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【現代ビジネス】民主党はチャンスボールを打てるマニフェストか?

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に記事を書きました。
民主党はチャンスボールを打てるマニフェストか?
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 今回の選挙戦では、野党が安倍政権を的確に批判出来れば、過半数を取ることは難しくても、民主党が相当の党勢回復を短期間に達成する可能性はあるでしょう。有権者にとって、自民党政権の継続を拒否した場合の、たぶん唯一の現実的な選択肢でもあります。
 そこで記事では、今回の総選挙に向けた民主党のマニフェストを検討してみました。

 表紙を一枚めくると、アベノミクス批判が展開されています。
 安倍政権側に反論出来ない弱点があるとすると、「第三の矢」と称する生産性を改善する成長戦略が殆ど進捗していないことですが、民主党はこの弱点を上手く突けていません。それどころか、現状を物価高だと認識しているあたり、民主党はデフレ復活を目指している政党だとしか考えられません。
 アベノミクスへの対抗軸を出そうとするあまり、本筋で間違えてしまっては、多くの有権者の信認は得られないでしょう。仮に、民主党が政権に就いたら、金融緩和を減速或いは撤回させるのかと想像すると、ぞっとするような経済状況が目に浮かびます。

 アベノミクスの「第二の矢」については、自民党政権が矢を放った方向が今一つ適切でなかったことは事実であり、これに対する批判は一応評価出来ます。しかし、かつて具体的なマニフェストが後の重荷になったことに懲りたか、その内容には具体性が欠けていて、魅力の無いマニフェストになっています。
 敢えて言いましょう。「根性の無い人々だ」。

 また、アベノミクスのもう一つの弱点である成長戦略に対する民主党の取り組みはどうかというと、地味なものばかり並べた「貧乏くさい」マニフェストとしか言いようがありません。付け加えると、経済的な現実を理解せずに、現在時点で安定した雇用を得ている正社員層の既得権維持に腐心しているとしか思えない内容です。

 何度通読してみても、実に迫力のないマニフェストという印象を拭えません。
 今回の総選挙にあって、安倍政権側の実質的に最大の武器は「有権者が民主党前政権に持つネガティブな記憶」でしょう。前政権で要職にあり、冴えない記憶と結びついた方々が党の顔を務める現体制は、有権者の目から見ると古びたイメージの「昔の人」であり、ずらり並ぶと、漫画「ゲゲゲの鬼太郎」の再放送を観ているような気分にさせられます。

 記事本文では、「ご年齢的に政治家としてまだ十分若い方達なのだが、いったん後進に道を譲ってはいかがだろうか。党勢が回復したら、また復活の機会もあるだろう。」とまとめています。
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【ダイヤモンドオンライン】アベノミクスと日本の「中間層」の行方を考える

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 アベノミクスと日本の「中間層」の行方を考える 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 過去にも本連載で書きましたが、アベノミクスは、政策の波及順序として、はじめの段階では、資産を保有する富裕層と、労働市場における弱者層とがメリットを得る一方で、中間層の実質賃金が低下する、「中間層が割を食う」政策パッケージです。
 ここで「中間層」とは、 主として「雇用と給料が安定している勤労者」のイメージです。年収が高くても、管理職でも、ストック・オプションを含む株式や不動産を億円単位で持っていない方は、経済構造的には中間層の仲間と考えてよいでしょう。

 アベノミクスでは、「第三の矢」が機能して生産性が向上し、これが実質賃金の上昇に反映しないと中間層の実質所得改善は起きない構造になっています。しかし、現状、政府の成長戦略(重要なのは各種規制緩和です)にあってはめざましい成果は見られません。
 加えて、正社員に現在のように強力な解雇規制がある限り、景気が良くなっても「中間層」はなかなか分厚くなりにくい構造にあります。これは、 アベノミクスのせいではなく、現在の規制のせいです。

 そこで、正社員と非正社員の権利上の区別がなくなり、ルールに則った金銭補償などで解雇が可能になるといった解雇規制の緩和が実現すると、どうなるでしょうか。
 解雇が行われやすい状況は、自分の雇用を不安定にする一方で、「空席」が生じやすく、大きく条件を下げなくても自分の雇用を見つけることが容易になる条件でもあります。解雇規制の緩和は、「中間層」を「全体として厚く」する効果を持つのではないでしょうか。
 正社員の解雇規制は緩和することのメリットが大きく、長期的には、日本がその方向に動いて、現在の「中間層」と、特に「貧困層」との区分けは曖昧もしくは消滅するのではないかと予想しています。

 一方、長期と言わず、短期的にも早急に整備が必要なのは、フェアで効率の良いセーフティー・ネットです。
 敢えて欠点を挙げるなら、アベノミクスは「分配論」を欠いた政策パッケージと言えます。安倍首相が「バラマキ」と批判する再分配政策の中にも、フェアで効率的な「良いバラマキ」もあれば、アンフェアで非効率的な「悪いバラマキ」もあるはずです。
 総選挙について言えば、与党であれ野党であれ、年金制度と生活保護を含めて、セーフティー・ネットの根本的な再構築を提案する政党が出て来たら、是非応援したいものだと思います。
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【アサヒ芸能】退職金を運用するなら参考数字は「360」!

 週刊「アサヒ芸能」に連載中の『山崎元の「なっ得!オヤジのためのマネー講座」』は、WEBサイトでもお読み頂けます。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

  退職金を運用するなら参考数字は「360」!
 金融マンには相談するな


 退職金の運用では、退職金が振り込まれた銀行でこれを運用しないことが大切であることは、連載の第一回に書きました。
 今回は、退職金を実際に運用するときに参考になる数字「360」について紹介しています。

 65歳で退職し95歳まで生きると考えると、360カ月あります。持っているお金の360分の1を毎月取り崩して使っても、95歳まで生活費が賄える計算になります。

 この「360」を用いて、運用のリスクを生活に結びつけてイメージをすると、例えば、毎月1万円までなら、老後の生活資金が減ってしまっても「何とかなる」という人は、1万円×360カ月、360万円が許容出来る損の限度となります。
 このように、運用のリスクを老後の毎月の生活資金に換算して考えてみるとよいでしょう。
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【ダイヤモンドオンライン】総選挙後の「アベノミクス2」をどう評価すべきか

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 総選挙後の「アベノミクス2」をどう評価すべきか 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 消費税率再引き上げの延期と衆議院の解散については、様々な意見がありますが、私の結論をあらかじめ言うと、
①解散には十分な大義がある
②消費税率再引き上げ延期は正しい
③ここまでのアベノミクスは概ね成功だが4月の消費税率引き上げは失敗だった
というものです。

 さて、消費税率の再引き上げ延期を含め、与党が勝った場合に総選挙後に継続されるとした場合の経済政策を、ここでは「アベノミクス2」と呼ぶことにします。これを承認するか否かが総選挙の最大の争点となるでしょう。
 このアベノミクス2をどう評価するかについては、政策の手順と段階を十分理解しておくことが大切です。

 アベノミクス全体のポイントは、複数の政策目標を追う上で、「デフレの脱却」(2%程度のマイルドなインフレ環境の形成)を最優先事項としたことにあります。これは、経済成長、雇用の改善、財政の再建といった他の目標を、よりよく達成する上でも適切な手順です。
 アベノミクス1では、「将来2%の物価上昇率目標が十分に達成されるまで金融引き締めを行わない」というメッセージを発して、いわば「将来の金融緩和を予約する」ことで、実質金利を下げる効果を狙いました。加えて、「二本目の矢」である財政支出拡大といった政策を組み合わせることで、特に雇用市場の再弱者層が雇用を得やすくなり、広範に救われたことは、大きな成果です。

 続くアベノミクス2は、日銀による追加緩和、さらに消費税率再引き上げ延期の決定に、総選挙によるアベノミクス全体の継続に対する承認を加えて、第一段階の税率引き上げによる失点をどの程度リカバー出来るかが大きな注目点となるでしょう。
 アベノミクスの正念場といっていい局面です。

 消費税率再引き上げを延期するアベノミクス2に関しては、幾つか弊害の指摘があります。
 「財政赤字拡大」につながるという弊害については、記事本文にて個別にその心配を払拭しています。それとは別に、有権者から見てアベノミクスに関わる「実感」を伴った批判があるとするなら、雇用と給与が安定している勤労者を典型とする「中間層」の実質的な所得が低下していることが挙げられるでしょう。賃金の上昇は、消費税増税、円安、電気料金上昇、年金保険料の上昇に追いついていません。

 これらをより早く実現するためには、「第三の矢」である、成長戦略が機能しなければなりませんが、残念ながら、この点に関して、アベノミクス1は掛け声だけにとどまって、実行が十分伴いませんでした。
 成長戦略としては、雇用、農業、医療、介護、貿易、などに関する規制緩和が望まれるところですが、官僚を含む既得権層の抵抗は依然として強固です。
 中間層の生活改善を実現するためには、具体的な規制緩和を進めるために、総選挙を「岩盤規制」を砕く起爆剤的に使う選挙公約の工夫を望みたいところです。
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【夕刊フジ】アベノミクスの中間評価は「A」 雇用市場の弱者層救う

 夕刊フジの木曜日号(水曜発売)に「経済快説」という短いコラムを載せています。これは、WEBでもお読み頂けます。
 今週は、「アベノミクスの中間評価は「A」 雇用市場の弱者層救う 」と題する記事を書きました。
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 本稿執筆の時点ではまだ正式発表前ですが、解散も消費税の再引上げも実施されるとの前提で、ここまでの安倍政権の経済運営を中間採点してみました。

 評価すべき点として、まず、デフレ脱却を最優先にするとの政策の優先順位を明確にしたことです。
 また、現実に消費者物価を、消費税率引き上げ分を除いても対前年比プラスに持ってくることが出来た点や、実体経済が上向きになり、失業率低下など雇用市場の弱者層が救われたことも、評価すべき成果でしょう。

 一方、減点材料には以下の2つを挙げました。

1.最優先課題のデフレ脱却を危うくしかねない、消費税率8%への引上げを今春に実施した
2.本来なら「第三の矢」たるべき規制緩和が、案の定進んでいない

 共に10点以上の減点項目ですが、消費税の再引上げ延期を決断するのであれば、東京五輪開催の獲得でも少し加点して、私が授業を持っている獨協大学の成績評価になぞらえて「A」を与えようかと思います。

 みなさんの採点はいかがでしょうか?
・・・・・・
 さて「夕刊フジ」の原稿に書いたのは、上記の内容なのですが、7-9月期のGDPが何とマイナス1.6%(年率)になったのを見ると、A=80点は甘いかなあ、という気がしてきました。難しいものです。それにしても、4月の消費税率引き上げの傷は深かった。
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【アサヒ芸能】“個人向け国債”を知っておけ

 週刊「アサヒ芸能」に連載中の『山崎元の「なっ得!オヤジのためのマネー講座」』は、WEBサイトでもお読み頂けます。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

銀行預金より安全で
国債暴落にも強い!
安全なお金の置き場所
「個人向け国債」を知っておけ


 大金の安全な保管場所について考えてみました。
 まず、いわゆる「タンス預金」は物騒ですし利息を生みません。銀行はどうかと言うと、預金保険によって元本と利息が保護されるのは「一人、一行、一千万円」までです。銀行は見かけよりも不安定なビジネスですし、そもそも銀行預金は条件が良くありません。

 結論を言うと、大きなお金を置いておくのに安心な対象は「個人向け国債」、それも「変動一〇」と略称される、変動金利で10年満期の商品です。

 まず、現時点では銀行の半年定期預金よりも利率が高く、国債なので銀行預金より安全です。
 また、一年経過すれば、ペナルティを支払うことで常に元本100%で途中解約できることも出来るため、将来高金利になったら元本で途中解約し、高い金利で債券を買うことも可能です。

 「変動一〇」は国債なのに国債暴落に強く、常にベストとは限りませんが、条件的に無難以上で、何よりも安全なのです。

 ただし、個人向け国債を売っても金融機関の受け取る手数料が小さいため、窓口で投資信託など別の手数料の高い商品をセールスされやすい点は注意が必要です。
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【現代ビジネス】GPIFの「株式50%」新運用計画は素人でも許されない無責任な代物である

 現代ビジネス「ニュースの深層」(隔週連載)に記事を書きました。
GPIFの「株式50%」新運用計画は素人でも許されない無責任な代物である
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 GPIFは約130兆円を運用する世界最大級の機関投資家です。そして、彼らが運用しているのは、日本の厚生年金、国民年金の積立金です。国民としては、彼らの運用方針については、知っておきたい問題ではないでしょうか。
 結論からいうなら、10月31日に発表された新しい運用計画は、厳密には「素人レベルの運用でもダメ」と評価するべき、残念な代物となっています。

・目標リターンありきのポートフォリオ
 まず、説明資料を読んでいくと、要は「リターン○・○%を確保する、最小のリスクのポートフォリオを作れ」ということが分かります。「最小のリスク」が「許容可能なリスク」なのかどうかに関係なく、目標とするリターンを先決している時点で話になりません。

・リスクは辻褄合わせ
 全額債券並みのリスクで、「名目賃金上昇率+1.7.%」などという好都合で高い利回りが可能なのかと驚かれる読者がいるでしょうが、それが可能なら、私も驚きます。
 案の定、GPIFのリスク推計値を使うとして、全額国内債券のポートフォリオのリスクは4.7%(年率リターンの標準偏差)、出来上がった基本ポートフォリオのリスクは12.8%もあります。運用資産を130兆円として、1年間にざっと22兆5千億円の損失が出る場合があり得る計算になります。

・長すぎる想定運用期間による大き過ぎる許容乖離幅
 基本ポートフォリオの「想定運用期間」が25年と長すぎる影響もあり、国内株式の±9%をはじめ、基本ポートフォリオからの許容乖離幅がひどく大きな値に設定されています。
 これでは、裁量の余地が大きすぎて、基本ポートフォリオが運用の基準として機能しないでしょう。

・政府が民間企業の大株主になる弊害
 そもそもGPIFは政府の一機関であり、それが日本の民間企業の大株主になることに問題があります。

 以上のようにみてきて、それではどうしたらいいかを一言でいうのは難しいですが、そもそも日本の公的年金の積立金は過大であり、公的機関がこのように巨額の資金を運用する必要はありません。
 年金積立金を国民に返すような方向で経済政策の原資として利用しつつ、その規模の縮小を図るのが「まとも」であると私は考えています。
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【夕刊フジ】再編ラッシュも先行き厳しい地銀 「全国区」のビジネスモデルを

 夕刊フジの木曜日号(水曜発売)に「経済快説」という短いコラムを載せています。これは、WEBでもお読み頂けます。
 今週は、「再編ラッシュも先行き厳しい地銀 「全国区」のビジネスモデルを」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 地方銀行の業界再編が、いよいよ動き出しました。横浜銀行と東日本銀行に続いて、肥後銀行と鹿児島銀行が経営統合の方針を発表しました。
 今直ぐ「危ない!」と指摘したい地銀こそありませんが、近い将来、経営危機に陥る地銀が存在する心配は大いにあります。

 メガバンクや大手証券会社などと比較して、地銀が優位に立てる要素は乏しく、地銀の経営統合が可能にするのは時間稼ぎだけです。
 将来の存続と成長のためには、その時間を利用し、「全国区で通用する」ビジネスモデルを構築する必要があります。
 今後、それが出来る地銀が出てくる可能性はあります。しかし、大多数の地銀にそうなる可能性はほとんどないでしょう。
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【ダイヤモンドオンライン】消費税再引き上げ先送り解散の有無とマーケット

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 消費税再引き上げ先送り解散の有無とマーケット 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 安倍首相が消費税率再引き上げを延期して衆議院を解散するのではないかと、ここ数日、俄に解散ムードが高まってきました。
 今のところ、「解散」はかなりの確度で実現性があるのではないか、というのが私個人の印象です。その場合、安倍政権にとってもっぱらの問題は、自民党内と官僚の反応でしょう。

 そこで、消費税率再引き上げを1年半ほど延期し、同時に今国会会期中のなるべく早い時点で解散して年内に総選挙を行う、というアイデアはどうでしょうか。
 経済政策としても適切ですし、安倍政権の基盤強化のためにも「戦略的に適切」だと思います(私は金融緩和政策を支持していますが、安倍政権を応援しているわけではありませんので注意!)。

 先送り時期が1年半だとして、その間、官僚の協力が保つか、1年半の後はどうなるかは、安倍政権の力量次第ですが、増税を決めるよりは、期間を区切った延期を決めることで、安倍政権が力を持った状態でより長く維持出来るのではないでしょうか。

 さらに、記事本文では、解散が決行される場合のマーケットの動きについて予想をしています。

 今後、解散ムードが強化されるなら、消費税率再引き上げ延期の観測が強まって来ることもあり、解散に向けて株価が上昇する公算が高いと見ています。
 そして、実際に解散が発表された場合も、与党が負けるリスクの小さな選挙なので、取り敢えず材料的には株価にプラスではないでしょうか。
 また、総選挙開票後の株価は、実際に自民党がどの程度勝ち、どの程度の勝利が期待値として織り込まれていたかという、期待と結果のギャップがどちらに転ぶかわかりませんが、十分単独過半数を確保出来る程度に勝てば、普通はプラスに反応するでしょう。年内に日経平均で2万円程度の株価が実現してもおかしくありません。
 ただし、2万円超え後は、企業収益の伸び具合を見ながら、上値の目処を想定して、適当なタイミングで少々利食い売りすることを考えるのがよいでしょう。

 もちろん、解散の有無も株価の動きも、私ごときに先のことが確かに分かる訳ではありません。投資家読者は、各自のお考えで行動されることを望みます。
 皆さんのご幸運を祈ります!
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【東洋経済オンライン】露骨になってきた、「公的相場操縦」の行方

 東洋経済オンラインの「山崎 元が読む、ちょっと先のマーケット」に「 露骨になってきた、「公的相場操縦」の行方 」と題する記事を書きました。
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 10月31日金曜日、日銀が追加緩和を発表し、GPIFが中期計画変更の形で新しい「基本ポートフォリオ」を発表しました。
 その両者のタイミングが一致したことで、GPIFが大量に売る国債を、日銀が買い入れることになり、GPIFはこの資金で国内株式や外国株式、外国債券などの外貨建て資産を買う形になります。
 両者のコンビネーションを「美しい調和」だと評する声もあるようですが、私には露骨な「公的相場操縦」が開始されたように見えます。

 先に私の「意見」を述べると、日本経済の環境整備としてデフレからの脱却は重要であると考えており、現時点での金融緩和の追加措置には賛成です。しかし、公的資金による株式買いには強く反対しています。
 その理由は、
1.相場操縦であり価格形成を歪めること
2.他の市場参加者に利用されて年金加入者や納税者が損をする公算が大きいこと
3.公的機関が民間企業の株式を保有することが企業ガバナンス上マイナスであること
以上の主に3点です。
 政府がとるべき政策は、金融緩和の追加プラス消費税率再引き上げ延期の組み合わせだと考えています。

 さて、私の意見は以上ですが、実際の予想として、この「公的相場操縦」はどれくらいのインパクトを持つでしょうか。

 今回の日銀、GPIFの発表に対し、市場は敏感に反応しました。株価は2取引日で合計約1,200円高の反応を見せ、株価操縦としては、上々のスタートだったといえるでしょう。

 ここで、政府がGPIFと日銀を使って、相場操縦にどれだけのカネを用意したのかを考えてみます。
 細かい計算は記事本文をご参照頂くとして、ざっと13.5兆円が買い方のタネ銭になる計算です。当面、これに逆らう気は起こりにくいでしょう。
 この先は「山勘(=山崎の勘)」になりますが、3兆円もあれば、地味に買っても日経平均を1千円は上げられるとすると、これだけで日経平均2万1千円~2万2千円くらいまでは期待出来るでしょう。

 株価連動内閣と言われて久しい安倍内閣の「運」と「心掛け」が悪くなければ、今年の年末に2万円、来年の3月末に上手く行くと2万5千円くらいの株価があっておかしくないでしょう。
 但し、現時点での悪材料である消費税率再引き上げを決定した場合、公的株価操縦の行き先は、先の予想の年末で1割減(1万8千円)、年度末で2割減(2万円)くらいになる、とも予想しています。
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【夕刊フジ】GPIF買いをどう評価するか「日経平均2万円」も利食いが重要に

 夕刊フジの木曜日号(水曜発売)に「経済快説」という短いコラムを載せています。これは、WEBでもお読み頂けます。
 今週は、「GPIF買いをどう評価するか 「日経平均2万円」も利食いが重要に」と題する記事を書きました。
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 公表が遅れていたGPIFの運用計画が発表され、内外の株式組み入れが大方の予想の上限近辺に決まりました。この結果は、株式市場では「買い」要因になり、外国為替市場でも「円安」要因となります。
 また、同時に発表された日銀の追加緩和策でもETFによる株式買いが年間3兆円に増額され、露骨な「公的株価買い支え」が本格的に始動します。

 アベノミクス相場は、終盤の一伸びに向かいつつあります。
 安倍政権としては、株高のために撃てる弾を二発まとめて撃ちました。残るもう一発は、消費税率10%引き上げの延期です。
 さて、安倍首相にこの弾を撃つ勇気はあるでしょうか。
 投資家は、各自ほどほどに「利食い」を考え始めるべきでしょう。
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【ダイヤモンドオンライン】GPIFの新運用方針を個人投資家はどう読むべきか

 ダイヤモンド・オンラインの「山崎元のマルチスコープ」に「 GPIFの新運用方針を個人投資家はどう読むべきか 」と題する記事を書きました。(※リンクをクリックすると、新しいページが立ち上がります。)

 GPIFが10月31日に新しい中期計画を発表しました。個人投資家は、この新方針をどう読むべきでしょうか。今回の記事では、「真似する」、「利用する」、「反面教師とする」の3つの読み方を勧めています。

その1、真似する
 GPIFの新しい「基本ポートフォリオ」は、株式が内外合わせて50%、外貨建て資産が40%と整理された覚えやすい内容になりました。
 お金の運用に経験の乏しい個人投資家は、この運用方針を参考にするといいでしょう。
 外国債券については、詳しくは記事本文で述べましたが、円安のメリットを取ろうとするなら、外国債券ではなく外国株式や国内株式を持っていれば十分です。

 また、忘れていけないのは、GPIFが非常に運用手数料の低い運用委託を行っていることです。個人においても、手数料の高いアクティブ・ファンドで運用する可能性は今のところ考えなくていいでしょう。

 但し、個人の運用で肝心な「どのくらいの大きさのリスクを取ることが出来るか」について、この部分は何ら参考になりません。今回のGPIFのリスク資産投資の増額は、政府の方針の押しつけによるものであり、安全性と収益性を計算した結果ではありません。有り体に言って、公的株価対策への協力の産物です。

その2、利用する
 同日に日銀の追加緩和策が発表されたこともあり、GPIFと日銀が協力して行う「公的相場操縦」がいよいよ本格的に始動しました。

 しかし、これだけ明白な「買い」が入ることで、株価の上昇や為替レートの円安が実現したとしても、相場の常として、需給だけで動いた相場は、その需給の動きが止まると、元に戻ろうとするものです。
 投資家は、株価上昇の持続性や実現性に対して、強い疑いを向けつつ吟味すべきでしょう。
 現在、株式や外貨建て資産を持っている個人投資家は、今後のGPIFの買いを「利用」して、各自ほどよく利食っておくことをお勧めします。

その3、反面教師とする
 最後に、運用の考え方として「ダメ」な点を確認しておきましょう。

 全体にツッコミどころは満載ですが、まず、運用の想定期間を25年とし、その間を平均的に見通して標準となるポートフォリオを定める、という方法が全く現実離れしています。
 この期間を想定することで、例えば国内債券に対して2.6%といった、現実的にありもしないリターンを想定するのだから、この期間想定は実害を及ぼしているとも言えます。
 厚労大臣の提示する、年金財政の計算に都合のいい目標リターンをいきなり持って来て、後から辻褄が合っているような顔をするのは、良心的ではありません。

 加えて、「国内株式」に±9%つけるなど、大きすぎる「許容乖離幅」は無責任です。上下にこれだけ異なるポートフォリオは全く「別物」であり、それが必要なほどの環境変化があれば、基本ポートフォリオ自体を見直すのがGPIFサイズの資金といえども当然です。
 そもそも「25年間の標準ポートフォリオ」という奇妙なものを想定するから、こうなるのです。政府の求める運用計画に無理に説明を付けようとしたツケだと言えます。

 個人投資家は、GPIFの真似をしたり利用することはあっても、運用の考え方までGPIFに学んではいけません。
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