<新・とりがら時事放談> 旅・映画・音楽・演芸・書籍・雑誌・グルメなど、エンタメに的を絞った自由奔放コラム
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先日、東京からの帰りに名古屋に寄った。
打合せがあるからと訪問したお客さんは名古屋駅から販売店の自動車で15分ほどのところ。
近くを庄内川という大阪で言うと神崎川のようなお世辞にも綺麗ということのできない一級河川が流れていて工場と古い住宅街が同居しているような地域で、雰囲気としては人口はそこそこありそうだが天気がいいのに人が歩いている姿がほとんどなく、とても寂しそうなところなのであった。

仕事の打ち合わせが終わり、帰りは販売店は別の地域に行かなければならないというので名鉄の駅の近くと思われるところで下ろしてもらった。
実はここから名鉄の乗り場を探すのが大変なのであった。

駅そのものは川向うに見えているのだが、どうやってそこへたどり着くのか道に標識はない。
普通であれば「〇〇駅右折」みたいな看板が出ているのだが、それもない。
iPhoneを取り出してGooglemapで検索してみたが駅の入口がどこなのか表示がない。
果たして本当に駅があるのか。
あの見えている駅は存在しているのか。
午後の淡い日差しが差し込み一級河川のきったない流れがキラキラと輝きどこか夢をみているのではないかという錯覚に囚われそうになった。
そういべ子供の頃に見た「ウルトラQ」でこういう景色をみたような気がする。
もしかするとこの街はエイリアンに乗っ取られているのかもしれない。
などと想像しつつ駅の方向へ歩いた。

駅の近くの道は古い町なみが残っているので昔は街道だったのか、それにしても駅を示す標識がない。
Google Mapでは駅前ロータリーらしきものが表示されているのでそちらに向かって歩いてみたものの駅のホームはすぐそこに見えるのだが駅の改札が見当たらない。

「もしかして反対側?」

そう思って反対側へ歩いてみたもののやはり入り口はない。
ないどころか何やら寂しい昭和時代の住宅街みたいな風景で果たして駅にはホームはあるが入り口が無いのではないか、と思わせる静かな不気味さが漂っていた。
駅の端っこが少し土手になっていて階段がついていたのでそこを上がってみると、なんと駅の入口がそこにあったのだ。
駅名の表記は小さく書かれていて駅員はいない無人駅。

「なんじゃいここは?」

ダイヤを見てみると1時間に2本。
とんでもないところなのであった。
線路は名鉄名古屋本線なので電車はひっきりなしに通るのだが全部通過。
なかなか停車する各駅停車はやってこない。
ここは名古屋駅まで15分ほどの近いところ。
ビックリなのであった。

ようやくのこと電車がやってきたら2両一組の古いでんしゃが2つ継った両編成で中も淡いグリーンの塗装が至るところで剥げているお年を召した車両。
今どき関西や関東では見かけることのできない年季の入った車両なのであった。

名古屋ではこういうのは普通なのか駅の駅名がしっかり表示されていないところが少なくない。
以前、近鉄名古屋駅が奥まったところにあって見つけるのに苦労したことがあるのだが、今回はそれ以上。
名鉄線はおまけに路線が複雑怪奇に分岐していて、これもまたよくわからない原因になっている。
名鉄線は迷鉄線なのであった。


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