昨日は「タイムドメイン」だった。
15年近く続いている月に一度の「持ち寄りパーティー」。
気のおけない仲間たちが集まり、いっしょに飲みたい酒、食べたい酒肴、聴きたいCD
を持ち寄る。池袋時代に、ワインの会で出会った集まりが原点だけど、今はだいたい
日本酒の四合瓶をめいめいが持ち寄るのがならわしになった。
昨日は10人集まったので、10種類の酒が集った。季節がら「燗にするといい」ような
酒ばかりで、厨房の中で久保さんの志野の燗鍋で燗をつけていたら、寒さと年の瀬の
あわただしい空気とか、初めて参加された人の新しい風、親の介護や、仕事の悩みや、
重苦しい世相などが、そうさせるのか、すごい勢いで燗酒がみんなの胃の腑に落ちていった。
「明日で地球が終わり」という日がきたら、こんな酒宴で迎えたい、といつも思う。
「おいしい酒を飲む」よりも「おいしく酒を飲む」、「おいしいものを食べる」よりも「おいしく食べる」
ほうが100倍豊かだ。昨日紹介した「源太さんの個展」を見てきた友達が横で、
「点心庵と書いたのは、源太さんのメッセージですね」とつぶやいた。「心に点ずる」
こと、感動がある毎日がたのし。ちょっとした心つかい、こころの置きどころで人生がかわってくる。
寒い日には、温かいものを添える、というのも「点心」の不文律なおもてなしの基本。
いつもは二階の「座敷で蕎麦遊び」に使う京都のたる源の豆腐桶に、絹豆腐と昆布を
入れ、備長炭と燗酒を入れて出した。たる源の織部の徳利には、
「湯豆腐や持薬の酒の一二杯」と書いてある。これを囲みながら酒を酌み交わして
いると、檜風呂にみなでつかりながら飲んでいる気分になる。
「居」 いまこうして、気のおけない仲間たちと楽しい時間を共有している刹那に感謝、なのだ。
今日は「おんなかっぽれ」
仕込みが終わったら神楽坂の源太さんに会いにいく予定。今年もあと2週間。日々是好日。
これからが楽しみです。