3月27日下北沢 ザ・スズナリで、水谷龍二作「お目出たい人」を見た(演出:水谷龍二)。
地下室にひっそりと置かれた棺。
通夜に集まった今日が初対面の六人。
死んだ男の残したものとは何だったのか。
哀しみと笑いと怒りが交錯する中、帰るに帰れない六人の酒盛りはつづく(チラシより)。
ヨネダという男の通夜。場所は、なぜか或る小劇団の稽古場。
そこに、一人また一人と人が集まって来るが、みな、互いに知らない同士だ。
野口(川手淳平)は新宿の飲み屋で故人と飲み友達だった。
篠原(渋川清彦)はテレビ局のADでジャンパー姿。かつて故人と仕事仲間だったが、ヨネダは2年位で辞めたという。
小松(那須凛)は若い女性で、茶系のチェックのブレザーと白いパンツ姿。
編集者で、今日は校了の日なので忙しい。
ヨネダはテレビ局を辞めた後、ライターだった。
仕事熱心だったが、原稿はいつも締切りギリギリだった。
ヨネダは公園で、ホームレス同士の争いに巻き込まれ、殴られて死んだらしい。
八坂(渡辺哲)は「中央線断酒会世話人」という肩書をもつ老人。
彼は早速、酒好きの野口と酒をめぐって対立する。
金子(崔哲浩)は野口が一人でいる時に来て、線香をあげ、野口に「しばらく目を閉じていてください」と言う。
彼の迫力に押されて言われた通りにする野口。
すると金子は、そばの段ボールを開け、ヨネダの遺品を探って四角い箱を取り出し、自分のカバンにしまう。
こいつ、怪しい!
次に棺の蓋を開け、ヨネダの顔を見て、自分の顔をぐっと中に入れて一瞬泣き声を上げる!
この男と故人の関係って一体・・・。
この5人に連絡して来た中島という女性(李丹)がやっと現れ、ヨネダの死の経緯を説明する。
中国語訛り。
彼女はヨネダの行きつけの雀荘の経営者で、彼の財布に彼女の雀荘のカードが入っていたため、警察から連絡が来たのだった。
彼女は彼の部屋を引き払い、スマホにあった「友人」5人に連絡したという。
ヨネダはだいぶ前に妻と離婚しており、他に身寄りもない。
故郷に行けば身元引受人くらいいるだろうが、実家の住所など誰も知らない。
ヨネダが滞納していた部屋代3ヶ月分を彼女が払ったというので、5人は、それをみんなで出し合うことにする。
6人で通夜と葬儀の準備。
金子が実はヤクザだとわかり、みなビビる。
翌日の葬儀には坊さんは呼ばない。
みな、喪服に着替えて来る。
酒盛り、歌、そして中島による中国の踊り。
お開きの前に、彼女が言い出す。
実は、故人にお金を貸していました。百数十万。
それもみなさんで出していただけないでしょうか。
そのために我々を集めたんですか!?となじられるが、彼女も店の存続がかかっていて引き下がれない。
結局その金も、みなで出し合うことになる。
いろいろあったが、やっぱりヨネダは彼らに愛され、慕われていたようだ。
最後にみなで形見分けをする。古いレコードなど。
ルポライターだったヨネダは写真をたくさん撮っていた。
その中に、同じ少年が何枚も写っているのに誰かが気づく。
彼には別れた妻との間に、高校生になる息子が一人いた。
これがその息子なんじゃないか、その子のことをそっと追っていたんじゃないだろうか。
その息子を探してみることになる・・。
戯曲としては、一部冗長なところがあるのが残念だが、なかなか味のある芝居だった。
何より、役者の皆さんが実に生き生きと楽しそうに演じていたのが印象に残った。
那須凛は、例によってうまいし、李丹という人の中国の踊りが素敵だった。
地下室にひっそりと置かれた棺。
通夜に集まった今日が初対面の六人。
死んだ男の残したものとは何だったのか。
哀しみと笑いと怒りが交錯する中、帰るに帰れない六人の酒盛りはつづく(チラシより)。
ヨネダという男の通夜。場所は、なぜか或る小劇団の稽古場。
そこに、一人また一人と人が集まって来るが、みな、互いに知らない同士だ。
野口(川手淳平)は新宿の飲み屋で故人と飲み友達だった。
篠原(渋川清彦)はテレビ局のADでジャンパー姿。かつて故人と仕事仲間だったが、ヨネダは2年位で辞めたという。
小松(那須凛)は若い女性で、茶系のチェックのブレザーと白いパンツ姿。
編集者で、今日は校了の日なので忙しい。
ヨネダはテレビ局を辞めた後、ライターだった。
仕事熱心だったが、原稿はいつも締切りギリギリだった。
ヨネダは公園で、ホームレス同士の争いに巻き込まれ、殴られて死んだらしい。
八坂(渡辺哲)は「中央線断酒会世話人」という肩書をもつ老人。
彼は早速、酒好きの野口と酒をめぐって対立する。
金子(崔哲浩)は野口が一人でいる時に来て、線香をあげ、野口に「しばらく目を閉じていてください」と言う。
彼の迫力に押されて言われた通りにする野口。
すると金子は、そばの段ボールを開け、ヨネダの遺品を探って四角い箱を取り出し、自分のカバンにしまう。
こいつ、怪しい!
次に棺の蓋を開け、ヨネダの顔を見て、自分の顔をぐっと中に入れて一瞬泣き声を上げる!
この男と故人の関係って一体・・・。
この5人に連絡して来た中島という女性(李丹)がやっと現れ、ヨネダの死の経緯を説明する。
中国語訛り。
彼女はヨネダの行きつけの雀荘の経営者で、彼の財布に彼女の雀荘のカードが入っていたため、警察から連絡が来たのだった。
彼女は彼の部屋を引き払い、スマホにあった「友人」5人に連絡したという。
ヨネダはだいぶ前に妻と離婚しており、他に身寄りもない。
故郷に行けば身元引受人くらいいるだろうが、実家の住所など誰も知らない。
ヨネダが滞納していた部屋代3ヶ月分を彼女が払ったというので、5人は、それをみんなで出し合うことにする。
6人で通夜と葬儀の準備。
金子が実はヤクザだとわかり、みなビビる。
翌日の葬儀には坊さんは呼ばない。
みな、喪服に着替えて来る。
酒盛り、歌、そして中島による中国の踊り。
お開きの前に、彼女が言い出す。
実は、故人にお金を貸していました。百数十万。
それもみなさんで出していただけないでしょうか。
そのために我々を集めたんですか!?となじられるが、彼女も店の存続がかかっていて引き下がれない。
結局その金も、みなで出し合うことになる。
いろいろあったが、やっぱりヨネダは彼らに愛され、慕われていたようだ。
最後にみなで形見分けをする。古いレコードなど。
ルポライターだったヨネダは写真をたくさん撮っていた。
その中に、同じ少年が何枚も写っているのに誰かが気づく。
彼には別れた妻との間に、高校生になる息子が一人いた。
これがその息子なんじゃないか、その子のことをそっと追っていたんじゃないだろうか。
その息子を探してみることになる・・。
戯曲としては、一部冗長なところがあるのが残念だが、なかなか味のある芝居だった。
何より、役者の皆さんが実に生き生きと楽しそうに演じていたのが印象に残った。
那須凛は、例によってうまいし、李丹という人の中国の踊りが素敵だった。
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