lizardbrain

だらだらぼちぼち

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2007年09月22日 23時05分07秒 | 音楽

葉加瀬太郎 Concert Tour 2007 "Re:"

9月1日 堺市民会館


TVでは何度も見かけているが、葉加瀬太郎の現物を初めて目にしたのがLive Imageというオムニバス形式のコンサートだった。
この、色んな出演者が20~30分交代で出てくる、観客としては、出演者が交代するたんびにいささか間延びしてしまう構成のコンサート(繰り広げられる演奏の質は素晴らしかったが)のトリに出てきたのが葉加瀬太郎だった。
Live Imageの観戦前、何故か、もっとエラそうな態度で演奏しているような予想をしていたのだが、全く大外れで、お客さんや共演者に対する態度に、腰の低さと人柄の良さを感じて、すっかり惹かれてしまったワタクシであった。
このブログに潜む以前、ワタクシがかつて生息していた、元電電公社系のプロバイダーのコミュニティースペースで、そこで知り合った人達とその話をしているうちに、葉加瀬太郎の事を、いつのまにかモジャさんというニックネームで呼び合ってしまった。
もちろん、あの特徴あるヘアスタイルから由来しているのだが、今でもこのニックネームが気に入っているので、ここでもモジャさんと呼ばせていただこう。
(本人は気に入っていないと思われるので、くれぐれも、本人には告げ口しないようにお願いしたい。)

そういえば、あのネットコミュニティでモジャさんの話をした人達の中で、現在では音信不通となっている方がいる。
いつかまた、オンラインのどっかでお目にかかりたいと願って止まない。
ワタクシとしては、生存確認のため、ひそかに合図などをいただければ安心するのだが


そして、この日、日帰り圏内の堺市で、ようやくモジャさん単独ライヴを体験する事ができた。

事前に、バンドのメンバー構成まで察知する事ができなかったのだが、バックバンドを見回すと、ギタリストが2人いた。
この、ギタリスト2人体制というのが、オープニングからなんとなく気になっていた。
向かって右側のギタリストは、モジャさんと一部分だけ良く似た名前で、モジャさんと同い年のギタリストだと確信したのだが、向かって左側に位置する、体格の良いギタリストには見覚えが無い。
ピックアップ付きのガットギターをメインに使って、ギターの構え方から察するにクラシックギターの素養があるようだが、誰なのか全くわからない。
といっても、モジャさんが展開する、クラシックをベースにした音楽ジャンルをこなすギタリストには、ほとんど知識が無いので、見覚えがあるとか無いとかは関係なくワタクシの知識不足を嘆くしかないのだが、、、、、、

随分とステージが進んで、モジャさんは、ようやく、この体格の良いギタリストの事を紹介した。
モジャさんは、このギタリストをマサ君と紹介し、彼が葉加瀬バンドに加入したいきさつについて手短に話し始めた。
マサ君についての話は、モジャさんライヴのメンバー紹介のたんびに話している事らしいので、モジャさんライヴのリピーターならとっくにご存知だろうから、ネタバレには該当しないという勝手な判断の元、マサ君とモジャさんの馴れ初めを、この場で言いふらしておこう。

モジャさんは、コンサート終演後にファンとの握手会をやっているそうで。
およそ2年前、とある場所での終演後の握手会にやってきた青年が、
「小学校5年生の時に、橿原神宮での葉加瀬太郎コンサートを見て、感激しました。」
と話しかけた後、
「僕は、最近、こういう音楽を演奏しています。よろしかったら聴いてみてください。」
と言って、自分の演奏を収録したCDと手紙をモジャさんに手渡したのだそうだ。

握手会も打ち上げも終えてホテルに帰ったモジャさんが、先ほど握手会の時に手渡されたCDを聴いてみると、その音楽性の高さに驚いて、すぐさま、一緒に手渡された手紙に番号が書いてあったケータイに電話したのだそうだ。
モジャさんが、青年に電話して何と言ったのかというと
「葉加瀬です。CD聴きました。いっしょに演ってもらえませんか?」

これがきっかけになって、マサ君こと中山将明が葉加瀬バンドに加入したのだという。

この時のモジャさんのMCでは、マサ君のことを『シンデレラボーイ』と言っていたのだが、オフィシャルサイトの中の『Artist File』というコンテンツに載せられている、中山将明のプロフィールを見ると、シンデレラボーイというよりも、それ相応のキャリアとプロセスと努力を積み重ねてきた事が窺い知れる。

おそらく、モジャさんのファンならば誰でも知っているであろうこのエピソードを初めて聞いたワタクシの胸の中を、同時多発的に複数の驚きの気持ちが駆け巡っていた

まず驚いた事は
これだけの才能があって、
これだけの人気があって、
これだけの名声を得て、
これだけの観客動員力を誇り、
これだけの演奏力、作曲力、編曲力、プロデュース力の持ち主で、
これだけの高学歴の妻をめとり、
さらに、その高学歴の妻は女優でもあり、、、、、、、、、
それなのに
いまなお握手会を続けるという何と言う謙虚な姿勢に驚いた。
(握手会といっても、会場でCDを購入した人限定という参加資格をクリアーしなければならないが、、、、、
さらにDVD購入者にはジャケットにサインをしてくれる。)

そして、次に驚いた事は、
何処の誰やら全くわからない初対面の人物に、
いきなり会場で手渡された自作のCDを、
くたびれ果ててホテルに帰ってその日のうちに真剣に耳を傾けて、
その演奏が気に入って、直接電話して、
『いっしょに演ってもらえませんか?』
と、
まるで頭を下げるようにして共演をオファーした事で。

いやいや、その前に、
超一流ミュージシャンの握手会に、
自分の演奏を収録したデモ音源を、
直接手渡したマサ君の度胸に驚いたのだ。

ただ、ここ1年ほど、メンバー紹介の時にこの話をしているので、握手会の時に自作のデモ音源を手渡される機会が増えてしまったのだ、と笑っていたモジャさんだったが、それでも、
「どんどん、持って来てくださ~い。」
と笑わせていた。

ワタクシは、このエピソードを聞かされただけで、お腹いっぱい胸いっぱいになってしまった。
お陰で、モジャさんのステージにすっかり釘付けになっているうちに、あっという間に終わってしまったではないか、、、、、

定番の、本編ラスト曲の『情熱大陸』では、ワタクシも他の観客に負けじと立ち上がり、両手を上げて、リズムに合わせて左右に振りながら、思わずニコニコしていた。
思いっきり盛り上がってしまったステージでは、バンドネオンもビオラもキーボードもパーカッションもこなすマルチプレイヤーが前方宙返りを決め、
モジャさんと同い年のチェロプレイヤーは、エビぞり、のけぞりながら、みぞおちの辺りにチェロを乗っけて、拍手半分、笑い半分の声援を受けながらアドリブプレイを繰り広げ、
女性パーカッション奏者は、カホーンをはじめとした大量の打楽器群に常に効果的なカウンターパンチを打ち込み、
CD持ち込みギタリストと、モジャさんと同い年の古株ギタリストは、それぞれ自分のソロパートでは、少しでも目立とうと立ち上がって弾きまくり、
ポーランド人のピアニストは、日本食がお気に入りで、
ベーシストは、見るからに古びたホールの2階席にいるワタクシの耳元までクッキリと粒立ちの良い艶やかなピチカートを届けてくれた

こんな楽しいライヴなら、人気が出るのは当然で、(いや、人気があるからこんな構成のライヴが出来るのか? どっちだ?)モジャさんのリピーターは増える一方であろう。
という感想とともに持ち帰った、入場時に渡されたチラシの束の中に、年末の大阪フェスティバルホールのモジャさんライブのチケット優先チラシが入っていた。
当日24時、つまり夜中の0時までに指定された電話番号にかけると、一般発売よりも前にチケットをゲットできる、、、、、、、

確かにモジャさんの音楽には、クラシックだけでなく色んな要素が詰まっているようだが、今回聴いたのと同じようなメンバー、同じような選曲、同じようなアレンジだとすると、4ヶ月足らずの間にもう一度ライヴを聴くというのが妥当なのかどうか?
これが、もしもジャズならば、万一同じメンバーでのライヴであったとしても、その演奏内容が全く違う物になる事は間違いないはずなので、すかさずチケット買い付けの為に電話を入れるのだが?

と、チラシを前にして悩んでいるうちに、日付が変わってしまい、優先電話は失効してしまった、、、、、、

まあ良い。
来年、また行こう