平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

ジップの法則

2008-02-05 20:01:11 | 数学

ジップの法則とは何か?
「武者利光:ゆらぎの世界、ブルーバックス、講談社、昭和55年」には、このように書かれています。

引用ここから…

分布のことにふれたついでに、少し型破りな分布法則について述べておこう。自然界に行われている分配の仕方には不思議なことが多い。
日本の都市の人口分布を調べてみよう。大都市から地方都市へ、また地方都市から大都市へ人が往来しているが、都市の人口の間にはある調和が保たれている。
昭和53年9月30日現在の統計によると、特別区のみの東京都の人口は828万9000人で最も多い。そのつぎが横浜市で271万7000人、つづいて大阪市262万人、名古屋市208万8000人などとなっている。
人口の多い順にこれらの都市を並べ、縦軸に、人口に比例した長さの棒をたて、「棒グラフ」を作ると、不思議なことに双曲線ができる。
つまり、「順位」と「人口」の積をとると、どの都市もほぼ一定の値を示すのである。
この関係をはっきり見るためには「両対数方眼紙」を用いるとよい。この方眼紙の上で人口を示す点が一直線上にならび、しかもその傾きが右下がりで45度になれば、双曲線上にあると判断してよい。

ここまで…

平成10年の日本の人口統計を使ってエクセルでためしてみました。
やってみると、全然合わないのです。
左の画像がそれです。直線は、[順位]×[人口]=1千万、の双曲線です。特に20位以降が合っていないように見えます。

つぎに、[順位]×[人口]の値を見てみましょう。

右の画像です。
な~んだ、初めから終わりまで合ってないじゃない。

このグラフのどこが一定なんですか、武者先生。

武者先生は、同書のなかで、

「人口が20万~30万人の都市は町村合併など、人為的な作為が強くはたらいているせいか、直線から少しずれている。」

と述べておられます。

しかし、そもそも、都市は自然発生的に生まれるものでしょうか。
形成に当たって、人為的な作為が働いていない都市など存在するでしょうか。

私は23年間、ジップの法則を盲信していました。
なんたらの法則という類は世の中にたくさんありますが、
無条件に信じちゃいけませんね。
すこし反省しました。


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