イスラエル軍は、昨日パレスチナ自治区ガザ地区最大のシファ病院での
「ハマスに対する標的を絞った作戦」で、
ハマスの武器や装備を発見したとして、
映像を公開したとBBCが報じています。
一方ハマスは、
病院地下にはイスラエルが主張するような活動拠点はないとしています。
イスラエル軍は同日夜、
同病院でハマスの「司令センター」を発見したと発表し、
併せて、ハマスのものだとする武器や装備の映像を公開したとの事です。
映像は7分間で、イスラエル軍のヨナタン・コンリクス報道官が、
カバーがかけられていた監視カメラや、
MRI機器の後ろに隠されていたカラシニコフ銃を発見したとしていて、
防弾ベスト数着、手投げ弾3個、CD数枚、拳銃1丁なども
映っているとの事です。
司令部の証拠だとするのには、お粗末な感じもしますし、
いずれも持ち運び可能な物ばかりです。
BBCも、この映像の撮影場所と内容が
本当かどうかを確認できていないと注記しています。
また、イスラエル軍が占拠した
ガザの「ランティシ子ども病院」の壁に張ってあった
紙に書かれたアラビア語の文字を指さして
「これは人質を見張るハマスの戦闘員のシフト表だ。名前が書いてある」と
報道官が主張しましたが、
そこに書かれていたのは、人名ではなく、ただの曜日だったとの事です。
その他、イスラエル軍が公開した映像に対しては色々な指摘があります。
そもそもシファ病院にハマスの司令部があるのかどうかにも、
疑問符が付けられています。
シファ病院は、世界の各メディアの記者達がたむろする、
いわばプレスセンターの様な状況であり、
国連関係者やNGO関係者も常に出入りしていて、
人目があり過ぎるのではないかとの指摘もあります。
このように、シファ病院に司令部があったのかどうか、
かなり微妙な感じですが、
イスラエル軍は今更なかったと言えないでしょうから、
強引に証拠だと称する物を集めるのでしょうね。
それが、正に軍人のやり方なのだと思います。
かつて、イラク戦争では、
米軍兵士が民間人を誤射などで殺してしまった際、
その民間人を「現地武装勢力」とするために、
カラシニコフ銃を現場に置くということが、半ば慣例化していたとの
元米兵達の証言もあります。
仮に、イスラエルが主張するように司令部があったとしても、
実際に多くの病人や怪我人がいる病院を攻撃する事は、
国際人道法違反であり、戦争犯罪です。
今の戦況では、司令部を急いで攻撃する必要性はないように思います。
攻撃するにしても、病人や避難民、医療従事者を
完全に退去させてからにすべきです。
こうした攻撃を行ったイスラエルを、
今後信用する事が出来ないだろうなぁと思っています。