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多文化共生とは永続的なココロの営み

【外国人と暮らす 共生の行方】(下)読み書き教え、育てる

2008-11-21 09:38:44 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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【外国人と暮らす 共生の行方】(下)読み書き教え、育てる
2008.11.20 07:59

「いつか世話になる…」高い期待

 日本人が外国人を育て、その外国人が日本人の介護を行う仕組みをつくろうと、日本に住むフィリピン人ヘルパーに日本語を教え、未来の介護現場を担うスタッフを育てる団体がある。NPO法人「てーねん・どすこい倶楽部」(東京都墨田区)だ。

 定年退職した人や子育てを終えた人たちが先生として、社会福祉法人「賛育会」(同)の事務局で週2回、教室を開いている。吉田修理事長(66)は「私たちもいつか介護のお世話になるが、介護の世界はスタッフ数が少なく、日本人だけでやろうとしても無理。1人でも2人でも介護の現場で働く人が増えてほしい」と話す。

 日本語の指導は、日本語教育の専門家が担当。講義の前後に、メンバーがパソコンを使って、介護現場で使う専門用語の読み方や漢字の書き順を教える。吉田理事長は、介護福祉士の資格取得に挑む人向けの特別講義を行う。指導を受けるフィリピン人は、いずれも日本語での日常会話に不自由はないものの、読み書きが苦手だ。しかし、介護現場では、日本語の読み書きは必須条件となる。

 賛育会が運営する特別養護老人ホーム「たちばなホーム」(同)の羽生隆司施設長(51)は「現場では24時間、入居者の状況を文字で情報交換するので、日本語が読めない、書けないのは致命的だ」と指摘。ホームで勤務するフィリピン人ヘルパーは8人。羽生施設長は、明るい性格、熱心な仕事ぶりを高く評価しているだけに、日本語の読み書き能力の習得に期待を寄せる。

 生徒の一人、疋島(ひきしま)ヘルミニアさん(42)は来日して20年以上がたつが、日本語の読み書きを本格的に勉強するのは初めて。教室で学び、勤務先の病院の張り紙が少し読めるようになった。「うれしかった」。来年には介護福祉士国家試験に挑戦する予定で、スキルアップを目指している。

 吉田理事長は「介護だけでなく、農業も工業も外国人がいないと、(日本は)やっていけなくなる。技能を持った外国人を地域に引き留めるため、できるだけ協力したい」と抱負を語る。

 日本に訪れるかもしれない「多国籍時代」を見据え、教室の設置にかかわった早稲田大学大学院の宮崎里司教授(言語政策)は、こう指摘した。

 「外国人と日本人が地域でともに生きていくために、これまでとは違う新しいルールを作る必要がある。同化ではなくお互い学び合わなければいけない」(森本昌彦)

嫁不足…やっぱり国際結婚 秋田・上小阿仁村「行政仲介」を復活

2008-11-21 09:38:04 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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【特報 追う】嫁不足…やっぱり国際結婚 秋田・上小阿仁村「行政仲介」を復活
2008.11.21 03:11

 高齢化率が秋田県内一高い上小阿仁(かみこあに)村は今、村民の結婚促進に積極的に取り組んでいる。村への定住と少子化対策の一環で、これまでも結婚相談員制度などさまざまな施策を試みてきたが、10月にはついに村の広報誌で、フィリピン人女性との国際結婚の公募に踏み切った。現在の日本の縮図ともいえる急速な少子高齢化が進む村の国際結婚にかける期待とその課題などを探った。(木村庄一)

 「フィリピンの花嫁候補を紹介」と題する広報誌の記事で、小林宏晨(ひろあき)村長(71)は「在住外国人交流会で結婚促進を話題にしたところ、村内のフィリピン人妻たちから、その家族や親戚(しんせき)、友人など多くの写真と履歴書をもらった」と公募のきっかけを紹介した上で、連絡先として村長宅の電話番号を掲載した。首長自らがこうした呼びかけをするのは極めて異例だ。その背景には村の深刻な嫁不足問題がある。

 同村は四方を山に囲まれ、農林業以外に大きな産業もない。現在、人口は3000人を下回っており、うち25歳から55歳までの独身男性は約220人にも上るという。

 こんな山村に、隣接する旧鷹巣町(北秋田市)で国際結婚したフィリピン人女性の、母国の知人女性が嫁いできたのが昭和62年ごろ。これを機に、村では結婚相談員制度のほか、花嫁の紹介者や仲人などに最高5万円を交付する仲人報償金交付制度も設けた。また、日本語教室の開催や、若者の出会いの場としてのスキーツアーなども企画。「一時は国際結婚カップルに祝い金として30万円を出したこともあった」(村総務課)。

 その結果、フィリピン人女性との国際結婚カップルが次々と誕生。現在、20組が村内で生活しており、うち1人はすでに日本に帰化。だが、村が結婚に介入することに疑問を呈する声などもあり、各種制度は数年前に廃止された。

 こうした中、行政による国際結婚の推進を公約に掲げ、24年ぶりに行われた昨年春の村長選で初当選したのが小林村長だ。

    ■    ■

 「少子高齢化の原因の一つは、地元に仕事がないことだが、現状では村内への企業誘致は極めて厳しい。かといって、年々人口が減少する中、行政として何らかの手を打たなければ村はさらに衰退してしまう。これを防ぐには、国際結婚を積極的に推し進めるしかない」と小林村長は語る。村民の一部には「将来、ハーフが増えてしまう」と敬遠する声もあるが、「これまで村内男女の結婚の仲介も試みたが、いまだ成功に至っておらず、他に選択肢はない」。また、フィリピン人にこだわる理由については「中国残留孤児の子供やブラジル日系3世、韓国人なども調査したが、彼女らは東京や関東周辺での生活を希望する人が多い。それに比べてフィリピン人は、こんな田舎でも来てくれるという実績もある。また、対象が(すでに来日しているフィリピン人花嫁の)親戚関係者などなら受け入れる側も安心で、彼女らもコミュニティーに入りやすい」とメリットを強調する。

 ところで、公募からすでに2カ月近くたつが、肝心の応募は1件もないという。小林村長は「プライバシーにかかわることであり、切り出しにくいのでは」とした上で、「村内には独身男性の母親たちが集まる美容室も数店あり、今後ここに依頼して情報を集めたい」と意欲を見せる。また「さらなる国際化に対応するため、10月から保育園で英語活動を導入したほか、将来的には日本語教室を学校にし、看護コースも設けるなどして、病院でも働けるようにしたい」という。

    ■    ■

 一方、フィリピンから嫁いできた女性たちは、村でどんな暮らしをし、行政に何を望んでいるのか。

 武石ジョナリンさん(29)は旧鷹巣町に住むおばの紹介で平成18年2月、フィリピンで夫の昌悦さん(46)と結婚。同年7月に来日し、現在、昌悦さんの両親と一人息子(1歳4カ月)の計5人で暮らしている。集落では国際結婚第1号だが、近隣住民も最初から気軽にあいさつしてくれ、「会話と納豆以外は困ったことはなかった」。すぐに日本語教室に通い、漢字の読み書きにも励んだ。出産を経て、今年7月には念願の車の運転免許証も取得し、8月から村内の縫製工場で働いている。

 国際結婚については「嫁いできてよかったと思っているが、働く場所が少ないのが一番の悩み」といい、職場の確保を行政に求めている。そして最後に「もう一度生まれ変わっても今の夫と結婚したい」と笑った。

      ◇

  ■日本語教室と国際サポーター村では現在、フィリピン人妻を対象にした日本語教室を週2回、開催している。講師は村教育委員も務める小林幹子さん(54)。受講生は3~5人で「決まった教科書のほか、彼女たちの子供が持ち帰った学校便りや料理のレシピが教材になることもある」そうだ。小林さんは県地域国際化アドバイザーのほか、今年4月からは村の国際サポーターも兼務。語学指導のほか、フィリピン人妻たちの悩みや困りごと相談にも乗るなど、公私にわたって支援している。

真砂・クリスチーナ・さゆりさん

2008-11-20 09:16:42 | TOYAMAな多文化共生
真砂・クリスチーナ・さゆりさん

2008年11月18日
写真

真砂・クリスチーナ・さゆりさん=10月24日、富山市新総曲輪の県警本部会議室

真砂・クリスチーナ・さゆりさん(ブラジル)

 京都国際文化協会が主催する外国人対象のエッセーコンテストで、南米県費留学生の真砂・クリスチーナ・さゆりさん(30)=写真=の作品が優秀作に選ばれた。祖父が小矢部市出身の日系ブラジル人3世。4月から、富山国際大学地域学部で環境保全技術などを学んでいる。

 幼いころ、祖父母から聞いた「日本」は地域の結束が強く、高齢者を敬う国だった。来日して見たのは、電車で高齢者に席をゆずらない若者や講義中に居眠りする大学生……。「ショックだった」。でも四季の移ろいや夏の浴衣など、「すてき」な日本も見つけた。エッセーには、そんな驚きを素直につづっている。

 ブラジルでは学校に通い出すまで、ポルトガル語よりも日本語のほうが得意だった。学校では外見から「日本人形が歩いているみたい」と言われ、嫌な思いもした。だが友だちも、ルーツはイタリアだったりドイツだったり、様々。高校生のころに「人と違っていて当たり前」と思えるようになった。今は、自分自身を「ブラジル人」と感じる。

 手の細やかな動きが特徴的な日本舞踊や邦楽の音色、美しい着物……。自分の目には素晴らしく映る日本文化に、日本の同世代の若者が、あまり興味を持っていない様子を見ると、「そのうち、なくなってしまうのではないか」と寂しくなった。

 今年は、ブラジルに日本人が移民して100年。その日系人社会でも、世代交代が進み、1世が伝えた日本文化が伝わるかどうかの瀬戸際だと思う。一方で、ブラジル人の友人が能を取りこんだ芝居をつくるなど、日系でない人が、日本の文化を素晴らしいと見てくれることも少なくない。「日本の特徴を取り入れた『ブラジル人』になってもいい」。日本で半年間過ごした今、そんな風に考えている。(増田愛子)

日系ブラジル人大量解雇 一時帰国は片道チケットで

2008-11-19 14:19:45 | 多文化共生
(以下、asahi.comから転載)
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日系ブラジル人大量解雇 一時帰国は片道チケットで

2008年11月18日


(写真)
東海、関東地方で求職中の日系ブラジル人らから続々と電話が入る。机には200枚以上の求職者リストが積まれていた=滋賀県甲賀市、金成写す

 製造業の現場を支えてきた日系ブラジル人に「大量解雇」の大波が押し寄せている。金融危機の直撃を受け、輸出企業が軒並み生産を減らしているからだ。クリスマスシーズンを前に、景気回復の見当がつかず、「片道チケット」で帰国する日系人が多い。

     ◇

 「漢字も読める若い人が失業するなんて……」

 5日、滋賀県甲賀市にある日系ブラジル人専門の派遣会社「小西産業」で、求職相談の電話を受けていた女性社員はこう嘆いた。

 午前中だけで相談の電話が8件。ほとんどが東海、関東地方の日系人からだ。途中、同社の事務所を直接訪ねてきた40歳代の日系人男性もいた。岐阜の派遣会社のアパートから追い出され、車中泊をしながら仕事を探していた。

 「自動車以外の企業が多い滋賀にはまだ仕事がある」。日系人の間でこんなうわさが広がり、相談が増えているのだという。だが、同社にはすでに求職者200人以上が登録して、仕事を待っているのが現状だ。

 滋賀県には1万4千人のブラジル人が暮らし、西日本で最も多い。家電や輸送機器関連の工場が集まる県東部に多くが住み、街には日系人向けの食材雑貨店やレストラン、スナック、美容室が並ぶ。

 同県の日系人雇用は今年5月までは順調で、小西産業も人手不足に頭を抱えていた。4月下旬には重機メーカーが派遣会社の担当者を集め、「中国とロシアで重機が不足している。秋までに増産態勢に入る」と告げていた。

 6月ごろ、様子が変わりだした。日系人の残業時間が短縮され、土日が休みになることが増えた。派遣先工場からの補充要請もない。

 「減産計画が固まった。30人減らしたい」「契約を止めたい」。金融危機が深刻化した9月以降は、小西産業にもこんな連絡が相次いで入るようになった。同社では、6月には約50社に1700人の日系人を派遣していたが、11月には1300人に。受け入れ先のない派遣工員の解雇が続いている。

 小西産業の小西武志会長(72)は「こんな大量解雇は初めてだ」。年末には1千人まで減ると覚悟している。

 甲賀市に隣接する同県湖南市の幹線道路沿いにある南米人向けの食料店「スキナ・ブラジル」。買い物に来ていた日系2世の男性(37)は「給料が10万円台まで落ちた。もうブラジルに帰る」と話した。ズボンのポケットから取り出した勤務表には、休みのマークが連続していた。

 この男性は10年以上前に父を亡くしており、市内のアパートで一人暮らしをしながら、月給からブラジルの母に10万円を仕送りしてきた。「長男だからホントに困った。いったんブラジルに戻るつもりだ」

 スズキやヤマハなど輸送機器関連の工場が多い静岡県西部。浜松市内の派遣会社で日系人採用を20年ほど担ってきた社員(61)は「もはや営業努力でどうにかできる問題ではない」。9月以降に減産する工場が相次ぎ、250人いた派遣工員が半減した。

 外国人労働者の相談を受けてきた静岡ゼネラルユニオンによると、お盆以降、雇用期間中に突然解雇されるケースが急増している。仁科敏夫書記長は「重宝されてきた通訳まで解雇されている。大手各社が減産・減益を公表しており、さらなる悪化は避けられない」と気をもむ。

 クリスマスシーズンは、ブラジルに残した家族と一緒に過ごすため一時帰国する日系人が多い。ブラジル旅行社浜松支社のナガツカ・クロドアウドさんは、「今年はワンウエー(片道)チケットで国に帰る人が増えた。日本の景気がいつ良くなるか分からないから、リターン(復路)チケットを買ってくれない」と話している。(金成隆一)

【外国人と暮らす 共生の行方】(中)自治会に“国連”

2008-11-19 14:19:05 | 多文化共生
(以下、産経ニュースから転載)
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【外国人と暮らす 共生の行方】(中)自治会に“国連” (1/2ページ)
2008.11.19 08:04
横内団地の集会所では、外国人住民に日本語を教える教室などが開かれている=神奈川県平塚市横内団地の集会所では、外国人住民に日本語を教える教室などが開かれている=神奈川県平塚市

 ■話し合い積み重ね問題解決

 外国人と日本人が暮らす地域で起こるトラブルは、どうやって防止、解決すればいいのか。自治会内に「国連部」という組織を設け、各国の住民が話し合いで道を開いているケースが、神奈川県平塚市にある。

 JR平塚駅からバスで約20分。約1360世帯が生活する横内団地に住む外国人は、全世帯の1割を超える180世帯以上で、出身地はカンボジア、ラオス、中国、ベトナム、ブラジルなど11カ国に上る。

 団地内に外国人の入居が始まったのは平成元年ごろ。県内にインドシナ難民を支援する施設があり、難民が移り住んだのがきっかけだった。やがて外国人が多い団地と評判になり、次々に外国人が集まってきた。

 集団で酒を飲みながら路上で遅くまで騒いだり、ごみをそのまま窓から投げ捨てたり…。外国人住民の数が増えたことで、日本では考えられないような行動が目立つようになった。約30年間、この団地で暮らす横内団地連合自治会副会長の芦沢操さん(70)は「ちょっとした広場があれば車座になって騒いでいた」と振り返る。

 トラブルに対応するため、自治会は6年、各国の代表で構成する国連部を設置。ある国の住民が路上で騒いで困るとの苦情が寄せられると、その国の代表と一緒に注意したり、日本の生活習慣について話し合う場を年に4回設けたりした。

 団地の集会所では、ボランティアも加わった日本語教室も開かれている。日本語が不自由な住民への語学指導に加え、学校の授業に遅れがちな外国人児童・生徒への補習、身の上相談も行っている。

 こうした取り組みは外国人住民に好評のようだ。集会所で日本語を学ぶティム・スレイワンさん(29)は18年にカンボジアから来日。19年9月から住む横内団地の印象について、「日本人との交流も多いし、住みやすい」と話す。

外国人指導充実で知事に中間提言 県生涯学習審

2008-11-18 13:24:28 | 多文化共生
(以下、静岡新聞から転載)
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外国人指導充実で知事に中間提言 県生涯学習審
11/18 07:59
 県生涯学習審議会(会長・阿部耕也静岡大生涯学習教育研究センター教授)は17日、外国人の子供の社会的な自立に向けた支援施策をまとめた中間提言を県庁で石川嘉延知事に提出した。
 提言は▽外国人児童生徒の指導に当たる教員・支援員などの確保及び資質向上▽外国人の子どもの社会的自立を支援する体制整備▽外国人の子どもに関する教育相談体制の整備▽多文化共生社会を構築するための人権教育・国際理解教育の拡充―の4項目。具体的施策として、市町に対して外国人児童生徒の母語を話せる支援員の配置を促すことや教員研修、就学・就職指導の充実、先進的な取り組みを行う市町との連携強化などを盛り込んだ。
 外国人の子供の現状については「定住化傾向が強まる中、言葉の壁などによって安定した就労に必要な学力や職業的スキルを身に付けられず、社会的自立が困難」との認識を示した。
 阿部会長は「緊急の課題が多い。よろしくお願いしたい」と早期の対策を要請した。石川知事は「何万という人が入ってきて、定住化するのは確定的。何らかの対応を取りたい」と述べた。
 県や県教委の調査によると、県内の公立小中学校に就学している外国人の児童・生徒は10年前の2倍近い4437人(平成20年5月)。高校進学者も増加しているが、通訳などを行う市町の支援員は14市町で72人にとどまる。

仕事がない!出稼ぎの日系ブラジル人深刻 景気悪化直撃

2008-11-17 12:01:59 | 多文化共生
(以下、asahi.comから転載)
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仕事がない!出稼ぎの日系ブラジル人深刻 景気悪化直撃

2008年11月16日

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かつては求人募集で埋まっていたサンパウロ市内の国外就労者情報援護センターの掲示板には、神奈川県のクリーニング店と埼玉県の製めん工場の求人が2件だけ。残りのスペースは日本語教室の案内のポスターで占められていた=今月10日、平山写す

 【サンパウロ=平山亜理】金融危機がブラジルから日本に出稼ぎに行く日系ブラジル人を直撃している。多くが働く自動車や電子機器部品などの工場で、減産や人員削減が相次いでいるためだ。「今年いっぱい、誰も送ってくるなと日本から言われた」と人材派遣会社のサンパウロの担当者は頭を抱える。

 「景気悪化で真っ先に切られるのは日系ブラジル人だ」。日本の人材派遣会社のサンパウロ支店の責任者は、不安な表情で話す。

 この会社は、愛知、静岡などの電子部品や自動車部品工場と契約。日系ブラジル人5千人を派遣していたこともあるが、今は4千人に減った。今年1月までは「月100人」というノルマを達成するのが難しかったが、3月から依頼が減少。残業なしや配置転換などで対応してきたものの、7月に60人を送ってから、8月以降はゼロに。新規の出稼ぎは一切断られているという。担当者は「来年も全く見通しが立たない」と不安を隠さない。

 群馬県に本社のある別の人材派遣会社は、ブラジルから月15人をパン工場に派遣してきた。時給900円で、電子部品などの工場に比べ時給が安いため、50、60代の出稼ぎが多かったが、最近は仕事を失った30代が増えているという。だが先月は10人だった派遣者も、11、12月は予定がない。「日本で働きたい」と言ってくる人には、「いまは仕事がない」と断っている。

 「残業がなくなって、生活出来なくなった」と、先月23日、ブラジルに戻ったサンパウロ市内のウィルソン・ミノル・オエさん(31)は話す。

 派遣会社を通じて去年7月から島根県の電子部品工場で働いていたが注文が減り、8月に職場の3分の2が解雇か配置換えになった。石川県の携帯電話の部品工場に移ったが、9月半ば、責任者に「残業はない」と言われた。残業代を含め23万円だった月収が10万5千円に半減。家賃5万円と食費で消え、帰国を決めた。

 最近は日系ブラジル人の日本での定住化が進み、何十年ものローンを組んで家や車を買う人も増えている。このため「残業代を当てにして生活していた日系人は、定時の収入では暮らせない」(派遣会社関係者)と言い、より深刻な状況になっている。

 在サンパウロ日本総領事館によると、日系ブラジル人の出稼ぎ者に出す特定査証は、8月は前月比で3割減と大幅に減った。その後も減少傾向が続く。ビザは前もって申請するため、「金融危機の影響は、まだ数字に表れていないが、これから出てくるだろう」という。

法律の違い市民に解説 日本とブラジル専門家 浜松

2008-11-17 12:01:28 | 多文化共生
(以下、静岡新聞から転載)
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法律の違い市民に解説 日本とブラジル専門家 浜松
2008/11/17
 ブラジルと日本の法律の専門家で構成する伯日比較法学会(渡部和夫会長)は16日、浜松市中区のアクトシティ浜松で両国の法律について話し合うパネルディスカッションを開き、来場したブラジル人市民の生活上の疑問やトラブルについて答えた。
 ブラジルからはサンパウロ州裁元判事でサンパウロ大教授の渡部会長や二宮正人同大教授ら5人、日本からは日系ブラジル人の訴訟などにかかわる弁護士2人が出席。両国の法律専門家が一堂にそろって市民の質問に答える機会は珍しく、約80人の参加者から離婚手続きや労働、子どもの問題などについて熱心な質問が飛んだ。
 渡部会長は「日本に暮らすブラジル人が抱える問題を具体的に知ることができた。どちらの国の法律に準拠するかによって解決法が全く異なるので、このような機会はとても大切」と話した。

県内在住外国人へ教育支援組織の創設を

2008-11-17 12:01:01 | 多文化共生
(以下、京都新聞から転載)
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Kyoto Shimbun 2008年11月16日(日)
県内在住外国人へ教育支援組織の創設を
滋賀の推進会議が中間提言

 しが多文化共生推進会議は、滋賀県内在住の外国人を支援するための中間提言を嘉田由紀子知事に提出した。教育がテーマで、外国人の半数を占めるブラジル人を念頭に、支援組織「子ども多文化共生センター」創設や、ブラジル人学校を私立各種学校として認可するなどの9項目を挙げた。

 このうち、子ども多文化共生センターは県を主体に創設し、民間団体や市町教委、学校向けに、語学教育の事例紹介や研修会開催などで側面支援する。

 県内に4校あるブラジル人学校については、実費負担が高いことから、県に対して専門学校などと同じ各種学校として認可し、財政支援が受けられるよう求めている。
 在住外国人支援の提言は初めてで、来年3月に医療対策を盛り込んだ最終報告書を提出する。中間提言によると、県内には外国籍住民が約3万1000人おり、県民全体の約2%に増えているという。

抹茶で野だて足しびれた! 南区で外国人児童ら

2008-11-17 12:00:27 | 多文化共生
(以下、静岡新聞から転載)
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抹茶で野だて足しびれた! 南区で外国人児童ら
2008/11/13
 浜松市南区の砂丘小(大石隆示校長)は12日、国際ソロプチミスト浜松の協力で、同校の外国人児童に抹茶を味わってもらう茶会を開いた。
 正門前の前庭に、畳に野だて傘をあしらった茶席を用意し、4―6年の外国人児童約50人と保護者ら6人が参加した。国際ソロプチミスト浜松の会員でもある裏千家の高田芳子正教授(79)らが抹茶と栗蒸しようかんを振る舞い、児童らに礼の仕方など作法も指導した。
 児童らは「お点前ちょうだいいたします」とあいさつし抹茶を口に入れると、「苦い」「おいしい」などと顔を見合わせた。正座に慣れず、足がしびれてしまった児童もいた。ペルー国籍の6年、新妻健一君(11)は「思ったより苦くなくて、甘みがあった」と奥深い味わいを楽しんだ。
 茶会は大石校長が、前任の有玉小で茶道部を指導していた高田正教授に依頼して実現した。同校は約300人の児童のうち2割以上が外国籍で、大石校長は「違う文化を積極的に受け入れる子どもに育ってほしい」と願いを込めた。