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【現代ビジネス】銀行で毎月分配型の投資信託を勧められたら、こう考えよ

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に「銀行で毎月分配型の投資信託を勧められたら、こう考えよ」というタイトルで記事を書きました。

 金融機関でリテール営業の場に関わると、「適合性の原則」を強く意識しなければなりません。これは、大まかに言うと、顧客の属性に合わない商品に顧客を誘導してはいけないというルールです。
 根拠条文(金融商品取引法第40条)には、行ってはいけないこととして、「顧客の知識、経験、財産の状況及び金融商品取引契約を締結する目的に照らして不適当と認められる勧誘を行って投資者の保護に欠けること」とあり、典型的には、高齢で金融知識も投資経験も乏しい人に対して、複雑でリスクの大きな運用商品を買うように勧誘するような行為を禁止しているものだと解されています。

 しかし、条文には解釈の余地があり、適合性の原則が、投資家を守ることについて「十分には役立っていない」だけではなく、原則が想定するような(望ましい)金融商品勧誘像自体が本当に「投資家にとっても正しいのか」という点についても疑問があります。場合によっては、顧客に不利益な金融商品営業を正当化するような側面さえもっているのが現実でしょう。
 加えて、どのようなケースを違反とするか、法律の専門家でも判断に迷うくらい曖昧な規定なのですから、保護されるべき消費者たる投資家側では全く油断ができませんし、金融庁や業界団体など、業界を監督・規制すべき立場にあっても、「適合性の原則」を超える投資家保護措置が必要です。

 そこで、今回のコラムでは、「適合性の原則」に代わる投資家保護の措置として、金融商品の販売者に対して、「手数料コスト」と「リスク」を具体的に説明する義務を課して、その根拠をチェックすることを提案しています。この形なら、「適合性の原則」のような馬鹿馬鹿しい曖昧さも無く、新しい商品の出現にも相当程度対応出来そうです。
 精神規定として「フィデューシャリー・デューティー」を唱えるよりも、具体的で実効性があるのではないでしょうか。
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コメント
 
 
 
「僕はこうやって11回転職に成功した」を読みました (宇都宮)
2017-03-31 21:22:15
初めは「難しいことは解りませんがお金の増やし方を教えてください」を読み初めて投資運用年金、「経済」を勉強しました、以前は数冊の経済の本を読んで経済の知識は無用だと思っていましたが「難しいことは~」を読んでとても面白く思えるようになり、山崎氏への興味へと繋がり、2002年に「僕はこうやって11回転職を成功した」を読んで驚きの連続でしたこんなにも経験して生きてきたなんて、しかも10年以上経っているのに仕事の本質が書いてあるため、現在進行形でも勉強できるようになっています、拙い文ですみません、しかも、このブログとは関係無いコメントですみません、でも「僕はこうやって11回転職に成功した」は本当に面白く勉強になりました、
 
 
 
ありがとうございます。 (山崎元)
2017-04-06 20:14:18
宇都宮 様

コメントありがとうございます。
「僕はこうやって11回転職に成功した」(文藝春秋)をお読み頂いて、どうもありがとうございます。

この本は、現在版元在庫無しですが、12回目の転職や、その後の話を加筆して、次は電子ブックで出そうかという企画が進行中です。この改訂版が出るまでには、しばらく掛かりそうですが、しばしお待ち下さい。

 山崎 元
 
 
 
コメントをありがとうございます、楽しみにしています (宇都宮)
2017-04-19 05:19:59
コメントをありがとうございます、「僕の転職」続編楽しみにしています、・・・でNHKのクロ現+観ました、山崎さんが出演してビックリ!初めて・・・動画の山崎さんを観て感動しました!
よかった、山崎さんの考えがブレないコメントで・・・しかし年齢より若く見えて格好いいです!
銀行の「脅し不安」を駆逐してください、私も不安にさせられ脅かされて「外貨預金とアクティブ」を進められ、買おうと思いましたが「難しいことは~」で助かりました、宇都宮から応援しています(笑)
 
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