長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

よかちん

2010-10-23 08:15:35 | Weblog
昨日のバロックコンサート&ワイン会は、最高の
会になった。バッハのカンタータを聴きながら、
最初に、「ドルチェットダルバ」を開ける。
イタリアの有名なワインの作り手パロッコ神父の
教会でつくられたワインだ。天真庵が池袋で結ばれたころ、
東京芸大を卒業したばかりの長崎くんと、陶芸家の
久保さんが、共同でイベントをやってくれた。その時に、
庭を竹中心でつくってくれた。そのころ、よく彼と、
「打ち合わせ」と称して、このドルチェットダルバを昼から
グビグビ飲んだ。「今のもの」といわれるそのイベントが、
いろいろな芸術家を天真庵と結びつけた。

次に京都から「染めもん展」でやってきた染織アーティストの
河野さんが、京都弁で「次のん、あのきれいなラベルのいきまへんか」
というので、イタリアの画家、サンドロキアの「モレリーノ デイ スカンサーノ」
を開けた。最初のワインより、ずっしりと重くて、バランスのいいワイン。
昔、芸大の人たちと飲んでいたころは、もっとグロテスクな、男の裸が
描いてあるやつもよく飲んだ。名前が覚えにくいので、そこのワイン会社の
女性社長に電話で「キンタマワイン・・」なんていって頼んだ。

次に、カウンターの女性の常連さんが、「私、微発砲のワインがすき」
というので、「バルベーラ デイ モンフェラート」を開けた。
霜降の前日とはいえ、爽やかな感じがするワインだ。京都から
きたろうけつ染め富夢さんも河野さんも、バロック音楽とワインに
酔いしれて、顔が真っ赤になっているので、「いい顔色してまんな」
と京都弁でからかうと、「わしら、染めもんやさかいな」とかえってきた。

最後は、イタリアワインといえば、「キャンティクラシコ」を開けながら、
ヘンデルのトリオソナタを聴く。みんな、まるで王室に集まってくる
紳士淑女みたいに、秋の夜のバロック音楽&ワインを堪能した。
このコンサートを企画してくれた「かよちゃん」こと、渡辺佳代子さん
は、大阪生まれで、大阪芸大を出て、ベルギーに留学し、帰国して
近くに住んでいて、「墨田ぶらり下町音楽祭」を企画してくれた人でも
ある。天真庵が「クラシックカフェ」みたいになったんは、この人の
せい(お陰というか)。ヴィオリンの廣海史帆さんは、奈良出身。
染めもん展のふたりが京都なんで、「秋の芸術 三都物語」
みたいなもんかも。史帆さんとピアノのまりちゃんこと、山縣万里
さんは東京芸大。今の天真庵の改装をやってくれた中西くん、うな、
林くんも東京芸大出身。

アンコールは、「天真庵の喜代美さんに、先月姪っ子が
生まれ、カノン(華音とかく)という名前になりました。」
というところで、拍手がおこり、パッフェベルのカノンが
奏でられた。元気が旅立った時にも、音楽家たちが、追悼の
曲をやってくれたり、生まれくる命に対して、喜びの音楽を
やってくれたり、こんな不思議な音楽カフェ?をやってきて
(勝手にそうなってきた感があるけど)こんなにうれしいことは
ない。

音楽会が終わって、三人の音楽家に蕎麦を出し、
東京芸大に昔から伝わる「ヨカチン」をお返しに
やろうとしたら、喜代美さんに、とめられた。

今日明日は、京都の染めもんやさんが、天真庵を京都色に
染めてくれはる日。

31日(日)は「JAZZ十間橋」。
うらぶれたシャッター通りに、ひがなJAZZが流れる。
元気のない町も、元気でない人も、JAZZのカタルシスの
力で元気になる。そんなささやかな魂が、優美に広がって
いけばいい。これからは、「元気なやさしさを拡げていける
人が活躍する時代」だと思う。 感謝。



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