goo blog サービス終了のお知らせ 

近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

天皇陵あれこれー陵墓は皇室用財産か又は公的文化財か?そのⅠ

2011年12月24日 | 歴史
ここからは、陵墓が皇室用財産か、或いは公的文化財かについて考えてみたい。

宮内庁が監理している陵墓古墳は、一見よく整備・保全されているように見えるが、これは宮内庁の所有する皇室用財産の監理地だけで、宮内庁管轄外の箇所は、開発などにより荒廃されていることが多い。

特に陵墓古墳周辺部の保存は、宮内庁によって全く顧みないまま放置されてきたため、民間による乱開発や自治体による周濠河川工事などにより、原形を留めないなど、考古学や歴史学からの学術的な評価や文化財としての価値が著しく損なわれていると云う。

更に宮内庁の陵墓の治定や位置づけが歴史的にも極めて客観性を欠いているだけに、陵墓や陵墓参考地の文化財保全は国の歴史的文化財産として、今後古墳全体の原形維持管理が不可欠。

宮内庁は、陵墓古墳を「天皇家の祖廟」として、「静安と尊厳」を守るために厳重に監理している。

陵墓にたいする天皇家の祭祀とは、天皇家の私的な行事であって、日本国の国事行為ではないと云える。陵墓は公的文化財として保存し、自由に公開・活用され、その一部分に、天皇家が私的に祭祀する陵墓が含まれると理解すべきではないか・・・。

一方陵墓公開を求める学会側の運動により、2006年には「陵墓堤防そのほかの外周部から墳丘の最下段の巡回路まで」として、墳丘までは立入を認める新方針を示している。

そして2008年には、第一回の五社神古墳(神功陵)への学会による立入見学が実現した。

そこで、今後の文化財保全のためにも、これまでの陵墓・陵墓参考地の保全監理ルールを改め、公的文化財全体の保全に重心を置いた監理ルールに認識を新たにして欲しい。

陵墓に指定されている古墳のうち、大阪・奈良地方には、天皇陵は41基・皇后陵は11基・皇太子などの墓は34基所在する。

全国的には、宮内庁管理の陵墓が、北は山形県から南は鹿児島県まで1都2府30県にわたって所在しており、歴代天皇陵が112・皇后陵など76で計188、更に皇族等の墓が552基。

これら陵墓は現在も皇室及び宮内庁による祭祀が行われており、研究者などが自由に立ち入って考古学的調査をすることができない。調査には宮内庁の認可を要するが、認可されて調査が実際に行われた例は数えるほどしかない。

現在の天皇陵比定とは裏腹に、実際に葬られている人物は天皇とは限られず、誰であるかはほとんど分かっていないのが現状で、それが考古学・歴史学の常識でも有る。

実際に、天皇陵として比定されていない古墳で、確実に大王墓である古墳が数多く有る。
例えば箸墓(280m)・西殿塚(220m)・メスリ山(230m)・桜井茶臼山古墳(210m)・土師ニサンザイ(290m)・今城塚(190m)・見瀬丸山(310m)・牽牛子塚(八角墳)など。

纏向の5つの纏向型の前方後円墳もその当時の首長の墓であることは間違いないと思われる。



最新の画像もっと見る

コメントを投稿