なんとなく、親近感を覚える…(笑)
(以下、読売新聞【埼玉】から転載)
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外国人と警察 橋渡しを ブラジル出身の署員 活躍中
本庄・香月さん 窓口対応、柔道指導も
窓口で日系ブラジル人の市民に接する香月さん(本庄署で)
香月(かつき)シルヴィオさん(30)は、複数の肩書を持っている。元日系ブラジル人、ただ一人の外国人共生対策支援専門員、本庄署警務課の国際係員、そして署の道場の柔道指導員だ。ポルトガル語と柔道二段の腕前をいかし、外国人と地域の橋渡し役になって1年。署内や地域で香月さんの存在感が増している。外国人との共生対策に本腰を入れ始めた県警は「将来増員する際の専門員のモデルケースに」と期待を寄せている。
ブラジル北部パラー州の港町ベレンで育ち、父親の仕事の都合で12歳の時に来日。旧上福岡市(ふじみ野市)で生活し、地元の公立小学校に通った。しかし、日本語が分からず苦労を重ね、いじめも経験した。
悩んだ香月さんを救ったのは、母親の勧めで始めた柔道。中学校から柔道部に入り、県立川越高時代には定時制全国大会で個人戦3位に輝いた。高校卒業後は専門学校を経て、都内の防犯機器販売会社の営業マンとして働き、2006年には帰化した。
県警が非常勤の外国人共生対策支援専門員を公募しているのを知ったのは08年。事件の被害に遭っても、日本語が話せずに泣き寝入りしたり、日本人と同様の行政サービスを受けられなかったり、日本で暮らす外国人の苦労に接してきた。
「人助けができるなら」と応募すると、語学力などが評価され、採用。昨春、本庄署に配属された。県などの調査によると、09年末の県内の外国人登録者は12万3593人。このうちブラジル人は1万2145人で、1割弱だ。しかし、本庄署が管轄する本庄市と上里町では、外国人登録者3807人に対し、ブラジル人は1961人と5割を超える。
署では、市民向けのミニ広報誌を翻訳したり、外国人の来庁者に対応したりする傍ら、署員に同行して巡回もする。香月さんが署内でポルトガル語を教えることで、来訪者の対応や職務質問の際、あいさつだけでもポルトガル語を使う署員が増えた。上司の山内孝好・警務課長は「とても勉強熱心。香月さんがいるので、外国の方も安心して署に来られているのでは」と仕事ぶりに太鼓判を押す。
香月さんがもう一つ力を入れるのは、署主催の柔道教室だ。香月さんの要望で外国籍の子どもたちの受け入れを始め、今年度からは昨年度の週1回から2回に増やした。日系ブラジル人の小学生5人が元気に通っう。自分が味わった苦い経験もあり、「忍耐力を身につけ、摩擦を乗り越えてほしい」との思いがある。
「香月さんがモデルケースになり、将来的に専門員を増やせれば」と県警組織犯罪対策課も活動に注目する。香月さんは「日本で働く外国人に、行政にかかわり、人を助ける仕事ができるという見本になりたい」と考えている。
(2010年4月14日 読売新聞)
(以下、読売新聞【埼玉】から転載)
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外国人と警察 橋渡しを ブラジル出身の署員 活躍中
本庄・香月さん 窓口対応、柔道指導も
窓口で日系ブラジル人の市民に接する香月さん(本庄署で)
香月(かつき)シルヴィオさん(30)は、複数の肩書を持っている。元日系ブラジル人、ただ一人の外国人共生対策支援専門員、本庄署警務課の国際係員、そして署の道場の柔道指導員だ。ポルトガル語と柔道二段の腕前をいかし、外国人と地域の橋渡し役になって1年。署内や地域で香月さんの存在感が増している。外国人との共生対策に本腰を入れ始めた県警は「将来増員する際の専門員のモデルケースに」と期待を寄せている。
ブラジル北部パラー州の港町ベレンで育ち、父親の仕事の都合で12歳の時に来日。旧上福岡市(ふじみ野市)で生活し、地元の公立小学校に通った。しかし、日本語が分からず苦労を重ね、いじめも経験した。
悩んだ香月さんを救ったのは、母親の勧めで始めた柔道。中学校から柔道部に入り、県立川越高時代には定時制全国大会で個人戦3位に輝いた。高校卒業後は専門学校を経て、都内の防犯機器販売会社の営業マンとして働き、2006年には帰化した。
県警が非常勤の外国人共生対策支援専門員を公募しているのを知ったのは08年。事件の被害に遭っても、日本語が話せずに泣き寝入りしたり、日本人と同様の行政サービスを受けられなかったり、日本で暮らす外国人の苦労に接してきた。
「人助けができるなら」と応募すると、語学力などが評価され、採用。昨春、本庄署に配属された。県などの調査によると、09年末の県内の外国人登録者は12万3593人。このうちブラジル人は1万2145人で、1割弱だ。しかし、本庄署が管轄する本庄市と上里町では、外国人登録者3807人に対し、ブラジル人は1961人と5割を超える。
署では、市民向けのミニ広報誌を翻訳したり、外国人の来庁者に対応したりする傍ら、署員に同行して巡回もする。香月さんが署内でポルトガル語を教えることで、来訪者の対応や職務質問の際、あいさつだけでもポルトガル語を使う署員が増えた。上司の山内孝好・警務課長は「とても勉強熱心。香月さんがいるので、外国の方も安心して署に来られているのでは」と仕事ぶりに太鼓判を押す。
香月さんがもう一つ力を入れるのは、署主催の柔道教室だ。香月さんの要望で外国籍の子どもたちの受け入れを始め、今年度からは昨年度の週1回から2回に増やした。日系ブラジル人の小学生5人が元気に通っう。自分が味わった苦い経験もあり、「忍耐力を身につけ、摩擦を乗り越えてほしい」との思いがある。
「香月さんがモデルケースになり、将来的に専門員を増やせれば」と県警組織犯罪対策課も活動に注目する。香月さんは「日本で働く外国人に、行政にかかわり、人を助ける仕事ができるという見本になりたい」と考えている。
(2010年4月14日 読売新聞)