11月20日に開催されました「第三回 生石地区 明日のまちづくりを考える会」の議事内容は次のとおりです。
第三回目のテーマは、「大災害が発生するとⅠ」についてでした。
出席者数は48名でした。
会議の進行及び内容については、次のとおりです。
1.会長 開会あいさつ 福山 勝幸
2.地区自主防災連合会長あいさつ 高藤 頼夫
3.勉強会 講師 愛媛県防災インストラクター 西藤 健次
4.副会長 閉会あいさつ 角田 敏郎
◎内 容
○災害は、温故知新からはじまる
○芸予地震は南海大地震の警告
○芸予地震が大地震との境目
○松山周辺の地盤の弱いところ判明
○予想震度6弱
○自然災害は頻繁にはおこらない
●災害は忘れたころにやってくる
●いかに災害への備えを続行するか
●遠くの親戚より近くの他人
●互いが理解しあう地域の指導
●安心安全な住みよいまちづくり
●多くの特技取り柄を評価活かして助け合う
○プレート移動 (年間) 4センチ~6センチ
○歴史に残る南海地震
宝永 1707年 安政 1854年 昭和 1946年
684年11月29日 M8
887年 8月26日 M8 ~ M8.5
1099年 2月22日 M8 ~ M8.3
1361年 8月 3日 M8
1498年 9月20日 M8.2 ~ M8.4
○もしも地震が起きると・・・
●東海、東南海、南海地震 同時に発生する可能性大
●人口密集地
●商工業の重要地帯
●重要な交通網
●防災力=自治力=地域力
●生石地区では津波の危険性もあるが、液状化も深刻な問題である。
生石地区の地質は、砂の上にあるようなもので、液状化になりやすく、
いったん起これば、電柱や大きな看板が倒れてくる可能性あり。
大きな人身事故になる可能性もあるが、電柱が倒れれば道路を遮断し、
電気や通信回線がストップする。
○東南海・南海地震による津波に備えて
◆平 時
コミュニケーション指導 人、地域避難場所、防災資器材、状況把握
防災知識の普及と防災マップ作り、安全安心なまちづくり、防災訓練
◆災 害 時
救出活動と初期消火の陣頭指揮
秩序ある避難場所の運営
○生石地区の特性(人口等のデータ) 省略
○まずは、まちを守る施設を知る
生石地区避難場所資料 省略
生石地区避難所別収容人員数等 省略
※生石地区の人口は、18,868人なので一万人以上収容できない人が出てくる可能性がある。
○次に、まちを守る人を知り、守ってあげる人を知る
○避難の仕組み
○救援の仕組み
○周辺地域の地質
○交通アクセス道路
○生石地区災害ハザードマップ
○周辺洪水ハザードマップ
次のような質問が出ました。
質問:生石地区は災害時に逃げるところがない。どこに逃げたらいいのか?
回答:災害といっても、例えば、地震のときには、この地区では津波の可能性が
あるので、「遠くより、高く」へ逃げるように心がけて欲しい。
理想は、埴生(ハブ)山へ逃げるのが理想だが、お年寄りや子どもたちに
とっては大変なので鉄骨構造の建物の3階以上のところへ逃げるように
心がけて欲しい。
質問:埴生(ハブ)山へ逃げるといっても道路(山道)状況がかなり悪い。
このことはタウンミーティングでも提案したが私道なので難しいといわれた。
しかし、災害時を考えると整備する必要があるがどうするのか。
回答:桑原地区では展望台整備を地域の人たちの力で行ったといわれている。
そのときに山道整備もあわせて行っているが、行政からは資材だけを負担
してもらい、地域の人たちが力を合わせて作り上げたということである。
また、久米地区では子どもたちのために里山づくりを行っている。
大切なことは、災害時のためにといって山道を整備しても、いざという時に
利用されなくては無駄になる。
そのためには、平素から、子どもたちのために里山として整備しておけば、
いざという時に埴生山へ逃げることを思いつく。
また、すぐに山から降りられない状況になった場合、里山遊びの中で食べ
られる植物がわかっておれば役に立つと思う。
質問:行政が備えている防災機材や飲料水、非常食の状況はどのようになっている
のか。
回答:富久町にある西部消防署に200㎡の備蓄倉庫があるが、恐らくそれでこの
生石地区だけでなく周辺地区もまかなうとなれば、足りない可能性がある。
大事なことは、まず「自助」の精神である。
個人が非常食や飲料水を平素から備えておくことが大事である。
質問:現状では避難場所になっている学校等には備蓄倉庫がないと思うが、それを
含めて学校現場の状況をお伺いしたい。
回答:(西中)学校には備蓄はありません。また、津波対策については、埴生山は
少し遠いので、校舎の3Fへ誘導するようにしている。液状化の場合の避難
方法は現段階では未定である。
質問:災害になれば近くの高いところへ周辺住民が避難してくる可能性があり、
学校などは人が押し寄せてくる可能性があるが大丈夫か。
回答:(西中)収容人員3,000人ということになっているが、現実は子ども
たちで体育館は満杯になる可能性があり、周辺住民まで取り込め
るかというと不安である。
(高藤)避難場所は決められているが、どこへ避難すべきかの明確な指示は
ない。
そのため避難民が一極集中しないよう整合性の取れる避難計画の作成
が課題である。そういう意味では、そこまで行政に任せるというのは
限界がある。
むしろ、現実的なことを考えると、地域の中で話し合って災害に
どのような対応をとるか、地域がつくる「避難計画」が必要である。
(さくら小)昨日、避難訓練をしたところである。その時に西部消防署に問い合わ
せをした時に防災センターへ連絡して欲しいと指導された。
近くにあっても指揮命令系統等の事情からすぐに対応できないことを
知った。ちなみに運動場への避難については10分、校舎3Fへの
避難は二班に分けて7分でできた。
ただ、東日本のような津波だと3Fに逃げても安全とはいえない。
また、まずは子どもたちの安全を確保することを優先するので、
周辺住民の方々が逃げ込んでこられた時にどこまで対応できるか
不安である。
(生石保)避難訓練を兼ねて生石小学校や埴生山は園児の足では遠いので、
二年前から生石八幡神社に登る訓練をしている。
ただ、そこが本当に安全なのか地質などの情報が欲しい。
また、園児の足では避難場所への距離や回数に限界があり、周辺
住民を交えた合同避難訓練を催していただければありがたい。
また、ミネラルウォーターは購入すると高いので、水道水をペット
ボトルにいれ、備蓄水を作るようにしている。
保育園には調理場や炊き出しの備品があるので、災害時には炊き出し
の協力もできると考えている。
(生石小)実態は避難場所の看板は上がっているが、備蓄や緊急時の電源の確保
など、未整備状態であることを知っておいて欲しい。
また、学校が休みのときに災害が起こった場合は、当然、子どもたち
が避難してくると思うが、その時に鍵がかかっており現段階では入れ
ない。
こういったことも見直しをしなければならないと感じた。
耐震構造的には、現在その工事が進んでおり、来年度には完成するが、
例えば子どもたち全員を3Fに逃がし、さらに周辺住民を受け入れて
も大丈夫なのか、そういった説明は受けていないため不安である。
また、災害時には情報が最も大切であるが、現状では遮断されるの
ではないかと不安である。
避難場所としての機能の見直しが必要と思う。
(桃山幼)当園では、子どもたちに、災害の話をしてもわからないと思い、毎月、
欠かさず避難訓練をしている。
また、毎日、3Fまで走って上がる訓練もしている。
身体の鍛錬と身体で覚えさせることが大切だと思っている。
さらに、昨年、防災頭巾を購入し、屋外に出る時には水筒と防災頭巾
は常用させるようにしている。
水については家族が迎えに来ることを考え、半日分程度の水の備蓄や
ゴミ袋を使った緊急トイレなども備えている。
イベントで炊き出しを行い、炊き出し訓練としている。
ただ、災害が送迎時間帯に起こることを想定すると、地域の人たちと
の合同訓練を希望する。
質問:昼間と夜間では当然対応がちがってくると思う。電気等の照明の問題。
食料などの備蓄も大切であるが照明器具などの備蓄も必要ではないか。
4月の防災訓練の時に西消防署の人から4F以上の建物に逃げるように
言われた。
そこで近隣のマンションの管理組合に避難時の受け入れについてお願いに
行ったが、話が進まない。行政の力が必要だと思う。
回答:照明器具の備蓄については、今後、行政に提案すべきと思う。
また、マンションの管理組合に依頼する時には遠慮なく支所に相談に来て
ほしい。同席した方がいいなら、支所長が同席します。
質問:説明の中であった緊急道路とは、災害時に一般輸送道路が緊急導路になり、
通れなくなるということか。
回答:災害対策本部が設置後、緊急物資運搬用として緊急道路を指定するが、あく
までも被害者の搬送が優先される。
【まとめ】
災害が発生した場合、行政の救助・救援活動は3日間機能不全に陥ると覚悟した
方がいい。
そこで3日間は自分たちで助け合わなければならない。
そこで、「自助」として、まず自分で何ができるかを問いかけ、実践して欲しい。
次に「共助」として平素のコミュニティ活動や避難訓練等に積極的に参加し、絆を
深めていただきたい。
次回は、災害時のリーダーシップやリーダー育成について話し合われる予定です。
【4回目以降のスケジュール】
◆第4回会議 12月17日(月) 19:00~21:00 「大災害が発生するとⅡ」
◆第5回会議 1月23日(水) 19:00~21:00 予定 「無縁社会について」