多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

真砂・クリスチーナ・さゆりさん

2008-11-20 09:16:42 | TOYAMAな多文化共生
真砂・クリスチーナ・さゆりさん

2008年11月18日
写真

真砂・クリスチーナ・さゆりさん=10月24日、富山市新総曲輪の県警本部会議室

真砂・クリスチーナ・さゆりさん(ブラジル)

 京都国際文化協会が主催する外国人対象のエッセーコンテストで、南米県費留学生の真砂・クリスチーナ・さゆりさん(30)=写真=の作品が優秀作に選ばれた。祖父が小矢部市出身の日系ブラジル人3世。4月から、富山国際大学地域学部で環境保全技術などを学んでいる。

 幼いころ、祖父母から聞いた「日本」は地域の結束が強く、高齢者を敬う国だった。来日して見たのは、電車で高齢者に席をゆずらない若者や講義中に居眠りする大学生……。「ショックだった」。でも四季の移ろいや夏の浴衣など、「すてき」な日本も見つけた。エッセーには、そんな驚きを素直につづっている。

 ブラジルでは学校に通い出すまで、ポルトガル語よりも日本語のほうが得意だった。学校では外見から「日本人形が歩いているみたい」と言われ、嫌な思いもした。だが友だちも、ルーツはイタリアだったりドイツだったり、様々。高校生のころに「人と違っていて当たり前」と思えるようになった。今は、自分自身を「ブラジル人」と感じる。

 手の細やかな動きが特徴的な日本舞踊や邦楽の音色、美しい着物……。自分の目には素晴らしく映る日本文化に、日本の同世代の若者が、あまり興味を持っていない様子を見ると、「そのうち、なくなってしまうのではないか」と寂しくなった。

 今年は、ブラジルに日本人が移民して100年。その日系人社会でも、世代交代が進み、1世が伝えた日本文化が伝わるかどうかの瀬戸際だと思う。一方で、ブラジル人の友人が能を取りこんだ芝居をつくるなど、日系でない人が、日本の文化を素晴らしいと見てくれることも少なくない。「日本の特徴を取り入れた『ブラジル人』になってもいい」。日本で半年間過ごした今、そんな風に考えている。(増田愛子)

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