tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

小さい秋を見つけに(8)

2008-09-13 13:48:55 | プチ放浪 山道編

 
 

【撮影地】静岡県富士宮市粟倉地先(富士山)(2008.8月撮影)
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久須志(くすし)神社の前の人ごみを抜けて、下山道を横目にそこから見えた朝日岳のトップへ。このときに、ぼくはどうしてもここには前に来たことがあるような気がしてならなかった。いつ来たんだっけ・・・・・・。疲労のピークに達していて、思考もままならない。
登ろうとする意思に逆らって、サボタージュを決め込もうとする両足を元気付けつつ登坂。いつここに来たのか思い出せぬまま、朦朧として、朝日岳の頂上の鳥居のそばでひと息。そして、おもむろに下山。このとき、富士山の最高地点である剣ヶ峰のことなど、まったく頭になかった。とにかく、頭がもうろうとしていた。
下山は須走口を目指す。下り坂なので、最初は面白いようにスピードがあがるのだが、しばらく行くと腿がパンパンにはってくる。スキーも現役から遠ざかっているから、すっかり下り坂に使う筋肉もおとろえてしまったようだ。気を付けないと前に吹っ飛ぶこととなりそうなので、体重を後ろにかけ、かかとで降りる感じで一歩ずつ慎重に降りた。

下山の途中も、何度も天気が変わり、ぼくはその度にウエアーで調節した。6合目ぐらいからは、夏の強烈な日差しに変わり、天気も30℃ぐらいまで上昇。
あとゴールまで小一時間ぐらいというところで、追い越した集団の中から呼び止められ、振り返るとそこに北尾君がいた。そして、他の3人も笑顔でそこにいた。また彼らと会えた。先ほどはあっけなく別れてしまったので、せめて握手でもしたら良かったと言ってくれた。
ぼくらは携帯の番号を交換し、途中で撮った写真をメールで送ることに。こんな、なんちゃってトレッカーのぼくでも、彼らにとってぼくがいることで、道中がずいぶんと心強かったらしい。もちろん、ぼくの方も、最初から単独登頂だったら、オーバーペースで途中で挫折していただろう。彼らと同行することで、ずいぶん登坂の苦しさが癒された。ありがとう。

こうして、ぼくの8月は終わった。なお、富士山の頂上で体験した強烈なデジャ・ヴ は、極度の疲労と、酸素不足(高山病)から、脳内の視覚神経経路と思考経路にタイムラグができたことによると考えるのが妥当だろう。つまり、実際に見た視覚イメージに頭が付いていっていないということ。恐るべし、富士山。
5合目のバス停にたどり着いたときは、まずは下界で、あびるほどスポーツドリンクを飲むか、どこかのプールに飛び込んでオーバーヒートした体を冷やしたい一心だった。



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