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森歩き 事務局日誌

森に山に、森林ボランティア活動に、面白い物があれば何でも見に行きます。

ミミズと土    チャールズ・ダーウィン著

2020年05月05日 | 書籍紹介

ダーウィンさんが晩年にかけてミミズの研究を行っていたのはよく知られている。

原本は1904年 日本語版は昭和13年が最初です。そしてこのほど復刻版の文庫本が平凡社から出版。

本屋で見つけたんだな。県図書館もこういう本置いてほしいよね。

初代フィールドワーク本なのか とにかくみっちり40年かけて調べた事が一杯書いてある。

のっけから ミミズが穴に落ち葉を引き込む話から始まる。 で、私はこんな話知らないぞと思ったら

訳者後書きに こういうことをするのはイギリスのミミズで 日本にはいないそうです。

で、ねちねちと 葉はどちらから(どこから)巣穴に引き込むかという事を調べて

あげく 松葉の先を切ったり張り付けたり 糸で結んで やっぱ松葉は元の(2本がくっついている方)から引き込むよね とか書いてある

もちろん話は どのくらいウンチをして どのくらい地面を下げるかというのがメイン

本当によく調べてある。 息子や知り合いにたのんでデータ集めしたり、あちこちの遺跡に出かけたり 穴掘って地層をみたり

地面を平らにならして 新しく出てきたミミズのウンチを集めて乾かして重さを測って、、、

やっぱ元祖フィールドワークすごいなと思う。

どこにでもいるミミズたちが 私たちの立っている地面の下の土を何度入れ替えているのかそれに気が付いて研究テーマに選ぶ。

書かれているミミズの種類やサイズや数についてはあやふやだけど 土壌のタイプや岩石や化学には詳しいので、、、ググりながら読んだぜ

「進化論」は戦争(ナチス)に悪用されたり 進化論の間違い探しみたいなこともされているけど

ミミズの本を読むと 生物学の巨匠と実感します。 訳者の渡辺弘之さん(ミミズの研究家)の後書きも面白かった。

今でもダーウィンの論文が土壌動物研究者の論文に出てくるそうです。

ミミズもダーウィンも すごい

 


群れはなぜ同じ方向を目指すのか?   レン・フィシャー著

2020年04月26日 | 書籍紹介

おうちにいますよ。で、本読むかプライムビデオだな。

図書館 ちょっと開館してたの知らなくて 気が付いたらまた閉まっていた。 ちょっと開いてたけど直ぐ閉めるとかキムラグモのようなやっちゃ

で、本がないので 本屋にいって調達

で、これあんまし面白くなかったのよ。大枚はたいたのに

そうでしょうとも(ルール) というようなことが書いてあって それがどうした

たとえば 仕事の8割は 2割の人によってされている  アリンコだってそうだし

現実は残りの8割の方々の処遇に困ってるんじゃん

話はそれるけど 知り合いのY氏は 職場の人材に困ったさんがいると 俺が辞めるかあいつを辞めさせるかと上司にせまるそうである

ルートの選択にしても リスク回避にしても この後の話が読みたいのだよ

これはハウツー本なのか  タイトルに反して意外な答えが出てくると面白かったのにね。

 


土・牛・微生物  ディビット・モンゴメリー著

2020年04月18日 | 書籍紹介

原題は Growing a Revolution  なのでこのタイトルは どっかのジャレドさんのバカ売れした

タイトルをもじったらしい

話にあんまり牛は出てこないのよ。 

以前から今の農法では(特にアメリカの大規模農場など) 耕作地がダメになって農作物が作れなくなるという話はあったけど

ではこれからはどうしたらいいのか そうするとどうなるかが書いてあって 希望のもてる本なのです。

まあ農薬や化学肥料・遺伝子組み換え作物は 使わないというのは 当たり前で 最初は福岡さんの不耕作農業から始まります

耕さず 連作し 農薬を使わない えっと思う事が あちこちの農場の現場報告を交えて 書かれています。

収穫した後の残りの茎や葉などは そのまま畑に置いておくか または牛に食べさせる(畑でそのまま食べさせると その場に肥料をくれる) 

種をまくところだけ 肥料を入れる(すごく少なくてすむ) 豆類を植える

土の中に微生物や菌根菌が たくさんいる状態にする (日本のぼかしのやり方)や 炭を混ぜ込むと書いてあった

そのほか その土地と作るものに合わせた様々な農法が書いてあって 畑を持ってなくても ふむふむと 楽しくなってくる

この作者は 人の表現がとても上手です。服装の色や身長や物腰などを丁寧に描写して まるでTVで見ているように浮かんできます。

最後に 炭を混ぜる方法なのですが 炭素の固定化と土壌改良の一石二鳥で 温暖化防止にも貢献できるというのです

福岡正信さんの「藁一本の革命」ほんとにすごいのに 回りでやっている人に会わないのは 広まってないんですよね

この本にも なかなか広まらないとか 農薬会社や農機具メーカーのいやがらせも出てくるけど 

日本より 先に広まってるように感じました。 私も少し畑をしてた頃は 耕すのが一番と思っていたから 

なかなか今までやってきたことを変えるのは 難しい。 アメリカの現場の畑を 見てみたいもんです。


ホモ・デウス テクノロジーとサイエンスの未来   ユヴァル・ノア・ハラリ著

2020年03月28日 | 書籍紹介

サピエンス全史の続き

上下 2巻  今頃この本を と思われても 途中まで読んでほおっていたのですが

図書館が閉鎖されているので あるもん読んでます。

で、ちょっとタイムリーな訳があって  この本にはヒトは今まで抱えていた難題

戦争 病気 飢餓から 脱して 次のステップ 不死へと向かうという事が書かれているのだけど

今世界中が震撼としているコロナウイルス問題をみていると まだまだ病気から脱しているとはいいがたいなあと

思っていたところ

スマートニュースでこのコロナウイルスに対するハラリさんのコメントが載っていたのですね。

曰く コロナウイルス対策のあらゆる手段が 今後市民を監視利用する手段となるだろう とまあ よくあるコメント

(途中までしか読んでないので違ったらごめん。途中から有料になって手続きが分からんかった)

本に戻って テクノロジーと人間の意志の関係 

自分で作っておいて自分よりできると できない事を探してまだまだ自分の方が優れていると思いたい 宗教だって持っているんだぞ  みたいな

一昨日 ラジオ番組春休み子ども電話相談で 小学生が世界で一番賢いAIはどれか という質問をしていました。 でお答えのセンセは賢いとはどういう事を

言うのかとかお茶を濁して 会話ができるAIが賢いみたいなことおっしゃってました いやね いまヒトさんにはコミ症という疾患が発生して会話もままならんのよ

話がごしゃごしゃしてしまった 

サイボーグにはなれそうですね 009でなくても  手足の機能ではなく意識や知能をサイボーグ化したら不死を手に入れられるのかしら

どっちにしても ヒト(ホモ)が神(デウス)という考え方は受け入れがたい  そこらへんの 「神ってる」という表現も嫌いだ


進化のからくり  現代のダーウィンたちの物語   千葉 聡著

2020年03月02日 | 書籍紹介

カタツムリの千葉せんせの本ですよ

の の上にカタツムリ乗ってます

まずは ダーウィンの進化論から 左巻きのカタツムリを料理する

どうして 左巻きになるのか  以前ヒトが左利きと右利きができるのはなぜかという本を読んだんだけど眉唾なかんじでしたが

このカタツムリの左巻きの話は ややこしいけど とんでもオモシロイ

千葉センセはコミックや映画もお好きのようで でも アニオタではないようで安心いたしましたわ

ともかく イギリスでの 左巻きのカタツムリ(ヒメリンゴマイマイ) 100万匹に1ぴきみつかる での

遺伝をしらべるための お相手(左巻きのカタツムリに限る)探しの 広告

なんと お相手は2匹も見つかるが その2人に相手にされず この2人ができてしまう、、という

しかし問題はここではなく  同じ方向に巻いているカタツムリ同士でないと 交尾できないと思い込んでいたことで、、

小笠原のカタツムリも 解説してありまして  もう一度行きたい小笠原であります

研究の現場での あれこれや 若い研究者の活躍も紹介されており 進化のからくりを解いていく人たちは

時代も 地位も 年齢も 国も超えていくのだなあと うらやましく思ったのです

ちょっとショックだったのは  種が違うと思われていたカワニナ(2種)かたほうが 丸くてぷっくりしていてすみわけをしているようなのに

実は 寄生虫が入っていた方が丸くなっていて 同じ種だったという事実  

最近とみに丸くなって(体形が)きたのは もしや、、大好きなお刺身のせいではあるまいか   半分じょうだんですが

文庫本で 3時間ぐらいで読めます めちゃおもしろいので