近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄の炊き込みご飯”とは!

2008年03月31日 | 歴史
炊き込みご飯も、“おかずランキング調査”で上位に位置し、特に女性には人気が高い。関西では“かやくご飯”とも云うが、各地域特有の季節の食材を炊き込むことで、季節感溢れる味わいが人気の秘密。

具材とご飯を単純に一緒に食べたときとは違う、「何か」がなくては炊き込みご飯とはいえない!

炊き込みご飯にすることにより、一味、二味も違った風味と香ばしさと食感が活きてくる。季節ごとにさまざまな具材と一緒に炊き上げたご飯は何にも勝るご馳走と云える。









写真は上から、帆立・太刀魚・アサリの炊き込みご飯及びシメジとエリンギの炊き込みご飯。

季節感溢れる海の幸・山の幸を取り込んだ炊き込みご飯。
いずれの場合も、米は炊く1時間ぐらい前にだし汁につけておくと、よく味が染み込むと云う。





写真は、“明石ひっぱりタコ”炊き込み弁当及び“稚内のタラバ”炊き込みご飯弁当。

日頃近寄りがたい駅弁にも、季節感漂う炊き込みご飯が登場し、わざわざデパチカにまで運ばれ、女性におおもて。

炊き込みご飯の味付けも、釜飯の素・白だし・和風だし・中華だし・洋風スープ、濃口しょうゆ・薄口しょうゆ、本みりん・みりん風調味料・日本酒・料理酒、かつお節・昆布等々選択肢の多様性に優れ、将におふくろの味わい本領発揮の代表的な家庭食。

仕上がりの差は、地域差というより個人差、年代差、家庭差ではなかろうか?

沖縄の炊き込みご飯は“ジューシー”と呼ばれ、沖縄の伝統食で、豚肉のダシが効いて、本土のものとはちょっと味が違い、あっさりしつつもコクがあると誇り高い。

硬く炊き上げたものは、沖縄の行事料理、祝料理で食べられ、柔らかく炊き上げたものは、一般家庭で食べられているらしい。





写真は、沖縄の一般的な炊き込みご飯2点。

沖縄の炊き込みご飯で欠かせないのは、豚バラ肉と豚肉の煮汁・鰹だし・昆布などの出し汁で、沖縄でしか味わえないと思われる。豚肉と出し汁にこだわる。

本土では、豚肉ではなく鶏モモ肉がよく使われているが・・・・。

沖縄特産のモズクのスープなども使い、沖縄らしさを強調する。
本土と違い、季節感が乏しいだけに、伝統的な味わいを極めていると云える。


沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄の肉じゃが”とは!

2008年03月30日 | 歴史
前日に日本の“おかずランキング調査”で、トップのカレーライスを取上げたので、これから暫く、日本本土の人気おかず・惣菜が沖縄の家庭ではどのように受入れられているのか、どのように違うのか概観してみたい。何か新しい発見があるかもしれない。

今や家庭での惣菜の定番である“肉じゃが”だが、そのルーツが“すき焼き”でなく、ビーフシチューにあったらしい。





写真は、一般的な家庭料理・“肉じゃが”2点。

明治時代に旧日本海軍の重鎮であった“東郷平八郎”が、ヨーロッパで食べたビーフシチューに深く感銘を受け、日本で再現しようとしたがレシピが無く、醤油・砂糖・ごま油で味付けした「日本的和風ビーフシチュー」として、今のスタイルが完成されたと云う。

呉と舞鶴は軍港として発展したため、共に“肉じゃが”発祥の地とされている。



写真は、沖縄の“肉じゃが”カレーライス。

“肉じゃが”の具材がカレーライスに変身しているが違和感がないのは?
実は“肉じゃが”の普及は、カレーライスと時を同じくしており、食材の牛肉とじゃがいもが日本の家庭に定着したのと軌を一にしていると云う。

牛肉やじゃがいもは、日本人に馴染みの薄い食材のせいか一般家庭の食卓にはなかなか定着しなかったらしい。

“肉じゃが”が家庭食として再登場するのは昭和30年代の後半で、叉定番メニューとして定着したのは昭和40年代の後半とされている。

今では「おふくろの味」の代名詞として家庭料理の代表作と呼ばれるまでになっているが、思ったより歴史は浅く、おふくろの味とは云えないのでは?





写真は、沖縄の“肉じゃが”及び豚軟骨たっぷりの“肉じゃが”。

沖縄の“肉じゃが”具材の特徴は、肉は沖縄らしく豚肉で、野菜は本土と余り変わらず、ジャガイモ・ニンジン・玉ねぎ・糸こんにゃくにインゲンなど季節の野菜。

そして作り方も沖縄らしく、煮物と云うより炒め物風で、蒸かしたジャガイモ・豚肉・韮とを炒めて、ご飯のおかずらしく濃い目に味付けしている。
煮崩れしやすい煮物には馴染めないのか、仕上がりでは食材の固形体がシッカリしている。

“肉じゃが”はおふくろの味らしく、各々こだわりのある料理のようで、ジャガイモはホクホクか・しっとりか、汁がしみこんでいるか・しみこんでいないか、煮くずれはあるか・ないか、牛肉か豚肉か・それとも鶏肉か、しらたきを入れるかいれないか等々。

言換えれば、“肉じゃが”には、楽しめる方法が何種類もあると云える。
肉といえばかつては東日本では豚肉、西日本は牛肉を意味していたが、今日では差別扱いもなく、ましてや惣菜用の肉は何でもあり。

もう一品の“肉じゃが”も、沖縄らしく豚軟骨を惜しみなくふんだんに使い、沖縄のおふくろの気前よさを強調しているように見える。

“肉じゃが”は揚物みたいに派手ではなく、オーソドックスなだけに、見かけも・食感もほっと落ち着いてしまう。
これぞ日本のオフクロの味・“肉じゃが”の真骨頂かもしれない。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄のカレー”とは!その2

2008年03月29日 | 歴史
沖縄でもカレーライスは一般家庭に定番のおかずとして入り込み、街中ではカレーライス店も目に付く。

例えば石垣島の大自然で育った貴重な石垣牛をふんだんに使った“石垣牛ビーフカレー”や、海草などを混ぜ合わせ、こだわりの餌で育てた、旨みたっぷりの“琉球長寿豚ポークカレー”など、どちらもレトルトでお手軽に食べられる。
そこで沖縄の地域性・独創性が、はたしてどのようなカレーを生み出しているか検証してみたい。




写真は、沖縄ならではのゴーヤカレーとゴーヤチャンプルーカレー。

ゴーヤが“ごろん”と見えるが、それ自体に苦味はさほど感じられないと云う。
ゴーヤ本体から出る苦味エキスが、リンゴ・トマトの酸味と合わさって、酸味の後に辛味が続くらしい。

ゴーヤの特徴を美味く活かした、独創力豊かなアイディアには脱帽。





写真は、沖縄独特のイカ墨汁カレー及び沖縄名産の黒カレー。

イカ墨カレーは“イカ墨汁”を活かし・利用したもので、沖縄でしか味わえない。
沖縄伝統の定番健康食である“イカ墨汁”は、沖縄で獲れる“シロイカ”とイカ墨・薬草が入ったシンプルなスープだが、薄い塩味とイカ墨独特の風味が、なんとも美味らしい。

もう一つの真っ黒な黒カレーは、沖縄産の黒糖とココアパウダーをブレンドした黒糖ココアをベースにすることによって、マイルドになった辛さが心地良いらしい。

いずれも見かけはよろしくないが、沖縄でしか味わえない珍しく貴重な存在。





写真は、沖縄の野菜カレー及び豚角煮入りカレー。

野菜カレーは典型的琉球カレーで、沖縄産品のゴーヤ・ウコン・パイナップル・パパイヤ・タマネギ・泡盛などを加えたもので、スパイスを泡盛で練り込んで熟成させることで、まろやかな味わいとなるらしい。

叉隠し味のパイナップルが、ビタミンが豊富なゴーヤの苦味をまろやかにしていると云う。

もう一つの豚角煮入りカレーは、泡盛の古酒を練り込んだカレールゥーと豚の角煮をあわせた沖縄独特のもの。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄のカレー”とは!そのⅠ

2008年03月28日 | 歴史
日本人でカレーが嫌いな人がいないほど、老若男女を問わず人気メニューの定番で、子供の頃に常食としていた“家庭の味”が老いても忘れられない。

具材が身近にあり、割安であると共に、調理が簡単であることも普及した要因。
カレーチェーン店で外食しても、400~700円で食べられる。

スパイスの香り漂う、深みとコクのある味わいが、じんわりと小気味よい辛さを伴って口の中に広がっていく、何とも忘れがたいテースト。

今年の某新聞社の“おかずランキング調査”でも、カレーは女性が1位、男性が2位、叉食育研究会の調査でも第1位と、相変わらず根強い人気を堅持している。

現在のカレーは、16~17世紀にかけてインドで生まれたカレーに様々な工夫が施されてきたと云う。日本の一般家庭の定番メニューになっているカレーライスは、明治初期の横須賀が発祥の地らしい。

旧海軍の海軍食に英国海軍のカレーシチューを採用したのが発端で、日本人の口に合うよう小麦粉を加え、とろみをつけてご飯にかけて食べるようにしたのが、カレーライスのルーツと云われている。

カレーを今日これほどポピュラーにした原動力には、1945年以降、固形・粉末の即席カレー各社の新製品発売合戦・競争が大きくかかわったと云える。
オリエンタル・キンケイ・ベル・ヱスビー・ハウス・グリコ・大塚食品などが即席カレー業界を大いに盛り上げ、活気付けた。







写真は上から、黒豚を使ったインド風カレーライス、インド風チキンカレーライス及び瀬戸内の蛸・エビ・貝柱などを使った海鮮カレーライス。

カレーにはいろいろ種類があるが、ビーフカレー、豚肉カレー、チキンカレー、野菜カレー、シーフードカレーなどが良く知られ、辛さはマイルドから大辛までの4段階が一般的。

カレーの肉汁は、畜産の歴史的・地理的分布も影響し、東日本は豚肉、西日本が牛肉と大きく色分けされていたが、現在では余り地域格差を感じさせない。

むしろ具材の地域特性・鮮度を活かした、特徴あるカレーを売り物にしたバラエティーが広がっている。

明日は沖縄ならではのカレーを紹介する。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄の粉もん”とは!

2008年03月27日 | 歴史
大阪の食文化を象徴する、お好み焼・たこ焼きは“粉もん”と俗称され、今日では市内何処を歩いていてもぶつかるほどで、登録されている店舗だけでも3,000店以上を数えると云う。

沖縄の食文化は、塩・醤油味を中心にした薄味で、沖縄そばに代表される“粉もん”を好むなど、一般論として大阪に近いように思える。

最新のデータによると、沖縄の年間宿泊観光客は全体の20%強が大阪府からでトップであり、東京都からは5%強と大阪の四分の一と少ない。

距離的に近い・割安ということもあると思うが、沖縄の着飾らない、ざっくばらんな普段着の風土は共通するところもあり、大阪とのかかわりが強いことが分かる。








写真は上から、典型的な関西風お好み焼き、那覇市内お好み焼屋のミックス焼き及びそば焼き。

関西風お好み焼きは、小麦粉を水で溶かした生地に刻んだキャベツを混ぜ、鉄板にクレープ状に広げ、その上にネギや天かすなどを入れて焼くのが主流であり、元々は子供のおやつであったと云う。

写真のように現在では仕上げに、かつお節・青のりをトッピングし、マヨネーズでアクセントをつけるスタイルを良く見かける。

沖縄市街でお好み焼屋・たこ焼き屋が散見されるが、大阪出身のオーナー・店長が多いらしく、関西風が主流。





写真は、沖縄の島唐辛子が入ったお好み焼及び豚顔の皮が入った沖縄ならではのお好み焼。

沖縄ではさすが創作意欲は旺盛で、写真のように本土では考えられない具材が使われている。豚顔皮が入ったお好み焼きは、ゲテモノみたいに見えるが、食べてみると美味らしい。

一般家庭では、“ヒラヤーチー”(平焼き)と呼ばれる、薄い生地に具はニラまたはネギ・ツナなどが入る程度で、フライパンで焼くらしい。

それにしても豚肉が割安で頻繁に食べられ、近海のイカ・エビも豊富で割安であり、泡盛焼酎がお好み焼きにぴったりの沖縄では、お好み焼がもっと普及してもよいのでは・・・・・。

お好み焼の店頭価格も500~800円ほどで、大阪より20%ぐらい安い。大阪人の出番が待っている!





写真は、出汁が入った沖縄のたこ焼き及びネギをたっぷり乗せた沖縄のたこ焼き。

沖縄のたこ焼きの特徴は、写真のように、汁物大好きの沖縄ならではの出汁の味わいにこだわり、ネギをトッピングするというようにシンプルに仕上げている。
沖縄らしさを打出すとすれば、本土の青のりの代わりに、“乾燥あおさ”をトッピングすると、ずばり沖縄の香りが口いっぱいに広がると思うのだが・・・・。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“焼物料理”とは!

2008年03月26日 | 歴史
メインの食材を焼いていただくと云えば、肉か魚と云うことになる。
中国の“医食同源”思想の影響を受け、受継いできた沖縄県民には、「身体
をなおすのも食事をするのも、生命を養い、健康を保つためで、その本質は同じ。」と云う琉球食文化の伝統が息づいている。

自然に恵まれ・授けられた食材を、何でも無駄なく頂くことが健康に通じると云う発想で、食材の養分・エキスは逃さないで料理に閉じ込めていただくことが、“医食同源”思想に通じると考えていると思う。

焼いてしまうと、食材の養分・エキスを落とし・逃してしまうことから、沖縄先人の知恵が働いたと思う。
肉でも魚でも、焼いて食べる調理法は、最後の選択肢ではないか?

肉を焼くということになれば、ステーキか焼肉か、今風の贅沢な食べ方で、沖縄県男性の平均寿命が下降気味の原因の一つかもしれない。





写真は、焼肉用の石垣牛及び沖縄“やんばる島豚”の生姜焼き用。

ステーキとなると、レストランでしか食べられない料理という意識があり、特に牛肉は、何か特別の行事とか、“晴れ食”にのみ見かけ、年に数回しか食べられなかったのはつい最近のこと。

若者の間で人気の焼肉は、割安の輸入牛の流通・焼肉用の特性タレの開発など値頃感から、家族揃って外食レストランや茶の間を賑わせている。

一方焼き魚は、沖縄近海では、白身のあっさり系が圧倒的に多いこともあり、食べ方としては鮮度に従って、まずは刺身、天ぷら・唐揚、魚汁、そして焼き魚の順番で、焼き魚は鮮魚が余った場合の最後の選択肢と思われる。

沖縄には「魚屋」がなく、「刺身屋」があるのも、鮮魚を選んで刺身を作ってもらうためらしい。





写真は、沖縄県魚“ぐるくん”の塩焼き及近海の“フエフキダイ”の塩焼き。

沖縄ではあまり焼き魚という食べ方はしないし似合わない。
以前沖縄は流通の悪さから、鮮魚が手に入りにくかったことも関係しているかも・・・・。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄の鍋物”とは!

2008年03月25日 | 歴史
本土では、寒い日には鍋料理が好まれるが、冬の朝晩でも10℃以下には下がらない沖縄地方では、熱々の鍋料理は敬遠されるらしい。





写真は、代表的な鍋料理の“クエ鍋”セット及びすき焼。

叉本土鍋料理の定番である、カニ・フグ・クエ・カキ・サケ・ホタテなどの魚介類を使った水炊き・寄せ鍋・石狩鍋などに、沖縄人の思いは至らないと思う。

もっとも宅配・産地直送など、流通手段が多様化・スピード化した今日、財布の紐さえ緩めれば、新鮮な食材は入手できても、沖縄での鍋料理は土地柄雰囲気が出ないと思われる。



写真は、沖縄近海高級魚の“ミーバイ(ハタ)”。

若し沖縄の鍋料理を想像すれば、写真のようにフグに似た見栄えの近海高級魚・ミーバイを使って、海塩で味付けした沖縄らしい鍋は如何であろうか?

それにしても、所詮地元の料理が地域特性・ニーズを反映した食文化であれば、沖縄で鍋料理が好まれないのは理解できる。





写真は、すき焼用の“石垣牛”び沖縄の“やんばる島豚”。

熱々の鍋料理でなければ、豚肉好きの沖縄の人たちには、アグー豚・やんばる島豚などのすき焼・しゃぶしゃぶなどはある程度馴染めるのではないかと思うが・・・・・。

身体が温まる料理程度であれば、前日取上げた通り、新鮮な近海魚を使った汁物が一般的に好まれているし、何よりも“沖縄そば”好きの地元民には不自由なない。



写真は、沖縄独特の“ヌンクー鍋”。

以下沖縄でしか考えられない、シンプルな鍋料理を取上げる。
沖縄の鍋料理を検索したところ、沖縄の鍋料理“ヌンクー”を見つけた。
“ヌンクー”とは「ぬくい、温かい」という意味のようで、“ヌンクー鍋”はアグー豚肉に、旬のダイコン・カラシナなどの野菜に加え、シイタケ・豆腐・昆布・田芋を食材にした、鍋に煮た煮物料理。

海塩或いはしょう油などで薄く味付けした、身体に優しいシンプルな仕上がりが沖縄らしいと云える。



写真は、石垣島名産の“ピエンロー鍋”セット。

もう一つ、天然塩で名高い石垣島でしか食べられない“ピエンロー鍋”を紹介すると、豚バラ肉・白菜・干ししいたけ・はるさめなどを、ごま油以外ではまったく味をつけずに煮込む。石垣島の海塩(自然塩)と一味唐辛子で食べるので、さっぱりしていて飽きの来ない味として忘れられないらしい。

所変われば品変わると云われるが、将にローカル食文化は地域特性を生き写しにしている!

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄のお吸い物”とは!

2008年03月24日 | 歴史
沖縄の食文化のルーツを辿ると、中国の“医食同源”思想の影響を受けたと思われ、沖縄方言で食物を“クスイムン”(薬になる体にいいご飯)とも呼び、長寿の秘訣になっているとも云われている。

“医食同源”とは、「病気をなおすのも食事をするのも、生命を養い、健康を保つためで、その本質は同じだということ」と云う意。

自然に恵まれ・授けられた食材を、何でも無駄なく頂くことが健康に通じると云う発想であり、その身近な例が豚肉の食べ方に窺える。

豚肉料理は、先ずはよく茹でて、アク・脂抜きしてから調理するので、余分な脂肪が抜け出し、豊富なコラーゲンは残留しているため、女性に喜ばれているが、残った茹で汁までも、“豚だし”として再利用するため、全く無駄がない。





写真は、沖縄名物のテチビ汁とトン汁。

沖縄でしか味わえない“テチビ汁”であるが、沖縄では古くからテチビ(豚足)は関節に良いといわれ、叉テチビに含まれるコラーゲン・良質のたんぱく質が好まれてきた。

沖縄で“豚だし”は、沖縄そば・味噌汁などの出汁素によく使われているが、ミネラル豊富な海塩で味付けした、“トン汁”は最高の贅沢らしい。





写真は上から、沖縄近海の高級魚・ミーバイ(ハタ)汁及びイラブ汁。

“ミーバイ”は沖縄近海魚で、最高の美味と評判の高級魚として知られている。
栄養面からもEPA・DHA、ビタミン類のバランスも良く、人気も高いらしい。
もったいないだけに刺身で頂くほかは、魚汁としてすべて搾り出す。

“イラブ”汁は、 古くから最高級薬膳料理として珍獣されてきた、“イラブ”(海ヘビ)の燻製をコンブ(昆布)と一緒に煮込む。イラブ自体はたんぱくな味だが、それぞれの素材から出るエキスが溶け合って最高の“クスムイン”として、風邪や精力減退気味の方に愛用されているらしい。





写真は、沖縄名物のゆし豆腐汁及びアーサ汁。

ゆし豆腐汁は、鰹出汁を火にかけ、煮立ってきたら塩或いはしょう油などで味をつけ、“おぼろ豆腐”をスプーンなど適当な大きさにちぎって汁の中に入れ、再び沸騰してきたら火を止めるのが一般的な調理法。味噌汁仕立てでいただくこともあるらしいが、身体に優しいシンプルな汁物。

アーサ汁は鰹だしを使い、隠し味にショウガ・醤油を入れ、アーサのほか豆腐を具に使うらしい。アーサは植物繊維が多く含まれ、ヨウ素やカルシウムなどのミネラル分も豊富なアルカリ自然食品として珍重されている。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“海ぶどう”とは!

2008年03月23日 | 歴史
沖縄は珊瑚礁が化石化した、石灰岩を基盤に乗ったような地形にあり、沿岸域はサンゴ礁の発達により広大な礁原を有し、海藻の棲息に適しているらしい。



写真は、沖縄近海の海底の光景。

“海ぶどう”とは沖縄近海に棲息する海藻のことで、プチプチとした独特の食感がたまらない。沖縄海ぶどうの特徴は粒が大きく、沖縄特産の土産物として観光客の間で超人気。その秘密は、プチプチはじける食感以外に、程よい塩の風味。



写真は、沖縄産の海ぶどう。

果物のぶどうの房のようになっていることから、“海ぶどう”として親しまれていると云う。輸入品も多いらしいから要注意。

又、低カロリーで栄養が豊富に含まれ、特にビタミンやカルシウム・鉄などのミネラルを豊富に含み、健康に気を使う方におすすめ。
海ぶどうは生きており、鮮度は抜群で、“酒のあて”ピッタリ、是非ご試食あれ!





写真は、沖縄名産の海ぶどうサラダ及び海ぶどうの海鮮サラダ丼。

海ぶどうサラダは、1~2分塩抜きしてから、水に浸し戻すと、みるみる踊るように成長するが、ポン酢・ドレッシング等につけて食べることをお薦め。

叉あおさ・昆布・新鮮な魚介類などと一緒に、海鮮サラダ丼に仕上げると、見栄え・テーストともうってつけ。

“海ぶどう”には、緑の粒々が葉の両側についていて、ぷちぷちした歯ごたえが売り物で、写真でも頷けるように、“グリーン・キャビア”とも呼ばれているらしい。





写真は、沖縄産“あおさ”(アーサ)の入った味噌汁及び天婦羅。

沖縄の海藻類で忘れてはならない“あおさ”は、“沖縄そば”には欠かせないトッピング・アイテムだが、写真のように味噌汁に入れたり、天婦羅の具にしても良い。

新鮮で豊富な近海海藻類は羨ましい限りだが、蝦夷地の昆布なしでも、沖縄長寿県を十分支えていけるに違いない。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“モズク”とは!

2008年03月21日 | 歴史
沖縄モズクは、西表島から奄美大島にいたる地域特産の太いモズクで、島々周囲や浅いサンゴ礁で20年ほど前から生産されているが、海底に網を張ってオキナワモズクを着生させさせる方法が採られていると云う。



写真は、沖縄本島近海のモズク養殖場。

沖縄県の特産品として復興しており、養殖技術の向上で生産量が増大し、平成9年には2万トンを超え、日本のモズク総生産量の9割以上を占めていると云う。モズク収穫量の99%は養殖だが、石垣島の天然モズクは希少な存在。





写真は、沖縄特産の太モズク及び一般的な食べ方。

沖縄特産のモズクは本土に比べてかなり太く、歯ごたえもコリコリとしている。
惜しみない豪快な盛付けは、沖縄でしかお目にかかれないだろう。

モズクのヌメヌメ成分・“フコイダン”に抗ガン作用や血液中のコレステロール値を下げる働きがあり、高血圧・動脈硬などの成人病に効果的で、沖縄県長寿の秘訣。叉モズクには、ミネラルと植物繊維が豊富で、新生血管抑制作用・免疫力強化作用などがガンに効くと共に、貧血、疲れ、イライラする、忘れっぽい、むくみなどの症状に効果的な成分も含まれていると云う。

モズクは、酢の物として全国何処でも食べられている。



写真は、モズクを使った、お好み焼風の手料理。

たっぷりの沖縄モズクを、写真のように沖縄近海で獲れたイカや海老と一緒に香ばしく焼き上げた、お好み焼風モズクを三杯酢で頂くのはなかなかの珍味らしい。
沖縄モズクと沖縄近海魚介類をミックスした、“沖縄風お好み焼”は、関西人には受けるように思うが・・・・。

通常販売されているモズクは塩漬けが多いらしいが、モズク業者は収穫後すぐに冷凍してしまうため、生のように見えても実は冷凍物だったりするらしい。しかし収穫後すぐに洗浄し、綺麗な海水にいれ、活きたまま保存すると、みずみずしいプリップリの活きた食感が楽しめと云う。

「生だから保存がきかないのでは?」と不安に思われがちだが、生モズクは結構日持ちし、未開封の冷蔵物であれば60日ぐらいは保存できると云う。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“昆布料理”とは!

2008年03月20日 | 歴史
北海道他ごく限られた漁場でしか、採集できない昆布が、およそ昆布とは関係のない沖縄で何故これだけ脚光を浴びているのか?

昆布の一人当たり消費量が全国一といわれるまでに消費され、長寿沖縄県民の健康維持に大いに役立っているとは、誰が想像したであろうか?

18世紀末、蝦夷地から江戸・大坂に大量の運ばれた昆布は、砂糖と引き換えに手に入れた薩摩商人が、琉球の進貢貿易を利用して中国へ輸出するようになったことが始まりと云われている。



写真は、北海道日高産の昆布。

中国からは、それと引き換えに生糸・反物・薬種などを持ち込み、薩摩に大きな利益をもたらした。

その後も明朝・琉球の進貢貿易にはなくてはならない、交易アイテムの一方を支えたのが昆布であった。

そして1820年以降、琉球から中国への貢貿易アイテムとして、中国への積荷の70~90%を昆布が占めたというほどで、当時の日本で採集・加工された昆布総量の約10%に達していたと云う。

19世紀には、那覇に“昆布座”という役所もつくられたらしく、琉球では昆布は単に輸出品としてだけでなく、地元民の食生活にも大きな影響を与え、豚肉と共に、琉球料理には欠かせない貴重な食品となったと云う。







写真は上から、豚バラと昆布の煮物・炒め物及び昆布巻き。

今日では出汁の素ほか昆布なしでは、日本料理が成り立たないほどニーズが高く、叉昆布を利用した料理にも人気があり、沖縄でも締め昆布が煮物・炒め物に大活躍。

“沖縄そば”は昆布出汁を使って、醤油・泡盛・黒砂糖で味付けした仕上がりが最も沖縄らしいと思うが・・・・・・

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“泡盛焼酎”とは!

2008年03月19日 | 歴史
焼酎といえば、一世を風靡した沖縄特産の“泡盛焼酎”は、少々値段が高いが今でも根強い人気を誇っている。細長い粒をした硬質の“タイ米”を使い、沖縄原産の黒麹菌で発酵させた蒸留酒。



写真は、壁一面に展示された、沖縄原産の“泡盛焼酎”銘柄の数々。

約600年の歴史を誇る泡盛の製造に用いられているのが、沖縄原産の“黒麹菌”で、数多くある麹菌のなかでも黒麹菌は成育する段階で“クエン酸”を多く生成し、高温多湿の沖縄でも、“モロミ”が腐敗することもなく泡盛の発酵ができるらしい。元々製法も含め、当時タイから伝わってきた。

沖縄には、現在46ヶ所前後の泡盛蒸留酒造場が活躍していると云う。
泡盛の特徴は、熟成させればさせるほど、まろやかな味となり、長期熟成した古酒(3年以上)は、独特の芳香と濃厚な旨味が高く評価されている。

19世紀中頃琉球を訪れたアメリカのペリー提督は、晩餐会で飲んだ泡盛を「芳醇で、まろやかに熟していた」と絶賛したと云う。
泡盛は琉球王朝時代から、外交には欠かすことができないお供であったに違いない。

泡盛は、他の焼酎に比較してアルコール分が高い製品が多く、最高43℃までの製品があると云う。







写真は上から、代表的な泡盛焼酎、アルコール度43℃の“瑞泉”泡盛・売れ筋の泡盛焼酎・“宮の華”・泡盛古酒で名高い久米島の“久米仙”。

泡盛の愛飲家が熟成を楽しむ伝統的な方法は、先ずはアルコール分40℃くらいの3~5升入り単位の焼酎を購入し、適当な場所に貯蔵して熟成を待ちながら、以降1年間隔で同種類の焼酎を2番手、翌々年に3番手と買い進み、丸3年熟成させれば立派な古酒が誕生すると云う。

自身の呑み分を含め余分に仕込んで、子孫末代まで引継いでいけば、秘蔵の酒蔵が家宝となるかも・・・・・。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“ヤギ料理”とは!

2008年03月18日 | 歴史
沖縄の肉用ヤギ(ヒージャー)は、15世紀以降に中国や朝鮮から日本に渡ってきた後、九州・沖縄地方で飼養されていたと云う。比較的小柄なヤギの子孫は現在、沖縄在来ヤギ・屋久島ヤギとして健在。

乳用ヤギは、寛永年間にペリー提督が来日の際に飲用として持ち込んだものが始まりとされ、明治時代には主に、搾乳ヤギ業者などが輸入飼育を開始した。

明治末期になると、民間でもヤギ飼育熱が高まり、政府の奨励策によって、スイスやイギリスなどから輸入され、より多くの乳を出すヤギへの改良が進められたらしい。



写真は、沖縄在来ヤギ。

食糧事情が極度に悪化した戦後の日本では、粗末なエサでも飼育できるヤギの乳が貴重なタンパク源としてさらに評価され、昭和32年頃には、ヤギ飼育ブームへと発展したと云う。

特に沖縄では、元々食糧事情が台風・旱魃など自然環境に左右されやすく、食糧の安定確保のため、庭先にヤギ・豚・鶏などを放し飼いにできたこともあり、自家用にヤギを飼育いる家庭が多かったらしい。

しかし最近では、日本本土も含め食糧事情の好転や、食の多様化、農村部での高齢化問題、中山間地の有効利用などでヤギの飼育頭数は激減していると云う。



写真は、沖縄産のヤギ食用肉。

沖縄では、以前はヤギに対するニーズが高く、結婚式など祝い事があると、飼っていたヤギを親戚一同に振舞ったり、村のイベントなどでは必ず“ヤギ汁”の屋台が出るほど、なくてはならない存在であったらしい。

ヤギ肉は赤身が多く、ヘルシーとされていた。
叉ヤギ乳の栄養価は高く、肉は強壮剤として薬のように珍重されていた。

沖縄には、現在でもヤギ料理専門店が存在し、主な料理法には刺身と汁物などがあるが、臭みが非常に強く、沖縄では生姜やヨモギで臭みを消して食べると云う。

高血圧・失神・鼻血などを起すこともあるらしく、昨今の健康志向から敬遠されているのかもしれない。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄そば”とは!

2008年03月17日 | 歴史
“沖縄そば”(方言風に“すば”とも)は、中国料理に由来する麺料理が、本土のおけるラーメン同様、明治以降に独自の地域的変化を遂げたものと考えられている。
麺は小麦粉を“かんすい”で打ったもので、所謂ラーメンに属し、蕎麦粉は用いない。

沖縄には、本土のような蕎麦屋やうどん屋は原則として存在しない。かろうじてスーパーに行けば、袋入り蕎麦・うどん玉を見つけることができるが・・・・。

沖縄各地の街中には、やたらと“沖縄そば”の看板が目立つ。

家庭の味も含めると、そばを作る人の数ほどあると云われる沖縄そばは、麺の太さや盛付け方も違うし、スープも昆布・とんこつ・鰹だしなど、叉トッピングもいろいろあり、更には離島の八重山そば・宮古そばなど数も多く、バリエーションに富む。







写真は上から、“沖縄そば”・“ソーキそば”・“ティビチ(豚足)そば”。

“沖縄そば”といえば、三枚肉(バラ肉)の乗った“沖縄そば”があり、ソーキ(アバラ骨肉)が乗れば“ソーキそば”、豚足が乗れば“ティビチそば”と呼ばれる。

三枚肉は、40分ほど煮込んだ後、砂糖・泡盛・醤油などで味付けし、アバラ骨肉は3~4時間かけてじっくり煮込み、その後醤油・泡盛・昆布・砂糖などで更に煮込む。

アバラ肉の軟骨は、長時間煮込まれるため柔らかくなり肉と一緒に食べられる。





写真は、沖縄産の“よもぎ”でトッピングされた“沖縄そば”及び泡盛に漬け込んだ唐辛子。

“沖縄そば”には、刻みネギやカマボコをトッピングするほか、ローカル色豊かな“あおさ”や“よもぎ”などのトッピング・バリエーションもある。

叉風味付けの調味料として、唐辛子を泡盛に漬け込んだものを垂らすように加えるマニアもいるらしい。

尚沖縄そばの麺は、焼きそばとしても使われていると云う。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄の豆腐”とは!

2008年03月16日 | 歴史
沖縄で豆腐というと、“島豆腐”・・“ゆし豆腐”・“ジーマーミー”豆腐などがあるが、それぞれに、味・食感が違っていてどれも美味を自己主張している。







写真は上から、沖縄名産の“島豆腐”・“ゆし豆腐”・“ジーマーミー豆腐”。

島豆腐は、ゴーヤをはじめ各種チャンプルーには欠かせない食材。
“ゆし豆腐”は、島豆腐を固める一歩手前の状態で出来上がり、フワフワとしていて口当たりが良く、味も絶品。塩味・鰹だし・味噌など、味付けも好き好きに選ぶことができ、フワフワとしたおぼろ状の豆腐が、口の中で噛まずにとろけていくところがなんとも云えない。一度食べたらやみつきになること間違いない。

“ジーマーミー豆腐”は、もっちりとした食感がくせになる!
ピーナッツで作ったプリンのような感じが特徴で、手のひらに乗せてもプルンとして崩れない。
子供用では、いっしょに入っている「甘いタレ」をかけて食べるらしい。

ジーマーミー豆腐には、ビタミンB1・E、また“悪玉コレステロール”だけを下げる成分も多く含まれ、美容や健康に強い味方らしい。
健康志向もさることながら、大豆加工の先に落花生を転用してみる実用志向本能は、さすがに沖縄賢人の応用動作として頭が下がる。



写真は、沖縄名産の“豆腐よう”。

実用分野から離れるが、“豆腐よう”は豆腐の漬物で、元々中国から伝来した宮廷料理の一種。麹や泡盛で豆腐を発酵させたもので、写真のように、およそ豆腐の面影はない。

酒かす漬けのような香りが鼻をつくが、食感は滑らかで、クリームのように溶けていき、本格的なチーズのようであり、酒のあてにぴったりで、是非とも再チャレンジしたい。



写真は、沖縄名産の“麩”料理。

非実用的豆腐のような食品といえば、小麦粉から作る“麩”が思い当たる。
元々宮廷料理から広がったものと云われ、麩チャンプルーのように家庭の惣菜として、沖縄では定番となっている。