ロビンの観劇日記

芝居やオペラの感想を書いています。シェイクスピアが何より好きです💖

2008年に観た芝居

2009-02-14 21:38:29 | 芝居
 昨年は芝居を23本観たが、その内シェイクスピアはわずか2本。ITCL(インターナショナル・シアターカンパニー・ロンドン)の「ハムレット」(5月12日)とOUDS(オックスフォード大学演劇協会)の「ロミオとジュリエット」(8月9日)。これらは別格として(長くなるので)、他の21コのうち特に面白かったものを10コ挙げてみたい。順位をつけるのは難しいので、観た順ということで。

 ①「春琴」(S.マクバーニー演出、深津絵里主演、3月4日)
   深津絵里の声がとにかく素晴らしい。今でも耳に残っている。演出もよく練られ ているが、枠構造は必要だったろうか。かえって主題も印象もぼやけるのではないだろうか。役者たちの動きは恐ろしいほど熟練を感じさせるものだった。

 ②「歌わせたい男たち」(永井愛作・演出、3月21日)
   この作家は前から気になっていて一度観ておきたかったが、テーマもいいし 扱い方もうまい。同じテーマでコメディでなくシリアスで重い作品も作れるかも知れないが。

 ③「ダウト」( J・P・シャンリィ作、4月14日)
   現代アメリカ演劇。役者は皆うまいが、渋谷はるかの初々しい演技が特に印 象に残った。

 ④ 「本当の私を捜して」(ピランデッロ原作、6月26日)
   これが昨年観た芝居の中で一番面白かった。ストーリーは謎解きで、少しず つ真実が明らかになってゆくが・・・一筋縄ではいかず、結末は深く心に沁みる。主演の浅野温子は相変わらず美しく、その声の魅力的なことはため息が出るほどだ。

 ⑤ 「死の舞踏」(ストリンドベリ作、7月31日)
   舞台装置はいつになく凝った作りで、重厚な雰囲気。例によって暗い話だが、客席には時折笑いが溢れる。演出と台本を担当した安西徹雄(公演前に死去)は、演出の仕方でストリンドベリがこうも明るくなることを示そうとしたのだろうか。それにしても橋爪功の芸のすごさには参った。

 ⑥ 「ミセス・サヴェッジ」(J・パトリック作、9月19日)
   よくできた芝居。ラストには胸を突かれた。役者はさほどうまくもなかった が、涙が止まらなかった。知らない作品だとこんなこともある。

 ⑦ 「人形の家」(イプセン作、シス・カンパニー、9月25日)
   シアターコクーンを円形劇場のように使っていたが、なぜそんなことをする のか、どんな効果をねらっているのか分からない。主演の宮沢りえが素晴らしい。声もよく、前半と後半の気持ちの変化が自然に伝わってくる名演技だった。

 ⑧ 「いさかい」(マリヴォー作、TPT68、10月13日) 
   原作を知らなかったが、実に面白い。演出も素晴らしい。

 ⑨ 「1945」(原作は芥川龍之介の「藪の中」、青木豪・R・アッカーマン脚 本、アッカーマン演出)
   非常に面白いが、ちょっと長すぎる。衣装(朝倉摂)が素晴らしい。終戦直後の日本が眼前に広がる。役者たちもいい。特に大木襄役のパク・ソヒがうまい。

 ⑩ 「舞台は夢」(P・コルネイユ作、新国立、12月11日)
   これも知らない作品だったが、芝居の楽しさを充分味わわせてくれた。⑦の 「人形の家」ではさほどうまいとはいえなかった堤真一が、ここでは彼の持ち味を生かす演出の効果もあって、なかなかよかった。


コメント (2)
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