長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

JAZZ十間橋が、本日はじまりはじまり

2010-10-31 08:39:53 | Weblog
いよいよ本日、「JAZZ十間橋」が開催される。
昨日、どしゃぶりの雨の中、たくさんの人がチケットを
買いにこられた。最後は閉店間際に、ピアニストの文庫くんが「チケット買う
のわすれていました」といって、買いにきた。彼は昨日35歳の
誕生日だった。前世から、ずっと生きてきたような人が時々いるけど、
ピアニストの赤松林太郎くんと同じく、「押上に住むピアニスト」の
ふたりは、30歳とか40歳とかいう「くくり」にはあてはまらないような
人だ。

閉店した後、家に帰り、DVDの「鬼平犯科帳」を見たあと、テレビのチャンネルを
まわして(チャンネルはない・・)みたら、アド街ック天国、がやっていて、
初めて見た。「鐘ヶ淵」がテーマだった。先週、女好きのオカマのMくんと、
「カトリカ」でピザを食べ、歩いた街だ。あの街では、「カトリカ」が一番
お気にに入りのお店だけど、ある意味、テレビにでなくて、ほっとした部分もある。
今日の「JAZZ十間橋」も、アド街ック天国が取材にやってくる。来年の正月に
放映される特番に、でるらしい。テレビにでたからくる人よりも、そんなこと
関係なしにくる人との縁を大事にしたいと思う。
*好きだ好きだと鳴く蝉よりも 鳴かぬ蛍が身を焦がす

でも昨日のテレビで、鐘ヶ淵という街が、「チュウハイ街道」と呼ばれているのを
はじめて知った。

天真庵のカウンターは、かつてこの通りにあった「百尺」(ひゃくせき)という
居酒屋が解体されるときに、譲りうけたものだ。初めてこの街に来た日に、
今の天真庵の物件を見つけ、契約をした日の帰りに、解体現場に埋もれて
いた檜のカウンターと運命的な出会いをした。「無駄のない縁」が濃い時期だった。
その「百尺」というには、夏目漱石の「草枕」の冒頭にでてくる。
そして、その店の主人が考案したのが、「チュウハイ」で、別名「元祖チュウハイのお店」であったらしい。


草枕は、「山道を登りながら、こう考えた」から、始まり、あの有名な
「智に働けば角が立つ。情に棹させば流される。意地を通せば窮屈だ・・
という有名な言葉がでてくる。読み続けると、
「百万本の檜に取り囲まれて、海面を抜く何百尺かの空気を呑んだり、吐いたりしたも、人の臭いは中々取れない。」というくだりがある。どうも、ここから、
「百尺」と命名し、カウンターに銘木の檜をしつらえたのだと思う。
ここの主人(故人)は、リトルリーグで王選手と対戦したこともあるらしく、
時々、このカウンターに王さんもとまったらしい。まことに「縁」
というものは不思議なものだ。先月、草枕を読み返してみて、漱石が
「煎茶」の世界にかなり通じていたことがわかった。天真庵の二階は、
「文人が煎茶を楽しむ間」みたいな空間をめざしている。

どうでもいいけど、時間がせまってきた。興味がある方は、
12時くらいに、十間橋のコンシャルジュ「黒崎竹信堂」(
うちと、spice cafeの中間の角にある)にいって、3000円で
チケットを買って、この街とジャズを楽しんで見てほしい。
何かがおこるかもしれない。おこらないかもしれない。
どちらにしても、「あなた」の問題である。
では、お待ちしている。

「兎角(とかく)に人の世は住みにくい。住みにくさが高じると、
安い所へ越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟った時、
詩が生まれて、画(え)ができる」(草枕より)
音楽もそうして、生まれたのだ。この街にくれば、そのあたり
がよくわかる。
本屋で「草枕」を買って、押上で降りて、十間橋でジャズを聴く。
いい日曜日になりそうだ。 感謝

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