平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

ギネスの認定を受けた揺れ

2011-06-17 06:06:38 | 地震


■ マグニチュード
M7.2(気象庁暫定値)

■ 最大加速度
NS : 1143.2gal
EW : 1432.6gal
UD : 3866.0gal
3成分合成 : 4022.1gal

■ 震度
計測震度:6.39
震度6強

東北地方太平洋沖地震ではない。2008年6月14日に岩手県と宮城県の県境付近で発生した地震である。防災科学技術研究所kik-netの一関西観測点では、4022.1gal(3成分合成)を観測し、世界最大加速度としてギネスブックに認定された。この地震動の特徴は、上下方向加速度が大きいことである。1Gをはるかに超えている。逆断層型地震の震源付近では、このような揺れが発生する。
5月6日に浜岡原発の運転停止要請が突然発表された。私はよかったと思っている。不満なのは、津波対策が完了するまでの暫定措置であることだ。東海地震が起きるとき、浜岡原発は津波では壊れない。振動で壊れるはずである。正確に言えば、上下動による衝撃破壊である。一関西観測点で経験したような上下動を受けると、制御棒は燃料集合体に挿入できないだろう。しかし、制御不能はまだましである。最悪の場合、圧力容器および格納容器の脆性破壊が起きるかもしれない。原発の設計では、上下動の動力学的効果は全く考慮されていないのだ。
自然災害はいつも想定外だ。そもそも想定できていれば災害にならない。浜岡原発の津波対策を万全にしたからもう大丈夫、と思っていたら、激しい突き上げを食らって、原子炉本体が真っ二つ…。災害はそのようなものだ。いつも人間の裏をかく。私たちは、地震についてほとんど何も知らない。分かったつもりになってはならない。


デジタルデータは防災科学技術研究所kik-netからダウンロードした。
http://www.kik.bosai.go.jp/kik/


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