近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

アイヌ民族・文化 “おわりに”

2007年12月01日 | 歴史
アイヌ民族・文化の特徴は、一言で云えば“自然崇拝”に帰結するだけに、この思想・考えを正しく理解することが、即アイヌ民族・文化への理解を深めることに通じる。

今回の“アイヌ民族・文化”を締めくくるに当り、アイヌのアミニズム信仰について、もう一度振返ってみたい。

アイヌ民族は自然を崇拝し、自然のバイオサイクルで生活していたことにある。
自然界を“カムイ”として謙虚に祈り、自然の恵みに感謝し、自然を改造・破壊・汚染することなく生活してきた民族と云える。

アミニズム信仰は他の多くの神教とは異なり、自然と共生する理想の社会を築き上げることを目指した。

カムイには、ヒグマをはじめいろいろな動物、丸木舟・臼・食器・家などの物、川・山・海・火・風・地震・津波・雷などの自然等々がある。



写真は、再びアイヌならではの“イヨマンテ”・クマの霊送り儀式。
アイヌ儀礼は、“物神の霊送り”により旅立つカムイに、再び食糧・用具として人間社会を訪れ・役立って欲しいと願う。

このような儀礼・考えは、日々の食糧を自然に求めた“漁狩猟採集民”としてアイヌの人たちの世界観を如実に物語っている。カムイは“カムイモシリ”と呼ばれる神の国で、人と同じ姿で暮らしていると信じられていた。

アイヌのアミニズム信仰は、縄文時代から引継いだ“自然崇拝”を体系化し、より分かりやすく、行動しやすく、日常生活の祈り儀礼に結びつけたと云える。

縄文時代の自然崇拝、「大地に感謝し自然と共生する」信仰は、農耕社会になった弥生時代以降も、“神道”の自然崇拝思想に引継がれていった。

そこには、深い森林に覆われた山並みに、心の安らぎ・神秘を感じ、森の奥に“カミ”が鎮座し、岩や石に“カミ”が宿っているという自然信仰に通じる。
このようなアミニズム信仰こそ、世界を破壊から救い、平和を招来する“道しるべ”であることを示唆している。

今回も長い間、お付き合い頂き、有難うございました。
チョット心残りではありますが、取りあえず第一幕は引きます。

明日からスタートする「沖縄の歴史・文化」にも、引続きご支援・ご愛顧のほど、宜しくお願いいたします。