多文化共生なTOYAMA

多文化共生とは永続的なココロの営み

働くナビ:介護現場に外国人が増えています。

2010-04-05 09:45:56 | 多文化共生
(以下、毎日新聞から転載)
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働くナビ:介護現場に外国人が増えています。

 ◆介護現場に外国人が増えています。
 ◇不況で転職、行政も後押し ヘルパー養成など支援、課題は日本語読み書き

 「肩」「頭」「背中」。ビルの一室、隣の人と肩が触れるほど狭い机で、ブラジル国籍の和山クラウジオ和男さん(56)は真剣な表情で漢字の書き取りをしていた。

 三重県鈴鹿市のNPO法人「愛伝舎」が、県からの委託事業で3月に開催した「外国人向けホームヘルパー2級養成講座」。ブラジル、ペルー、チリ国籍の19人が参加した。「清拭(せいしき)」「骨粗鬆症(こつそしょうしょう)」など、読み方も意味も難しい専門用語にポルトガル語の対照表をつけ、講師と通訳がペアで教える。

 世界同時不況で、製造業の職場で働いていた多くの日系外国人が失業した。その後も製造業の雇用は回復せず、自治体やNPO法人が、介護分野への転身を後押しするようになった。

 和山さんは17年前、「余生は母国で」と望んだ移民1世の母(84)と、難病の妹(53)を連れて来日。部品工場や組み立て工場で働いては退職の繰り返しを余儀なくされ、昨春には、勤めていた部品製造会社が未払い給料を残して倒産した。母の世話と妹の看病をしながら次の仕事を探したが見つからない。真っ暗な気持ちの時、ハローワークで講座を紹介され「希望が生まれた」という。

 人間相手の仕事に不安もあるが、それ以上に喜びを感じている。「今までは部品を作り、検査して不良品を捨ててきた。人間は部品じゃないし、命に不良品はない。手助けが必要な人の役に立てたらうれしい」

 講座やセミナーで日系人の就職を後押ししてきた同法人の坂本久海子(くみこ)理事長は「日系人はコミュニケーション能力が高く、お年寄りを大切にする。介護に向いている」と話す。「日本で生きていくと決めた以上、もっとさまざまな職種に就き、安定した生活を築くべきです」。介護職には正社員採用の道も開けている。

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 同県四日市市の社会福祉法人「青山里会」では、特別養護老人ホームなど7拠点で働く職員約900人のうち61人が外国人だ(10年2月末現在)。介護現場の人手不足が深刻だった08年10月、介護経験のある日系ブラジル人を採用したのがきっかけだった。

 富永エリザベッテさん(48)はエアコン製造工場から転職。「気持ちが通じ合う時がうれしい。手取り給与は工場より減ったが、充実感があるし、正社員で安定している」と満足そうだ。

 青山里会人事室長の三瀬(さんせ)正幸さんは「会話能力の問題は解決できる」と話す。ある日系ブラジル人が発話がうまくできない子を担当したところ、数カ月後にはその子の言いたいことを一番くみ取れるようになった。壁になる介護記録の記入や書面での引き継ぎなどの読み書き。漢字まで十分分かる人は少なく、日本人職員がカバーせざるを得ない。そのためにもお互いを理解することが重要で、親睦(しんぼく)会や研修旅行を欠かさないという。

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 それでも介護士として働ける外国人は、基本的に日系ブラジル、ペルー人と日本人の配偶者に限られている。

 「働きたい外国人は多いと思う」と話すのは、ネパール国籍のチベット難民2世ドルマ・セーリングさん(35)=東京都荒川区。日本留学後「人の役に立つ技術を身につけたい」と介護福祉専門学校に進み、都の奨学金を受けた。実習ではお年寄りに「遠いところからよく来たね」と励まされ、深夜まで勉強して介護福祉士の試験に合格した。だが就職段階で、介護職では労働ビザが認められないと知った。やむなく別の仕事に就いたという。【藤田祐子】

求人、舞台は世界へ 日本企業に外国人採用広がる

2010-04-05 09:45:30 | 多文化共生
(以下、朝日新聞から転載)
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求人、舞台は世界へ 日本企業に外国人採用広がる

2010 年4月5日3時3分

写真:同僚と打ち合わせをするリーさん(右端)=川崎市幸区の東芝・ソフトウェア技術センター同僚と打ち合わせをするリーさん(右端)=川崎市幸区の東芝・ソフトウェア技術センター

写真:1月に開かれたインド人の新卒を対象にした入社式=東京都品川区の楽天本社、楽天提供1月に開かれたインド人の新卒を対象にした入社式=東京都品川区の楽天本社、楽天提供

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 国境を越えた人材獲得が日本企業に広がっている。日本への留学生だけでなく、海外の大学を卒業した外国人を本社スタッフとして採用する例も増えた。少子高齢化で国内市場が急速に縮む中、海外ビジネスを広げるために「グローバル採用」のアクセルを踏んでいる。

■海外の大学卒に注目、「よりグローバルな人材を」

 「東芝はグローバルな会社。チャンスがあれば海外の研究拠点で働き、経験、知識を広げたい」。川崎市にある東芝のソフトウェア技術センターで働くリー・クァンリン・サムソンさん(29)は、シンガポール国立大学で電気工学を専攻。源氏物語の英語版を読破するなど日本文化に興味があり、卒業後の2006年10月に入社した。

 東芝は06年度から、拠点があるタイやシンガポールなどの大学の卒業生を採用し始めた。リーさんは「1期生」。それまでは日本留学の経験者を採っていた。人事部の鈴木誠一郎・人材採用センター長は「よりグローバルな人材活用が必要と判断し、日本語を採用条件にはしないことにした。欲しいのは25年後に事業部のリーダーになれる人材だ」という。

 「(海外の売上高を増やすには)とがった製品を作ることが必要。日本人とは違った価値観を生かすことで、現地に適したものづくりができると思う」。システムキッチンなどの住宅関連メーカー、パナソニック電工のムサエワ・フェルザさん(ウズベキスタン出身)は3月、外国人留学生を対象にした入社セミナーで、こう話した。人事部採用グループで08年に入社した。

 09年の国内の新設住宅着工戸数はピーク時の半分以下の約80万戸。人事部の行岡正恭・採用グループ長は「海外展開に力を入れるしかない。まず『内なる国際化』を進める」という。異文化の人材を受け入れて組織を活性化させようと狙う。

 企業も変わろうとしている。楽天は、毎週月曜午前7時から執行役員ら数十人が出席して開かれる幹部会議の発表資料を2月から英語とし、3月からは発表言語も英語にした。全社員が出る朝の会議の資料も2月後半から英語になった。同社は今年を「真の世界企業への脱皮の年」と位置づける。

 一方で、海外の新卒者はまず、日本の技術部門で勤務。日本語の習熟度を高め、「楽天主義」と呼ばれる社内文化や、報告、連絡、相談を徹底させる「報連相」などのビジネスマナーを学んだ後、将来は出身国で活躍してもらうことを視野に入れる。

■国内に14万人、言葉の壁も

 人事コンサルティング会社、ジェイエーエスの小平達也社長によると、日本企業によるグローバル採用の「一波」は80年代後半から90年代初頭のバブル経済のころ。大手が欧米の文系スペシャリストを採ったが、バブル崩壊とともに下火になった。

 第2期は90年代後半。IT企業や外資系が即戦力のインドや中国のエンジニアの採用を増やした。第3期は04年以降。アジアなど新興国への進出を迫られ、日本語を話せる留学生を中心にエンジニアの採用を増やした。

 「いまは新たな波の前の端境期。ポスト3.0(第3期の後)だ」と小平社長。ここ数年、外国人採用による「組織の多様化」を期待する声が多いという。

 日本人技術者の不足傾向も背景にある。法務省によると、「技術」資格で新規入国した外国人は98年は3293人だったが、08年には1万626人に拡大した。

 いま日本には14万人近くの「外国人社員」がいる。厚生労働省が富士通総研に委託して昨年9~10月、上場企業を対象に実施したアンケート(約800社が回答)によると、4割弱が技術者など高度な知識を持つ外国人を採用していたが、そのうち4割以上が「受け入れ部署が限られる」との悩みを抱えていた。「言語・コミュニケーション上の壁」との回答も4割近くを占めた。

 また、一度は外国人を雇用しながら中止した58社に理由を聞くと、4社に1社が「処遇条件が良好な他社への転職が多かった」、2割が「雇用管理できる管理者が不足していた」と答えた。

 外国人採用に熱心な富士通。言葉や異文化の壁で離職に至るケースを減らすため、生活や仕事に関する情報を入手できる英文サイトの立ち上げや異文化交流のセミナーを開くなど、孤立化を避ける取り組みを進めている。(古屋聡一、編集委員・織田一)

ブラジル人学校から大学入学 日系人の熊谷さん

2010-04-05 09:45:06 | 多文化共生
(以下、47NEWSから転載)
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ブラジル人学校から大学入学 日系人の熊谷さん

 ブラジル政府認可のブラジル人学校「日伯学園」(群馬県大泉町)を昨年12月に卒業した日系ブラジル人、熊谷マイラさん(18)が4日、関東学園大(同県太田市)の入学式を迎えた。熊谷さんは「大学は楽しそう。友達をいっぱいつくりたい」とキャンパスライフに胸を膨らませた。

 南米出身の日系外国人が多く住む市町でつくる「外国人集住都市会議」事務局の太田市によると、日本の高校を卒業して大学に入る日系ブラジル人は珍しくないが、ブラジル人学校からの大学入学は珍しいという。

 7歳でブラジルから来日した熊谷さんは途中に約1年、一時帰国した以外は両親らと大泉町で生活。当初はテレビを見ても何を伝えているか分からないなど日本語ができずに悩んだ。

 だが「ブラジルの大学を出ても就職は難しい。治安がいい日本が好きで、ずっと住みたい」と自宅に近い関東学園大の経済学部経営学科を受験し、書類と面接で審査するアドミッション・オフィス(AO)入試で留学生として合格した。
2010/04/04 16:39 【共同通信】

中国人に「医療観光」を本格PR 富裕層らターゲット

2010-04-05 09:44:41 | 多文化共生
(以下、47NEWSから転載)
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中国人に「医療観光」を本格PR 富裕層らターゲット

 日本で人間ドックはいかが―。観光庁は2010年度から、中国人富裕層らをターゲットに、検診や治療と観光を組み合わせた「医療観光」をPRする取り組みを本格的に始める。

 観光庁は、日本の高度な医療技術による健康診断や治療、日本の温泉や日本食などと観光を複合的にアピールし、鳩山政権が目指す「訪日外国人旅行客3千万人」の達成につなげたい考えだ。

 10年度は主に中国を対象に、日本の医療観光に対する認知度や期待度を調査、マスコミや旅行会社を招き日本の医療現場などを視察してもらう方針。既に外国人を受け入れている医療機関の情報を関係者が共有できるようにするほか、海外で外国人の治療のため導入されている「医療用ビザ」制度も調査する意向だ。

 自治体などでも取り組みが始まっており、徳島県は3月下旬、中国人向けに糖尿病検査の試験ツアーを実施。地元食材を使った低カロリー食や、鳴門のうず潮観光などを組み入れた。

 県観光企画課によると、参加者はスムーズな検査を高く評価したが、検査の種類を増やしてほしいとの要望や、観光地に中国語の案内が少ないとの指摘があったという。
2010/04/04 16:29 【共同通信】

在日外国人ら支え20年、「ふれあい館」重度館長が退任/川崎

2010-04-05 09:44:11 | 多文化共生
(以下、カナロコから転載)
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在日外国人ら支え20年、「ふれあい館」重度館長が退任/川崎
2010年4月4日

講演会で自身の半生を振り返った重度さん=3月28日、川崎市川崎区
 在日コリアンが多く住む川崎市川崎区で、日本人と在日外国人との交流を進める「市ふれあい館」。この春、約20年間館長を務めた重度(ペェチュンド)さん(65)が退任した。指紋押捺(おうなつ)拒否運動で先頭に立つなど“闘士”のイメージが強い在日2世だが、その半生は義理と人情に満ちていた。

 先月28日の講演会。「こわもて」でならしたその背中は、わずかに丸くなっていた。「老いぼれのつぶやきを、よかったら聞いてください」。込み上げる思いを、ぶっきらぼうな言葉でごまかした。

 闘争、闘争の日々だった。「次から次へと問題がわき上がり、ほっとする暇なんてなかった」

 1970年代の日立就職差別事件を皮切りに、児童手当や公営住宅入居資格など、在日コリアンの市民権確立を求めた行政闘争に乗り出す。80年代には指紋押捺を「犯罪者扱いする差別的制度」として、反対運動のデモを率いた。

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 意外にも、差別と闘うその裏で「ある種の後ろめたさを感じていた」と言う。差別を撤廃せよ、基本的人権を尊重せよ、と糾弾する自身の姿に思った。「きれい事を言う自分は、そんなにかっこよく生きているのか」

 人として恥ずかしくない生き方をしているか、先頭に立つだけの存在になり得ているのか。葛藤(かっとう)の末に見えてきたのは、一つの答えだった。「相手を尊重し、相手から尊重される信頼関係を築けない限り、人の心は動かせない」。88年、活動の拠点として設立したふれあい館ではだから、実践活動にこだわった。

 行政の担当者と杯を交わして冗談を言い合い、深夜まで愚痴を聞いた。歩み寄り、知恵を出し合った。創設4年目。ふれあい館が初めて市に提出した報告書には一つのスローガンが刻まれた。「誰もが力強く生きていくために」

 四半世紀がたとうとする今。ともに仕事をした市の職員、協力し合った地域の小中学校の教諭、支えてくれた家族…。講演に駆け付けた“同志”を前に、自らにあらためて問い掛ける。思い描いた世界は実現できたのだろうか。

 「制度による差別はなくなってきたと思う。しかし、むしろ突破していかなければならないのは意識による差別。朝鮮学校の外に出たら日本名を名乗り自分を隠すように生きる社会は、やはりおかしい」

 越えられた壁。

 そして、越えられなかった壁。

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 近年、ふれあい館は、日系ブラジル人や日系フィリピン人らニューカマーの活動拠点にもなりつつある。「実践活動は脈々と受け継がれ、個性的なスタッフが力を発揮してくれている」。これからは館を運営する社会福祉法人・青丘社の理事長として、活動に携わり続ける。

 「老体にむちを打って、働きますよ」。新たな門出に、独自の“浪花節”を響かせた。

 重度(ペェ・チュンド)1944年、東京都生まれ。88年の川崎市ふれあい館の創設に携わり、90年から同館館長を務める。現在は保育や高齢者福祉、障害者福祉などを手掛ける社会福祉法人・青丘社の理事長。2004年に神奈川文化賞受賞。川崎区在住。65歳。

【日本の議論】永住外国人が急増する背景とその実態

2010-04-05 09:43:42 | 多文化共生
(以下、産経新聞から転載)
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【日本の議論】永住外国人が急増する背景とその実態
(1/5ページ)(2ページ以降略)
2010.4.4 07:00

ネパール人が経営する世界各国の食材店=東京・大久保(緑川真実撮影)ネパール人が経営する世界各国の食材店=東京・大久保(緑川真実撮影)

 永住外国人への地方参政権(選挙権)の付与の是非が大きな争点となる中、永住者の資格を持つ在日外国人に注目が集まっている。参政権の付与対象は、永住者49万人と在日韓国・朝鮮人ら特別永住者42万人の計91万人だが、このうち永住者が急増しているためだ。「わが国の国益を踏まえた議論が乏しい」と懸念する識者がいる一方、外国人の定住・永住化が進む現実を前に、外国人の人権確立を訴える声も上がっている。

確定申告で「扶養家族」続々

 「永住中国人の確定申告はすさまじいばかりだ」

 関東地方の税務署関係者が明かす。

 「中国本土に住む両親、兄弟、配偶者の両親、その兄弟姉妹…と、両手の指で数えられるほどの『扶養家族』がついてくる」

 所得税や住民税では、納税者に扶養家族がいる場合、一人当たり一定額の所得控除があり、還付が受けられる。その仕組みを利用した“節税対策”という。

 「最終的に納税額がゼロになるまで扶養家族をつける。足りないと、出直してまで扶養家族を足してくるケースもある。韓国やロシアなど他国人と比べ、そうした申請は中国人が突出している。法律に違反しているわけではないし、大家族の国なので、そういうこともあるのかもしれないが…」

 法務省入国管理局の統計によると、在日外国人は平成20年末時点で221万人と総人口の1・74%。このうち在留期限や就労に制限のない永住権を持つ永住者は49万2千人と50万人に迫る。

 かつては在日韓国・朝鮮人ら特別永住者が最多だったが、高齢化で年々減り続ける一方、永住者は10年間で5倍に急増し、19年に特別永住者を上回った。とりわけ中国人は14万2千人で、永住者の3・5人に1人は中国人となっている。