過労死予備群の「食から笑顔になる生活」

夜討ち朝駆けで仕事する日々。忙しくとも自分なりの手間をかけて、美味しく笑顔になる生活を志します。

コラム・国家百年の大計のない国で、老いていくこと。

2019-06-09 14:41:00 | 曇り空に旗をたてる
数日前に衝撃を受けた方は、私以外にも、たくさんいらっしゃると思います。いわゆる「年金以外に二千万円」問題です。
これについて、考えを整理したいと思います。


★辛口です。お料理の話、楽しい話ではありません。★


65歳から年金を19万/月うけとる夫婦が、95まで三十年間生きていくには、二千万円の不足が生じる、と金融庁が報じた。
この試算は、現行の生活費統計に基づく。生活費が25万前後かかるとして、年金支給額との差額である5万円前後が赤字となる。三十年なら二千万円必要と、ざっくり掛け算したものらしい。

この積算を公表した裏に、何を読むか?
若いうちから、積立型、分散投資をして、金融機関に金をおけ。
退職せずに、安い額でも就労継続しろ。高齢者は心して生活して、親族の扶養か、生活保護か、あるいは彼方へ……。

そんなことまで、邪推したくなる思いがしました(微苦笑)。


家計の選択肢は、様々です。計画通りには行かない。
教育費、健康に費やすお金、就労をいつまでする、介護や相続、等。
それらの先に、自分達の終の棲家をどうする、退職後のやっとの自由な時間にやりたかったこと、1/2の確率での癌との共存生活、がくるのです。

自分達の健康とお金、そして運不運の風向きに、願いをかけます(微笑)。

お金は、年金を生活に、わずかな蓄えを余剰資金に、じゃ、高齢者は暮らせないの? そう、祈りますよね。


たった15年前、2004年に自民党と公明党が鳴り物入りでブチアゲタ、「年金100年安心プラン」は、どうなったのでしょう!
多くの勤労者世帯、私達は、それを老後の安心に、少しでも、信じようとしていたはず、です。

だから、金額は減っていくとしても、年金はあるとして。じゃ、贈与税の軽減のために、高齢者は貯蓄を取り崩して、孫への教育費支援信託を組んだり、直系の子供の住宅取得費に当てたりしたはずです。2013年度以降、国の政策は、そうでした。

そうさせてから、二千万円いるよって、さらっとイッテのける。(笑)
国家による信用詐欺みたいに感じるのは、五十代以上だけでしょうか。(怒)


年金100年安心プラン、って、国民の安心のためだったんじゃないの?

いいえ、違うんです。

2011年2月に、公明党が自分達の業績を伝えるために書いた内容が、分かりやすいので、抜粋しました。
=====
○当時厚生労働相だった坂口力副代表が2004年に中心になり「持続可能な年金改革」を成し遂げた。

○100年先までの日本の人口構成の変化を出し、いつの時点でどれくらいの年金額が必要か計算。今は5年分ほどある年金積立金を100年先に1年分だけ残るようにし、残りを後世代のために取り崩せばやっていけることが判明した。

○「年金100年安心プラン」とは?
①保険料は18,3%を上限に2017年まで段階的に引き上げ、それ以上保険料が上らないようにした。

②もらえる年金はモデル世帯で現役世代の手取り収入の50%を確保。

○年金改革を実現するために、国庫負担を1/2に引き上げ、積立を活用して後世代の給付に充てる、負担の範囲内で給付水準を自動調整する仕組みも導入する。

○2009年の財政検証(年金財政の5年後との「定期健診」)でも、今後、100年にわたり、50%台を維持できると試算されています。
=====

最初から、現役世代の手取りの50%の年金がでたら、成功! それに不足するなら、積立を取り崩してOK、という「年金を続ける安心」だったのでした。


最初から、年金は、現役世代のモデル世帯の半分が上限。残りは、自助努力次第、だったのです。(寂)
年金は大丈夫、っていう、国をあげての宣伝は、こういうことでした。

ここ数年、後期高齢者の経済破綻が、増えていることは、既に報じられています。金融庁のワーキンググループは、さらっとでも、お金がいるんですよって言わなくてはならないと、思ったのではないかしらん……。


本当に恐ろしいことは、まだ隠されています。

▼2004年よりも、年金受給者グループは増えています。25年以上、納める条件は緩和されています。時間勤務、派遣労働に対しても、門戸は拡がっています。受けとる数が、想定より増えているのです。

▼現役世代の手取り年収は、増え続けていません。と、いうことは、50%の支給額は減ることも可能です。

▼5年ごとに見直す、ということは、恒久的な保障ではなく、制度は変わり得る、ということです。


結局、自助努力を続けるという、老後の不安感から、逃れることができない。いつまでも不安で、限りがない…。情けない…。


教育、国民皆保険、年金は、国の基本です。利益が生まれないからこそ、国が責任をもつ仕組みなのです。

だからこそ、政治のオモチャにするのではなく、国家百年の大計によって、護り続け、工夫を引きついでいかねばならぬのです。
約束を違えず、続けることで、国民は安心できて、信頼の上での自発創世、民業を延ばしていくことができるようになるのです。

私達の国に、いま、信じていける、国家百年の大計は、あるのか?
相互扶助による、皆の幸せを護る仕組みは、機能し続けていけるのか?
弱肉強食で、勝つ奴になれは、いいのだと、落魄れるのか?

国民は、なぜ、怒らないのか?
後だしじゃんけんされて、負けて、腹がたたないのか?

皆さん、よく見て、よく考えてください。
貴方の未来、貴方の家族の未来の姿は、みんなで、手を取り合って、分かち合うものになっているために、まだ何か、出来ることがあるはずです。

(2019年6月 過労死予備群、記す)

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