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我が、「減量」の試みについて

 カタカナ名前の不動産屋が「我々が大家になりました」と現れたのは10月だった。11月にドタバタと自宅を引っ越した。
 経緯の詳細は「週刊ダイヤモンド」や獨協大学の授業でも取り上げたが、この不動産屋は、中古マンションを買って、リフォームして再版するビジネスを手がける業者で、最初は「住んでいる人が買うと得だから、買わないか」と言ってきた。しかし、買うには価格が高過ぎることを指摘して断ると、「では、引っ越しに関わる費用を全額こちらが持つので、近隣の同等物件に引っ越しませんか」と持ちかけてきた。そこで、この話に乗ったのだった。
 考えてみると、ここ4年ほど、転職も引っ越しもしていなかった。満足の行く候補物件が他の客にきまらないうちに引っ越しを決めたいと思ったので、せわしい引っ越しになったが、今や何とか落ち着いた。
 ブログを更新したい、と思う余裕が生じた。
 さて、この引っ越しに際して、自分の部屋が少し狭くなるので、自分が使う本棚を三つから一つに減らすことにした。そのため、本棚一つの三分の一程度の本をスキャンしてPDF化し、三分の二の本は捨てた。本を捨てるに際して、はじめはもったいないと思い、相当数を自分の会社に持って行こうかと思ったが、そもそも手元にあって読まないものを会社に置くのは無駄なのだと思い直して捨てることにした。
 過去、古本屋に本を売ったこともあるし、「捨てる本がまとまったら、ブックオフを呼んで、持って行って貰うのが、一番手間が掛からなくていい」というアドバイスを同僚から貰ってもいたが、本を換金するのは、どうも気が進まなかった。そして、本を自分の手で本を捨ててみると、なぜか、少しいい気分になった。
 世間では、「断捨離」がミニブームだ。これは、かつて「捨てる技術」が流行ったことに続く、「第二次“捨てる”ブーム」であるらしい。
 なので、せっかくの機会だから、断捨離本を二冊ほど読んでみた。体言止め連発の、浮かれた新聞記者のような文体は(好きな人は、好きなのだろうが)、私にとっては苦痛だったが、書かれている内容は首肯できるものだった。真に使うモノを有効且つ大切に使うためには、使わないモノが占めている場所を空ける方がいい。
 「モノを買うことは、自己表現の一形態でもあり、社会にとってもいいことだ」というかつての消費推奨的な思想は現在力を失いつつある。「デフレ消費」、「嫌消費」などという言葉もあり、「余計なモノを持たない方が、格好がいい」という気分を持つ消費者(というよりも生活者)が明らかに増えている。そして、これは悪いことではない。「マーケティング」とかいう小賢しい技術によって、我々は、これまで随分余計なものを買っていたのだ。
 もっとも、他人よりも旺盛な私の物欲がすっかりしぼむとは思えないが、今回の引っ越しを機に、自分の周囲のモノを減らすことを継続的に試みようと思っている。
 理想と現実が一致する見込みはほぼないが、私があこがれる「住まい」は、最小限の必要で好きなモノだけを置いたホテルのスイートルームのような部屋での暮らしだ(モノさえ減らせば、ファミリータイプのマンションはホテルのスイートに匹敵する空間があるのだが・・・)。大きな家や、庭などには、全く興味がない。最も好都合で面白いと思える場所に、スッキリと住むのが夢だ(たぶん、生涯達成できない夢だろうが)。
 さて、モノの他に、現在もう一つ減らそうとしているのが「体重」だ。
 私の体重は大学卒業以来、2年で1キロずつ一次関数的に単調増加してきたのだが、ここ一、二年、その傾きが急になりつつあって、自分で自分のことを少々重苦しいと思い始めていた。
 そう思いながら、本棚を整理していたら、十年以上前に友人が使った「デンマーク式ダイエット」と題するダイエットのレシピのコピーが出てきた。
 油と炭水化物を減らしてカロリーを落とすメニューが基本のようだが、これを参考にしながら自分流にアレンジ(アルコール・ゼロなんて無理だし・・・)して、ここ3ヶ月ほど、月に2キロ程度のペースを目処に体重を落としている。能書きによれば、パスタのどか食いや、夜中のラーメンのようなものが大変良くないらしい。
 現在、ピークと比較すると7キロ程度体重が落ちた。
 なにぶんもともとの体重の分母が大きいので、見かけ上、大きな変化はまだないが、いくらか体が軽くなったような気がする。あと5、6キロ落としたいと思っている。ただし、12月は忘年会シーズンなので「増えなければいい」と決めて小休止している。
 10歳から20歳くらい上の人々の姿を見ると、加齢して痩せると、急に老けて且つ不景気な感じがする場合が多い。老境は、やや太りながら迎える方が「見かけ上は」いいように思う。
 しかし、もともと太っているのでは、それ以上太る余裕が、健康上も、容姿上もない、ということになりかねないので、今のうちに一度体重を落として老境をむかえることにしようという「長期戦略」を持つことにした。
 戦略が実行できるか否かは、もちろん、今後の自己コントロールに掛かっているが、順調であれば、来年の3月くらいに目標を達成する予定だ。
 モノ減らしと体重減らしに加える課題は、理想的には、夜型の生活を改造することと、ちょうど良い分量に仕事を調整することだろう。
 但し、これらはおそらく簡単ではない。
 まあ、過剰なものがあったり、不足なものがあったりするのが人生なのだろうから、無理はするまい、と思っている(あきらめるわけではないのだが)。
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水瀬ケンイチさんと共著の「ほったらかし投資術」が出ました

 「ほったらかし投資術」(水瀬ケンイチ、山崎元著。朝日新書)が12月10日に発売された。当ブログでは、自著の宣伝はやったりやらなかったりなのだが、共著者の水瀬ケンイチさんのブログの販売への貢献が非常に大きいので、私としても、何も告知しないのは肩身が狭い。
 内容は、個人投資家向けのインデックス投資ガイドブックで、水瀬さんの投資体験記、私の理論編、インデックスファンドの商品ガイド、インデックスファンドのファンドマネジャーへのインタビューなど盛りだくさんなものになっていると思う。
 水瀬さんは既に有名な方だが、人気の投資ブログ「梅屋敷商店街のランダムウォーカー」の管理者で、ご自身がインデックス投資家でもある(本職は堅い会社の会社員で愛妻家だ)。
 水瀬さんとは、過去3、4度お会いしたことがあるだけだったが、ブログを読んで、(1)情報提供が正確で且つ対象に対する敬意がにじみ出ていること、(2)文章が上品であること、などに好感を持ち、是非共著でお願いしたいと私から頼んだ。印税の配分は50%ずつ折半でお願いした(水瀬さんの方が文章量が多いが、快諾してくれた)。おかげで、幅広い読者にとって、読みやすい本になったのではないだろうか。
 ありがたいことに、12月14日に5千部ほどの増刷が決まった。増刷が決まると、著者としては責任を果たしたような気分になって(出版社に損をさせなかったという程度の意味ですが)、ほっとする。
 唯一の心残りは、こうして本が出来上がってみると、帯にある「賢者の運用術」の方がいいタイトルなのではないかという気がすることだ。毎度のことながら、本のタイトルは難しい。
 以下に「前書き」を掲げる。当ブログは、アフィリエイトに体操していないので、本書をネットで購入されたい方は、できたら、水瀬さんのブログ、「梅屋敷商店街のランダムウォーカー」(http://randomwalker.blog19.fc2.com/)経由でご購入下さい。

★「ほったらかし投資術」の前書き

 この本の目的は、手間いらずで、同時に合理的なお金の運用方法を「運用が仕事でも趣味でもない普通の人」に広く伝えることだ。
 これは、私(山崎)の前著『超簡単お金の運用術』(朝日新書)と同じだが、結論を「強く」伝えることに重きを置いた前著に対して、本書は「やさしく、丁寧に、惜しみなく」伝えることを目指した。
 お伝えしたい運用方法はインデックスファンドへの投資であり、これは前著も同じなのだが、読者がより納得・安心してインデックス投資を行うことができるように、インデックス投資をテーマとするブログを運営されている水瀬ケンイチさんを共著者にお迎えした。水瀬さんのブログは運用・証券業界も注目する人気ブログだが、丁寧で正確な情報提供と、ソフトで率直な語り口が特色だ。加えて、水瀬さんご自身がインデックス投資を実践されているので、理論や方法だけでなく、インデックス投資家の「気持ち」をお伝えすることができる。本書では、内外の株式に、インデックスファンドを組み合わせて投資することをお勧めしているが、著者も組み合わせの効果を目指すことにした。
 この作戦は成功したと思う。本音を言うと、水瀬さんが共著を引き受けてくれた時点で、私は「しめた!」と思ったのだった。たとえば、インデックス投資の実際をガイドしている第三章(水瀬さん執筆)を見て欲しい。これだけ具体的でかつすっきりと分かるインデックス投資の手引きは、少なくとも書籍としてはこれまでどこにもないはずだ。
 良き共著者を得たことで、私は、安心してインデックス投資に関する持論を展開することができた。詳しくは、第二章で述べたが、「市場が効率的だから、インデックス運用がいい」のではない。「市場が効率的であってもなくても、インデックス運用は有利」なのだ。
 加えて、インデックス運用の最前線をお伝えするために、現役のインデックスファンド運用者である相川雅弘さんにインタビューでご登場頂いた。また、具体的な商品も実名をあげて評価しつつご紹介しているので、読者は、どのファンドを買ったらいいのか迷わずにすむはずだ。
 結果として、新書サイズながら、盛りだくさんな内容の本になった。もちろん、価格は新書価格だ。インデックスファンドは、幅広い分散投資をローコストに(安い手数料で)提供するところに本領があるが、本書も同じ路線を目指している。

   二〇一〇年一一月吉日
     山崎 元

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<読者へ>

 早速で恐縮ですが、以下、訂正です。増刷の機会に可能な限り訂正する予定です。

(1) 68ページの2行目「1口9万円弱」となっていますが、1306の最低購入代金は10株の9千円前後です。(最小単位は十分小さいのですが、ETFであるため、少額投資の場合売買手数料の比率が高くなるので、やはり、積み立て投資には向かないと思います)

(2)p.93の相関係数の図に関するp.95の説明文で外国債券の説明文の記述の数字が間違っています。正しくは、外国債券と国内株式の相関係数が0.3、外国株式と先進国株式、新興国株式の相関係数が0.4です。

(3)152ページ、東証の乖離率ページのURLは、http://www.tse.or.jp/rules/etf/etfinfo.html に変更されています。大証の乖離率ページのURLは、http://www.ose.or.jp/market/trading_data/etf に変更されています。

(4)72ページ、(誤)「鴨が漁師の」→(正)「鴨が猟師の」、です。

 以上の誤りに関するご指摘は、何れも、読者から、ツイッターないしはブログに対する連絡で頂いたものです。ご指摘に感謝します。(12月14日)


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