近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

大阪高槻市の環濠集落安満遺跡で最古の水田や木棺墓跡発見!そのⅢ

2015年08月02日 | 歴史
先般6月27日に現地説明会が行われた、弥生時代を通じての巨大環濠集落・安満遺跡について、第三弾を続けます。









写真は上から、安満遺跡の方形周溝墓が並ぶ墓域、田圃に残された大畦畔・土坑・木棺墓跡及び組合せ式木棺と乳幼児用と見られる土器棺。

度重なる洪水により水田域には砂礫が堆積し、地形が変わってしまったことから、水田に代わって墓地を造った。

方形周溝墓が12基、木棺墓2基、土器棺墓2基などが見つかっている。

土器棺墓は、壷を逆さにして棺とし利用している。内部には石斧が副葬されていた。

又組合せ式の木棺の側板や小口板の痕跡が確認できた。

調査区に南側からは、弥生時代中期以降に開削された溝や流路が見つかっており、集落南側を新たな水田域として開発するため、大規模な土木工事が行われたようで、流路には井堰や溜池状の施設が設けられ、中期以降の居住域の拡大とよく対応している。







写真は上から、安満遺跡出土の広口壷、石斧製品及び鍬・鋤など木製農具。

多数の弥生土器とともに、青銅製のヤジリや木製の農具、珍しい漆塗りのカンザシやクシ、勾玉などの装身具などもみつかっている。

同市教委は「弥生時代の暮らしぶりを解明するには居住、水田、墓の三つの領域がそろった調査が重要であり、稲作開始時期の社会を知る上で貴重な資料になる」としている。