長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

忘れがたき一杯の茶

2016-08-11 08:27:52 | Weblog

午前中は「卒啄珈琲塾」。いい香りに包まれるけど、もくもくサロン。

昔博多に「もくもくサロン」というたばこ屋か葉巻やみたいなものがあった。

浪人中のころだったから昭和50年ころ。でも喫茶店もパチンコ屋も飲食店も

どこでも「もくもくサロン」だった。今は愛煙者の肩身が狭く、居場所がかなり制限される時代になった。

天真庵のカウンターは、近くの居酒屋の「百尺」というお店から譲りうけたものだ。ソフトバンクの王さんも

縁があり、カウンターにとまったらしい。この界隈には「元祖ちゅうはい」のお店が何店もあり、そこも

そのひとつとされる伝説の店だったらしい。店名の「百尺」は、夏目漱石の「草枕」の一節から命名

された。それを読むと、このカウンターの素材が「ひのき」であることがわかる。

昨日はソフトバンク時代の戦友が煎茶の会にきた。奥さまは、佐賀出身なので、昨日は

売茶翁の話をし、福岡・星野村の「しずく茶」を楽しんだ。そのくんが「お茶がほとんど飲めないですね」

というので、草枕の一節を紹介した。玉露は飲むものではなく、舌の上にのせて甘露を味わうものだ、

みたいなことが書いてある。吾輩は猫ではないが、「草枕」は吾輩のバイブルである。

能登半島から毎月通ってこられる奇人、いや貴人さんたちと、愉快なお茶会を楽しんだ。

今日もこれから「もくもくサロン」で午後は、無茶しぃの会。

売茶翁が茶道具を背負ってお茶を売る時、「清風」という旗をたてた。

一服の茶を喫する、というのは、自然と一体になることであり、風やさやさやという水の

流れを感じる時でもある。昨日は能登で汲んできた水を使って楽しんだ。一期一会の刹那の幸福。

 


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