平ねぎ数理工学研究所ブログ

意志は固く頭は柔らかく

地球温暖化-CO2主因説を疑う(4)-

2008-01-25 01:21:46 | 地球温暖化
【NHKスペシャル、気候大異変、地球シミュレータの警告、NHK「気候大異変」取材班+江守正多[編著]、2006年】の帯には、つぎのような煽情的なキャッチコピーが綴られています。

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もう手遅れなのか
最新スーパーコンピューターが詳細に描き出す、
驚異のスピードで
変貌する地球の姿。
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別の意味で驚異的です。公共の福祉に資すべきNHKが、公衆をこれほどまでに煽ってよいのでしょうか。
同書のページをめくってみると、あるわあるわ、地球シミュレータによる100年後の地球の変わり果てた姿が、これでもかとばかりに描かれています。CGを駆使して、おどろおどろしい色彩で。

散散煽った挙句、編者の江守正多氏は「あとがき」にこんなことを書いています。

抜粋ここから…

もしかしたら、みなさんは、「科学的」とよばれる認識がこんなにも修正されることに驚いたかもしれない。[ねぎ注 : 認識が修正される=20世紀半ばに寒冷化を唱えた専門家が、その舌の根も乾かぬうちに温暖化を唱えている]
科学は客観性を武器に世界のすべての真理を決めてくれるものではなかったのだろうか。いや、むしろ科学は、それが客観性を重んじるがゆえに、常に暫定的な真理しか導けない。それが科学の宿命なのである。
特に温暖化の科学の場合、いまだに残された課題は多い。たとえば、温暖化にともなう雲の変化、エアロゾルの役割、植物中や土壌中の炭素の変化、南極の氷の溶ける仕組みなどについて、まだまだこれから研究が進み、それによって我々の理解はその都度修正され、より優れたものになるだろう。
その過程で、「温暖化の理解はすべて間違いでした。これからはみなさん安心して二酸化炭素を出していいですよ」ということになる可能性が完全にゼロとはいえない。万が一そうなったとしたら、私を含めて専門家はつるし上げを食らうかもしれないが、人類にとってはどんなに安堵すべきことだろうか。

ここまで…

要約するとこういうことです。

① 科学は、それが客観性を重んじるがゆえに、常に暫定的な真理しか導けない。それが科学の宿命だ。
②温暖化の解明には未だ課題が多い。
③CO2温暖化説が間違っていたとしてもやむをえない。科学とはそもそもそういうものだ。結果的に人類に害が及ばないのだからHappyじゃないの。科学者はリンチにあうかもしれないけれど。

結局、彼が言いたいことは、

「CO2温暖化説が間違っていても、科学の不完全性に原因があるのであって、私が悪い訳じゃない…」

彼は逃げる準備をしながら公衆を煽っている。
なんたる無責任!
呆れますね。