長崎県の「ぽてと倶楽部」(農家)さんから、10月下旬に収穫された九州のブランド米「にこまる」が届いた。『クロワッサンプレミアム』特別編集号の取材を通して知り合い、掲載させていただいたことから、23年度産を注文していたのだけど、結局プレゼントしてくださったのです。ぽてと倶楽部さん、有難うございました。
お米と米粉の研究者である新潟大学の「米粉先生」(と私たちがそう呼んでいる教授)から、「にこまる」の育成者のひとりである九州沖縄農研の研究者・坂井さんを紹介され、坂井さんから生産者であるぽてと倶楽部の永田さんを紹介していただいたのである。
永田さんはエコファーマーである。エコファーマーというのは、土づくりと化学肥料・化学合成農薬の低減を一体的に取り組んで作物づくりを行う、都道府県知事に認定された農業者のことだ。
お米とともに入っていた上のお便りには、次のように書かれていた。
「ながさきにこまる」をご注文いただき有難うございます。9月上旬の「にこまる」の出穂開花期に、九州の東海上をゆっくりとした速度で北上した台風12号の影響で、長時間にわたって揺らされたため心配していました。ところが、台風が通過した後は熱帯夜かた解放されて、近年にない昼夜の寒暖の差があったことがお米にとっては良かったようです。
今年も白米をご注文の皆さまへは、お米に負担をかけない昔ながらの精米方法で、時間をかけて少しずつ繰り返して搗きあげました。食味ランキングで3年連続「特A」の評価を受けた「ながさきにこまる」の特別栽培米(※5割減農薬・減化学肥料で栽培)をどうぞご賞味ください。今後とも応援よろしくお願いいたします。
作物を大切に育てていることが分かる文章の下には、ちゃんと栽培履歴(いつ種籾を播いて、田植えをして、追肥をして、防除をして、出穂を確認して、稲刈りをしたかの記録)が書いてあり(お米のトレサも制度化されたということもあるけど)、「籾殻消毒は薬剤を使用せず、微生物で種籾を包み込むことで細菌をガードする方法を毎年採用しています」とエコファーマーらしく、籾殻の消毒に配慮していることも記載されていた。
永田さんのお便りにあるとおり、「にこまる」は「米の食味ランキング」で、3年連続して最高ランクの「特A」と評価されているお米で、粘り、甘み、やわらかさ、炊き上がりの色ツヤも「コシヒカリ」に勝るとも劣らないと高評価を得ているお米だという。そうと聞けば食べてみたくなるじゃありませんか。
味や品質だけでなく、温暖化傾向を見越して高温耐性を兼ね備えた、高収量の品種で、今後も各地で作付けされることが予想される優良品種だそうだ。「粒も大きいですよ」と永田さんが言っていたとおり、送られてきた「にこまる」は「ゆめぴりか」という北海道のお米より若干粒が大きかった。
左が「ゆめぴりか」、右が「にこまる」
「ゆめぴりか」も北海道待望の新品種として『クロワッサンプレミアム』で取り上げたのだけど、偶然にもお取り寄せ好きの知り合いのお姉さんが「現地で食べて美味しかったから」ということで取り寄せ、先日私にも送ってくれたのだった。これから食べ比べてみたいと思います。
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