平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

柏崎刈羽原発再稼動について

2018-06-11 17:45:23 | 耐震構造

新潟県知事選挙は与党候補が勝ちましたね。
県民の賛成がなければ再稼動しないといっていますが、安倍一族には逆らえないので結局再稼動するのでしょう。
耐震技術者として言わせてもらえば、あれは再稼動しちゃいけません。
2007年新潟県中越沖地震の際に激しい揺れを受けていて、原子炉やその他の重要施設にどのような損傷が生じているかわからないからです。
損傷調査をしたというけれど外観目視でしょ。そんなの全然意味ないです。
格納容器のどこかが塑性化しているかもしれないし、どこかに亀裂があるかもしれない。ミクロの損傷は外観目視調査では捕捉できません。
あれほどの強い揺れを受けた原子炉を再稼動させた事例は世界のどこにもないです。
事例がないし、実験もしていない。ぶっつけ本番でやる。そりゃ危ないですよ。何が起きるかわからない。
格納容器に亀裂が隠れていて、稼働中に亀裂が伸展して脆性破壊するかもしれない。
運転中にチェルノヴイリのような事故が起きたらたいへんですよ。
日本だけじゃ済まない。人類全体の大問題になります。

まあ、どうしても再稼動したけりゃしろ。
そのかわり、もしも事故が起きたら責任者を死刑にしてくれ。
責任の所在と責任の取り方をはっきりさせてからやってくれ。
でも、「事故が起きたら死刑」ということにしたら、それでも再稼動するという根性のあるやつは一人もいないはずですよ。
日本は昔からそうですが、いざとなったら誰も責任を取らない。
昭和天皇を筆頭に責任の重い順に逃げていきます。
何が起きても責任を取らなくてよいので、やろうと言うんです。

さて、ここで2007年新潟県中越沖地震の揺れを見てみましょう。
波形はK-NET柏崎(NIG018)の観測波です(震度6強)。
K-NET柏崎は砂地盤の上にあるため液状化が起きています。
波が尖っているのはサイクリックモビリティとよばれ、地盤が液状化したときに見られる現象です。
加速度応答スペクトル(h=0.05)も面白い形をしてますね。

■ 地盤条件



 地震波形

■ 加速度応答スペクトル

 

追記 2018.06.12



「知事選の結果を受けて」と言ってる 
花角=再稼動には慎重、じゃなかったの?