この本は名著です。
私の座右の書で、これまで繰り返しボロボロになるまで何度も読んできました。
3月に現役を退いて自由(暇)になったのでまた読んでいます。
今井先生は複素関数と流体力学の関係について次のように述べています。
流体力学の色々な問題に関数論を利用しているうちに、
いつしか’渦無し流れ’が’正則関数’そのものではないかという気がするようになった。
それは、渦無し流れを支配する方程式が正則関数を条件づけるコーシーリーマンの
関係式と一致することから当然なのであるが、ふつうは、この一致によって正則関数論
の成果が流体力学に応用されるというように考えられている。
筆者はむしろ、’渦無しの流れは正則関数のグラフである’と考えたい。
これによって、関数論の諸定理の意味が直観的につかみやすこなるのである。
’渦無し流れは正則関数のグラフである’は大きなヒントですね。
このような観点で流体力学を学べば複素関数論がよく理解できるようになるし、
複素関数論が直観的にわかるようになれば、流体力学の理解はさらに深まります。
(つづく)