金を持って、不用意に金融マンやFPに相談に行くのは「はっきり危険」です。
そこで今回の記事では、気をつけるべき点について簡単にまとめました。
1・高齢者向けの運用などない。運用にまで歳を取らせる必要はない。
お金の運用には、「お金を、なるべく安全に、できるだけ増やす」という以外の目的などありません。運用商品は、誰が買っても、同じ期間に保有していれば同じリターンになります。
2.毎月の取り崩し可能額でリスクを考えよう。
仮に65歳でリタイアし、その後95歳まで生きるとした場合、残りの人生は30年間=360カ月です。
例えば、3600万円の運用額があり、そのうち1割を運用で損したとします。この場合、リタイア後の「毎月10万円」の取り崩し可能額が「毎月9万円」に減ると考えると、リスクを具体的な実感をもって考えることが出来ます。
現在75歳なら「240」で考えます。いずれの場合も、「残りの月数」を使って資産額(ストック)を毎月の取り崩し消費額(フロー)に換算してリスクを考えられるようにするとよいでしょう。
3.相談相手から運用商品を買うな。特に、銀行には注意。
高齢者のマネー運用で一番心配なリスクは、株価のリスクでも為替リスクでもなく、「人間のリスク」です。
金融機関の人間は、あなたから儲けようという意図を当然持っています。特に、退職金が振り込まれる銀行の銀行員は、自分の金銭事情を詳しく知りすぎているので要注意です。
運用を相談する相手から、運用商品を買ってはいけないのが鉄則です。
4.リスクは商品ではなく投資金額で調整せよ。
リスクの大きさは、資金を丸ごとどの運用商品で運用するかと考えるのではなく、リスクのある運用商品を「幾ら」買うか、金額で調整するのがよいでしょう
しかし、金融業者は目の前の顧客から最大限の手数料を稼ぐことを考えるので、運用資金を全額使わせるように誘導しますし、その際に、過大なリスクを取ることになる場合がしばしばあります。
5.「毎月分配型投信」から徹底的に離れよ。
これについては、本ブログや他のコラムで何度も書いていますが、(1)毎年一回の分配よりも課税が早まる分毎月分配型という仕組み自体が不利であること、(2)分配金を高く出すために大きなリスクを取っていること、(3)あきれるほど手数料が高いこと、の三つの欠点があり、高齢者に限らず誰に対しても、お勧め出来るような商品は「一本も無い」と自信を持って断言出来ます。
6.インフレヘッジにこだわるな。
運用商品を販売する側から見て「インフレへの備え」は大きな商材であり、不安を煽り、リスクの高い(ということは同時に手数料の高い)商品を売り込むのが基本的なマーケティング・テクニックです。
インフレへの備えが重要でないとは言いませんが、現状では、将来のインフレ・リスクに強くこだわることの弊害の方が大きいのではないでしょうか。
将来もニーズのある仕事を提供出来、稼ぐ手段がある、ということが、原理上はもっとも柔軟で頼りになる「インフレヘッジ」なのです。
7.手数料には徹底的にこだわれ。
業者と顧客の間にあって、顧客の側にとって確実にマイナスのリターンとなるのが、運用商品の手数料です。
販売手数料については「ノーロード」と呼ばれるゼロの商品以外に投資すべきではなく、信託報酬も、長期金利が0.5%にも成らない時に年率1%以上払うのは払い過ぎだと考えましょう。
以上、「高齢者の資産運用心得七箇条」について簡単にまとめました。
高齢者に特別な運用方法などありません。尚、ダイヤモンドの記事では、普通の人のための運用の簡便法として、拙著「全面改定 超簡単お金の運用術」の内容を紹介しています。
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【楽天証券】お金の運用心得四箇条
楽天証券ホームページでの連載「山崎元のホンネの投資教室」に「お金の運用心得四箇条 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)
獨協大学で「金融資産運用論」と題する講義を担当しています。今回の記事では、本年秋学期バージョンとして、運用の初心者である学生諸君に伝える「是非これだけは覚えて欲しい心得」をご紹介しています。
<お金の運用心得四箇条>
① 他人を信用しない
② リスクの見当をつけろ
③ 手数料を重視せよ
④ 買値にこだわるな
① 他人を信用しない
最も重要な心得は、「他人」に対して「健全な警戒心」を持ち続けることです。
「経済合理的な人間は、特に有利な利益機会があれば、それを他人に教えるのではなく、自分で使うはずだ」。この身も蓋もない経済常識をまずは頭に叩き込むべきでしょう。
最も警戒すべき相手である取引銀行の行員に加えて、証券会社のセールスマンやFPなども、顧客に手数料の高い商品や非合理的な商品を売りつけることが巧みです。
また、エコノミスト、ストラテジスト、アナリスト、あるいはFPも(もちろん経済評論家も)、将来の金融商品のリターンなど正確に分かる筈も無いし、しばしばビジネス上の都合に左右された情報を発信します。
人間は、意図や感情をもって、情報を歪めて伝えます。「市場のリスクよりも、真に恐ろしいのは人間の方だ」というのが、ざっと30年ほど金融関連の業界で働いてみた私の実感です。
② リスクの見当をつけろ
リスク資産を運用しようと思う時に、損した状態を始めに想定する人は多くありませんが、「意識的に努力して」、リスクと正面から向き合うことが決定的に重要です。
初心者であっても、最悪の場合に投資額のどれくらいを失うことになるだろうかといったことを、具体的に考えられるようでなければなりません。
③ 手数料を重視せよ
販売会社と運用会社を合わせた「売り手」が得る実質的な手数料は、投資家にとって「リスク・ゼロで実現する確実にマイナスの期待リターン」です。
これは、同時に、実質的な手数料の分からない商品は、自分にとって期待リターンが分からない商品なのだから、投資してはいけない商品だ、ということをも意味します。
「手数料は高くても、運用が上手いアクティブ・ファンド」などというものは本来選ぶことが出来るものではありませんし、勧める人がいたとすれば、その人は自信過剰か商売のために嘘をついている人だということです。
④ 買値にこだわるな
投資家は、自分が買った株式や投資信託の「買値」に、自分の意思決定が左右されないように意識的な努力を払うべきです。
例えば、「買値に戻るまで売れない」と株を塩漬けにする、買値より下がった株価で買い増しして平均コストを下げて売り逃げを試みるなど、自分の買値にこだわるあまり、非合理的な行動に出てしまう投資家は少なくありません。
既に生じた損は「埋没費用」であり、過去は変えられないのだから、現在の株価でその持ち株をどうするかということ「だけ」で投資の意思決定をすべきです。
獨協大学で「金融資産運用論」と題する講義を担当しています。今回の記事では、本年秋学期バージョンとして、運用の初心者である学生諸君に伝える「是非これだけは覚えて欲しい心得」をご紹介しています。
<お金の運用心得四箇条>
① 他人を信用しない
② リスクの見当をつけろ
③ 手数料を重視せよ
④ 買値にこだわるな
① 他人を信用しない
最も重要な心得は、「他人」に対して「健全な警戒心」を持ち続けることです。
「経済合理的な人間は、特に有利な利益機会があれば、それを他人に教えるのではなく、自分で使うはずだ」。この身も蓋もない経済常識をまずは頭に叩き込むべきでしょう。
最も警戒すべき相手である取引銀行の行員に加えて、証券会社のセールスマンやFPなども、顧客に手数料の高い商品や非合理的な商品を売りつけることが巧みです。
また、エコノミスト、ストラテジスト、アナリスト、あるいはFPも(もちろん経済評論家も)、将来の金融商品のリターンなど正確に分かる筈も無いし、しばしばビジネス上の都合に左右された情報を発信します。
人間は、意図や感情をもって、情報を歪めて伝えます。「市場のリスクよりも、真に恐ろしいのは人間の方だ」というのが、ざっと30年ほど金融関連の業界で働いてみた私の実感です。
② リスクの見当をつけろ
リスク資産を運用しようと思う時に、損した状態を始めに想定する人は多くありませんが、「意識的に努力して」、リスクと正面から向き合うことが決定的に重要です。
初心者であっても、最悪の場合に投資額のどれくらいを失うことになるだろうかといったことを、具体的に考えられるようでなければなりません。
③ 手数料を重視せよ
販売会社と運用会社を合わせた「売り手」が得る実質的な手数料は、投資家にとって「リスク・ゼロで実現する確実にマイナスの期待リターン」です。
これは、同時に、実質的な手数料の分からない商品は、自分にとって期待リターンが分からない商品なのだから、投資してはいけない商品だ、ということをも意味します。
「手数料は高くても、運用が上手いアクティブ・ファンド」などというものは本来選ぶことが出来るものではありませんし、勧める人がいたとすれば、その人は自信過剰か商売のために嘘をついている人だということです。
④ 買値にこだわるな
投資家は、自分が買った株式や投資信託の「買値」に、自分の意思決定が左右されないように意識的な努力を払うべきです。
例えば、「買値に戻るまで売れない」と株を塩漬けにする、買値より下がった株価で買い増しして平均コストを下げて売り逃げを試みるなど、自分の買値にこだわるあまり、非合理的な行動に出てしまう投資家は少なくありません。
既に生じた損は「埋没費用」であり、過去は変えられないのだから、現在の株価でその持ち株をどうするかということ「だけ」で投資の意思決定をすべきです。
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【アサヒ芸能】不動産購入は投資と同様に判断しよう!
週刊「アサヒ芸能」に連載中の『山崎元の「なっ得!オヤジのためのマネー講座」』は、WEBサイトでもお読み頂けます。
安ければ買う、高ければ買わない!
不動産購入は投資と同様に判断しよう!
家を買うか買わないかは、家の価格が高いか安いかのみで、投資の判断のように決断すべきです。それは、自分が住む家であっても当然同じです。
仮に、賃貸に回すと家賃を年間300万円得られる不動産があるとします。この物件が6000万円なら、6000万円の投資に対して年間の利益は5%です。不動産は相場変動がありますが、分散投資が難しい商品です。この利回りでは「高い!」と判断するのが妥当でしょう。
なお、住宅ローンには、借り主が死亡した場合にローンを完済する生命保険がセットされている事が多いことも知っておいて欲しいポイントです。つまり、夫が稼ぎ手でローンの借り主の場合、住宅ローンで持ち家を買った時点で、「後は夫が死にさえすれば」住宅は相続人である妻のものになります。新婚で妻の歓心を買いたい一心の時期の夫に、ローンを組ませて住宅を買わせることが出来るか否かは、多くの夫婦にあって、結婚生活序盤の勝負所(!)です。
安ければ買う、高ければ買わない!
不動産購入は投資と同様に判断しよう!
家を買うか買わないかは、家の価格が高いか安いかのみで、投資の判断のように決断すべきです。それは、自分が住む家であっても当然同じです。
仮に、賃貸に回すと家賃を年間300万円得られる不動産があるとします。この物件が6000万円なら、6000万円の投資に対して年間の利益は5%です。不動産は相場変動がありますが、分散投資が難しい商品です。この利回りでは「高い!」と判断するのが妥当でしょう。
なお、住宅ローンには、借り主が死亡した場合にローンを完済する生命保険がセットされている事が多いことも知っておいて欲しいポイントです。つまり、夫が稼ぎ手でローンの借り主の場合、住宅ローンで持ち家を買った時点で、「後は夫が死にさえすれば」住宅は相続人である妻のものになります。新婚で妻の歓心を買いたい一心の時期の夫に、ローンを組ませて住宅を買わせることが出来るか否かは、多くの夫婦にあって、結婚生活序盤の勝負所(!)です。
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【東洋経済オンライン】2015年は「肝試し相場」になる
東洋経済オンラインの「山崎 元が読む、ちょっと先のマーケット」に「 2015年は「肝試し相場」になる 」と題する記事を書きました。
(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)
①日銀の異次元緩和第二弾、②安倍首相の消費税引き上げ先送り解散、③GPIF等による公的年金のリスク資産買い、の「株価押し上げ三点セット」が出揃い、日経平均が高値を更新してきています。
ここまでは予想通りの展開とは言え、同時に問題も見えてきました。
それは、株価の上昇のどれだけが、①GPIFの買いなど「需給的な要因」によるものなのかが分からないことと、②株価水準を判断しようとする際にいわば比較の土台になる金利の水準が自然なものでないということです。
普通の投資家は驚くかも知れませんが、GPIFは株価水準に関係なく株式を売買して、目標の比率まで保有額を調節します。そのため、GPIFの買いが主導して作った株価は、株価の適正価値に関する判断と無縁に形成された株価になります。
さらに、株価評価の重要な要素である金利をどう見ていいのかが分からない点が、次なる問題として立ちふさがります。
例えば、金利が自然に形成されているものなら、そこから適正と思える株価を算出することが可能です。
しかし、日銀による長期国債の大量買いが始まると、例えば、10年国債利回りに対して株式に想定出来る収益率が適正であったとしても、10年国債に対する「相対的有利・不利」としては判断出来ても、10年国債の利回り自体が不自然に低いなら、少なくとも10年国債が普通の利回りに戻った場合には、株価は明らかに高過ぎる状況になるのです。
幾らか刺激的な表現を許して貰うなら、「バブルでバブルを測っている」可能性があります。
今後もこうした「尺度無き株高」の状況が続くとすると、「途中で降りるのはもったいない」と思う一方、「不自然なまでに高まった株価で売らないのはもったいない」と感じる心理もあり、どこまでついていくか、恐らく来年第一四半期にかけて「肝試し」のような展開になるのではないでしょうか。
さて、「アベノミクス相場にどこまでついていったらいいのか?」は来年を有利に気分良く生きる上での大きなテーマです。来る12月22日に開催される「 東洋経済オンライン プレミアムイベント」の席で、本連載の共同筆者である、ぐっちーさん、かんべえ先生と共に、来年どのようなヤバイ事が起こり得て、相場はどうしたらいいのか、美味いワインとウィスキーを飲みながら、皆さんと語り合いたいと思っています。有馬記念の予想大会もある、年末の大放談会です。
是非お越し下さい!
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①日銀の異次元緩和第二弾、②安倍首相の消費税引き上げ先送り解散、③GPIF等による公的年金のリスク資産買い、の「株価押し上げ三点セット」が出揃い、日経平均が高値を更新してきています。
ここまでは予想通りの展開とは言え、同時に問題も見えてきました。
それは、株価の上昇のどれだけが、①GPIFの買いなど「需給的な要因」によるものなのかが分からないことと、②株価水準を判断しようとする際にいわば比較の土台になる金利の水準が自然なものでないということです。
普通の投資家は驚くかも知れませんが、GPIFは株価水準に関係なく株式を売買して、目標の比率まで保有額を調節します。そのため、GPIFの買いが主導して作った株価は、株価の適正価値に関する判断と無縁に形成された株価になります。
さらに、株価評価の重要な要素である金利をどう見ていいのかが分からない点が、次なる問題として立ちふさがります。
例えば、金利が自然に形成されているものなら、そこから適正と思える株価を算出することが可能です。
しかし、日銀による長期国債の大量買いが始まると、例えば、10年国債利回りに対して株式に想定出来る収益率が適正であったとしても、10年国債に対する「相対的有利・不利」としては判断出来ても、10年国債の利回り自体が不自然に低いなら、少なくとも10年国債が普通の利回りに戻った場合には、株価は明らかに高過ぎる状況になるのです。
幾らか刺激的な表現を許して貰うなら、「バブルでバブルを測っている」可能性があります。
今後もこうした「尺度無き株高」の状況が続くとすると、「途中で降りるのはもったいない」と思う一方、「不自然なまでに高まった株価で売らないのはもったいない」と感じる心理もあり、どこまでついていくか、恐らく来年第一四半期にかけて「肝試し」のような展開になるのではないでしょうか。
さて、「アベノミクス相場にどこまでついていったらいいのか?」は来年を有利に気分良く生きる上での大きなテーマです。来る12月22日に開催される「 東洋経済オンライン プレミアムイベント」の席で、本連載の共同筆者である、ぐっちーさん、かんべえ先生と共に、来年どのようなヤバイ事が起こり得て、相場はどうしたらいいのか、美味いワインとウィスキーを飲みながら、皆さんと語り合いたいと思っています。有馬記念の予想大会もある、年末の大放談会です。
是非お越し下さい!
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【夕刊フジ】「自民270議席」投資判断の分かれ目 大幅減なら持ち株売却の局面
夕刊フジの木曜日号(水曜発売)に「経済快説」という短いコラムを載せています。これは、WEBでもお読み頂けます。
総選挙がスタートした今週は、「「自民270議席」投資判断の分かれ目 大幅減なら持ち株売却の局面」と題し、株式に投資している投資家が総選挙をどのように見たらいいかについて、記事を書きました。
選挙と株価に関わる原則は二つあります。
第一は「与党の勝利が概ね株価にとって好材料である」ことです。
投資家は投資の前提となる環境の非連続的変化を嫌います。大抵の場合、大きな変化につながりそうな予想外の結果は、株価的に歓迎されません。
特に今回は、自民党の勝ち負けだけでなく、勝ったとしても、その勝ち具合が株価に大きく影響するでしょう。
第二は「『予想』よりも『結果』がいいか悪いかで、影響を判断する」ことです。
これは、個別株投資にあって、業績のこれまでの予想と、新しく発表された業績予想の「ギャップ」が重要な意味を持つことと似た事情です。
安倍政権にとって「勝ち」とみなしうる獲得議席数は、当面、自民党で「270」だと私は見ています。
270以上あれば、絶対多数を維持して安倍政権の権力基盤をさらに強化することができるでしょう。反対に大幅に減らす場合は、安倍政権は弱体化が急速に進むことになります。その場合、投資家は持ち株の一部を売ってもいいでしょう。
総選挙がスタートした今週は、「「自民270議席」投資判断の分かれ目 大幅減なら持ち株売却の局面」と題し、株式に投資している投資家が総選挙をどのように見たらいいかについて、記事を書きました。
選挙と株価に関わる原則は二つあります。
第一は「与党の勝利が概ね株価にとって好材料である」ことです。
投資家は投資の前提となる環境の非連続的変化を嫌います。大抵の場合、大きな変化につながりそうな予想外の結果は、株価的に歓迎されません。
特に今回は、自民党の勝ち負けだけでなく、勝ったとしても、その勝ち具合が株価に大きく影響するでしょう。
第二は「『予想』よりも『結果』がいいか悪いかで、影響を判断する」ことです。
これは、個別株投資にあって、業績のこれまでの予想と、新しく発表された業績予想の「ギャップ」が重要な意味を持つことと似た事情です。
安倍政権にとって「勝ち」とみなしうる獲得議席数は、当面、自民党で「270」だと私は見ています。
270以上あれば、絶対多数を維持して安倍政権の権力基盤をさらに強化することができるでしょう。反対に大幅に減らす場合は、安倍政権は弱体化が急速に進むことになります。その場合、投資家は持ち株の一部を売ってもいいでしょう。
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【ビジネスジャーナル】キャリアと人生で失敗しないポイントは、28・35・45歳?
サイゾー社が運営するWEBメディア「ビジネスジャーナル」に、「 キャリアと人生で失敗しないポイントは、28・35・45歳?適職決め、定年後の目処… 」と題する記事を書きました。
(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)
一般にキャリア・プランニングが必要な理由は3つあります。
1・自分の「人材価値」を作るには時間が掛かる
2・自分についても会社についても将来のことは分からない
3・仕事上のチャンスを得ることができる年齢的な時期には限りがある
尚、「人材価値」とは(1)ある仕事ができるという能力、(2)その能力を実際に仕事に使ったという実績、 の二つからなります。どちらにしても、数年単位の時間を要するため、計画と戦略が必要となります。
学生時代に自分の職業適性を見極めることは不可能であり、自分の適職は、実際に働いてみて「出会う」ものです。そして、やりたいと思う仕事でも、チャンスが与えられない場合は当然あり、チャンスを得るための努力が必要となります。
以上の認識を前提に、記事では、私が考えるキャリア・プランニングのポイントをご紹介しています。
28歳までに、自分の職を決める
「職」はこの場合、業界や会社よりももっと狭い範囲の具体的な仕事を指し、その分野に自分の時間と努力を投資して、スキルと実績を作ります。
「28歳」までとする根拠は、30代前半の、能力上の全盛期で職場でもチャンスを得やすい時期を、仕事を覚えた状態で迎えたいからです。多くの場合、仕事を覚えるのに2年は掛かることから考えて、30歳-2歳=28歳という計算です(反対に、2年努力してもレベルが上がらない仕事は本人に向いていないとも言えます)。
35歳までに、人材価値を確立する
ビジネスの世界では、具体的に仕事をした実績がないと評価は上がりません(例えば「MBA」のような資格だけでは人材価値は上がらない)。
この場合の実績とは、特別なものでなく、ある仕事を十分にこなして来たという事実で十分です。実際に転職しなくてもいいですが、転職市場で買い手と十分な値が付くような人物になることが一つの目処となります。
45歳には、セカンド・キャリアについて目処を立てる
定年後を含むいわゆる「セカンド・キャリア」については、個人差が大きくなりますが、長い期間に亘る準備が必要な場合が多く、会社から出向や役職定年を突きつけられてから後のことを考えるのでは、準備不足で十分な選択肢を持つことが出来ない場合があります。
「28歳」、「35歳」、「45歳」。画一的に誰にでも、どんな仕事でも当てはまるという訳ではありませんが、考え方としてご参考になるのではないでしょうか。
人生にあって最も貴重な資源は「時間」に他なりません。
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一般にキャリア・プランニングが必要な理由は3つあります。
1・自分の「人材価値」を作るには時間が掛かる
2・自分についても会社についても将来のことは分からない
3・仕事上のチャンスを得ることができる年齢的な時期には限りがある
尚、「人材価値」とは(1)ある仕事ができるという能力、(2)その能力を実際に仕事に使ったという実績、 の二つからなります。どちらにしても、数年単位の時間を要するため、計画と戦略が必要となります。
学生時代に自分の職業適性を見極めることは不可能であり、自分の適職は、実際に働いてみて「出会う」ものです。そして、やりたいと思う仕事でも、チャンスが与えられない場合は当然あり、チャンスを得るための努力が必要となります。
以上の認識を前提に、記事では、私が考えるキャリア・プランニングのポイントをご紹介しています。
28歳までに、自分の職を決める
「職」はこの場合、業界や会社よりももっと狭い範囲の具体的な仕事を指し、その分野に自分の時間と努力を投資して、スキルと実績を作ります。
「28歳」までとする根拠は、30代前半の、能力上の全盛期で職場でもチャンスを得やすい時期を、仕事を覚えた状態で迎えたいからです。多くの場合、仕事を覚えるのに2年は掛かることから考えて、30歳-2歳=28歳という計算です(反対に、2年努力してもレベルが上がらない仕事は本人に向いていないとも言えます)。
35歳までに、人材価値を確立する
ビジネスの世界では、具体的に仕事をした実績がないと評価は上がりません(例えば「MBA」のような資格だけでは人材価値は上がらない)。
この場合の実績とは、特別なものでなく、ある仕事を十分にこなして来たという事実で十分です。実際に転職しなくてもいいですが、転職市場で買い手と十分な値が付くような人物になることが一つの目処となります。
45歳には、セカンド・キャリアについて目処を立てる
定年後を含むいわゆる「セカンド・キャリア」については、個人差が大きくなりますが、長い期間に亘る準備が必要な場合が多く、会社から出向や役職定年を突きつけられてから後のことを考えるのでは、準備不足で十分な選択肢を持つことが出来ない場合があります。
「28歳」、「35歳」、「45歳」。画一的に誰にでも、どんな仕事でも当てはまるという訳ではありませんが、考え方としてご参考になるのではないでしょうか。
人生にあって最も貴重な資源は「時間」に他なりません。
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【お知らせ】東洋経済オンライン プレミアムイベント
ぐっちーさん、山崎元さん、吉崎達彦さんとみんなで盛り上がろう!
競馬好きエコノミストが読む!「2015年もヤバい日本経済+2014年有馬記念予測」
【イベント詳細】
解散総選挙となり、波乱含みとなった2014年末。アベノミクスはどうなるのか? 「東洋経済オンライン」の人気コラム二ストで、『ヤバい日本経済』の共著者、ぐっちーさん、山崎元さん、吉崎達彦さんの「競馬好き3人衆」が、最高のタイミングで2015年の日本経済&世界のマーケットと、2014年の有馬記念を大胆に予測します! 講演後は立食パーティー。ぐっちーさんが選んだシャンパンで乾杯! おいしい食事とお酒(飲み放題)で、3人のエコノミストと大いに盛り上がりましょう! 午年(うまどし)の最後を飾るにふさわしい“プレミアムイベント”に、ぜひご参加ください。
【日時】
2014年12月22日(月)18:30~21:30
(開場17:30、100名様限定)
【会場】
東洋経済新報社本社ビル9階ホール
【イベント概要&講師】
「2015年もヤバい日本経済+2014年有馬記念大予測」
3人の講演会(鼎談)終了後、20時をメドに立食パーティーとなります。
【講師】
ぐっちーさん(山口正洋、投資銀行家)
山崎元(経済評論家)
吉崎達彦(双日総合経済研究所副所長)
【会費:立食パーティー代を含みます】
1万円(税込み)
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【アサヒ芸能】始めるなら手数料ゼロの商品を買え!
週刊「アサヒ芸能」に連載中の『山崎元の「なっ得!オヤジのためのマネー講座」』は、WEBサイトでもお読み頂けます。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)
投資信託は9割以上がクズ!
始めるなら手数料ゼロの商品を買え!
今回は投資信託の仕組や長所・短所といった入門的な内容についてまとめています。
記事の中で、「現存の投信の9割以上が『始めから検討に値しないクズ!』」であると書きました。その理由の一つに、投資信託の短所である2種類の手数料が挙げられます。
まず、「販売手数料」について言うと、同じ会社の全く同じ商品でも、販売会社によって異なる場合があるので注意が必要です。多くは投資額の2%か3%(プラス消費税)くらいですが、「ノーロード」と称する販売手数料ゼロの投信もあります。
はっきり言って、ノーロード以外の投信を買うのは愚かです。
もう一つの「信託報酬」も、顧客側に見落されがちですが、決して小さくはありません。目下、証券・銀行の店頭でよく売れている投信の信託報酬は年率1%台後半が多く、仮に1.5%としても10年間保有すれば、単純計算で15%にもなります。
博打でテラ銭(胴元の取り分)が決定的に重要なように、投信では信託報酬が大事です。1%以上は論外であり、0.5%程度の商品を選ぶべきです。
投資信託は9割以上がクズ!
始めるなら手数料ゼロの商品を買え!
今回は投資信託の仕組や長所・短所といった入門的な内容についてまとめています。
記事の中で、「現存の投信の9割以上が『始めから検討に値しないクズ!』」であると書きました。その理由の一つに、投資信託の短所である2種類の手数料が挙げられます。
まず、「販売手数料」について言うと、同じ会社の全く同じ商品でも、販売会社によって異なる場合があるので注意が必要です。多くは投資額の2%か3%(プラス消費税)くらいですが、「ノーロード」と称する販売手数料ゼロの投信もあります。
はっきり言って、ノーロード以外の投信を買うのは愚かです。
もう一つの「信託報酬」も、顧客側に見落されがちですが、決して小さくはありません。目下、証券・銀行の店頭でよく売れている投信の信託報酬は年率1%台後半が多く、仮に1.5%としても10年間保有すれば、単純計算で15%にもなります。
博打でテラ銭(胴元の取り分)が決定的に重要なように、投信では信託報酬が大事です。1%以上は論外であり、0.5%程度の商品を選ぶべきです。
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