近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

国内最古、縄文期のイヌの骨と確認 愛媛の遺跡で出土!

2012年11月26日 | 歴史
最近、珍しい発見が報道された。

愛媛県美川村久万高原町の上黒岩岩陰遺跡で50年前に発見された2体のイヌの骨は、埋葬例としては国内最古の縄文時代のものと確認された。



写真は、上下と側面から撮影した2体のイヌの頭骨。

慶応大の動物考古学の先生らが放射性炭素を使って年代測定した。日本列島でイヌと人がいつからどう関わってきたかなどを解明する重要な手がかりになりそうだ。

2体のイヌの骨は、1962年の発掘当初から、縄文時代早期(9千年前ごろ)の「日本最古の埋葬犬骨」と言われてきたが、その後行方不明になり、詳細な調査ができなかった。

ところが昨春、同大三田キャンパスの考古資料収蔵庫で見つかり、調査の結果、縄文時代早期末から前期初頭(7300~7200年前)のものと分かった。

同大によると「縄文時代にイヌは狩猟に使われていたと考えられているが、国内で埋葬犬の骨自体を年代測定した前例は聞いたことがない」と云う。

百万年前の晩さんグリル?…原人が植物焼いた跡とは!

2012年11月16日 | 歴史
ここからは時代を更に遡り、原人の生活痕跡を追います。

人類の祖先が百万年前に火を使っていたとする調査結果を米ボストン大などの研究チームがまとめ、米科学アカデミー紀要に発表。

研究チームは「最も古い火の使用の証拠」としている。

これまで火の使用については、イスラエルの遺跡で見つかった約79万年前のたき火の跡が最も古いと考えられてきた。

150万年前とする研究もあるが、山火事と人為的な火の使用跡の区別は難しく、立証されていない。



写真は、約100万年前の晩餐グリル。

研究チームは南アフリカにある長さ140メートルの「ワンダーウェーク洞窟」の地層を顕微鏡で分析し、植物の灰や焼けた骨片を確認した。

洞窟内に広く分布していることから、野火などではなく、ホモ・エレクトス(原人)が草や葉を燃やして料理していたと推定した。

どうやって火をおこしたかは不明だが、同大のフランセスコ・ベルナ博士は「野火から取ってくることもできただろう」としている。


沖縄で1万2千年前の人骨と石器が出土!

2012年11月11日 | 歴史
ここからは、沖縄に関する新たな遺跡展開の最新情報を紹介する。

沖縄県立博物館・美術館は平成24年10月19日、同県南城市のサキタリ洞遺跡で、約1万2000年前の人骨と石器が出土したと発表した。



今回発見された、写真上の子供歯と下の石器3点。

人骨と石器がそろって見つかった例としては国内最古。

旧石器時代から縄文時代への移行期における沖縄の先史文化や、当時の生活を解き明かす手がかりになりそうだ。

サキタリ洞遺跡は沖縄本島南部の洞穴。約1.5m×2.5mの範囲で、子どもの犬歯1本と石英製の石器3点(2cm前後)が見つかった。

(1)石器の割れ方には自然にできない人工的な規則性がある(2)石英は同遺跡付近になく、人間が外から持ち込んだと考えられる、などを根拠に石器である可能性が高いと判断したと云う。

近くには、食用にしたとみられる貝やイノシシの骨も見つかった。

沖縄ではこれまでに約6千年前の石器が見つかっている。今回発見されたのは、同じ層の木炭の炭素年代測定によると、1万2千年以上前の更新世末期(旧石器時代から縄文時代への過渡期ごろ)のものらしい。

実年代に直すと1万5千年ほど前になるという。

考古学者によると、「同時代の九州の石器と比べると形態が単純で、当時の沖縄は日本本土とは異なる石器文化圏にあったのではないか」と話している。


日本にもウルシあった!福井の鳥浜貝塚から出土、世界最古!

2012年11月04日 | 歴史
福井の鳥浜貝塚での大発見について紹介する。

鳥浜貝塚は1万2千~5千年前の集落跡で、櫛などの漆製品や籠、布も見つかり、出土品1,376点は国の重要文化財に一括指定されている。




写真は、鳥浜貝塚の発掘現場。

今までの発掘調査で櫛などの漆製品・籠・計9隻の丸木舟のほか、狩猟具のやじり・漁網のおもり・木の実をすりつぶす石なども出土したと云う。

福井県若狭町の鳥浜貝塚で出土した自然木が、植物学研究グループの調査で、約1万2600年前(縄文時代草創期)の世界最古のウルシと確認された。

ウルシのルーツを巡ってはこれまで、中国渡来説が有力視されていたが、縄文草創期の日本列島にウルシの木が自生していた可能性が浮上。

日本固有の漆文化が存在したかどうかの議論が高まりそうだ。



写真は、鳥浜貝塚から出土したウルシの断面。年輪がくっきりわかる。

研究グループは鳥浜貝塚で見つかった木材や漆製品計約5千点を分析し、このうち1984年に出土した自然木の小枝(全長約17cm、太さ約1cm)について、森林総合研究所(茨城県つくば市)の協力を得て断面を顕微鏡で観察。

さらに国立歴史民俗博物館(千葉県佐倉市)で放射性炭素を使って年代測定し、1万2700~1万2600年前のウルシとわかった。

国内で確認されたウルシの木や種子類は、三内丸山遺跡(青森県)などで出土した約6千年前のものが最古とされていた。





写真は、鳥浜貝塚から出土した赤漆塗りの竪櫛と丹彩土器。

丹彩土器は、焼成後に赤いベンガラをぬっている。