長屋茶房・天真庵

「押上」にある築60年の長屋を改装して
「長屋茶房・天真庵」を建築。
一階がカフェ、2階がギャラリー。

究極の湯豆腐

2015-02-13 08:29:57 | Weblog

二階で普茶料理は、とても楽しかった。

普茶料理とは、普(あまねく大衆に茶を施す、という期待を込めて、

隠元和尚が日本に「禅」といっしょに伝えた料理で、精進料理の基本

になっている。いんげん豆、で親しまれているとおり、かぼちゃなど野菜も

日本に紹介してくれた恩人みたいな中国人の高僧さん。

よって、普茶料理には、豆腐やおから料理や、ヘルシーでスローフードで

日本の風土にもあった料理があまたある。

京都のお寺のまわりにおいしい豆腐やがあまたあるのも、隠元効果。

冬の比叡おろしが吹き、しんまで凍てつくような底冷えがする夜、たる源さん

の湯豆腐桶に昆布の出汁がきいた豆腐を救って、女酒といわれる伏見の名誉冠

かなんかのぬる燗で飲む、という贅沢は、日本人なら一度は味わってもらいたいものだ。

「たかが豆腐」ではない、奥深い滋味が毛細血管の隅々まで染みていくはず。

水曜日は、初めてポールくんが参加。「英語で蕎麦会」というのはあるが、「英語で焙煎」。

石臼にも興味をしめし、らしくないアメリカの青年。ぼくがもう少し若かったら、珈琲の道具や石臼ミル

をかついで、アメリカ大陸を縦断する夢を語ったら、青い目を輝かせていた。

こんな話をしていると、今日あたり、毎月カリフォルニアから蕎麦を手繰りにくるスティーブン

がやってくるかもなんばん。いつも鳥南蛮こと、ほっと鶏そばを食べ、煎茶を飲んでいく不思議なアメリカン。

昨日はベテランさんたちの珈琲塾。昼ごはんに、「湯豆腐」をやった。

うちの「湯豆腐桶」は、特別仕様でお燗ができるように工夫されている。昨日は横で味噌作りも

やっていたので、大豆で一献、大豆が温泉に入っているような寸胴からもれる匂いで飲む酒は、これまた

格別の味がする。

その後は、二階で「無茶しぃの会」。山田まんじゅうをお茶うけにし、星野村の煎茶を堪能する。

「寿」と書いた土岐二三の掛け軸と、木瓜の可憐な花が「春」を感じさせる。   感謝