tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

小さい秋を見つけに(2)

2008-09-02 20:46:02 | プチ放浪 山道編

石神井高校の山岳部が建てた石神井ケルン(標高1974m)。冬の尾根では天候が荒れると方向が判らなくなって遭難を起こしやすい。八方尾根には6つのケルンがあるが、これらのケルンは遭難が2度と起こらぬことを祈って、建てられたものだ。
息(やすむ)ケルン(第2ケルン)を経て、標高2035mで迎えてくれるのが八方ケルン。さらにもう少し登れば、雪によってずり落ちた土砂が堆積してできた八方池を見下ろす第3ケルン(標高2080m)に辿り着く。
結局、白馬三山にかかる雲は晴れることなく、ぼくは八方池をあとにした。
濃いガスの中にシルエットとして浮かび上がる八方連山。ハイマツの緑に白い雪が爽やかなアクセントとなり、山を美しく彩る。そして、足もとに咲く可憐な花たち。屹立する岩山と優しげな花の対比が、見事な調和をみせる。これからも、八方がよい環境でありつづけることを願わずにはいられない。

兎平まで降りて、山を振り返ると、なだらかに続く登山道に蟻の行列のように人の流れが見た。皆、山が大好きなんだ。
最初にスキーで訪れた八方は、大雪だった。ゲレンデで一休みしていたら、深雪でコントロールを失ったスキーヤーが頭上に降ってきた。幸いエッジで頭を切ることはなかったが、突然、背後からぶつかられたためにダメージが大きく、しばらく雪面から起き上がれなかったっけ。
八方兎平ゲレンデ。斜面の上に立つと、なんとなく、冬のコースのイメージが浮かび上がってくる。
さよなら、ぴょんぴょん平。またいつか遊びにくる。八方連山を見れなくて残念だったけど、「山は逃げない」から、またこんど登りにくる。山は心をあとに残す方がいいかもしれない。幾度か登り損ねたあげく、ようやくその山頂を得た方が、はるかに深い感動がありそうだ。そしてぼくは、今晩、富士山に登ろうと心に決めた。

大糸線の一両だけの電車、ワンマンカーから見た田園風景。雨の中の田んぼの縁に、案山子がぽつんと立っていた。小さな、小さな秋を見つけた気がした。







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