昨日は自分の「お茶のお稽古」
表参道の「ヒルズ」の裏に、表札もない不思議な建物がある。
ピンポンとボタンを鳴らし、「のーむらで~す」と叫ぶと、ドアが
あく仕組みになっている。もちろん「すーみだです」でも「たーなかです」
でもかまわない。休みの日というのはけっこう疲れていて、
半蔵門線の押上からのり、本を読み始めると、永田町あたりから無精に
睡魔が襲ってきて、気がついたら「渋谷」という場合が、ままある。
昨日もそうだった。そんな時は、青山通りをてくてく歩きながら一駅ぶんもどる。
歩くだけなら20分もあれば歩ける距離だけど、途中に骨董屋だの古本屋だの
誘惑が多い。昨日も古本屋に立ち寄る。「あんつる」さんこと、安藤鶴夫さんの「落語鑑賞」
を見つけた。さっそく読みたくなったので、いきつけないカフェにいき、読みはじめる。おもしろくて、
時間がどんどん過ぎる。中にセピア色した古い新聞の記事。昭和44年の著者の訃報
の記事。糖尿病で60歳で旅立ったことを知る。大好きな氷あずきを食べたら、具合が
悪くなって、そのままいかれたらしい。素敵な文章をいっぱい残した人だけど、かき氷みたいに
命を削りながら書いたことがわかった。
ちょっといつもより遅れて茶室に入ると、後輩で骨董屋の女将が、福岡の一ノ瀬焼きの茶器
で玉露を入れている最中だった。大好きな山田屋まんじゅうと玉露をいただく。
夏目漱石の草枕の世界。
「茶碗をしたへおかないでそのまま口へつけた。濃く甘く、湯加減にでた重い露を、舌の先へ一滴
ずつ落として味わってみるのは閑人敵意の韻事である」
今日は「タイムドメイン」
明日の夜が「スケッチの会」 台風の被害があまり大きくないことを願いたい。