午前中は「卒啄珈琲塾」。いい香りに包まれるけど、もくもくサロン。
昔博多に「もくもくサロン」というたばこ屋か葉巻やみたいなものがあった。
浪人中のころだったから昭和50年ころ。でも喫茶店もパチンコ屋も飲食店も
どこでも「もくもくサロン」だった。今は愛煙者の肩身が狭く、居場所がかなり制限される時代になった。
天真庵のカウンターは、近くの居酒屋の「百尺」というお店から譲りうけたものだ。ソフトバンクの王さんも
縁があり、カウンターにとまったらしい。この界隈には「元祖ちゅうはい」のお店が何店もあり、そこも
そのひとつとされる伝説の店だったらしい。店名の「百尺」は、夏目漱石の「草枕」の一節から命名
された。それを読むと、このカウンターの素材が「ひのき」であることがわかる。
昨日はソフトバンク時代の戦友が煎茶の会にきた。奥さまは、佐賀出身なので、昨日は
売茶翁の話をし、福岡・星野村の「しずく茶」を楽しんだ。そのくんが「お茶がほとんど飲めないですね」
というので、草枕の一節を紹介した。玉露は飲むものではなく、舌の上にのせて甘露を味わうものだ、
みたいなことが書いてある。吾輩は猫ではないが、「草枕」は吾輩のバイブルである。
能登半島から毎月通ってこられる奇人、いや貴人さんたちと、愉快なお茶会を楽しんだ。
今日もこれから「もくもくサロン」で午後は、無茶しぃの会。
売茶翁が茶道具を背負ってお茶を売る時、「清風」という旗をたてた。
一服の茶を喫する、というのは、自然と一体になることであり、風やさやさやという水の
流れを感じる時でもある。昨日は能登で汲んできた水を使って楽しんだ。一期一会の刹那の幸福。
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