近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

沖縄の歴史・文化 沖縄の特徴・“やんばるの将来像”は!その2

2008年04月30日 | 歴史
やんばる地方在住人口のうち65歳以上の割合は、県(13.9%)の約2倍の27.3%と多く、一次産業に従事していると思われるが、高齢者が生活しやすい環境に置かれているとも云える。

自然環境保護か、許容範囲の開発か、難しい問題であるが、少なくとも行政他関係者の合意の下に、沖縄本島全体のマスタープランと中南部及びやんばる地域のローカルプランを連動させ、自然に優しく且つ自然が許してくれる“島創り”を目指して欲しい。

例えば農業であれば、“循環型有機農法”により「まだ使えるのに捨てられている資源(例:魚のアラ、酒カス、オカラ等)の微生物の力を借りて、良質の有機肥料や飼料に変え、有機物を農園内で循環させることにより、高品質の農産物を無農薬で生産する。」ことを義務付ける。



写真は、やんばる地方の循環型有機農法で育成されているマンゴー。

できれば、農園の一部を周辺の森に近い状態にし、野鳥や野生動物を呼び戻すぐらいの前向きな計画が望まれる。

やんばる島豚の増産については、浄化槽を使用して汚水もきれいに処理しているほか、“フン”は自社の堆肥工場で発酵させた後、乾燥させ販売・処分されている“リサイクルシステム”を維持・徹底することを条件にしてはどうか?

「脂が旨いのに脂っこくない」・「豚のくさみがなく、よくダシが出る」などと好評を博し、全国的な評価をもらっているだけに、安全性や安心感も評価され、やんばる島豚の養豚業は、飼料・環境にも配慮し取組んでいる現状をPRしてはどうか?

やんばる地域では、ガラス工芸・染織・紙づくり・焼物・木工・芭蕉布など、自然の素材を用いた伝統工芸が行われてきたと云う。



写真は、やんばる・本部町の“琉球ガラス工芸館”で。

伝統工芸事業を発展させるという発想ではなく、沖縄ならではの伝統工芸を守り継承することを本旨とする考で、伝統工芸をできるだけ、やんばる地方に集結してはどうか?





写真は、やんばる地方・リゾートホテル街の光景及び代表的なリゾートホテル。

リゾートホテルのコンセプトを欧米のように、テーマパークや観光施設などモノで観光客を招致するのではなく、周辺の自然が魅力・目的の一つで訪れ、長期滞在型のリゾートを目指してはどうか?

自然の中で「のんびりするもよし、海で泳ぐもよし、カヌーで遊ぶもよし、バードウォッチングするもよし・・・・・」という発想。
安心・安全かつ美味しい食事と快適な宿泊施設を提供するのが、リゾートホテルのコンセプトであるべきではないか?

本島最北端に位置する国頭村の最北端に“奥”という小集落があり、周囲を緑豊かなヤンバルの山々に囲まれ、目前には海が開けていると云う。



写真は、やんばる地方の“奥”共同店。

集落の中央には奥川の清流がゆるやかに流れる、“奥”に1906年“共同店”という地域住民による共同出資・共同運営の店が誕生したが、奥共同店は日用品の共同購入だけでなく、各事業の母体となり、教育資金の援助なども行い、辺境のムラの生活を支えてきた。

「とにかく売店が生活の中心、生活のすべてだった!」と云う。
その後共同店は飛躍的に発展し、1980年頃には本島中南部・離島も含めて120ほどの共同店が運営されていたと云う。

沖縄の人たちの、相互扶助の精神・助け合いの心、地縁・血縁を大切にする気持ちが、共同売店として結実したと思われる。

このような沖縄らしい伝統的な生活基盤は、今後とも維持発展してもらいたい。

沖縄の歴史・文化 沖縄の特徴・“やんばる将来像”とは!その1

2008年04月29日 | 歴史
やんばる地域は、世界的にも稀な湿潤亜熱帯の気候が、現在絶滅危惧種に指定されている動物たちを育んできたことで、国際的にも注目を集めてきたが、今や存亡の危機的な状況に直面している。



写真は、やんばる地方・大宜味村の糸芭蕉の栽培現場。

伝統工芸品のうち“国指定重要無形文化財”として認められている芭蕉布こそ、沖縄が世界に誇る伝統工芸で、芭蕉布は末永く後世に受継がれていく文化価値は十分。

実は、やんばる地方の大宜味村・東村のかなりの部分が米軍基地・北部訓練場で、米軍がジャングルを想定した訓練をする場所として、過去には枯れ葉剤を撒いたりもしたらしい。枯れ葉剤を撒く練習をしてからベトナムに行ったと云う。

一方大規模な林道の建設・天然樹木の伐採・農地化などの開発に県の補助金が使われたが、やんばる地方の貴重な自然が、引替えに犠牲となり、多くが失われてしまった。やんばる地方の貴重な生態系に悪影響を及ぼしていることは否めない。





写真は、やんばる地方の森林伐採地及びサンゴ礁の白化現象。

“ヤンバルクイナ”・“ノグチゲラ”など国指定特別天然記念物が生存できないほど開発の犠牲は余りにも大きい。

赤土が流れ出し、川・海の命の連鎖にも影響を及ぼしている。サンゴ礁の白化現象など自然保護の観点から見れば、いかにも残念な現実。

“京都議定書”作成メンバーの国際研究チームの予測によれば、地球温暖化が今のペースで進むと、世界の“サンゴ礁”の98%が、2050年ごろから姿を消す!と云う。海水温が30℃を越すと、さんご礁は死んでしまうらしい。

このように、やんばる地方西の斜面の森林で自然破壊が進んだのとは対照的に、東の斜面のほとんどが、米軍の戦闘訓練場に占められ、民間人による開発や立ち入りが禁止されてきたおかげで、生物の多様性を保全する環境を保ち続けているという皮肉な現象が起こった。

近い将来、約80平方kmの米軍戦闘訓練場のうち、北半分が返還されることになっているらしく、そこには樹齢100年を超える巨木を含む、切れ目ない自然植生で海岸線まで覆われている水系が残っているという。

まさに、最後に残された「聖域」である。

このように北部訓練場の一部が米軍から返還されるが、引替えにヘリコプターの発着場を6ヶ所新しく作る計画、名護市に新しい巨大な飛行場兼軍港の計画、東村高江には、新しいヘリコプター訓練所の計画などが現存し、予断は許されない。

これまでの負の遺産をこれ以上残さないように、世界遺産でもある沖縄の自然環境を守る責任・義務が厳然として残る。

沖縄の歴史・文化 沖縄の特徴・“やんばるの農業・畜産業”は!

2008年04月28日 | 歴史
やんばる地方の産業別就業人口は一次産業(農業・畜産業など)が34%(県平均7.5%)と圧倒的に多い。







写真は、やんばる地方に広がるサトウキビ畑・パイナップル畑・シークワーサー畑。

主要作物はサトウキビ・パイナップル・シークワーサーなどで、やんばる島豚の養豚でも有名。沖縄の代表的な農産物畑が、あちこちに広がっている。

やんばる地方在住人口のうち65歳以上の割合は、県(13.9%)の約2倍の27.3%と多く、一次産業に就労していると思われる。

そしてやんばると云えば思い起こすのが、“やんばる島豚”。



写真は、やんばる島豚の姿。

琉球在来種の豚は“アグー”と呼ばれる黒豚で、足が短くて腹が垂れ下がり、全体にずんぐりした体型が特徴。

しかし戦後アグー種は激減し、その後、生産効率の高い白豚が導入され、県内で流通する豚肉のほとんどを白豚が占めるようになった頃、沖縄のお年寄りたちの間で、昔の豚の味を懐かしむ声が上がり始めた。

そして、古き良き時代の豚肉の味を取り戻そうと、わずかに生き残っていた在来種アグーを、時間をかけて復活させたのが1995年のことだ。



写真は、やんばる島豚の焼肉。

アグー種の肉は独特の甘みがあり、脂身が旨いのが特徴だったが、小柄な上に発育も遅いので食用肉には不向きだったため、イギリス・アメリカの外来種とアグーを交配させることで開発されたのが、“やんばる島豚”。

やんばる島豚の特徴は、「脂が旨いのに脂っこくない」・「豚のくさみがなく、よくダシが出る」などと好評を博し、その評判はたちまち全国に広がった。

コレステロール値が通常の豚に比べて約4分の1と少なく、叉旨み成分である“グルタミン酸”も通常の豚に比べ約2倍もあり、更には脂身にはコラーゲンが多く含まれているため、女性に大人気。

やんばる島豚の飼料には、大麦を主体に小麦や糖蜜・ヨモギ・海藻など沖縄ならではの素材が利用され、且つ米を原料とした沖縄の蒸留酒である泡盛の酒かすと、与那国島の化石サンゴが配合されているのが、最大の工夫で味わいの秘密と云われている。

最近の調査で、泡盛の酒かすに大量に含まれるクエン酸には、豚の体内を活性化させることで、肉質を良くする働きなどがあることが判明している。
沖縄の人たちが、特別に豚肉を嗜好する理由が分かるような気がする。
やんばる島豚は食肉として流通するのが年間1,000頭ほどと少なく、値段も高いが、通販を通じて入手可能。

沖縄の歴史・文化 沖縄の特徴・“やんばるの自然”とは!

2008年04月27日 | 歴史
次のシリーズは、やんばる地方について紹介する。
沖縄本島中南部は、石灰岩段丘と小さな起伏丘陵で200m以下の平らな地形だが、やんばる地方を含む北部周辺は、与那覇岳(503.0m)など標高400m以上の山地が島の中央部に発達した脊梁山地。

本島北部は“ヤンバル”と呼ばれ、緑深い山々が連なる地域で、開発が余り進まなかったため、今日でも貴重な動植物が生息する地域として継承されている。



写真は、やんばる地方の地図。

現在では名護市以北がやんばる地域の概念となっているが、ヤンバルクイナをはじめ希少動物が集中する「やんばるの森」は、写真のように塩屋湾と平良湾を結んだライン以北の地域。

那覇などの沖縄島南部に比べて降水量が多く、気温が低いのが特徴。

やんばる地域は那覇から北へ約75kmにあり、人口が平成13年末現在、県全体の1%未満の11,000千人余りで、森林面積は269平方kmで、県全体の26%と云う。









写真は、やんばる地方のブナ科・シイの原生林、ヘゴ・シダの森、マングローブ及びサンゴ礁の海。

ブナ科のシイの樹冠が天井のようにはった森の低い層のところで目を引くのは、南国的な景観を作り出しているヘゴで、シダが巨大化したものらしく、亜熱帯の森をつくる重要な植物。

森から流れだす川の河口には、マングローブ林が生い茂り、その先にはサンゴ礁の海が広がっている。

環境省のデータによると、絶滅危惧種に指定されている哺乳類・鳥類などが22種類のうち6種がやんばるの森だけの固有種で、国指定天然記念物の宝庫。







写真は、やんばる地方のイリオモテヤマネコ、ヤンバルクイナ及びノグチゲラ。

小さな島環境で絶滅してしまった野生動物が多い中、独自に適応進化しながら生き残った、国指定天然記念物の動物達を紹介する。

イリオモテヤマネコは、ネズミ類などの哺乳類を餌とするが、餌のない西表島では、カエル・トカゲ・昆虫などの小動物で細々と生き残ってきた。

1981年に新種として確認されたヤンバルクイナは、日本で約60年ぶりに発見された世界中の新種だっただけに、世界的な話題になったと云う。
ヤンバルクイナは捕食動物がいなくなったため、飛べなくなってしまった天然記念物。天敵がいない中では飛ぶ必要が無かった。

ノグチゲラは、地球上でこのあたりだけに生息する固有種で、絶滅危惧種とされた、国の特別天然記念物。



写真は、やんばる地方最北端の辺戸岬。

やんばる地域内への観光客は、県内外合わせて年間約90万人にのぼり、観光客の訪問先目当ては辺戸岬で、7割以上が集中しているらしい。

かつて美しかった島々の自然が環境問題に直面し、外来種の侵入・ペットの遺棄・動植物の乱獲などが後を絶たず、訪問客の自然と向き合う姿勢が問われていると云える。

沖縄の歴史・文化 沖縄の特徴・“空手発祥の地”とは!

2008年04月26日 | 歴史
沖縄の家庭ではつい最近まで、庭先に家畜を放ち飼いし、自家業を営み、自給自足に近い生活をしていた。特に離島の家庭では、「自らの生活は自ら守る」家風が定着していたと想像できる。

沖縄が“空手発祥の地”と聞いてチョット驚いたが、自らの生活は自ら守るという生活慣習からすれば、過疎地という特殊事情からしても、護身は必要不可欠な要素であったことは理解できる。

古来、沖縄には、自身を護る術として「手」と呼ばれる護身術があったらしい。
この「手」が、今日の空手の源流であるとされる。



写真は、2005年全国空手道競技大会の入場式。

今日では、身体に一切の武器を持たずに、突き・蹴り・打ちなど全身のあらゆる部位を使って外敵から身を守る。

と云うことで振返ってみると、空手は琉球王国時代に発祥した、拳足による打撃技を特徴とする武道・格闘技。

元々平和を愛する村人の護身術として考案されたものが、厳しい修行を通して強靭な身体と不屈の精神を培うと共に、礼節を重んじる人格形成に寄与する武道として継承されてきた。今日では、国内を含め世界各地に約5,000万人もの愛好家がいると云われている。

沖縄の空手・古武道の素晴らしさが、世界に浸透していることを物語っている。
空手は、大正時代にまず沖縄から本土に伝えられ、戦後は世界各地に広まったと云う。

現在では世界中で有効な武道・格闘技・スポーツとして親しまれている。

以来、国内でも多くの流派の空手が編み出され、今や日本を代表する格闘技となった。

沖縄での最近の流会派別空手道場数は、首里手系 :178件、那覇手系:93件、上地流系:63件、古武道系:27件、他の流会派:71件で合計432道場。





写真は、沖縄の“空手道国際研修センター”の開所式及び昭和10年頃の空手指導の光景。

沖縄県では、発祥地として更なる普及を目指し、国内外との交流を促進する気運が高まり、“沖縄空手交流推進事業”を実施し、空手道の発展、関連産業・沖縄観光の振興を図っていると云う。

海外から沖縄の空手道を学びに来る愛好家も後を絶たず、交流の輪が広がっているが、今日では空手古武道以外の護身術も取り入れ、女性・子供たちにも広がりつつあると云う。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“アメリカの影響”とは!

2008年04月25日 | 歴史
戦後、アメリカの軍政下におかれた沖縄では、1952の“日米平和条約”締結、1972年の沖縄祖国復帰を経て今日に至るも、今もって35,000人ほどの駐留米軍兵による不祥事が絶えることがないなど犠牲を強いられている。

戦後60年以上が経ち、未だにアメリカのプレゼンスが際立つ沖縄で、特にアメリカ食文化の影響は途絶えることがない。

戦後の食糧不足の状況下で、米軍の軍用食料から供出された豚肉の缶詰など、缶詰類が一般家庭に普及し、現在でもアメリカ直輸入品だけでなく、県産品も製造されるなどアメリカの食文化が食品スーパーから消えない。









写真は、アメリカオリジナルの缶詰類、ポークランチョンミート・ビーフシチュー・コンビーフハッシュ・キャンベルスープ。

これらアメリカ発の缶詰類は、今日でも食品スーパーで売られ、一般家庭の常備食として定番化し、広く親しまれているらしい。小生もアメリカ在住時代、大変お世話になり、当時が懐かしく偲ばれる。

ハンバーガー・ホットドック・ピザなどアメリカ風のファーストフードが早くから普及し、ハンバーガー・チェーン店の沖縄進出は、マクドナルドの日本進出より8年も早かったらしい。

沖縄県男子の平均寿命が、全国長寿県ランキングで26位まで落ちてしまったことが、マスコミなどで大きく取上げられているが、脂肪分過多のアメリカ食文化嗜好が影響していると考えられる。沖縄県男子の沖縄食文化回帰が求められているが・・・・・。





写真は、沖縄の若者に人気の“タコライス”と“ぬーやるバーガー”。

アメリカ食文化の影響は、沖縄の食生活に深く食い込み、アメリカ・沖縄の融合食品とも云えるが、独自の“タコライス”や“ぬーやるバーガー”などの新しい人気メニューが誕生している。

“タコライス”は、元々はメキシコ料理のレタス・チーズ・トマト・ひき肉などをライスの上に乗せた料理で、“ぬーやるバーガー”は、“ゴーヤ卵とじ”を挟んだポークバーガー。
はたして、これら日米融合食品が沖縄男子の平均寿命を延ばす助けになるかどうか、要注目。

しかし依然として、パン・牛乳・チーズなど小麦・酪農製品の消費量は少なく、沖縄食文化の特徴である、汁物・炒め物などに食い込むことはできていない。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“魚介類・刺身”とは!

2008年04月24日 | 歴史
前日のように、近海漁を範囲とするマグロを含め、沖縄近海には高級魚の宝庫として、刺身マニアにはたまらない。

しかし南国・亜熱帯気候の沖縄と美味しい刺身とはイメージ的に結びにくい。
「沖縄の刺身はまずい」・「沖縄の刺身には期待するな」と云う前評判が本土からの旅行者の先入主に留まっている。

「温かい海で育った魚の身はゆるく、刺身に向かない。」と思われているらしい。沖縄は日中の気温が高いので、魚の保存が難しいため、沖縄で新鮮な刺身を食べようと思ったら、自分で釣るか捕るか、選択肢は限られているとも云う。

沖縄には「魚屋」がないらしく、その代わりに「刺身屋」があり、魚を選んで刺身を作ってもらう。獲れたての鮮魚を“いまいゆ”と呼ぶらしい。

鮮度を競う気候風土から育まれた生活の知恵で、刺身用の鮮魚以外であれば、スーパー調達で間に合う。

沖縄では新鮮な魚介類は、先ず刺身で食べる。それから鮮度の順番に天婦羅・出し汁・焼物にするらしいが理にかなっている。

保存などの点で肉料理ほど調理法が発達せず、味も淡白なため、刺身よりぶつ切りにした汁物、煮付けなどの料理法が多くなっていると云える。







写真は上から、沖縄の三大高級魚、アカジン・アカマチの刺身・マクブの刺身。

アカジン(和名:スジアラ)、アカマチ(和名:ハマダイ)、マクブ(和名:シロクラベラ)は沖縄の珊瑚礁域から獲れる高級魚として知られ、いずれも上品な味わいで、家庭では刺身かお汁にしている。

他にも、ミーバイ(ハタ)、イラブチャー(ブダイ)、沖縄スギ、赤マンボウ(マンダイ)、アバサー(ハリセンボン).など、刺身で十分美味しい魚は多い。





写真は、那覇市内の居酒屋で980円の刺身定食及び那覇市内で500円の刺身定食。

レストラン・居酒屋でも、刺身は割安で食べられるので、刺身マニアには天国。
特に自慢の泡盛はどんな刺身とも合うらしく、泡盛は刺身に不可欠なパートナーとして現地では超人気。

石垣島では、島蛸・グルクン・マグロ・ブリ・イラブチャーなど刺身盛合わせが何と500円、ボリュームたっぷりでさすが漁港の強み。





写真は、沖縄自生の柑橘類・シークワーサー及び沖縄生まれの泡盛漬け唐辛子(コーレーグース)。

沖縄料理は、独特の亜熱帯気候風土・食品特性から調理操作・調味料の使用方法などについて、他県では見られない特徴を有している。

例えば、刺身には殺菌のため、酢醤油・酢味噌につけて食べるのがポピュラー。

“シークワーサー”は、沖縄北部のヤンバル(密林地帯)に自生するミカン属の柑橘系果物。沖縄では、刺身や焼き魚にかけたり、酢の物にしたり、醤油と合わせて鍋のポン酢代わりに使ったり、日常の食卓でなじみの深い果物。

叉刺身にわさびを使わずに、写真のような“コーレーグース”を醤油に少量たらして刺身を食べる。ピリリと辛みが加わった醤油は刺身に最高らしい。

沖縄料理屋では常備品で、本土で蕎麦・うどんに七味を振ったり、スープに胡椒を振ったりするのと同じ感覚で使うが、とにかく尋常じゃなく辛いのが特徴らしい。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“魚介類・マグロ”とは!

2008年04月23日 | 歴史
マグロは日本で一年を通じて最も人気の高い商品だが、沖縄のマグロは「沖縄県の水産物総生産の40%以上、全国消費量の90%ほどを占めるモズクなどを除く魚類だけだと、54%を占める。」一番の県産品だそうだ。その主な理由は、「県一円で、しかも周年獲れること」にあるらしい。



写真は、沖縄近海で獲れる体長1mほどの“キハダマグロ”。

しかし何といっても一番の特徴は、「生」で陸揚げ、流通される点。
日本でマグロといえばいわゆる「マグロ船」で数カ月の遠洋漁業に出る、というイメージがある。

それらは一般的に水揚げされた後、血抜きをされ、超低温で急速冷凍された状態で運ばれる。スーパーで買ったマグロが水っぽいのは、解凍時に出るドリップが原因であるならば、沖縄のマグロにはその水っぽさがないわけだ。

沖縄の漁法は“パヤオ漁法”と呼ばれ、沖合1・2時間の場所に設置している漁場で、人工的かつ効率的にマグロが集められる漁場を開拓できることが大きな利点。マグロ漁は近海漁を範囲とする。

近年、天然の生マグロ(本マグロ)が入荷する市場は少なく、沖縄のマグロを北海道に出荷するケースも少なくないらしい。

沖縄の天然生マグロは新鮮で味もよく価格も安いと評判で、配送料を加算しても、価格が高騰したものより割安であると云われ、全国からの注文が年々高まっているらしい。





写真は、沖縄近海の極上“300円の中トロマグロ”及び那覇市の居酒屋で新鮮なマグロ他近海魚刺身3点盛合せ1,000円。

獲れたての新鮮なマグロは、大トロ・中トロを頂くのが常識だが、沖縄の魚消費量が全国最下位とはチョットした驚き。

沖縄では刺身を食べる際に酢味噌や酢醤油を用いることが多いが、これは魚が傷みやすい南国ならではの先人の知恵の名残であると云われている。

魚介類の自給率51.6%とは、豊かな海に囲まれているのに半分は県外に頼っている。

魚介類ニーズのミスマッチも原因していると思われるが、元々琉球王朝時代から宮廷料理の伝統を継ぎ、庶民の日常食生活として肉料理が定着してきただけに、肉類へのこだわりは変えようがない。







写真は、沖縄独特のマグロチャンプル料理、オクラマグロ丼及びマグロミリン干し。

新鮮なマグロも刺身だけでは食べきれず、沖縄県民らしくチャンプル・丼など熱を加えてしまう。何ともったいないと思うが、食文化の違いは如何ともしがたい。叉マグロミリン干しとは、本土ではお目にかかれない代物。

ミリン干しといえば、漁師がイワシの余剰を、何とか二次加工して無駄にしたくないという印象が強いが・・・・。



写真は、寿司盛合わせのネタ。寿司盛合わせの左奥のネタはヤギの生肉。

沖縄の街中をぶらりすると、“沖縄そば”の看板は目に留まるが、“寿司屋”の看板は余り見かけない。

自前のネタが限られ、本土からの持込に頼ると採算に乗らないからであろう。

沖縄近海ものだけでは寿司盛合わせにもネタ不足で、写真の通り、マグロ・イカなどの他、ヤギの刺身まで盛付けてしまう。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“魚介類・イカ墨汁”とは!

2008年04月22日 | 歴史
沖縄の食文化の特徴に、自然に恵まれた食材は、できるだけ与えられたものを無駄なく頂く点と、具沢山の汁物が多い点が挙げられる。

魚介類は、できるだけ獲れたてを刺身で頂くのは、どこでも変わらないが・・・。
でも珊瑚に支えられ・護られた、新鮮な近海魚介類は、さぞ旨いだろう!







写真は、沖縄名物の“イカ墨汁”・“ハリセンボン汁”・“ハタ汁”。

沖縄伝統の定番健康食といえば“イカ墨汁”で、沖縄で獲れる“シロイカ”とイカ墨・薬草(苦菜)が入ったシンプルな料理だが、薄い塩味とイカ墨独特の風味が、なんとも美味らしい。

元々イカ墨汁は、安産に効く汁物として珍重されていたと云う。しかしその発見は結果論であって、そこまで辿り着くまでには、長い道のりが必要であったと想像できる。

縄文時代の遺跡からは、数多くのフグの遺骸が出土しているが、フグの毒素を征服して、美味を発見するまでには、想像つかないほどの犠牲を払ったと思われるが・・・・。美食を追求することで、勝ち得た先人の知恵に預かっていると云える。

世界でイカの墨を食するのは、イタリア・スペインなど地中海沿岸の住民らしいが、何故沖縄でも食べ始めたのか?

中国の“医食同源”思想が受継がれてきたことが、イカ墨汁の発見に繫がったといえるかも知れない。
授けられたものは、素直に頂くと身体に良い結果を及ぼすことを信じていたからこそであったかも。

他にも、“アバサー”(ハリセンボン)は、ハリセンボンの中でもフグ毒がなく、昔から沖縄の一般的な庶民料理として、日常の食卓で親しまれているらしい。
アバサーは体の周囲に棘を持つ体調20cm程度の魚で、ハリセンボン汁は、鰹の出汁・味噌・酒を使って味付けをすると最高らしい。

それと“ミーバイ”(ハタ)汁は、ハタの種類が多いので、単に“ミーバイ”と総称しているが、見かけもさることながら、なかなかの美味らしい。





写真は、“シャコガイ”と“ヤコウガイ”の刺身。

“シャコ貝”や“夜光貝”の料理なども、沖縄独特のものであると云う。
“シャコ貝”は琉球列島以南のサンゴ礁に棲息し、スキンダイビングをしなくても、潮干狩りでも獲ることができると云う。

刺身・バター焼きが一般的な食べ方。
“夜光貝”は貝殻も光沢がある非常に大きく綺麗な貝で、刺身で食べること。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“魚介類”とは!

2008年04月21日 | 歴史
我が国で唯一亜熱帯地域にあり、温暖な環境ときれいな白い海岸線とサンゴ礁、それに世界でも屈指の透明度を誇る海は「生物の宝庫」である。

しかし沖縄は、魚料理があまり発達していないという特徴を持つ。魚介類の最新の自給率は、県産506万7000トン、県外からの持込が571万1000トン、総消費量982万トンで、自給率51.6%。豊かな海に囲まれているのに半分は県外に頼っている。





写真は、沖縄那覇市の泊漁港及び石垣島の新栄漁港。

叉沖縄の魚消費量が全国最下位とはチョットした驚きではあるが、沖縄近海或いは沖縄に寄港する漁船だけでは、昨今の多様な食生活に供されるだけの質量の魚介類をまかないきれないのも事実。スーパーを覗いてみたが、日本海岸・三陸海岸などが特産の冷凍・冷蔵魚介類は値段が高い。

本土から持ってくると、持込量に比較して輸送費が嵩み、本島から数多くの沖縄諸島・離島まで輸送するのは、およそ経済的でない。
叉亜熱帯気候のため、輸送費だけでなく保存するにも鮮度を保つコストも馬鹿にならない。

元々琉球王朝時代から肉類を主体とする、宮廷料理の伝統を継ぎ、庶民の日常食生活として肉料理が定着してきただけに、食材へのこだわりは変えようがないのかもしれない。







写真は、沖縄で好まれている“グルクン”、近海で浅瀬に棲み・蒸した汁がうまい“ミーバイ”、沖縄ならではのカラフルな“イラブチャー”及びイラブチャーの刺身。

沖縄周辺で獲れる魚の中には、グルクン(タカサゴ)、ミーバイ(ハタ)、イラブチャー(ブダイの一種)など独特の魚も少なくない。

一般に脂質が少なく淡白な魚が多いため、バター焼きや唐揚げなど油を用いた料理や、野菜などと一緒に煮込んだ味噌汁、素材の風味を生かして塩だけで蒸し煮にした“マース煮物”などの料理法で食されている。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“漁業”とは!

2008年04月20日 | 歴史
沖縄は珊瑚礁が化石化した、石灰岩を基盤に乗った地形にあり、沿岸域はサンゴ礁の発達により広大な礁原を有し、沖縄トラフ大深度域が存在するため、陸棚域が狭い海底地形となっている。

このような海域特性により、サンゴ礁漁場、海底岩礁漁場及び黒潮の影響による回遊魚(マグロ・カツオ等)の漁場が形成されている。

しかし沖縄近海には、緑・青などカラフルな魚たちが棲んでいるが、食材としてのイメージがなかなか沸かない。



写真は、沖縄の小型マグロ漁船。

沖縄の漁業は、このような亜熱帯海域において、沿岸・沖合部では、浮漁・礁漁業を中心としたマグロ・カツオ等高度回遊性魚類を対象とする、沿岸“マグロ延縄漁業”が、沖縄漁業中興の立役者となっている。

叉“ソデイカ釣り漁業”は旗をつけたブイを流し、その下に立て縄式に疑似餌をつけ、10トン以上の船に数人が操業し、3~4日間の航海・操業の後に水揚げする方法で、マグロ同様沖縄の漁業の中興の一端を担っている。



写真は、沖縄特産の巨大“ソデイカ”。

ソデイカ(セーイカ)は、深層水海域・水深400~500mを回遊する、沖縄特産の赤色の巨大イカで、歯ごたえがあって美味しいと評判。

また、陸棚及び礁原域では、底魚一本釣漁業や潜水器使用による刺突漁業等が営まれており、他県とは異なる、多角的な漁業構造が形成されている。

以上のほか、ブダイなどを求めて珊瑚を掻き分けるスクーバ・素潜りなどによる“潜水漁法”、グルクン漁獲対象の魚種を袋網に追い込む“追い込み網漁法”、魚などの通り道をさえぎるような形で刺網を置き、網の目に刺さったり、絡まったりする魚たちを漁獲する“刺し網漁法”等々がある。

叉“定置網漁法”は、リーフの外・水深200m前後を漁場として、各種タイなど高級魚を狙う「深海釣り」と呼ばれる“一本釣り漁法”。





写真は上から、沖縄うるま市の海ぶどう養殖場及び沖縄・座間味島のクルマエビ養殖場。

養殖では、何と云っても代表格の沖縄モズクは健康食ブームに乗り、最近人気が出て、全国生産の9割を占めているらしい。クルマエビ・シャコガイ・ヤイトハタ・海ぶどうなども養殖している。クルマエビ養殖の生産量は全国一。

1990年にスタートした、本マグロ(クロマグロ)の養殖も本格的生産に手が届くまでに成長してきたと云う。しかし沖縄漁業者主導でなく、本土資本が養殖を手掛けてきたが、県内で年間約300トンを収穫し、全国向けに出荷している。

「沖縄は海の水がきれいで、水温が冬場でも高く、魚介類の成長が早い!」と、養殖のメリットは大きいが、大敵は台風。沖縄の漁業者には、台風のリスクに立ち向かう意欲・事業欲がなさそうに思えるが・・・・・。

はたして台風のリスクをカバーできる収穫量を生産できるかどうか?

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄自慢”とは!

2008年04月19日 | 歴史
沖縄の食文化は、自然と深く関わっている。自然と上手に接し、自然をありのまま取り込み、自然をできるだけ活かすこと。

中国から移入した“医食同源”思想は、「病気をなおすのも食事をするのも、生命を養い、健康を保つためで、その本質は同じだということ」と云う意で、自然に恵まれ・授けられた食材を、何でも無駄なく頂くことが健康に通じると云う発想。

この自然信仰は先祖信仰にも通じ、琉球王朝時代以前、恐らく縄文時代から受継がれてきた伝統的な信仰と考えられる。

沖縄の自然を求めて、沖縄移住者が後を絶たない秘密が隠されていると思う。

伝統的な自然信仰を現実のものにした例として、黒麹菌を活用した沖縄特産・“泡盛”・近海底に網を張って着生させる独特の養殖方法によるモズク・生産量が追いつかない黒糖などは、全国区ブランドとして知られている。





写真は、沖縄のサトウキビ畑の刈取作業の光景及び“黒糖”製品。

サトウキビは、年間平均気温で20℃以上が必要らしく、沖縄県・鹿児島県など熱帯・亜熱帯地域で栽培されているが、茎の高さは2~3m・太さが2~4cmと大柄で、黒糖の原料となる。サトウキビ畑でも沖縄女性の活躍ぶりを彷彿とさせる。

17世紀初頭に中国・福建省から渡来したと云われ、見た目の通り硬い繊維質で、糖度が高い。沖縄ではほとんどが、久米島はじめ7つの離島で生産されているが、生産が需要に追いつかず、中国・タイなどからの輸入に頼っていると云う。







写真は、高い評価を受けている沖縄県産果物、“マンゴー・パパイヤ・ドラゴンフルーツ”。

自然を最大限活かした、沖縄県産果物の代表格、“マンゴー・パパイヤ・ドラゴンフルーツ”は、インターネットや通販で全国に供給され、最近では諸外国からも注目も浴び、高い評価を受けているらしい。

次に変り種として、製塩業でも世界に誇れる技術が確立されている例を紹介する。





写真は、“ぬちまーす”製塩工場から望む大海原及び“ぬちまーす”海塩。

沖縄本島と結ばれている、沖縄・宮城島にある製塩工場・“ぬちまーす”が、斬新な製塩方法で注目されている。

塩を採取する部屋には、天井から網状のカーテンが無数に下げられている。温められた海水が霧状になり、水分が蒸発し塩分だけがそのカーテンに塩となって絡みつくというユニークな方法。

広く海に開放された自然は、何事にもこだわらない素直な気持ち・着想で、何気なく見聞する自然体が、新発見に繫がったかもしれない。

この方法により、ミネラル含有率が世界一の“ぬちまーす”誕生となった。

数々の権威ある賞を受賞しただけでなく、独自の特許製法を確立したと云う。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄の居酒屋”とは!

2008年04月18日 | 歴史
沖縄の県民性は、温暖な気候と大海原に囲まれた島々と云うこともあり、外向きで・大らかで思い遣り・仲間意識が強く、他人とも親しく付き合える度量を持つ。

居酒屋で飲食する場合も、会社など組織の仲間と“飲み会”でストレスを解消するケースもあるが、老若男女・子供を問わず、家族・親戚・近所の仲間など会社以外の仲間と気軽に外食するケースも多いらしい。

沖縄の居酒屋は、本土の居酒屋イメージというより、レストランと居酒屋を一緒にしたような飲食店・食堂のイメージが強い。従って本土の一般食堂のように「料金が安い」・「ボリュームがある」・「メニューが豊富」のほか、定食スタイルもあるので一人で行ってもフルコースが食べられると云う。







写真は上から、広々とした沖縄居酒屋のフロア、採れたての野菜・果実で演出した店内及びライブで盛り上がる光景。

大人数が収容・移動できる店内のレイアウト、採れたての新鮮な野菜などを、その場で調理・提供してくれるサービス、生演奏まで自作自演できる雰囲気は、沖縄らしいオープンマインドの象徴と云える。

沖縄独特の陽気な雰囲気、店のスタッフと客、客同士がすぐうち解けて、そこに三線でも加わると大合唱になってしまうらしい。

沖縄の居酒屋は全国チェーンの店舗のほか、地元のチェーン店、老舗のローカル酒場やパパママ飲み屋等々多彩。

スーパーなどの大規模小売店舗が郊外に進出すると共に、大型の居酒屋が郊外に増えてきたと云う。沖縄と云う土地柄・不便な交通網のため、郊外進出と共に、当然ながら広い駐車場が必要となり、1階が駐車場で2階がお店というレイアウトが多いと聞く。





写真は、100種類以上の泡盛焼酎が並ぶ店内の陳列棚及び常連客のボトルキープ状況。

沖縄らしく泡盛焼酎オンパレードで、ほとんどの居酒屋で県産ビールや泡盛を提供し、繁華街では朝まで営業している店もあるらしい。

となると飲酒運転が心配になるが、子供を含む家族で食事に来ているお客も多いので必ずしも飲酒運転に繫がるとは云えないが、沖縄は飲酒運転の検挙率が全国一であることは事実。

酒好きの沖縄人にとっては受難の時代であることは間違いない。

飲酒運転取締りが厳しくなった昨今、公共交通機関の少ない沖縄の居酒屋では、車で来店された顧客からキーを預かり、退店時にアルコールをチエックしている居酒屋が増えていると云う。





写真は、沖縄特産・“島ラッキョウ”の漬物及び鰹の塩辛・“酒盗”。

当然のことながら、居酒屋の多くはメニューに沖縄料理を採り入れているが、居酒屋で欠かせないのが地元の貴重な珍味、“島ラッキョウ”の漬物と鰹の塩辛・“酒盗”。

本土のラッキョウは酢漬けが多いが、沖縄の場合は塩漬けにして食べるらしい。
一夜漬けは、泡盛の肴として最高の人気アイテム。

沖縄ラッキョウの形は細長くネギに近いが、コリコリ・シャキシャキという食感に伴う味は、独特な辛味の中に旨味があり、一度味わうと病みつきになるらしい。

“酒盗”はカツオの内臓を塩漬けにした塩辛で、沖縄の方言で“ワタガラス”と呼び、泡盛の肴としてよき伴侶の座に定着したが、その他味噌付けにしたり、マヨネーズを付けても美味いと云う。

泡盛に漬け込んでいることから独特の強い香りに特徴があり、珍味として隠れたファンの多い逸品。

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“カツ丼・天丼”とは!

2008年04月17日 | 歴史
もう一つ大衆的定番メニューを忘れていましたので、追加します。
一般大衆食堂の定番メニューのトップ10傑には、ほとんどの場合、カツ丼・天丼が上位に名を連ねている。叉大学食堂の人気ランチトップ3傑には、親子丼・カツ丼・カレーライスが常連らしい。





写真は、典型的なカツ丼と天丼。

日本食の味として海外でも人気を博している、カツ丼・天丼は、食生活には欠かせないほど定着している。
食べやすい、ライス・具・かけ出汁のハーモニー、手ごろな値段、店側のサービスのし易さ等々、文句が付けようがない。

でも沖縄の事情はチョット違う。何故丼物より、炒め物か?
琉球王朝時代から東南アジアに開かれ、且つ伝統を重んじる保守的意識が強く、明るく大らかな風土に育まれ、合理的で見栄を張らない楽観的気質にも恵まれている。

叉地域との連帯意識・人間関係が濃密なだけに、郷土意識・家族愛が強いと云われる。それと亜熱帯と云う気象条件との共存は必須条件。

沖縄の食文化のルーツは、ユニークな歴史的背景・育まれてきた伝統・自然環境・沖縄ならではの県民性などと不可分ではない。

今日授けられた食材・自然の恵みを、伝統的に受継がれてきた味付けで、合理的に調理し、家族・仲間たちと一緒に楽しく食するかであって、出来栄え・見た目・個人的好き嫌いは意に介さない。

例えば、豚肉・路地裏で採れた新鮮な野菜類のチャンプルーは代表例。
身近にある食材のベストな調理法として受継がれてきた炒め物は、現地住民しか分からない生活の知恵・結晶。







写真は、沖縄のカツ丼2点及び石垣島の野菜・魚介類を使った天丼。

と云うことで、丼物より炒め物を好む沖縄人がカツ丼を調理すると、写真の通り、ライス・具とも量はたっぷり、盛付けたライスを野菜炒めでおおい、その上にトンカツを乗せ、そして更に残りの野菜炒めを上乗せして、“トンカツ・チャンプルー”の出来上がり。本土では見当たらない珍しい一品。

もう一つのカツ丼は特大の大盛で、値段よりサービス重視の沖縄ならではの人情味溢れる一品。

天丼でも、盛付けたライスに路地裏で採れたての日用野菜をたっぷり敷き、本日のお薦め天婦羅を出汁・調味料で煮たてた上、野菜に乗せて出来上がり。

全国消費量の90%を占める“もずく”の原産地といえば沖縄、カラッと揚げたての“もずく”を天丼にできないか?

サクッとかじるとこんがり揚がった衣の香ばしさと海草である“もずく”の“ぬめり感”が同時に愉しめる筈だが、天丼の救世主には無理かも????

沖縄の歴史・文化 沖縄の食文化・“沖縄の卵焼き弁当”とは!

2008年04月16日 | 歴史
続いて沖縄の弁当事情を取上げます。

卵焼きは大人から子どもまで、老若男女を通じて大人気であり、まさしく“母の味”を象徴するおかずであることは、沖縄でも同じであり、特に沖縄名産のゴーヤとの相性は抜群であると思う。





写真は、沖縄特産のゴーヤと卵焼き弁当及び沖縄の野菜と卵焼きをトッピングしたトンカツ弁当。

トンカツが覗いているが、沖縄野菜をたっぷりトッピングしたカツ丼の豪華版とも云える。卵焼きの黄色とゴーヤ・沖縄野菜の彩りも良く栄えて、弁当が一段と美味そうに見える。

卵焼きが砂糖味か、塩味かで意見がわかれるというが、沖縄では海塩が手に入るだけに、議論の余地はない!







写真は上から、沖縄のモズクの入った卵焼き、沖縄名物・ゴーヤラフテー弁当及び“ジューシー”のおにぎり。

恐らく沖縄でしか考えつかないと思われる、モズク入り卵焼きやゴーヤと豚の角煮弁当は食べてみたい!「所変われば品変わるとは」、将に沖縄にぴったりの真理。

写真のような“ジューシー”と呼ばれる、混ぜご飯のおにぎりが、街中の路上売り弁当の値段とは別売りで、何と2個で100円前後と超割安。





写真は、沖縄の揚物でいっぱいの路上弁当及びオムライスとタコスセットのダブルの路上弁当。

那覇市内のオフィス街には、本土と同じように昼になると、弁当屋が出現する。
安い弁当は150円ぐらいからあり、300~400円が相場でボリューム満点らしい。

ある調査によると、沖縄の弁当のおかずは「揚げ物」が42%と半数近くを占め、本土の28%よりかなり高い。

叉写真のような、オムライスとタコライスのセットが400円と割安で、しかもご飯ものとご飯ものが並列している超ヘビー級弁当。

このような仕切りを無視して、たっぷりと詰め込まれた沖縄の弁当は、本土の倍近い重量を持つなど、脂質の含有量も高いことが分かったと云う。

“沖縄タイムス”による“沖縄が長寿でなくなる日”という取材で、「弁当一個で、成人男女が一日に必要なカロリーの半分以上」を採る場合もあると指摘しているが、肥満率全国一位の原因として貢献しているのは間違いない?

沖縄の弁当は、ほとんど家内手作業のため添加物フリー・衛生上安心で、安くて美味くて羨ましい限りであるが、思わぬ大敵伏兵が潜んでいようとは!