和邇大塚山古墳は、真野川と和邇川に挟まれた地域にある滋賀丘陵の中でも、一番高い曼陀羅山には南北二つの山頂があるが、そのうち北山頂に築かれた前方後円墳。
写真は、和邇大塚山古墳の遠景及び本古墳現場。
古墳からの眺望は雄大で、眼下に現在の小野の集落、和邇川の河口や真野川の河口、それに琵琶湖の湖面を通して、湖東平野や湖南の平地が、さらには湖北方面をも一望することができる。
標高185.8mの曼荼羅山の山頂北側に築かれた、全長72m・後円部径50mほどの前方後円墳で、眼下に小野地域を一望する。
明治40年に地元の住民によって発見され、後円部から鏡や勾玉・刀剣・甲冑・土器などの大量の副葬品が発見された。築造年代は、古墳時代前期の半ばから後半と推定されている。
本古墳は、山頂の地形を利用して後円部を築き、また、南北方向に延びる尾根を利用して前方部を築く等、工事の手間を省く工夫がなされている。
しかし、前方部を北西か南西に向ければ、尾根を削るだけでよいのに、修正を加えたのは、集落から古墳の側面が見えるようにすることを意識したためと考えられる。
本古墳主体部の構造は、後円部に1辺が10m以上、深さが1.2m以上の大きな穴を掘り、ここに小石を敷き、さらに粘土を敷いた後、高野槙の巨木を半裁し、中を刳り抜いた棺(割竹型木棺)を納めていたらしい。なお、同様の埋葬施設が前方部にも造られていたと云う。
後円部の主体部からは、銅鏡・勾玉・管玉・銅鏃・鉄剣・甲冑等が出土した。銅鏡は中国製で25文字からなる銘が刻まれていたが、これらの遺物は残念ながら行方不明となっている。
本古墳の所在する地域は、小野妹子で有名な小野氏とも縁のある、和邇氏の本拠地であり、大塚山古墳の被葬者を和邇氏の有力者とする考えが有力。
“和邇”とは、琵琶湖西岸・近江国滋賀郡の地名で、滋賀県志賀町域(現・大津市)にあたる。大和の豪族和邇氏の部民が設営されていたことによる地名とされている。
“小野妹子”は推古朝の外交官、古代和邇部氏の同族で、近江国滋賀郡小野村(現在の大津市志賀町小野)出身で、日本書紀によると推古天皇の年、607年に第一次遣隋使の長官として中国に渡り、隋の皇帝・煬帝に「日出ずる処の天子、日没する処の天子に致す」という国書を渡す。
ちなみに、小野氏は語学・学問に堪能な一族で、のちに歌人の“小野小町”や書家の“小野道風”なども輩出している。
志賀町小野には小野妹子の墓と伝えられる、前述の唐臼山古墳が残されている。
写真は、和邇大塚山古墳の遠景及び本古墳現場。
古墳からの眺望は雄大で、眼下に現在の小野の集落、和邇川の河口や真野川の河口、それに琵琶湖の湖面を通して、湖東平野や湖南の平地が、さらには湖北方面をも一望することができる。
標高185.8mの曼荼羅山の山頂北側に築かれた、全長72m・後円部径50mほどの前方後円墳で、眼下に小野地域を一望する。
明治40年に地元の住民によって発見され、後円部から鏡や勾玉・刀剣・甲冑・土器などの大量の副葬品が発見された。築造年代は、古墳時代前期の半ばから後半と推定されている。
本古墳は、山頂の地形を利用して後円部を築き、また、南北方向に延びる尾根を利用して前方部を築く等、工事の手間を省く工夫がなされている。
しかし、前方部を北西か南西に向ければ、尾根を削るだけでよいのに、修正を加えたのは、集落から古墳の側面が見えるようにすることを意識したためと考えられる。
本古墳主体部の構造は、後円部に1辺が10m以上、深さが1.2m以上の大きな穴を掘り、ここに小石を敷き、さらに粘土を敷いた後、高野槙の巨木を半裁し、中を刳り抜いた棺(割竹型木棺)を納めていたらしい。なお、同様の埋葬施設が前方部にも造られていたと云う。
後円部の主体部からは、銅鏡・勾玉・管玉・銅鏃・鉄剣・甲冑等が出土した。銅鏡は中国製で25文字からなる銘が刻まれていたが、これらの遺物は残念ながら行方不明となっている。
本古墳の所在する地域は、小野妹子で有名な小野氏とも縁のある、和邇氏の本拠地であり、大塚山古墳の被葬者を和邇氏の有力者とする考えが有力。
“和邇”とは、琵琶湖西岸・近江国滋賀郡の地名で、滋賀県志賀町域(現・大津市)にあたる。大和の豪族和邇氏の部民が設営されていたことによる地名とされている。
“小野妹子”は推古朝の外交官、古代和邇部氏の同族で、近江国滋賀郡小野村(現在の大津市志賀町小野)出身で、日本書紀によると推古天皇の年、607年に第一次遣隋使の長官として中国に渡り、隋の皇帝・煬帝に「日出ずる処の天子、日没する処の天子に致す」という国書を渡す。
ちなみに、小野氏は語学・学問に堪能な一族で、のちに歌人の“小野小町”や書家の“小野道風”なども輩出している。
志賀町小野には小野妹子の墓と伝えられる、前述の唐臼山古墳が残されている。
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